校長室から発信
学力向上はチームとネットワークで
質の高い教育環境を持つ「布佐地域」
校長 杉橋 朋子
先週以来、雪、雪。そんな中2月15日(土)アビスタで、東葛教育交流会が開催さ
れた。学校と地域、保護者の連携について話し合うミーティングであり、125名の地域
住民や教員、保護者、関係機関の皆さんが一同に会した。星野市長や倉部教育長の
挨拶のあと、政策研究大学院大学の永井教授の「市民」育てる営みの重要さが基調
講演としてあった。事例は布佐中学校区の取り組みについてで、発表は布佐南小の
鈴木教頭が行った。
挨拶運動やFUSAmy♡プロジェクト2013マップつくりの取り組みが、4年をかけて継続さ
れ、その結果についての検証の報告を行った。
私は、社会(子どもにとっての社会とは「地域」だ)で進める活動は、子どもの社会化を
促進するものと考えている。コミュニケーション力、協働、企画力など、社会で最も必要と
される力だ。数学や国語で培ったアカデミックな学力は、ここに生かされて始めて生きて
働くちからになる。社会とつながった教育環境を創ることのできる「布佐」地域は、これから
間違いなく、シチズンシップにつながる高い学力を子どもに用意することができると思って
いる。私はもっともっと多くの方々と話し合い、語り合いをしたいと願っている。
生きて働く真の「学力」を求めて
15歳の「内省」
校長 杉橋 朋子
11月は校内でも文化的な行事があり、文化・芸術にふれる機会が多い。私は、生徒の
見聞きするものは、できるだけ質の高い文化・芸術であってほしいと思っている。
文化の秋というが、残念なことに、東京で開催される美術展などに出かけても、中学生
・高校生の姿はほとんどない。我孫子は、電車1本でも出かけられるという地の利を得て
いても・・・である。本物に遭遇できるチャンスというのに・・・である。
そうなるとますます、学校での文化活動は、その質の高さを求めていかねばならないだ
ろう。そういうわけで、私は、先月末に行われた合唱祭が終わったあと、生徒たちがこの
取組をどのようにとらえているのかに大いに興味を持った。それは、本校教育のレベルの
バロメーターだからである。
さっそく、3年生が書いた文章が校長室に届いていた。目にとまった一人の文章。実に
考えさせられた。 「人の心の動かし方」という視点で書かれたものだった。
「中学校3年生としては、人の心の動かし方といいますか、そんな感じのことがわかった
がします。」と書かれたその文章には、悪戦苦闘した練習の日々の様子が凝縮されてい
た。合唱が好きでない人に対して、どう声をかければよいか、その人が嫌な気持ちになら
ずに、素直に好きになってくれるか・・・」「うまく相手に伝える方法」のようなことが学べた
と。「いつも男子が」と責めてしまっていたけれど・・・と本人は振り返っていた。自分の在り
ようにきちんと向き合って、内省するこの生徒の姿に、巣立つに必要な力量を体得してき
ているという実感。
「卒業」する日は近い。3年生、最終章だ。しっかり「社会人」となる最後の勉強として
「自分」との格闘を最後まで続けてほしい。
ある生徒との話
ある生徒との話
校長 杉橋 朋子
日暮れが早くなり、5時前には、部活動が終了し、生徒たちは帰り支度だ。ちょうどそん
な時間帯だったと思うが、校舎の上の階でガラスの割れる音がした。私は、校長室で
お客様と話し合いをしている最中だったが、学年主任と教務主任が、火急のようだという
様子で校長室に走ってきた。ガラスの割れた状況とけがをした生徒がいたことの報告だ
った。来客は、校内で起こったことを察した様子で、あわてて帰っていった。
私は、すぐ保健室に出向いたが、職員室にいた職員がすでに階上に走り、ガラスの
後始末が行われていたし、担任が保健室に駆けつけていて、当人同士への聞きとりや
指導が行われていた。養護教諭の応急手当がすみ、病院への連絡もすんでいた。
幸いにも大事に至らずに済んだが、私が驚いたことは、夜7時近くになって、生徒が
一人で学校に来たことだ。私にお詫びを言いにきたことだ。
「親は仕事でまだ、帰宅していないが、友達や多くの人に迷惑をかけたこと、学校の
ガラスを破損したことに対して本当にすみませんでした」と、涙を流しながら、心底から自
分の行動を後悔している思いを話してきた。
近頃、このように自分の行為の足りなさを自分から悔いて、校長に報告に来る生徒は
いなくなった。 数分のやり取りだったが、”他人の非をあげつらうのではなく、自分の足
りなさを内省できる生徒”に出会った私のほうが、何か温かな気持ちになった。
”成長する”とはこのように自分を客観視して”内省できること”だと私はつくづく思った。
”音楽”をつくること
「文学」と「音楽」 布佐中の音楽のヒミツ!
