ほごログ
春日部市郷土資料館は登録博物館になりました
いつも「ほごログ」をのぞいてくださり、ありがとうございます。
春日部市郷土資料館は、令和8年3月9日付けで、博物館法に基づいた「登録博物館」になりました。
これまでは「博物館類似施設」という位置づけでしたが、近年の法律改正により、活動がより柔軟に評価されるようになったことを受けて、このたび正式に登録されました。
平成2年の開館以来、資料の収集や調査、そして展示を通して皆さんに春日部の歴史を伝えてきたこれまでの歩みが、国の基準を満たすものとして改めて認められた形です。これまでご来館くださった皆さまに感謝申し上げます。
今後は登録館としての責任を大切にしながら、春日部ならではの歴史や文化の魅力を、よりわかりやすくお届けしていきたいと思います。登録博物館という新たな立場ではありますが、本ブログ「ほごログ」では、これまで通り皆さまに身近に感じていただけるような情報発信を続けてまいります。
新しい一歩を踏み出した春日部市郷土資料館を、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
カビ害から資料を守る
郷土資料館では、市民の方から提供いただいた郷土にとってかけがえのない郷土資料の整理を日々進めています。整理されたものは、わたしたちが春日部のこれまでの歩みを理解し、未来を考えるために、展示・調査研究の資源として収蔵し、活用しています。収蔵資料の一部は、収蔵資料データベースで公開していますのでぜひご覧ください。
さて、今回は資料整理作業の一コマより。
最近、市内の旧家から古文書を含む資料を受け入れました。現在、目録化を進めるため、資料の整理をすすめています。この古文書群は、新編埼玉県史の編さん事業の折りに見いだされた資料群で、県史の調査時にあらあら整理・目録化されたものです。古文書は、「埼玉県史編纂室」と印字された茶封筒に封入され、目録と対応する番号がふられています。
封筒はまとめられ、木箱などに大切に保管されていましたが、長い年月を経て、湿気の多い倉庫にしまっていたこともあり、カビ害にあってしまったようです。
茶封筒には、カビが繁殖した形跡がみられます。しかし、幸い茶封筒に入れていたおかげで、封筒の中身の古文書への影響は少なくすみましたが、それでも・・・
白カビの跡や・・・
茶褐色の菌糸が確認されています。
家庭でもお風呂場などの水回りに繁殖するカビは、一般的にも衛生面や見た目・臭いなど忌避されていますが、文化財にとっても大敵です。紙・布・木製品などの有機素材でできた文化財に付着し、繁殖すると、汚れやシミの原因となるばかりでなく、カビの菌糸の素材の深部まで浸透するとそのモノの構造がカビによって破壊されてしまうことになります。
というわけで、カビ害にあってしまった資料は薬剤で滅菌し、古文書は、ハケやアルコールなどでカビを除去しながら、新たな封筒に入れ替え。そのほか、家で使用されていた生活道具などの歴史資料・民具についてもアルコールでカビを拭き取りながら整理を進めています。下は漆塗りのお櫃をクリーニングしているところです。
これから、ジメジメした季節になりますので、特に温度湿度の管理を徹底しながら、適切に資料の保全と収蔵に努めてまいります。
【臨時休館のお知らせ】4月18日(土)午後、19日(日)
令和8年4月19日(日)は、教育センターが春日部市議会議員一般選挙の投票所として利用されます。そのため、準備を含め下記の日程で郷土資料館は休館となります。ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。
〈臨時休館日〉
令和8年4月18日(土)午後
令和8年4月19日(日)終日
※令和8年4月20日(月)は通常の休館日となります。
石造物部会の調査(内牧地区・梅田雷電神社)を行いました
4月2日(木)に春日部市市史石造物部会で内牧地区の調査を行いました。
新年度が明けて最初の調査です。今回の対象地は、国道16号沿いにある梅田雷電神社です。午前中に雨が降ってしまったため、開始時刻を遅らせて、午後から調査を行いました。
はじめに、調査対象の石造物を確認して分担を決め、1人で数基ずつ調査票を作成します。
地区の方々にも立ち会っていただき、拝殿の中も見せていただきました。また、石に刻まれた奉納者の名前の解読にもご協力いただきました。
▼境内には椿や桜の花が咲いていました。大きな鳥居も調査しました。
▼富士塚にある一つ一つの石造物を調査します。
▼この燈籠は一部が破損し、部材が近くにまとめて置かれています。今回の調査で、本来どのような形をしていたかがわかりました。
限られた時間でしたが、地区の方々や調査員の皆さまと協力しながらスムーズに調査を進めることができました。4月はこのほかにも梅田女体神社を調査する予定です。引き続きブログ等で報告していきますので、今年度もよろしくお願いします。
※もし個人的に市内の石造物をご覧になる場合は、所有者や周りの方へのご配慮をお願いいたします。
常設展プチ展示替「在村絵師の世界」
3月25日、常設展示の一部を展示替えしました。
今回は、収蔵資料のなかで、前から気になっていた資料群。
この資料群、西親野井地区の旧家に伝わったもの。特徴的なのは、文字資料や道具(民具)ではなく、錦絵や浮世絵などビジュアル的な資料が多いこと。何かの下絵や、レタリングされた文字や模様など下書きしたものも多数あります。
どうやらこの資料群は、明治時代の在村絵師が残したもののようです。
資料整理を手伝ってくれている大学生と資料を吟味しているなかに、なかなか良い絵が。
鞍や荷物がついていない馬を右の男性が牽いています。馬子でしょうか。キセルをもち、帽子をかぶった左の男性はその親方・主人といったところでしょうか。おそらく、農村に労働・農耕馬を売り歩く、馬喰(ばくろう)の一行を描いたものとみられます。男性は和装ですが、帽子をかぶっているので、明治時代の様相と推測されます。
もちろん、印刷物でなく肉筆で、手彩色が施されています。何のためのどこの誰の絵なのかは不明です。
ということで、今回はこの資料を展示しました。
まだまだ、面白そうな資料がありますので、「在村絵師の世界」は、定期的に展示替えをして紹介していく予定です。。