ほごログ
9月の考古学関係展示会、イベント情報
9月の近隣博物館・資料館の考古学情報をお届けします。
(毎月28日ごろに掲載します。随時、情報を更新します。)
(東部地区文化財担当者会リレー展示ー都鳥が見た古代)
・10月24日(金曜日)~11月26日(水曜日)三郷市わくわくライブラリ―(三郷市・パネル展示)
(展示会_閉会日順)
・10月13日(月曜日・祝日)まで 国立科学博物館(東京都台東区)
特別展「氷河期展 〜人類が見た4万年前の世界〜」
・10月31日(金曜日)まで 神川町多目的交流施設(神川町)
企画展「かみかわの古墳を知ろう8~南塚原の古墳2~」
・11月3日(月曜日・祝日)まで 府中市郷土の森博物館(東京都府中市)
「古代国司と国司館~都から来た役人とそのすまい~」
・11月16日(日曜日)まで 柏市郷土資料室(千葉県柏市)
第30回歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」
・11月24日(月曜日・休日)まで さきたま史跡の博物館(行田市)
令和7年度企画展 「輝く武器・光る技 ー古墳時代の飾り大刀ー」
・11月24日(月曜日・休日)まで さいたま市立博物館(さいたま市大宮区)
第49回特別展「真福寺貝塚-国指定史跡50年-」
・10月21日(火曜日)~11月24日(月曜日)まで 嵐山史跡の博物館(嵐山町)
巡回文化財展比企のタイムカプセル「比企の装い」
*小川町立図書館9月30日(火曜日)~10月4日(土曜日)
滑川町エコミュージアムセンター10月7日(水曜日)~10月11日(土曜日)
吉見町埋蔵文化財センター10月15日(水曜日)~10月19日(日曜日)
・11月30日(日曜日)まで 上高津貝塚ふるさと歴史の広場(考資料古館)(茨城県土浦市)
上高津貝塚ふるさと歴史の広場開館30周年記念第28回企画展「文字が語るもの」
(講演会・シンポジウム)
・10月12日(日曜日)明治大学駿河台キャンパス(東京都千代田区・申込不要)
資源利用史研究クラスター研究成果公開シンポジウム「土偶研究の新展開II~資源利用史と土偶祭祀~」
・10月18日(土曜日)行田市教育文化センターみらい文化ホール(行田市)
主催:埼玉県立さきたま史跡の博物館(電子申請にて申込要、10月3日まで)
シンポジウム 「埼玉古墳群と古代国家成立前夜」
・10月26日(日曜日)埼玉会館小ホール(さいたま市浦和区)
主催:さいたま市教育委員会(申込不要)
真福寺貝塚 国指定史跡50周年記念シンポジウム/ さいたま市内遺跡発掘調査成果発表会
「春日部市20周年の歩み」(年表)を作成しました
春日部市は、2005(平成17)年10月1日に旧春日部市と旧庄和町の1市1町による新設合併で誕生しました。2025(令和7)年10月1日は、合併から20年となる節目の日です。
春日部市の市史編さん事業では、市制施行20周年を記念し、「春日部市20周年の歩み」と題した年表を作成しました。
年表では、暦年ごとに市の動きや当時の社会の動きをまとめ、関連する写真やコラム、凧文字などを掲載しています。
▲年表のサンプル
現在の市章や市の花・木・鳥、市の歌や市民憲章の制定をはじめ、かすかべフードセレクションの認定や全国的にも有名な首都圏外郭放水路の完成などが、すべてこの20年間の出来事だったことをご存じでしょうか?
年表を見ると、この20年間に春日部市ではさまざまな制度や施設が作られ、新市としての歩みを進めてきた様子がわかります。細かいところまでぜひご覧ください。
年表に関連して、郷土資料館1階のエントランスでは、ミニ展示を開催しています。
20年間の印象的な出来事の写真のほか、旧庄和町の「広報しょうわ」の最終号や「広報かすかべ」のバックナンバーの一部を展示しています。
さらに、「春日部市20周年の歩み」に関するクイズや地名カードも作成しました。
春日部市には意外と読み方が難しい地名がたくさんあります。カードをめくって地名の読み方をあててみてください。
現在、市内では旧市役所本庁舎跡地の整備や春日部駅付近連続立体交差事業などが進められており、まちの風景が日々変化しています。新・春日部市としての20年の歩みを振り返りつつ、これからの春日部市も見守っていきましょう。
歴史文化講演会「粕壁商家あれこれ」開催しました
9月21日、郷土資料館歴史文化講演会「粕壁商家あれこれ」を開催しました。
今回、ご登壇いただいたのは、地元出身の大川明弘先生、山口俊一先生のお二人です。
お二人とも粕壁の商家に生まれ、粕小~春中~春高のOB。春日部のなかの粕壁の人。生粋の「粕壁人」とでもいえますでしょうか。かつての粕壁の面影が失われていくことを危惧され、自ら市内の方々に聞き取り調査をしながら、春日部の郷土史を調査されている方で、郷土資料館の調査・研究にもご協力いただいています。
講演は、まず山口先生から「山口家の盆暮正月」と題して、内出町の山口家の年中行事についてお話しいただきました。山口先生は、ご自身のご記憶をたよりに、屋敷の間取りや座敷の様子をイラストにされ、図示しながらご説明いただきました。先生によれば、昭和40年代から盆迎えの食事や作法が、各家の都合で少しずつ変わっていったこと、昭和40年頃から電車の本数が増え、内出町のメインストリートの岩槻新道(かつての国道16号。現県道2号)の踏切が「開かずの踏切」と化し、通りは車で渋滞し、商家は商売がしづらくなっていったこと、などをお話しいただきました。高度経済成長期、農村部では田んぼが宅地に造成され、景観などが目に見えて大きく変わっていきましたが、商家においても、少しずつ暮らしが変化していったことがわかるお話でした。