市内音楽発表会のステージから
校長 杉橋 朋子
10月10日。夏のようなじりじりとした暑さとなったこの日。58名の3年
特設合唱団と吹奏楽部が柏市民文化会館で演奏してきた。
私は、布佐中学校生徒の奏でる音楽は、いつも彼らの心の響きとして
聴き入っている。この日も特設合唱団のアカペラの響きに魅了された。
聴いていた他校の校長先生からも、絶賛の声が聞かれて、私は嬉しかっ
た。どうやら、布佐中の演奏には、人を魅了する秘密が隠されているよう
だ。
秘密・・・それは、合唱にしても、吹奏楽にしても、演奏者は生徒自身だ
ということ。つまり、彼らが、自分たちの思いを束にして伝えることをしてい
るということだ。
しかし、この”思いを束にする”営みは、思いのほか難しいもの。歌詞
をどのように感じて表現するのかを、生徒自身で話し合いや伝えあいが
行われている。言ってみれば、小さな国語の授業がそこにあると言っても
よいかもしれない。要するに、文学の感受の世界から出発している。
手間も時間もかかるこの営みに、ちゃんと時間をかけている音楽科
主任の見識の高さもさることながら、それを年間指導計画にしっかりと組
み込んでいる布佐中音楽科カリキュラムの質の高さもある。
思いをひとつにして、詩を解釈することの上に立って、演奏が繰り広げ
られている。ここが少し他と違う。
11月に印西文化ホールにて、布佐中合唱祭が開催される。ぜひ、多く
の方々に”生徒の思い”を届けたいと思っている。布佐中にしかないこの
心の響きを。私は、豊かな気持ちで会場を後にした。
警察・福祉・地域との連携
校長 杉橋 朋子
子どもが登下校中に車に突っ込まれて重傷を負う。不審者に切られる、追いかけられるなどの報道を聞くたびに、安全神話が崩壊しつつあることを実感する。あってはならない事故・事件だ。
子どもの登下校の安全は、基本的には保護者の管理下にある。しかし、学校は、学校安全計画の中に、登下校の安全指導の計画を作成し、実施するようにしなければならないという「学校保健安全法」の改正(H20)に基づいて実施している。
本校では生徒会を中心として「マナーアップキャンペーン」として、月2回の小中高、地域による「挨拶運動」を実施している。また、地域での不審者情報に遭遇すれば、すぐに、交番や我孫子警察署生活安全課とつながるようになっている。そういった際の警察の動きは実に速い。すぐに学校に飛んでくる。また、毎日深夜、警察の方が布佐中学校の校舎周辺の見回りを行ない、結果を「パトロールカード」に記載し、ポストに入れていってくれる。
防犯指導員や地域自治会のパトロールも迅速だ。早朝、登下校時にさりげなく、見守りが行われる。地区社協や民生委員さんも同様に見守る。震災以来、布佐2丁目、3丁目の交通量の多い交差点では、長い間、地域の自治会や有志が安全指導を続けている。
学校の周りには様々な組織があり、学校もネットワークにつながっている。これらのつながりの豊かさが、子どもの安全を守ることになり、総合的に防犯が進んでいく。一つの学校がどんなに頑張っても網羅はできない。連携しながら共に歩むことが実は、子どもの安全を守る最大の危機管理なのだと痛感している。
自然災害と安全
昨日発生した 越谷市や野田市付近での竜巻被害から学ぶ
校長 杉橋 朋子
9月1日は、防災の日。9月2日の始業式後、本校では毎年この時期に、防災訓練を行っている。この日の午後 埼玉県越谷市、千葉県野田市で竜巻とみられる突風によって、大きな災害が発生し、けがをした生徒が出たニュースを聞いた。 本校で起こったとしたらと考えると背筋が寒くなった。しかし、「対岸の火事」にしてはならない。あらためて学校で行ってきた防災訓練の在り方を考えるきっかけとなった。
