ほごログ(文化財課ブログ)

2018年4月の記事一覧

ゴールデンウィーク中の指定文化財公開

このゴールデンウィーク中、春日部市内では、『牛島のフジ』や、『大凧あげ祭り』、『小淵山観音院の円空仏』と各種の文化遺産が続々公開されます。
郷土の宝の見学に出かけみてはいかがでしょうか。

藤花園の開園
「牛島のフジ」国指定特別天然記念物)
日時:
平成30年4月14日(土)~5月6日(日)8:00~18:00 
場所:藤花園(春日部市牛島786)
入園料:
大人1,000円 、子供500円(4歳以上小学生まで)
詳細は下記ページをご覧ください。
藤花園サイト
 
大凧あげ祭り
「宝珠花大凧揚げ」春日部市指定無形民俗文化財・国選択無形民俗文化財)
日時:平成30年5月3日(木)、5日(土)
場所:西宝珠花江戸川河川敷
大凧は3日、5日とも午後2時ごろにあげられます。
詳細は下記ページをご覧ください。
大凧あげ祭り(春日部市公式サイト)

円空仏祭
「小渕観音院円空仏群埼玉県指定有形文化財)
「小渕山観音院仁王門」(春日部市指定文化財)
日時:平成30年5月3日(木)~6日(日)10:00~17:00
場所:小淵山観音院(春日部市小渕1634)
拝観料:500円(お1人様1日限り、中学生以下無料)
詳細は下記ページをご覧ください。
小淵山観音院仁王門と円空仏群の公開(春日部市公式サイト)
観音院公式サイト

古文書解読勉強会の成果(その5)

平成30年4月14日(土)に古文書解読勉強会を行いました。
引き続き、郷土資料館所蔵の神間村文書を解読しました。
次回は、5月19日(土)14時~16時(場所:視聴覚センター4階研修室1)を予定しております。みなさま奮ってご参加ください。
※前回までの成果は、上の「郷土資料館からのお知らせ」のリンクをご参照ください。

 【史料番号3】

   米借用一札之事

 一、米 六俵   但し 四斗入

     両ニ 八斗七升五合がへ
右は摏米ニ御無心借用仕、慥ニ請取申所

実正ニ御座候、然上ハ月五合のべ之勘定を

以当十一月ニ相成候ハヽ右米代金無相違

不残御勘定仕候、為念米借用一札入置申所

仍而如件
  嘉永二酉ノ年

    閏四月    宝珠花村

              釜屋次兵衛(印墨抹消)
(後筆)「不用書」

         神間村

            源兵衛殿

神間村文書3
(ひとことメモ)
本史料は宝珠花の商人釜屋次兵衛が神間村源兵衛に搗米(つきごめ・白米)6俵を借用した証文。ひと月に五合の利息を加え、十一月に米の代金(1両につき白米8斗7升5合の相場)を返済すると契約している。おそらく返済を終え、この証文は失効したため釜屋次兵衛の印が墨で抹消され、後筆で「不用書」と記したものとみられる。

 

  【史料番号5】

   当辰御年貢米永皆済目録
一、米七拾五俵五合三勺九才  但し四斗入

   内

   米弐俵         名主給米被下候

   同三斗弐升      人足扶持被下候

   同壱斗六升八勺   堀式引

   同壱俵         大豆代米

 〆米四俵八升八勺

残而

   米七拾俵三斗弐升四合五勺九才

    此内

     米拾三俵弐斗   源兵衛御扶持高被下候

 残米

   五拾七俵壱斗壱升九合壱勺九才

           両九斗五升かへ

   此永弐拾四貫百弐拾五文四分

   畑方

一、永九貫九百七拾六文壱分

一、同五百文        大豆弐俵之

                  代両石六斗かへ

一、同七百九拾文     夫給金

一、鐚壱貫八拾文     竹莚縄之代

     此永百六拾四文七分  
右は当辰御年貢米永小物成共、書面

之通り御上納仕候所相違無御座候以上


                 葛飾郡神間村

天保三年辰閏十一月      名主 山崎源兵衛㊞

 能勢十次郎様御内

       御役人中様

 

(裏書)

「表書之通相違無之もの也

  能十(朱印・印文「福徳」)」
神間村文書5
(ひとことメモ)
神間村のうち、旗本能勢氏の知行所の分の、天保3年(1832)の年貢皆済目録。年貢皆済目録とは、一般に、江戸時代、村方が年貢を完納した際に領主側が出す年貢の領収書をいうが、本史料からは、旗本能勢氏知行所では、村の名主が能勢氏の役所に年貢の上納を報告し、これを受けて旗本能勢十次郎が自ら「皆済目録」の裏面に署名捺印をして、名主あてに返却し、年貢完納の証明としたことがわかる。裏書の能勢氏の印は、江戸時代には特に高貴な身分の者しか用いれなかったとされる朱印であり、珍しい事例と思われる。
神間村文書5裏書

お知らせ 牛島のフジのゆかりの歴史的な資料を展示しています

藤の花が見ごろな季節となりました。そして、4月22日(日)は第37回「春日部藤まつり」。
藤は春日部市のシンボルとして親しまれています。藤の花が春日部の象徴となったのは、市内幸松地区にある国の特別天然記念物「牛島のフジ」が伝統的な観光地だったためです。
郷土資料館では、藤の花が見ごろなこの季節に合わせまして、常設展示の一部を展示替し、牛島のフジゆかりの歴史的な資料を展示しています。

春日部が観光地となり、町がどうかわっていったのか、どのような人が訪れたのか、については絶賛開催中の
春季展示「かすかべの宝もの15近代の交通・流通」展で紹介しています。
牛島のフジの古写真は、郷土資料館HPのかすかべデジタル写真館でもご覧になれます。
あわせてお楽しみください。

手作り季節展示を展示してます

手作りの可愛らしい兜や、鯉のぼりなど
端午の節句をテーマとした季節展示を展示中です。
皆さま、ぜひご来館ください。

なお、郷土資料館は、毎週月曜と、祝日の4月29日(日)と5月3日(木)から5日(土)まで休館となりますので、ご注意ください。

季節展示

観音院の円空仏『新編図録春日部の歴史』からのご紹介44

春日部市内では、江戸時代の修験僧、円空が彫った円空仏が22体確認されています。これらは、円空が日光道中や日光御成道(にっこうおなりみち)を使って旅をした際に、彫ったものといわれています。

このうち小渕の観音院には、7体の円空仏が伝わっています。

円空仏の聖観音立像(しょうかんのんりゅうぞう)は、高さ194㎝と円空仏の中でも大きく、円空の神髄ともいえる”ほほえみ”の表情が特徴的です。

観音院の円空仏7体は、5月3日~6日に行われる円空仏祭で公開されます。年一度の限られた機会ですのでぜひご来場いただき、円空の大胆な彫りの芸術をご堪能ください。

<円空仏祭>
開催日時:平成30年5月3日(祝日)~6日(日曜日) 午前10時~午後5時
開催場所:小淵山正賢寺観音院(春日部市小渕1634)
交通機関:東武伊勢崎線(スカイツリーライン)「春日部駅」「北春日部駅」東口からいずれも徒歩約20分
費用:500円(拝観料)

春日部市公式サイトイベントカレンダー「小淵山観音院仁王門と円空仏群の公開」
小淵山観音院公式サイト

「不動院・観音院と円空仏」『新編 図録 春日部の歴史』106ページ

聖観音立像
聖観音立像(観音院提供・前田邦臣氏撮影)