受講者の方からは「出身は違うがお盆や正月の行事に共通するものがあって面白かった」「お供えの道具や器具の名称・使い方がわからなくなっていくのはとても残念。記録・記憶を残すこと大いに賛同する」などご感想をいただきました。
続いて、大川明弘先生からは「粕壁の商家いろいろ」と題して、明治から昭和初期に至る粕壁の産業や景観のうつりかわり、商家のマークである家印(店印)についてお話をいただきました。
かつて「粕壁には牧場があった」「醤油醸造所があった」とのお話には会場がどよめきました。100年程前の記憶は地元の方であっても知らないことが多く、これを様々な文献を丁寧に読み解き、また、聞き取り調査を合わせて「知られざる粕壁の姿」を明らかにされるお話でした。
個人的に重要な成果・指摘だと思ったのは、江戸時代から明治20年代ごろまで、粕壁に木綿買次商が多くあり、岩槻道沿いに屋敷が集まっているという指摘です。江戸時代には粕壁・岩槻一帯は白木綿の産地で、江戸では岩槻木綿として流通していました。粕壁には岩槻木綿の買次商が多くおり、かつての岩槻道沿いに木綿商が集まっていたと指摘されました。粕壁の産業を岩槻との関わりから理解する必要性を迫るものと思いました。
さらに、重要なのは、粕壁のあらゆる文献をめくり、粕壁の商家の家印・店印を一覧化されたことです。粕壁に関わる史料を見ていると、家印のみ記され、具体的な商店名が表示されない仕切状や伝票もみられます。大川先生の作成された一覧は、資料整理や調査研究の手引きともなる、重要な成果になること間違いありません。
受講者の皆さんからは「楽しく聞かせてもらえた」「今後の春日部(粕壁)を考える上でも示唆的だった」などご感想をいただきました。また「幸松地区ではどうなのか」「粕壁で一番古い商家はどこか」など新たな疑問も投げかけられました。新たな課題については、今後、先生方と相談の上、郷土資料館でも調査に努めていきたいと思います。
当日は、80名余の方にお越しいただき、市民のみなさんの地元「粕壁」への強い興味関心がうかがえる一日となりました。大川先生、山口先生、どうもありがとうございました。引続き、ご指導のほどよろしくお願いいたします。
【今年も準備中】「なぞとき郷土資料」館鋭意製作中です
“うっかりハマった人だけ面白い”でおなじみ「なぞとき郷土資料館」の第4弾を準備中です。
今年も昨年と同様に、易しめの問題と、難しめの問題を用意しています!
昨年は易しめの問題でもかなり難しく感じる方が多かったようで、そこは作り手としては反省点でもありました。解答が分かったうえで問題を作る製作者サイドと、問題から解答を導き出す参加者サイドの、難易度の感じ方のギャップを埋めるのはなかなか難しいと実感しました。
今年こそ、易しめの問題は気軽に参加できて、少しのひらめきでクリアできるような問題になるよう思案中です!
もちろん難しめの問題は、「難しいのがいいんだよ」というご期待に沿えるよう、例年並みの難易度を予定しています!
あくまで予定です(笑)
現段階で、最終的なゴールは決まっているのですが、そこにたどり着く過程を問題にするのがなかなか難しく、絶賛頭を悩ませています。
ともあれ、今年もこの企画を楽しみ待ってくれている皆さまのために、頑張って作ります!
開催は10月を予定しているので、近づいたらまたご案内します!お楽しみに♪
よくあるレファレンス(先祖調べ)
先日、ご先祖調べの方が東京からお越しになり、ひいおじいさんにあたる方の出生地が春日部市内だったため、その番地を調べたいとレファレンスがありました。もちろん、図書館でも調べることは可能ですが、図書館には戦前の資料は乏しく、当時(明治時代)の資料(原本)がありませんので、なかなか調べるのに苦労するはずです。
しかし、郷土資料館には、古くは旧石器時代から、ごく最近の資料まで、春日部のありとあらゆる資料が集約されていますので、原資料を検討して様々なことを調べることができます。
さて、今回のご先祖調べは、戸籍謄本の写しから、明治34年(1910)生まれのひいおじいさんの出生地を特定したいとのこと。出生地は粕壁町474番地。
そこで、手っ取り早く、昭和8年(1933)刊『地番・地目・地積入 粕壁町地図 全』で該当の番地を探し、当時の字川久保、現在の緑町2丁目付近にその地番があることがわかりました。
しかし、問題は、明治34年生まれということ。粕壁町では昭和8年に耕地を整理し、地番や地積を付けなおしています。つまり、それ以前との地番と異なる場合があるのです。
当日は、資料出納が不能のため、お帰りいただき、後日、最近市民の方からご寄贈いただいた明治30年代の耕地図を確認してみました。すると、碁盤の目のように整然とした地割りの川久保地内は、明治期には全く異なり、地番も別の地点にあることがわかりました。
明治30年代の474番地は、現在の県立春日部女子高等学校の敷地の東側(現在の粕壁東6丁目)付近にあることが判明しました。かつ、地割りはかつて古利根川の堤防や道沿いに短冊状に分布しています。近世の新田開発された土地であったことがうかがえます。また、土地の整理にあたって、曲線状の道は付け替えられ、四角い土地割りにされ、女子高校舎の南側の敷地は字井戸棚居に編入されることになった模様です。現在にも遺る昔の道もありますが、昭和5年には粕壁高等女学校(現春日部女子高)の校舎が竣工されていますので、周りの風景も段々と変わっていったものと思われます。