このような災害では、情報の断片が飛び散り、全体概要が把握しきれない。学校内でも同様で、体育館の生徒の情報、教室内の情報、下校中の生徒の情報、家庭の状況、地域の状況などの情報を集約、俯瞰することができずに、生徒の下校の可否、保護者のみなさんへの連絡方法など、正しい判断ができにくい。断片情報をつないで概要をつかむ努力をすることこそ、リスクを最小にした有効な対応となると考える。
「情報を紡いで、つなげて全体概要として共有化」することの訓練こそ、最も必要な内容なのだろう。その意味で、防災訓練は、生徒の訓練であると共に、教職員の「情報を紡ぐ」訓練なのだと思う。
本校は、地震を想定した訓練、校内で重大な事故発生を想定した訓練の2つを1日かけて実施。受傷者の状況、捜索の状況、AEDや担架の要不要などの判断をリレのーようにつないで本部の指揮官に届ける訓練だった。情報伝達ルートの検証をこの先、行っていく予定。
越谷市野田市の生徒たちのけがの回復を心から祈っている。
学校のウチとソトをつなぐ部活動
布佐中の「部活動」は学力向上を担っている!
校長 杉橋 朋子
梅雨明けとともに、炎暑となった。いよいよ総合体育大会の始まりである。一年のうち最も生徒のエネルギーが集中するする重要な時期となった。「部活動」をやると疲れて勉強しなくなる。「成績が下がったのは部活動のせい!」などの話は私も時々耳にするが、それはホントだろうか。
【部活動は、豊かな表現力や思考力を開花させる】
【部活動は、豊かな表現力や思考力を開花させる】
「部活動」と「学校の勉強」は別ものと考えられてはいないだろうか。
たがいに相反するものと。それは、本当だろうか。
7月10日、総合体育大会の皮切りに、葛南陸上競技大会が白井陸上競技場で開催された。
この大会では、1年生の多くが自己新記録をマークし、2人県大会出場を決めた。帰校したあと、
私は真っ先に生徒たちに意見を聞いた。新鮮な感覚のうちに彼らの感じたままを引き出し、
表現させることが重要だからである。
緊張したこと、他校の生徒から学んだこと、練習態度のこと、監督不在の時の態度のこと、
多面的に彼らは感じ取っていた。
「それらの原因や背景はどんなことから来ているだろう」と尋ねた時、あたりはシーンとして考え始めた。
まさに総合的に考えさせるチャンスだ。彼らにはその力がある。回答を教師が述べるのでなく、生徒が考えるのだ。
彼らは、部活動を軸として素晴らしい学習をしている。
7月13日(日)に吹奏楽部が「社会を明るくする運動」の趣旨に賛同し、ボランティアでミニコンサートを開いた。
会場となった布佐ナリタヤ駐車場では、主催の保護司さん、他民生委員、少年指導員、社会福祉課、
市長、地域住民など約70人が集まって聞き入った。当日までの段取り、道具の手配、楽器運搬のこと、
趣旨を広めるチラシ1000枚の作成と地域配布を吹奏楽部長を中心として生徒がすべて進めてきた。
担当窓口の社会福祉課の岡さんは、生徒を「おとな」として扱ってくれ、彼らの要望を丁寧に聞いて解決に導いてくれた。
このことは、生徒の自己肯定感を大きく引き上げ、やる気を持たせてくれたのである。
学校のソトの交渉を生徒が行い、学校のウチの力(部活動の意欲やコミュニケーション力)を高めてを引き出したのである。
学校のソトとのつながりや交渉は、部活動でできる学力である。結果は必ずついてくると確信している。
これから大会に臨む部活動には、ソトから学ぶことを期待している。保護者のみなさん、地域のみなさん、
布佐中を今後ともご支援していただきたい。
”節目”を考える進路保護者会
15歳の生き方を振り返る(進路選択)
校長 杉橋 朋子
体育館前に咲く紫陽花が一段と鮮やかに見える。湿度が高くうっとうしい梅雨空だった
