ほごログ(文化財課ブログ)

カテゴリ:文化財の保存と活用

こども土器作り教室を開催しました

7月23日(水)に毎年恒例の土器作り教室を開催しました。

今年は諸事情により、初めての平日開催、そして小学生限定の「こども土器作り教室」となりました。

毎年、多くのお申し込みをいただき、今年もやむなく抽選となりましたが、20名のご参加をいただきました。

開会の様子

土器を作る様子

 土器は縄文人と同じ「輪積み」という技術で作っていきます。土器の「底」となる円盤を作ったら、粘土をヒモ状にして円盤の上に積んでいき、これを繰り返して形を作ります。粘土のヒモをどんどん積んでいきますが、粘土のつなぎ目をしっかり消すことが上手に作るポイントです。

土器の形を作る様子

 粘土が十分に積めたら、今度は思い思いの土器の形へ整形していきます。最後に縄を転がして、「縄文」をつけたり、竹串や貝殻で模様をつけたり、飾り付けをして土器の完成となります。

完成した土器

皆さん集中して取り組んでいただき、あっという間の3時間となりました。

今年も参加者皆さんの個性にあふれた、数々の土器ができあがりました。

土器はこれから1ヶ月かけて乾燥させ、色はやや白っぽく、大きさは一回り小さくなります。

これからどのような土器に焼き上がるのでしょうか?1ヶ月後を楽しみにお待ちください。

「倉常の神楽囃子」「榎の囃子神楽」「西金野井の獅子舞」が公開されました

7月20日(日)、倉常、榎、西金野井の3地区で指定無形民俗文化財が公開されました。

倉常地区では、地区内の大字境の辻4カ所で辻切りをした後、倉常神社に戻ってから神楽囃子が奉納されました。
倉常の神楽囃子は神田囃子深川流の流れをくむお囃子です。太鼓や笛によって小気味良いお囃子が披露された後、「大黒の舞」、獅子舞が舞われました。
夏の日差しのもと、神社には多くの人が集まり、神楽囃子の奉納の後は、納涼会を楽しみました。


▼大黒の舞                      

▼獅子舞

 

榎地区では、榎の囃子神楽が公開されました。午前中は辻切りが行われ、集会所に戻ると神楽が奉納されました。
榎の囃子神楽は倉常と伝ってきた由来が同じため、大黒の舞や獅子舞など、共通している舞もあります。
太鼓と舞にはそれぞれ小学生と高校生が加わりました。榎地区では、保存会の皆さまが江戸川小中学校で神楽の指導をされています。児童・生徒さんたちを含め全員で、この日のために練習を重ね、本番では素晴らしい音色と舞を披露してくださいました。


 ▼テンタン(オカメの舞)

 ▼テンコサンバ 

                      

 ▼ひょっとこの舞 

 ▼大黒の舞

 

 ▼獅子舞

 

 西金野井香取神社とその周辺では、埼玉県指定無形民俗文化財の「西金野井の獅子舞」が公開されました。

保存会三匹獅子による「芝廻り」や、南桜井小学校の伝統芸能クラブの児童による子供獅子の「芝廻り」、保存会三匹獅子による「雨乞い」などの演目が披露されました。また、神社正面の大鳥居や、江戸川堤の改修の歴史を伝えるかつての参道に配された鳥居(裏参道鳥居)の2か所で「辻切り」により地域の家内安全が祈願されました。祭礼の最後には、拝殿の中で、悪疫を追い払っていただいた感謝と神送りの意味を持つ「注連切りの舞」が舞われました。
子供たちや保存会の皆さんによる素晴らしい舞に、集まった方々からも盛大な拍手が送られました。 

▼芝廻りの舞

 

 ▼辻斬りの舞

▼雨乞いの舞                      

▼注連切りの舞                     

 

保存会の皆さまや地区の方々の努力、そして学校での体験などを通して興味を持った児童・生徒の皆さんの力によって伝統芸能が着実に継承されていきます。来年の夏の公開も楽しみです。

市内の伝統芸能は10、11月に秋祈祷の舞が公開されますので、近づきましたらお知らせいたします。

 

「赤沼の獅子舞」、「銚子口の獅子舞」が公開されました

 7月13日(日)、赤沼、銚子口の2地区で獅子舞(市指定無形民俗文化財)が公開されました。
 赤沼、銚子口の両獅子舞は、越谷の下間久里から江戸時代に伝授された伝統ある獅子舞です。同じ獅子舞の系統ですが、長い年月をかけ、それぞれの地区独自の演目、曲の調べ、舞の所作などが形づくられ受け継がれ今日にいたっています。
 赤沼地区では、赤沼の獅子舞が公開されました。今年の夏の祭礼では子ども獅子10名が参加しました 途中、獅子舞の体験コーナーを設け、見学者が自由に参加して、獅子舞の所作を体験し、最後に皆で通しで演じてみる催しが行われました。
 祭礼のクライマックスには五穀豊穣を祈願する「弓くぐり」が舞われ、太夫獅子が見事に弓をくぐり抜け、会場の皆さんも今年も無事豊作になることを願いながら暑い夏の祭礼を過ごしました。

