”音楽”をつくること
「文学」と「音楽」 布佐中の音楽のヒミツ!
市内音楽発表会のステージから
校長 杉橋 朋子
10月10日。夏のようなじりじりとした暑さとなったこの日。58名の3年
特設合唱団と吹奏楽部が柏市民文化会館で演奏してきた。
私は、布佐中学校生徒の奏でる音楽は、いつも彼らの心の響きとして
聴き入っている。この日も特設合唱団のアカペラの響きに魅了された。
聴いていた他校の校長先生からも、絶賛の声が聞かれて、私は嬉しかっ
た。どうやら、布佐中の演奏には、人を魅了する秘密が隠されているよう
だ。
秘密・・・それは、合唱にしても、吹奏楽にしても、演奏者は生徒自身だ
ということ。つまり、彼らが、自分たちの思いを束にして伝えることをしてい
るということだ。
しかし、この”思いを束にする”営みは、思いのほか難しいもの。歌詞
をどのように感じて表現するのかを、生徒自身で話し合いや伝えあいが
行われている。言ってみれば、小さな国語の授業がそこにあると言っても
よいかもしれない。要するに、文学の感受の世界から出発している。
手間も時間もかかるこの営みに、ちゃんと時間をかけている音楽科
主任の見識の高さもさることながら、それを年間指導計画にしっかりと組
み込んでいる布佐中音楽科カリキュラムの質の高さもある。
思いをひとつにして、詩を解釈することの上に立って、演奏が繰り広げ
られている。ここが少し他と違う。
11月に印西文化ホールにて、布佐中合唱祭が開催される。ぜひ、多く
の方々に”生徒の思い”を届けたいと思っている。布佐中にしかないこの
心の響きを。私は、豊かな気持ちで会場を後にした。