と、このように、収蔵資料を活用すれば、まだまだ知らない、わからない、忘れられた春日部の昔のことがわかるのです。収蔵資料を生かすも殺すも学芸員次第。郷土資料館には秘められた力が眠っているのです(郷土資料館のポテンシャル)。
春日部の昔のこと、春日部にゆかりのある人物やご先祖をお調べいただくときには、ぜひ春日部市郷土資料館をご活用ください。ただし、当日ふらっといらして、「明治時代の地図を見せてほしい!」「先祖が春日部の地で何をしていたのか調べてほしい!」というのは、資料の準備・出納・資料閲覧場所の確保等を要するため、困ります。
事前にご連絡をいただけますと幸いです。もちろん、資料がなければ、わらかないこともありますので、悪しからず。
9/9 春日部高校「令和7年度SSH」探究総合授業に伺いました
9月9日(水曜日)、県立春日部高校の課外授業、”SS”(スーパーサイエンス)探究総合授業にお招きいただき、午後4時から1、2年生24名、先生3名と共に授業を実施してまいりました。本授業では春高生の探究心を養うことを目的に例年、様々な分野、領域をテーマに据え、既に15年目を迎えるとのこと。今回は、郷土資料館の学芸員から何かお話をいただけないかという、地学教諭の富樫先生から依頼を受け、多様なサイエンス領域の分析をとおして史跡神明貝塚の実態を紐解いている昨今の成果を踏まえ、「考古学と科学分析」と題した授業としました。
歴史の授業でも親しみのない『考古学』について、高校生がスムーズに理解が進むように「考古学とはなんぞや」、「歴史学(文献史学)とのちがい」から解説、サイエンスなどの実例として、神明貝塚の貝層の主体をなす「ヤマトシジミ」を資料とした『貝殻成長分析』、『住居跡の炉跡に堆積した灰層から得られた製塩づくり』、『縄文人骨のミトコンドリア分析(DNA分析)』や縄文人の食生活に迫る『炭素窒素安定同位体分析』、『縄文土器に付着したおこげ分析』などの分析方法や成果を紹介。そして本日の本題として、小学校の出張授業や市民の皆さまの講座でも好評いただいている「黒耀石」の切れ味体験を春高生にも体験してもらい、その後、「黒耀石の産地同定分析」の結果を踏まえ、春日部にもたらされた黒耀石のルートがあったのか、グループ毎に話し合いをしてもらいました。
▲初めて触れる「黒曜石」黒光りしたガラス質の石材にはみなさん興味津々
市内遺跡の最も初期にあたる3万年前、春日部市から至近距離、約80㎞北方にある栃木県矢板市の高原山産を専ら使用していましたが、旧石器時代の後半、1.8万年前頃になると200㎞以上も離れた信州の諏訪湖周辺や霧ヶ峰産へ主要産地が変化、さらに縄文時代になると東京都神津島産が旧庄和町に広がる下総台地の遺跡で出現、そして3800年前の神明貝塚では過半数が神津島産が占める結果となっている。遺跡が立地する台地面の東側、西側でも主要産地が変化、また、隣接する松伏町や蓮田市と同時期の遺跡でも異なる産地がみられたり、主要産地も異なるなど様々な様相にある。こうした分析の結果から、産地から消費地へのルート(回廊)の存否をディスカッション、発表いただきました。「確固たる回廊が存在していれば安定供給され、同一産地になるはず。時代によって異なるという結果からは回廊はないであろう」、「遠く離れた産地から物資をムラ間をとおしたバケツリレー的な方法が想定され、これは回廊があればこそ可能であろう」、当時の狩猟採集経済によるムラ社会を背景に据えた推論をいただき、探究心を深めていただけたのではと、充実した二時間を過ごさせていただきました。こうしたディスカッションをとおし、ひとりでも「考古学」、そして「学芸員」を目指す生徒の誕生につながると、郷土春日部の歴史・文化の継承にも一役を担う人財発掘にもなりましょう。春高生のみなさま、ご静聴と新鮮なディスカッション、ありがとうございました。
《春日部高校ホームページでも紹介されています》
https://kasukabe1899.spec.ed.jp/blogs/blog_entries/view/1739/b05c96b4cde621817ec6c97cb5685e10?frame_id=2748
粕壁宿に『クレヨンしんちゃん』モニュメントが登場
8月23日(土)、春日部市郷土資料館に『クレヨンしんちゃん』のモニュメントが誕生しました。
今回、誕生したのは、市のオリジナルグッズである「クレヨンしんちゃん絵はがきセット」第3弾のうち「粕壁宿」に描かれた姿をイメージした野原しんのすけくんのモニュメントです。カスカベ防衛隊のお友達も、「粕壁宿」の時代(江戸時代)の人々の服装をしており、春日部の歴史や文化を紹介する郷土資料館に相応しい新スポットです。
23日には、モニュメントのお披露目会が催され、市内の子どもたちも参加し、郷土資料館の『クレヨンしんちゃん』モニュメントをお披露目。郷土資料館の前は大変賑わいました。
郷土資料館では2020年ごろから、市のシンボルであるフジの花、特産品の桐箱・桐箪笥、そして粕壁宿の町並みをモチーフに、『クレヨンしんちゃん』のイラストを用いたオリジナルスタンプを制作してきました。現在は、今回のモニュメントとおそろいの粕壁宿デザインのスタンプ(2021年制作)を設置しています。