が、実におおくの保護者の皆さんが集まった。それだけ、保護者の皆さんの関心の高さがうかがえる。いつも、この第1回の進路保護者会では、私にはどうしても伝えたいことがある。毎年、1月末に公立の”志願理由書”がとりまとまって私のところへ報告がくる。一人ずつ読みながら、中学校3か年の教育内容を振り返る機会としている。さらに、12月から2月にかけて、個別に”校長面接”を実施し、生徒の思考力や判断力・表現力などの「学力と「社会性」の一端が見える。その内容や書き方、所作から感じることが多くあり、そのことの一つを、保護者会の際に伝えたいと思っていたのである。
あの「志願理由書」には、3年間の生徒の思考力・判断力・学習意欲などが凝縮されてい
る。「高校の志望動機」一つを尋ねても、かえってくる回答は様々だ。それでよいと思って
いる。 自分の学習や体験活動に裏打ちされた”自分だけの答え”がかえってくる場合では、語彙も多く、場に応じた回答がある。さらなる質問にも、ひるむことなく答える。最終的には、「人の役に立つ」という発想も見える。人との豊かなコミュニケーション力があるということだ。
この力は、点数で出る力とは少し違う。いわゆるPISA型といわれる学力だ。学校での
勉強は、その深くて広い”人間力”をあげるためだ。よく考え、自分なりの判断を自分でできる。結果も自分で引き受ける。そんな力だ。
そのような力を評価するのは、社会の人や高校の校長先生であって、自分ではないということも重要だ。目線は常に「社会から」「自分」を見ることである。15才は、そんなことも十分できるような年齢となっている。この機会に、自分を客観視し、足りないものは何かと考えて、この先の数か月を送っていけるとよう、学習指導に当たりたいと思っている。
学習で「自立、自律」を教えていかねば。 そんなことを考えながら、帰り際、多くのお母さんと窓越しに話ができたことがうれしかった。明後日から試験。生徒には、自分の責任において、しっかりとした学習にいそしんでもらいたい。
体育祭から得る充実感
校長 杉橋 朋子
修学旅行や林間学校に引き続き、陸上競技大会、体育祭と終えることができた。やや忙
しい感もあったが、生徒の育ちが目に見えるような一か月だった。学級集団を形作ることに
先駆けて、学年や学校といった大きな集団を形成することとなり、新しいタイプの集団の形
成となった。大きな集団の形成は、生徒に全体を見通す広い発想を生む。これが実に
いい。
体育祭週間とはいえ、正味4日間。教師も生徒も情熱を傾け、ひたむきに作り上げた。
そこへ、自治会の皆さん、布佐地区の民生委員さん、市教委、教育長、教育委員、布佐
中の卒業生、保護者などが準備、撤収など団結して進めてくれた。
体育科の緻密な計画に支えられ、競技の相手を大切にするようにルールを守る教えを
施し、総力を挙げて取り組んだ。今までたくさんの体育祭を実施してきたが、正直な感想と
して、平成25年度の体育祭は、私自身にとっても、言葉にならない感動を覚えたので
ある。今、振り返ると、それは、まさしく「絆」によって支えられたものであったからだろうと
思う。述べ80人以上が来賓としてお越しになり、卒業生、保護者も懸命に支えてくれて
いる。私の心の中が次第に温かくなったのを感じている。感謝。感謝。
林間学校でつくる「絆」
学習の質を保障する 総合学習(林間学校)カリキュラム
校長 杉橋 朋子
福島県会津地方は、私たち2学年の教員と生徒の訪問を歓迎するかのように5月22日
から3日間、晴天であった。3,11以来3年間、この会津に林間学校で訪れているから、
経年で人や車の数の変化は一見してわかる。今年の会津地方は一昨年にくらべ、観光
客の数も多くなり、活気が感じられた。
休暇村裏磐梯の総支配人は、今年も布佐中を歓迎してくれた。横田先生以下パークボラ