 ▼稲荷の舞(きつねの舞)  

              稲荷の舞(きつねの舞)

 

 

 

 

 

 

 

 

▼こども獅子

こども獅子

        ▼獅子舞体験                  

弓くぐり獅子舞体験

銚子口地区では、銚子口の獅子舞が公開されました。今年の夏は、午前中、5年ぶりに地区内6か所で辻切れが行われました。また辻切りでは、初めて女性舞手が太夫・中・女獅子の三匹獅子を担いました。午後からは、銚子口香取神社境内で、天狗を先頭に道中流しが行われ、天狗の舞、三匹獅子による弊がかりの舞などが行われました。三匹獅子のうち、中獅子と女獅子を女性の舞手が務めました。囃子方でも女性が太鼓を務め、近年保存会が力を入れている女性舞手の活躍を目にすることができました。演目の最後のに四方祓いの舞では、会場の四方を御幣で祓う舞がおこなわれ、夏の獅子舞奉納が無事に締めくくられました。

 ▼天狗の舞                     

天狗の舞

 ▼弊がかりの舞

弊がかりの舞                    

 

▼四方祓いの舞

弊がかりの舞

四方祓いの舞

出張授業「縄文体験教室」 in桜川小学校

7月2日(水)に、桜川小学校で縄文体験教室の出張授業をしました。

今回は、6年生3クラス78名です。

1学期最後の出張授業ともあって、講師も今一度気を引き締めて臨みました。

 パワーポイントを用いて説明するようす

歴史の授業は飛鳥時代まで進んだとのことで、縄文時代は復習となります。

授業の前半はパワーポイントを使って、縄文時代の春日部や、学校の周りの遺跡について説明をしました。

また、市内の代表的な縄文時代の貝塚・国史跡神明貝塚についてもパンフレットを用いて解説します。

このパンフレットは、3月に刊行されたもので、小学生向けと、大人向けの2パターンを作っています。

 

続いて、後半では、班ごとに分かれての体験になります。

石器コーナーでは、実際に黒曜石製の石器を用いて段ボールを切りました。

恐る恐る石器を握って段ボールで刃の鋭さを体験しました。

 石器を用いて段ボールを切るようす

貝コーナーでは、学校の周りに広がる貝塚の貝と、神明貝塚の貝の違いを説明します。

縄文時代の人が食べたものを実際に手に取って触ることができる貴重な機会です!

貝がらのクイズでも盛り上がりました。

 貝がらの種類について説明するようす

土器コーナーでは、縄文時代の土器を実際に触ってもらいました。

持ち上げてもらうと、思ったよりも軽い!という声があがりました。

土器を持ち上げるようす

今回は縄文を付ける道具も持っていき、触ってもらいました。

土器についた模様のどれが縄文なのか、わかりやすかったようです。縄文人は、器用にさまざまな道具を活用して模様をつけていました。

 

桜川小学校のみなさん、ありがとうございました!

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申し込みいただいていた授業は今回で終了となりましたが、出張授業の申込みはまだまだ受け付けております!

小中学生向けの「縄文体験教室」出張授業に関しての詳細は、文化財課文化財担当までお問合せください。

お待ちしております。

熱い暑い夏季例大祭ー民俗芸能の公開ー

 7月一週目という、例年では見聞きしたこともない短い梅雨明けとなり、この後は酷暑が予報されている令和7年の夏。その中で次週12日(土)には埼玉県から指定された無形民俗文化財『やったり踊り』が、13日(日)には春日部市指定無形民俗文化財『銚子口の獅子舞』『赤沼の獅子舞』がそれぞれ地区の祭礼で公開されます。
それに先だって、インターネットラジオ「ゆめのたね放送局」では、春日部市内の伝統芸能に携わる皆さまの生の声が放送されます。



 やったり踊り保存会の渡辺大介さんが主宰する『だいすけが勝手に応援するラジオ』では7月8日(火)午後11時~11時30分に『銚子口獅子舞保存会』『赤沼民俗文化財保存会』、そして渡辺さんと、3団体のみなさまがラジオ波で小学校での出張授業や後継者の育成・獲得など、民俗芸能が抱える課題や取り組みについて熱く語ってくれます。ラジオへのアクセスは検索サイトから「ゆめのたね放送局」へ。


 

 

 

 

 

 

 

 乞うご期待!! そして祭礼当日の見学をとおして伝統芸能に触れてみませんか!!