その後、春日部市観光協会の「クレヨンしんちゃん春日部スタンプ巡り」がはじまり、SNS等を通じて徐々に海外の方にも浸透し、今では中国・韓国・台湾、東南アジアをはじめ、遠くはスペインやマルタ共和国からも『クレヨンしんちゃん』ファンの方が郷土資料館に連日お越しくださり、大変な賑わいを見せています。おかげさまで入館者数は例年の約3倍に増加し、インバウンドの恩恵を実感しています。
外国の方の中には、スタンプを押してすぐ次のスポットへ向かわれる方も少なくありませんが、郷土資料館で春日部の歴史や風土、「春日部らしさ」に関する展示をご覧になる方も多く、春日部をPRする貴重な機会となっているようです。
新しいモニュメントは、春日部市郷土資料館のオリジナルフォトスポットとしても期待されています。ここ数日、来館された海外の方々の様子を拝見すると、多くの方が初めて目にするため驚き、喜び、写真を撮っておられます。今後、SNSで情報が拡散すれば、スタンプ巡り同様に大きな反響が生まれると予測しています。
海外の方も日本の方も、『クレヨンしんちゃん』を通じて「春日部らしさ」に興味を持っていただければ幸いです。
【東部地区文化財担当者会リレー展示_都鳥が見た古代】パストラルかぞでリレー展示が開催されています
加須市のパストラルかぞで東部地区文化財担当者会リレー展示「都鳥がみた古代」が開催されています。
東部地区文化財担当者会40周年記念リレー展示(加須市サイト)
パストラルかぞは、1,005席の大ホールと300席の小ホールをはじめ、展示室、和室、研修室などからなる大きな施設です。東武伊勢崎線加須駅から北へ2.2㎞の場所にあります。
展示はクロスパスと呼ばれる生涯学習棟と事務室間の通路で行われています。今回はパネル展示です。
現在の加須市は、平成の合併により、旧加須市、騎西町、大利根町、北川辺町の1市3町が合併したものであり、市の面積は133.3平方キロメートルと東部地区内で最も大きい市です。奈良時代・平安時代の遺跡は、合の川の自然堤防上に飯積(いいづみ)遺跡、利根川沿いの埋没台地や自然堤防上に長竹(ながたけ)遺跡、宮西遺跡、宮東遺跡、新川沿いの自然堤防上に水深(みずぶか)遺跡などがあります。
パストラルかぞには、加須市出身の洋画家、斎藤与里(さいとうより)の作品を展示したコーナーが設置されています。展示されている作品は、斎藤与里の顕彰を目指すためクラウドファンディングによって作成された複製です。
加須市の偉人「斎藤与里」の絵画を、多くのこどもたちにみてもらいたい!(終了しています_ふるなびクラウドファンディングサイト)
斎藤与里は、明治18年に加須市下樋遣川に生まれ、京都で絵画を学び、明治38年にフランスに留学した後には、ゴッホやゴーギャンなどの絵画を日本に紹介しました。
近代洋画の旗手/斎藤与里の紹介(加須市サイト)
斎藤与里(1885-1959)(加須インターネット博物館)
あわせてごらんください。
展示の詳細は下記の通りです。
●パストラルかぞ会場「都鳥がみた古代」
開催期間 令和7年9月5日(金曜日)~9月19日(金曜日)
開催場所 パストラルかぞ 加須市上三俣2255
(東武鉄道伊勢崎線 加須駅からタクシー、徒歩30分、約2.2㎞、 駐車場 約400台(無料))
開館時間 午前9時から午後5時まで
休館日 毎週火曜日
お問い合わせ (0480)62-1223(加須市生涯学習課)
東部地区文化財担当者会報告書第9集「埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代」も好評発売中(残部僅少)です。詳しくはこちら
*リレー展示「都鳥が見た古代」は、下記日程で開催予定です。
9月5日から9月19日 加須市パストラルかぞ パネル展示
10月24日から11月26日 三郷市わくわくライブラリ― パネル展示
令和8年1月6日から3月1日 宮代町郷土資料館 資料展示
【臨時休館のお知らせ】
令和7年9月13日(土)から9月16日(火)は、燻蒸作業を行うため郷土資料館は休館いたします。ご迷惑をおかけしますが、ご理解のほどよろしくお願いします。
*13日(土)、14日(日)は、教育センター全館立ち入り禁止になりますのでご注意ください。
*15日(月)は祝日のため休館。
*16日(火)は、郷土資料館、視聴覚センター、教育相談センターは祝日の振替のため休館・休所となりますが、埼玉県鉄道高架建設事務所は業務を行っております。
夏季展示記念講演会「関東の麦わら細工」
8月31日(土)夏季展示の記念講演会を開催しました。
今回は、「関東の麦わら細工」と題して、小山市立博物館の山田淳子先生をお招きして、関東地方を中心とする麦作の実態、麦や麦わらを利活用した民俗事例などについて、幅広い話題でお話しいただきました。
山田先生は、小山市立博物館で麦わら細工の体験講座を長く指導されてきている方で、麦わら細工のための材料の調達や仕込みなど豊富なご経験から、麦の種類や麦にまつわる民俗慣行、そしてかつての子どもたちの遊びだった「麦わら細工」について、親しみやすくお話しいただきました。
会場には、小山市立博物館で製作したものや、山田先生が収集されたものなど、ホタルカゴなどの麦わら細工や、実物の大麦や小麦の実、麦わらを展示していただきました。
講演の後には、先生のご厚意で、麦わら細工をまじかに見たり、触ったりする機会をいただきました。市民のみなさん、麦わら細工を興味深そうにご覧いただき、作り方や麦わら細工の魅力などを熱心に質問されていらっしゃいました。