ンティアの皆さんもお元気そうだった。前日に私たちの学校のために、磐梯山登山の可否
や雄国沼方面を歩いて、安全を確認してくれてあり、到着した日の夕方わざわざ、火山
博物館 副館長の佐藤 公先生がホテルまで訪ねて現状報告に来てくださった。
小山学年主任とその報告を聞いた。私たちの学校は、毎年このような方々との交流に
よって、奥の深い学習をさせていただいている。
さらに、「布佐中がどのような学習を何のために実施しているのか」といった目的もよく
理解していただいている。 このようなつながりを一過性にすることなく、次年度につない
でいくことが、この学習を成功させる秘訣だ。次年度につなぐものこそ、本校の総合学習
カリキュラムであり、校長や教員が変わっても、学校の教育の質を変えることなく、継続
していけるものなのである。 学校の外から支援するさまざまな方々とネットワークをつな
ぐ役目を、前年度の学年主任が果たして来てくれていることに感謝だ。今年もガイドさん
に直接お礼もいうことができた。
豊かな学習を終えてみると、2学年の生徒の新たなよさも多く発見できた。送り出してくだ
さった保護者の皆さんには心より御礼を申し上げたい。
福島に寄せる
明日から 林間学校へ
校長 杉橋 朋子
一年とはこんなに早いものだったか。もう林間学校の時期になった。本校の林間学校は、平成23年の5月、今年卒業した生徒が中学校2年生になった5月に福島県裏磐梯へ予定されていた林間学校から新しい1ページを開いたのである。震災と原発の影響で、軒並み、福島行きの教育旅行が取りやめになったおり、本校は、保護者の大きな後押しを得て、風評被害にあえぐ福島へ林間学校に出かけた。当時の実行委員長が、「私たちは風評被害を起こさない。」と勉強に勉強を重ねて行ったことによる。本校にとっても風化させてはならない保護者や生徒の思いである。
小山学年主任が、今日、最後の集会が行われる旨を知らせてくれたので、「風化させてはならないそのこと」を2年生に伝えたいと考えた。集会で往時の動きを話したところ、生徒たちは、じっと聞きいってくれた。生徒たちの真摯は態度と思いにふれて、意義深い林間学校になることは間違いないと確信した。保護者の皆さんにも今日まで、ご支援くださったことに感謝したい。
奈良のまちで
人とのつながりの中で 3年生の京都・奈良への歴史探訪の旅
校長 杉橋朋子
深緑の時期とはいえ、奈良はとにかく暑かった。うだるようなといったほうがよいほどで
ある。そんな中、全く見知らぬ土地に自分たちだけでたどり着いた生徒は、本当に見上げ
たもの。それだけでも尊敬に値する。
私は、薬師寺の北川参与に挨拶するため、いくつかの生徒のグループとともに、JTBの
山岡主任と出かけた。薬師寺の参与が、直接生徒のガイドをするなど普通では考えられな
いだけに、どうしても感謝の気持ちを伝えておかずにはいられなかったからである。
越川教諭と共に北川参与の話をきかせていただいた。生徒たちには、伽藍配置のこと、
薬師寺が塔の修復を、どのような思いで乗り越えようしたかなどを、切々と話していただい
た。私は、心の奥深くから湧き上がる何かの思いを感じ、今日ここに来れたことを幸せに感
じた。そのあと、斑鳩町のiセンターへ移動し、観光ガイド班の皆さん12人にお礼を申し述
べ、法隆寺へ出かける生徒を見送った。古都奈良のまちでの一日は、多くの方々との出会
いがあり、そのこと自体が私に充実感を与えた。無事帰校でき、関係各位に感謝したい。
修学旅行の意義
修学旅行の意義 校長 杉橋朋子
布佐中学校の修学旅行は「古都学習」として行われます。私にとっては、生徒引率としては、最後の修学旅行となります。5月8日(水)~5月10日(金)の2泊3日を、生徒にとっても、私自身にとっても有意義な学習の場としてしたい、そんな思いです。
