6年生は理科で月の満ち欠けについて学習します。
月は、毎日、見かけの形が変わります。
11月9日 11月26日
観察させたい月の形の時に休みの日だったり天気が悪かったりして
なかなか授業を始めることができませんでしたが11月26日に2回目の観察ができました。
観察するときは太陽と一緒に観察させました。
11月9日では太陽は写真のずっと左側にありました。
11月26日は太陽は写真のずっと右の反対側の方にありました。
観察した結果をもとに授業を始めます。
11月9日の月と太陽、11月26日の月と太陽の観察結果から
月の形が変わるのは何が関係しているのかを考えます。
この時間の前には、月の写真のクレーターの影がみな同じ向きだったことから
月は自分で光っているのではなく
何かの光が当たっているので同じ向きに影ができていることを見い出しています。
何かの光は太陽ではないかと推論し、
2日間の観察結果から太陽と月の位置関係と月の形とを関係付けました。
そして、月の形が変わるのは月と太陽の位置が関係しているのではないか
という仮説を立てました。
仮説を確かめるための実験方法を考えますが、月や太陽を持ってくるわけにはいきません。
このような場合はモデル実験やシミュレーションをしないと検証できません。
今回は、太陽を電球(実際は懐中電灯)、月はボールにするという案が出ました。
なぜ、平面の円ではいけないのか?と聞くと、月は球だからというのですが
月が球形であることを見た人はアポロに乗って月に行った人だけです。
これより前の学習で太陽を望遠鏡で見たときや、月や太陽の写真を見たときに
中心部分が円周に近い部分より明るいことから
月は平面ではなく立体ではないかと考えました。
また、平面だと横から光が当たっても半月のようにはならない、
斜めに光が当たると欠ける境目が直線になって観察したような弧にならない。
という考えも出ました。
もう一つの情報として、月の画像を1か月撮影してつなげた連続画像を見せました。
http://melos.ted.isas.jaxa.jp/~satoh/moon/test2.html1か月の月の満ち欠けを短時間で見ることができます。
黄色い円の部分(危難の海)の右の方を連続写真で見てみると
危難の海の奥が見えるときと見えないときがあります。
上のサイトにある連続画像を動かして他の部分も観察してください。
月は首振り運動をしているので揺れて見えます。そのときに円周の奥が見えるのです。
つまり、月は円盤状の平面ではなく奥がある立体であることが分かります。
月が球体であることに決着がついたので、12月8日、
球体の物に光を当てて、月の形が変化するかどうかを確かめました。
月の代わりにはJAXA宇宙科学研究所教授の佐藤毅彦教授が開発したBaMoon(バムーン)
を使いました。
理科室を暗くして、バムーンを黒板に貼ります。
肉眼で見るだけでなく、タブレットPCをセットして写真を撮り、見返せるようにしました。
正面から光を当てて満月を再現します。
左の空気を入れていない平面のバムーンも空気を入れた右のバムーンも満月になりました。
今度は右から光を当てて、月が左側、太陽が右側である11月26日の月を再現しました。
今度は平面のバムーンは暗くなりましたが、膨らませたバムーンは半月になりました。
平面の月では半月はできません。
黒板の左から光を当てると11月9日のように左側が明るい半月になりました。
斜めから光を当てると欠ける境目が弧になることも確かめられました。
このモデル実験から、自分たちが建てた仮説
「月の形が変わるのは月と太陽の位置が関係している」ことが確かめられました。
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