受講者の方からは、「麦が寒い時期に育つのは不思議」「子どものころ麦踏みを手伝った思い出が蘇った」など、ご質問やご意見をいただき、市民のみなさんにとっても実りのあるお話になったようです。
講演の最後には、麦わらを使った産業=麦わら帽子づくりが存立する春日部市は全国的にも珍しいこと。そして、子どもたちの遊びの民俗であった「麦わら細工」の技術が消えかけており、博物館で民俗・技術の伝承をつなげていくことの重要性をご指摘されました。
アンケートには、「春日部でも麦わら細工教室をやってほしい」「民俗文化を伝承していくことに敬意を表します」といった意見がありました。
専門の研究や調査成果が少ない麦わら細工について、具体的にかつ広い視点から、春日部の麦わら帽子を位置付けていただき、大変有意義な講演会となりました。
山田先生、ご登壇いただき、ありがとうございました。
夏季展示「麦わらの春日部」展は、9月7日(日)まで。残り一週間となりました。
来週は展示解説講座を実施します。春日部の「麦わら帽子」について、個別具体的に「歴史」の視点からグッと迫ります。あわせてよろしくお願いします。
展示解説講座「春日部の麦わら帽子と関連産業」
と き 令和7年9月6日(土)10時~正午
ところ 春日部市教育センター
講 師 展示担当学芸員
申込み 直接、または電話(048-763-2455)、電子申請で受け付け
8月の考古学関係展示会、イベント情報
8月の近隣博物館・資料館の考古学情報をお届けします。
(毎月28日ごろに掲載します。随時、情報を追加します。)
(東部地区文化財担当者会リレー展示ー都鳥が見た古代)
・9月5日(金曜日)~9月19日(金曜日)パストラルかぞ(加須市・パネル展示)
(展示会_閉会日順)
・8月30日(土曜日)まで 帝京大学総合博物館(東京都八王子市)
企画展「ホネホネワンダーランド-骨の不思議を探る-」
・8月31日(日曜日)まで かみつけの里博物館(群馬県高崎市)
企画展「わくわく!はにわ体験‘25」
・8月31日(日曜日)まで 埼玉県立さきたま史跡の博物館(行田市)
令和7年度埼玉の考古おひろめ展「地中からのメッセージ」
・8月31日(日曜日)まで 桶川市歴史民俗資料館(桶川市)主催:埼玉県埋蔵文化財調査事業団
令和7年度里帰り展 「地中に眠る桶川の歴史」
・8月31日(日曜日)まで 栃木県埋蔵文化財センター(栃木県下野市)
巡回展「栃木の遺跡&発掘調査速報展」
・8月31日(日曜日)まで くにたち郷土文化館(東京都国立市)
ミニ展示「甲野勇と秋田のストーンサークル」
・9月10日(水曜日)まで 富士見市立水子貝塚資料館(富士見市)
「縄文を表現する ~新川昌子氏 作『私の縄文日記』~」
・9月15日(月曜日・祝日)まで 早稲田リサーチパーク・コミュニケーションセンター
企画展「本庄市の古墳3 西五十子古墳群」
・9月17日(水曜日)まで 墨田区立ひきふね図書館(東京都墨田区)主催:墨田区教育委員会
すみだゆかりの展示「墨田区の遺跡2025」
・9月28日(日曜日)まで 壬生町立歴史民俗資料館(栃木県壬生町)
文化財企画展 「みぶほる!-壬生町の発掘調査速報展2025」
・10月13日(月曜日・祝日)まで 国立科学博物館(東京都台東区)
特別展「氷河期展 〜人類が見た4万年前の世界〜」
・10月31日(金曜日)まで 神川町多目的交流施設(神川町)
企画展「かみかわの古墳を知ろう8~南塚原の古墳2~」
・11月3日(月曜日・祝日)まで 府中市郷土の森博物館(東京都府中市)
「古代国司と国司館~都から来た役人とそのすまい~」
・11月16日(日曜日)まで 柏市郷土資料室(千葉県柏市)
第30回歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」
(講演会)
・9月6日(土曜日)明治大学駿河台キャンパス(東京都千代田区) 主催:明治大学資源利用史研究クラスター
公開シンポジウム「大山柏の史前学と縄文生業論の今日的展開」
・9月7日(日曜日)明治大学駿河台キャンパス(東京都千代田区) 主催:日本考古学協会
公開シンポジウム「人類はどこから来て、どこへ向かうのか」
・10月18日(土曜日)行田市教育文化センターみらい文化ホール(行田市) 主催:埼玉県立さきたま史跡の博物館
シンポジウム 「埼玉古墳群と古代国家成立前夜」
【デジタルミュージアム】収蔵資料データベースの掲載写真が増えました
7月から公開している、春日部市郷土資料館の収蔵資料データベースですが、当初は150件ほど公開でしたが、少しずつ公開資料を増やし、現在279件となりました。このうち、資料の利用頻度や要望の高い、市内の古写真(特に広報誌撮影の古写真)は公開件数が100件になりました。
たとえば、この写真。昭和37年(1962)の粕壁内出の踏切です。この踏切は、地元では「大踏切(おおふみきり)」とよばれる開かずの踏切。当時は国道16号。現在は、県道2号で、写真は粕壁の宿場町・新町橋の方面を望むものです。踏切をわたった先には、春日部市内でもまだ珍しかったスーパーマーケット「東莫ストア」がみえます。
一つ一つの写真の説明・解説記述には、まだ精粗がありますが、『広報誌縮刷版』などを参照しつつ、写真の情報を充実していきたいと思います。フリーワードで「広報 写真」などと検索いただきますと、戦後の春日部の風景が蘇ります。画像ダウンロードできるものも徐々に増やしていますので、ぜひご活用ください。