【哲学のある学習を】
このように、歴史探訪とは実に奥が深い。皆さんは、2泊3日の学習で、しっかりと調べた疑問なら何らかの答えを見つけることができるでしょう。
しかしながら、私たちの古都学習は、少しばかりの回答を出すことのみに、多くのお金と時間をかけているのではありません。その先にあるもっと大切なこと、すなわち、物事に対する見方、考え方を鍛錬しようとしているのです。多くの時間とお金をかけるだけの学習の意義深さを追求してこその学習なのです。
さてそれはどのようなことでしょうか。布佐中の「総合的な学習」の計画には、2つの探究が含まれています。
1つ目は、3年生は「大人」になる最終章だということ。これはどうすることなのか。グループ活動や集団行動の中で、常に大人として、どのように行動するのか考えていくという探究です。
2つ目は、歴史探訪から見える「史跡や文化を今に受け継ぐ人間の存在」。これをどう受け止めるのか。ただ、「○○に行きました」という報告では不足です。行って、見て、史跡の存在する意味を探究してください。そこには、多くの人々の思い、英知、価値観が隠れています。それを考えることこそ、この学習の極意なのです。それには、京都や奈良のまちを歩き、人々に触れ、言葉をよく聞き、そこからわかることをしっかりと論じて、書き留めてください。
【この古都学習で“総合的な学力”がアップする】
ということで、皆さんが3年間培ってきた「総合的な学力」はこの古都学習で一つの区切りを迎えます。つまり、この学習にそれまでの成果がすべて表われていると言い換えることができます。京都、奈良を中心とした史跡は、古代日本の美意識や繊細なほどのセンスや思い、英知、価値観が詰め込まれています。皆さんなら、前述した2つの探究ができるものと確信しています。3日間、歴史探訪の「遊学子」として深く学んでください。本物の学力を向上させることは間違いない。いざ、出発!!
布佐中丸の出航!
新年度に当たり・・・
布佐中学校 校長 杉橋朋子
今年、布佐中は、心から「勉強したい」と考える子を育てることに力を
入れます。「 生きて働く学力」の向上を図ります。どうかご支援を。
子どもが「学習習慣」をつける ひ・み・つとは・・・・
お子さんは、毎日、家庭で勉強する習慣がありますか。「試験がなければ勉強しない。」こんなことはありませんか。
「○○があるから勉強する」方式では、勉強することが目的ではなく、何か他のわけがあってそのために「やらされている」ということです。「やらされ」方式は、長続きしませんね。単発で終わりますし、意欲を引き出すことも困難です。「やる気」を自分で引き出すためには、「試験があるから仕方なく勉強する」方式の考え方を繰り返していてはダメです。試験がなくなれば、とたんに勉強しなくなるのは目に見えています。勉強とは、自分がしたくなるからするものです。そのような「意欲」を引き出すことにもっと大人は、時間と熱意を傾けることが求められますね。
そのようにやらされ方式になる理由の一つに、「やる気欠如」の問題があります。「やる気」がでないのです。ここを改善しないといけません。この改善の一つに、友達の力を借りる方法があります。
つまり、「他者」と関係を作って進めるのです。「わからないから教えてよ。」と友達に声をかけるように促すこと、「わかるのなら、友達の手助けをしてみたらどうかな。」と言葉がけをすることなどです。「自分の力」が「人」に役立った、あるいは、「教えてもらってわかった。」などという成功体験を味わわせるのです。友達に「助かった。ありがとう。」と言われたら、「次、また、頑張るぞ。」というようになりませんか。
「教えてくれてありがとう。」というつながりを作る機会を提供することが私ども大人の役目のようです。
今年一年は、子どもの心から湧き上がる「学習意欲」を育てること、そ
してそれを習慣化することを、皆さんと一緒に考えていきたいと思いま
す。ご支援ください。
平成25年4月12日
保護者・地域の皆さんとつながって歩む学校
「学校の安心・安全は、保護者・地域社会とのネットワークから」
学校は、いろいろな方々に支えられて成り立っています。その一例を学校の安心・安全で見てみましょう。
布佐中学校は、まず布佐小学校と布佐南小学校とつながっています。 学力向上に関連したカリキュラム、生徒指導課題、登下校など。我孫子東高校とも連携しています。地域に貢献する生徒の育成は、4校の共通取り組みとして歩んでいます。
また、わだ幼稚園や宝保育園などにも多くの支援をいただきつながっています。
次に地域からは、ふさの風まちづくり協議会、布佐南まちづくり協議会、各自治会、民生委員児童委員、主任児童委員の方々、防犯協議会布佐支部の防犯指導員の皆さん、布佐地区のキャリア教育推進として布佐商興会、地区社会福祉協議会のみなさん、職場体験受け入れ事業所のみなさん、そして、布佐4校の防犯健全育成地域会議、我孫子警察署の生活安全課、地域課のおまわりさんなど。多くのネットワークに支えられています。このネットワークの網の目が、学校の安心・安全と、生徒の健全育成を支えているのです。
布佐中学校は、保護者の皆さんの大きなご支援とこのネットワークの網の目を大切にして地域の一員として歩んで行く所存です。今後ともご理解・ご支援をお願い申し上げます。
布佐中学校 校長 杉橋朋子
カリキュラムでつなぐ小中連携
みなさん、見に来てください。
新しいカリキュラムを3校で作りました。どうして作ったのか?それには3校の教職員には
ある思いがありました。それを研究紀要の冒頭に書きました。
ぜひご来校いただき、布佐小、布佐南小、布佐中と連続した実践を見ていただきたいと願
っています。
布佐のまちを支える小中の子どもを育てるという発想
学校は、子どもをよき社会人として生きるに必要な資質、能力をはぐくむ場所です。小学校、中学校の子どもは、同じ地域で生活しています。小学校から中学校と成長しながら、生活の範囲を広げつつ、地域とのつながりを深めています。 私たちは、改めて、子どもたちのすこやかな成長の鍵は地域にあると考えています。
朝、夕に路地に立ち、「おはよう」「おかえり」と声をかける街角の大人たちから、子どもたちは、規範や思いやりやコミュニケーションを学んでいます。布佐という地域にはそれだけの教育力があります。そのような布佐の地の教育力を私たちは、小、中をつないで子どもを育てる教育内容として開発したいと考えました。それには、一つの大きな願いがあります。この教育内容の存在により、布佐小学校、布佐南小学校、布佐中学校が未来永劫につながって、布佐のまちを支え続ける人材を輩出する地域の学校でありたいということです。私たち3校教職員は、地域、保護者の強い願いに支えられ、布佐の文化、歴史、風土、人、まち、くらし、まつり、水害などをテーマとして、教育内容を「ふさカリキュラム」として造りあげる決意をしました。その願いは唯一つ、「ずっとつながる小中学校でありたい」のです。
しかしながら、私たち教職員は、いつかはこの学校の勤務を去る日が来ます。私たち教職員がたとえ異動により入れ替わろうとも、この「ふさカリキュラム」は、次の代の教職員により受け継がれ、布佐の小中学校に通う子どもたちが、必修する教育内容として位置づくよう配慮したいと考えています。地域の方々には、このカリキュラムが、たゆみなく教え続けられるよう働きかけていただきたいと願っています。そのような思いをこめて、このカリキュラム開発の目的を記しておくことにします。布佐中 校長
平成24年度がスタート!