なお、掲載など資料の利用にあたっては申請書の提出をお願いしています。
こども土器作り教室2日目 ~土器焼きを行いました~
8月24日(日)にハルカイト(大凧文化交流センター)にてこども土器作りの2日目、「土器焼き」を行いました。今回は土器焼きの工程をご紹介します。
写真は乾燥中の土器です。天候にも恵まれ1週間、じっくりと天日干しできました。色はうっすらと乳白色に変化しています。
土器焼きは9時過ぎにスタート。最初に地面をしっかりと乾燥させ、また土器の温度を徐々にあげていきます。一番分厚い底の部分から温めます。
土器が徐々に温まってきたら、土器を立て火に近づけます。最初から焼いている木材はだんだんと炭になっていることが分かります。
土器が温まったら、さらに火に近づけます。さらに土器の温度をあげるため、土器の中に炭を入れ、内側からも熱していきます。ここまではまだ余熱の段階ですが、軍手では持てないくらい土器が熱くなっています。
土器の余熱が完了したら、参加者の皆さんにも集まってもらい、ここからいよいよ本焚きに入ります。土器周りに板材を差し込み、赤い炎で一気に焼いていきます。この時の温度は600~800度近くまで上昇し、土器焼きの中でも最も過酷な工程となります。
今年は快晴が続いたため、よく乾燥できたため、一つの土器も破裂することなく、無事焼き上がりました。最後に炭の上で、土器を転がし真っ黒な表面を少しづつ赤茶色に仕上げていきます。
焼き場から取り上げ小一時間ほど経てば、やっと手で持てるくらいの温度となり、完成となります。一部が欠けてしまったり、底が外れてしまったりしたものもありましたが、大成功の土器焼きとなりました。
参加者の皆さん、暑い中、2日間お疲れ様でした。今後も、夏休みのイベントとして継続していきますので、またの参加をお待ちしています。
館収蔵資料(文化財)の調査が行われました
郷土資料館では、市指定文化財をはじめ、春日部ゆかりの様々な資料を収蔵・保存しています。
先日、埼玉県内の中世・近世移行期について調査・研究されている方がお越しになり、市指定文化財「西金野井香取神社の棟札」を実見・調査されました。
この棟札は、昭和57年に旧庄和町の指定文化財となり、現在も春日部市指定文化財として引き継がれていますが、実は、知る人ぞ知る史料なのです。ですから、『武蔵史料銘記集』をはじめ、『新編埼玉県史 資料編』など埼玉県内の史料を蒐集した刊行史料集にも収載されてきました。また、『春日部市庄和町史編さん資料(十五)中・近世資料』にも収載されています。
今回、調査された方は、これらの刊行史料集を検討するため、実物の資料を実見したいというものでした。採寸をはじめ、スケッチや写真撮影など。じっくりと、資料を実見されておられました。
さて、この「西金野井香取神社の棟札」をはじめ、西金野井香取神社には貴重な文化財が伝来しています。実は、戦前に、埼玉郷土会という郷土史団体が、史跡・文化財の見学旅行に訪れ、同社の文化財を巡見しています。
埼玉郷土会とは、埼玉県の郷土史誌『埼玉史談』を編集発行する団体です。『埼玉史談』第1巻第5号(昭和5年5月刊)には巡見の様子が次のように報告されています。
(前略)同神社(香取神社)の本殿は寛永十五年五月改築されしものとて彫刻や金具等は、同時代の特徴を遺憾なく発揮せる県下稀なる建築である。又同社の朱印状は天正十九年徳川家康より十石の地を下されたるに初まり、引続き歴代将軍よりの朱印状十二通が完全に保有されて居る。棟札には神田梶取大神とありて、徳治元年五月第一回の屋根改をなせし事を記せる物で同社に取りては有力なる資料ではあるが写し改めた様に思はる。獅子舞の面などは寛永以後の製作で、神威遠近に輝きたるに依り上流地方より奉納せられたりとの説があり、其舞は神秘的な感を与へるとの事である。(下略)
巡見が実施されたのは、昭和5年(1930)3月9日のこと。現在、西金野井香取神社に文化財として伝わるものが目白押しです。現在の評価とは異なる部分もあり、鵜呑みはできませんが、大変興味深い記事です。当日の巡見参加者のなかには、考古学者の柴田常恵や、陸軍の軍人で郷土史家の渡辺刀水、そして、『埼玉縣誌』の編さんや先の『武蔵史料銘記集』の編者である稲村坦元もいました。もしかすると『武蔵史料銘記集』に収録されたきっかけはこの巡見だったのかも、と思ったりもしますが、どうでしょうか。
いずれにしましても、今回の調査の結果・成果は・・・。私たちは、座して待つほかありません。楽しみにしております。
収蔵資料の調査。郷土資料館をご活用いただき、大変ありがとうございました。
「麦わらのかすかべ」展、みゅーじあむとーく
8月20日、企画展「麦わらのかすかべ」展のみゅーじあむとーく(展示解説)を実施しました。
この企画は、展示室で担当の学芸員がレクチャーするもので、好評を得ており、常は企画展につき2回ほど実施していますが、今回の企画展では、諸般の事情から本日のみ。
猛暑がつづき、人の入りもまばらだったので、お客さんは来てくれるのか、と不安に思っていましたが、午前の部は5名、午後の部は4名の方にお越しいただきました。
解説では、麦わら帽子は何でてきているか、どうして春日部が「帽都」になったのか、について、展示資料を見ながら、触りながら、展示のみどころを紹介しました。
午前の部では、なんと!!
調査・展示にご協力いただいた、関係者の皆さんにお越しいただきました。現役の帽子屋さんの前で、春日部の麦わら帽子の特長、産業の歴史をお話しするのは大変緊張しましたが、解説のあと「よく調べてるね」とお褒めの言葉をいただきました。関係者の皆さんにお喜びいただけたことが、この上なく励みとなります。力及ばず、調べてもわからなかったことや、工場での新たなエピソードも教えていただきました。また、勉強になりました。
午後の部では、4名の方にご参加いただきました。解説の後、説明が不十分だった点についてご質問いただき、理解を深めていただけたようです。また、実際に春日部産の麦わら帽子をさわり、観察していただき、麦わら帽子の良さを知っていただけたのではないかと思います。
「歴史バカ」の展示担当者は、物事の起こり・過程などの歴史こそが、その物事の本質であると考えます。言い方をかえれば、ある事柄の本質は、その生成と変遷の筋に宿る、ということでしょうか。
春日部の麦わら帽子も歴史のなかに特徴やその意味を見出すことができる。ひいては、それは春日部(市)という地域の特徴や個性であると思います。
麦わら帽子の歴史を通じて、特産品の麦わら帽子、さらには春日部を理解できる企画展示の会期も折り返しを過ぎました。ぜひご覧いただいていない方はお越しください。
郷土資料館【手作りおもちゃクラブ】を開催しました
令和7年8月17日(日) の午前と午後各1回ずつ、郷土資料館手作りおもちゃクラブ「ペーパーローリングを作ろう!」を開催しました。
この日は今年度初の手作りおもちゃクラブです。
夏休みということもあってか、初めて見るお顔もたくさん♪
もし気に入ってくれたら常連さんになってくれると嬉しいです♪
まずは蓄音機でレコード鑑賞です。午前の部では「お化けの踊り」、午後の部では「雷公と稲妻」という曲を流してみました。日本の夏といえば“怪談”や“夕立”ということで、タイトル先行でのチョイス(笑)
おばけを題材にした「お化けの踊り」という曲は、なんとなく某妖怪アニメを彷彿とさせる和風(?)にも聴こえる曲調ですが、作曲者は海外の方のようです。おばけに対するイメージが日本人と近いのでしょうか?
紙芝居は「江戸川を流れてきた獅子」です。
西金野井に伝わる、雨を降らせる不思議なお面の伝説。干ばつの続く農地に、恵みの雨をもたらした、というありがたいお話でした。
そしておもちゃ作りは「ペーパーローリング」です。
ペーパーローリングに使用する紙は、丸めて筒状にし、輪ゴムで縛ってあらかじめクセをつけておくのがポイントです!
材料は簡単に手に入るものばかりですが、紙を丸めてクセをつける時間が必要なので、実は作ろうと思っても、すぐには完成しない一品だったりします。
手作りおもちゃクラブでは既に下ごしらえ済みのものを用意しているので、その場で作って遊んでいただけます!安心してご参加ください!(宣伝)
お土産の缶バッジ作りも、多くの子が初体験です!
ちょっとした夏の思い出になったでしょうか♪
今年度初の手作りおもちゃクラブとあって参加者が集まるか心配でしたが、ふたを開けてみればたくさんの子が元気に遊びにきてくれました♪
暑い中お集まりいただきありがとうございました!
次回の手作りおもちゃクラブは10月12日(日)に開催予定です。
詳しくは広報紙等に掲載いたしますので、ぜひチェックしてみてください!
体験講座みて!さわって!dokidoki音楽づくりを開催しました
8月9日(土)、春日部市郷土資料館恒例の体験講座「みて!さわって!dokidoki音楽づくり」を開催しました。
この講座は、国立歴史民俗博物館の中村耕作先生と國學院大學栃木短期大学の早川冨美子先生、筑波大学付属小学校の高倉弘光先生のご協力により、毎年夏休みに、郷土資料館で開催しており、今年で5回目になります。縄文土器を観察し、土器の文様のパターンやイメージなどをみたりさわったりしながら、縄文時代にも存在した自然素材を使って音で表し、グループで音楽を作る講座です。
今回のdokidoki音楽づくりはおおまかに次のような流れで行いました。
1.本物(ほんもの)の縄文(じょうもん)土器(どき)をさわってみよう どんな特徴(とくちょう)があるかな?
2.縄文(じょうもん)時代(じだい)って、いつ? どんな暮(く)らし?
3.縄文(じょうもん)土器(どき)のもようづくり
4.自然(しぜん)素材(そざい)をさわって音(おと)を出(だ)してみよう
5.縄文(じょうもん)土器(どき)の特徴(とくちょう)を音(おと)やからだの動(うご)きなどで表現(ひょうげん)してみよう
6.グループで音楽(おんがく)づくりをしよう
7.作品(さくひん)を発表(はっぴょう)しよう
↑縄文時代っていつ?年表で確認しよう!