整然とした始業式でスタート
2年生、3年生はそれぞれ1年ずつ進級し、学校を支える学年となりました。私も3年目となりました。新しい職員を迎えて、新しい風を感じながら、心地よいスタートを切ることができました。
布佐中の学校文化ができつつあります。私は、その文化に、品格と秩序とエネルギーを加え、より質の高い教育内容を創造していきたいと切に願っています。
地域の方々と共に、社会性高く、主体的で、深い洞察力と行動力を備えた、地域の担い手となる生徒の育成を目指して行きたいと思います。今年度のご理解・ご協力をお願いいたします。
布佐中学校 校長 杉橋朋子
地域に貢献する生徒たち
「復興支援」布佐中吹奏楽部の善意
「ライトブルー少年賞」 知事より表彰
親切な行いをした児童生徒をたたえる「ライトブルー少年賞」の表彰式が、1月19日(木)千葉県庁で行われました。今年度は、11個人、5団体が選ばれ、布佐中学校吹奏楽部も表彰を受けました。
3年矢口真理部長と石堂ちはるさんが代表として授賞式に参加しました。吹奏楽部は、地域の催しに積極的に参加し、演奏を通じて地域住民を元気づける活動を行ったり、演奏の案内を地域のお年寄りに届けながらコミュニケーションをして励ましたりしてきました。東日本大震災後は、布佐地域の被災された方の復興の一助として、チャリティーコンサートを開催し、義捐金の募金をおこないました。
今後も学校全体で地域貢献を進めていきたいと考えています。
林間学校が終わる
2年生の福島林間学校の学習が終わりました。
福島への林間学校に際しまして、ご支援いただきました
保護者の皆さま、関係者の皆さま、我孫子市教育委員会
には、御礼申し上げます。
福島裏磐梯の方々から、勇気と元気をいただいてきたようで、
帰校してから、生徒ともども、布佐の復興に、私たちは何ができる
のかを考えさせられました。
帰校後、生徒は、すべての方々に感謝しつつ、
自発的に布佐復興にむけたボランティア活動に
でかけるなどしていました。それぞれの生き方に影響を与えた
学習となりました。2学年だより9月号に詳しく掲載されています。ぜひ
ご覧ください。23 学年だより9月号(林間学校編).pdf
布佐4校合同あいさつ運動の記事について
こんにちは。秋本番となりました。いかがお過ごしですか。
布佐4校のあいさつ運動が紹介されました。
千葉テレビのニュース
我孫子市のホームページ
県教委ニュース
布佐中学校は昨年6月以降、地元に開校した我孫子東高校の順調な立ち上がりを支援
しようとと、布佐小学校と布佐南小学校の校長先生と相談しながら、布佐のまちづくりと
学校経営を連動させ、さまざまな話し合いを行ってきました。
この活動の一つである、「布佐マナーアップキャンペーン」あいさつ運動は、20回
以上にも及び取り組みが行われ、このほど9月26日分の活動が紹介されました。
取り組みの様子は、我孫子市のホームページの「楽しむ・観光」「まちのできごと」「まち
の話題」と進んでご覧ください。
布佐中生徒会、我孫子東高校生徒会、布佐小児童会、布佐南小児童会やPTA、教員
地域防犯関係者、少年指導関係者、我孫子警察など、おおくの方々とともに歩んでいます。
■我孫子市のホームページ
・http://www.city.abiko.chiba.jp/index.cfm/21,0,219,877,html
■VOL.85(平成23年10月)県教委ニュース
巻頭特集
(震災関連)我孫子市布佐地区のあいさつ運動
・http://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/seisaku/kouhou/news/h23/vol85-h23-10.html