↑縄文土器を学ぼう
↑土器の観察をして気づいたことを書こう
↑自然素材をつかって音を出してみよう
↑作品を発表しよう
最後にアンケートとともに土器の観察カードを記入してもらいました。
暑い中、お越しいただいた先生方、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。
来年の夏休みにも実施しますので、土器が好きな人や音楽が好きな人はぜひ参加してください。
小中学校初任者研修 in 史跡神明貝塚&ハルカイト
本日8月7日には、この4月に市内の小中学校に着任された先生方の施設体験研修の中で史跡とハルカイトをご案内してきました。午前中の降雨で久しぶりの30度を切る陽気でも高い湿度でモヤモヤする中、初々しい先生32名と共に史跡神明貝塚の現地を周回。足下に広がるヤマトシジミの貝殻片に興味津々。公有地化の終盤、そして現地公開に向けて着実に進んでいるので、将来には社会科学習や総合的な学習の時間の生きた現地としての活用をPR!
続いて大凧文化交流センター「ハルカイト」へ移動。愛称の「ハルカイト」の由来も即、解読されました。施設では旧宝珠花小学校の沿革、郷土の作家”三上於菟吉”、神明貝塚のジオラマ、貝層剥ぎ取り模型を紹介する宝珠花サロンでの見学後には、8月生まれの5名の先生が「千歯こき」にチャレンジ。資料館職員の解説に即応し、脱穀の体験をいただきました。初めて千歯こきをみた先生ばかりでしたが、スムーズな動きで見事に稲籾を落とすことができました。その後は2階の各展示室の見学、解説シートの記入など、「2学期の学習に生かせそう!」「資料館に見学へ赴きたい」「ハルカイトでの見学もいいな」との頼もしく嬉しい声が聞かれました。
今回の見学では「公立学校の強みは地域との繋がり」「生きた教材は郷土資料」というキーワードを用いてお話をしましたが、教育の現場での実践と今後の活躍に期待しています。暑い中での研修、大変お疲れさまでした。
【手作りおもちゃクラブ】ペーパーローリングを作ろう!
8月17日(日)に“手作りおもちゃクラブ”を開催します。
“手作りおもちゃクラブ”では、
①約100年くらい前に使われていた蓄音機を使って音楽鑑賞
②春日部に伝わる様々な伝説の紙芝居の読み聞かせ
③みんなで手作りのおもちゃ作り
の3つを行います。
全行程をあわせても1時間満たない程度の時間なので、軽い気持ちでご参加ください♪
そして、今回作るおもちゃは「ペーパーローリング」です
このシュルンッと戻ってくるのがクセになります!
普段スマホやゲームに慣れ親しんでいる子でも、こういった昔ながらのおもちゃを意外と楽しんでくれます♪
見たことがあるおもちゃでも、“自分で作る”という経験はなかなかないものなので、ぜひ足を運んでみてください♪
手作りおもちゃクラブは申込不要、おもちゃの材料も資料館で用意しています。
当日の午前10時30分と午後2時からの計2回開催しますので、お時間までに郷土資料館にお越しください!
【手作りおもちゃクラブ】
日時:令和7年8月17日(日)午前10時30分~・午後2時~
場所:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15)
内容:蓄音機と紙芝居の上演
おもちゃづくり(ペーパーローリング)
費用:無料
申込:不要(開催時間までに郷土資料館にお越しください)
今年、春日部市は20歳になります記念・ミニ収蔵品展
今年、令和7年(2025)10月1日、旧春日部市と旧庄和町が合併して20年目を迎えます。
市では、「市制施行20周年記念事業」と称し、様々なイベントを開催しているところです。
ただいま開催中の企画展示「麦わらのかすかべ」展も、春日部市のシンボルである特産品「麦わら帽子」を扱っている都合で、市制施行20周年記念事業と冠しているところです。
春日部市を人間とみなすならば、20歳(はたち)。
日本では、明治9年以来、成年年齢は20歳とされてきましたが、2022年4月の民法の改正に伴い、成年は18歳に引き下げられました。民法上、18歳は、一人で有効な契約をすることができること、父母の親権に服さなくなる意味をもつそうです。選挙権や裁判員選出も18歳から。
では、従来の成年である20歳は、どんな意味をもつのでしょうか。
20歳になると、国民年金への加入義務が生じます。また、お酒、タバコ、公営ギャンブルが許されるのも20歳。民法上の成年年齢が引き下げられても、健康上の理由や若年者の依存症を懸念する観点から、これまで通り20歳からとされています。いいのか、悪いのか、自分自身で判断して、責任のある大人として行動することが求められる。それが20歳の意味なのでしょう。
というわけで、郷土資料館では、企画展示の傍らで、市制施行20周年をお祝いして、記念のミニ収蔵品展を開催しています。
題して、「酒と春日部 ※お酒は20歳になってから」です(市の20周年記念事業にはノミネートしていません)。
収蔵品のなかから、お酒に関わる展示を資料の種別や時代を問わず、オムニバスで紹介します。
最初は、市民の方から寄贈された漆塗の酒器と、市内の酒屋(小売店)から寄贈された、ウイスキーの広告パネルを展示しています。後者は、俳優の大原麗子が起用された有名なコマーシャルのパネルです。
1か月を目途に展示替えをする予定です。酒と人との関係は切っても切れない。だから、時代を問わず、収蔵品も様々。企画展のついでにご覧ください。