ほごログ(文化財課ブログ)

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春期展示「発掘された板碑」がはじまりました

春日部市市制施行20周年記念、第71回企画展示「中世板碑の世界ー発掘された板碑」がはじまりました。

市内の遺跡から発掘調査で発見された板碑35点を展示しました。ぱっと見るとどれも同じような板碑ですが、表面に書かれている文字や図像などは一つ一つ違います。

ぜひ、資料館で実物の板碑をごらんください。

会期:令和7年5月17日(土曜日)から7月6日(日曜日)

休館日:毎週月曜日、祝日、施設点検日

*期間中の休館日:5月19日(月曜日)、5月26日(月曜日)、6月2日(月曜日)、6月9日(月曜日)、6月14日(土曜日・施設点検日)、6月16日(月曜日)、6月23日(月曜日)、6月30日(月曜日)

会場:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15・東武鉄道春日部駅東口より徒歩10分)

 

●関連事業 みゅーじあむとーく

展示室で学芸員による展示解説を行います。申し込み不要、展示室までお越しください。30分程度、各回同じ内容です。

とき 5月17日(土曜日)、6月22日(日曜日)、7月6日(日曜日)10:30~、15:00~
ところ 郷土資料館企画展示室

 

●関連事業 展示解説講座

展示の内容を中心に、春日部市の板碑について、展示担当学芸員が解説します。

とき 6月28日(土曜日)10:00から12:00
ところ 教育センター(郷土資料館と同じ建物)
申し込み 5月8日(木曜日)から、郷土資料館へ直接、電話(048-763-2455)、電子申請でお申し込みください。

看護学校の皆さん、ふれあい大学の皆さんが見学

新年度となり1か月が過ぎ、暖かく過ごしやすい季節になってきましたので、郷土資料館には、連日団体見学のお客様たちが大勢みえています。

5月13日、春日部市立看護専門学校の新入生の皆さんが、郷土資料館を見学されました。

写真:看護学校の見学

未来の看護士のみなさんは、市立医療センターで研修・奉職されることになるので、患者さんたちとのコミュニケ―ションとして、春日部市のことを知ってもらいたい。そうした観点から、毎年、看護学校のカルキュラムとして、郷土資料館にご来館いただき、春日部の歴史・文化について学んでいただきました。

学芸員の説明の後、自由に見学していただきました。県東部地区の方言を紹介する「かすかべ弁」のコーナーでは、友達どうしで方言クイズをしたり、楽しんでいただけたようです。小学生の時に団体見学で来たという方もおり、実際の米俵を持ち上げる体験コーナーが撤収されてしまったことを嘆いていました。

 

5月14日、ふれあい大学の皆さんが春日部観光ボランティアの皆さんの案内で来館されました。

写真:ふれあい大学

ふれあい大学は、春日部市の高齢者支援課の事業です。

ふれあい大学のカルキュラムの一環で、粕壁宿の町並み巡りをされる皆さん。

郷土資料館の宿場町並み模型をご覧いただき、往時の宿場町に思いを馳せていただきました。

詳しい説明は、現地での観光ガイドさんに譲りましたが、ご参加された方からは「春日部夏祭りが八坂神社の祭礼を起源としているとは知らなかった。もっと歴史をPRしてほしい」と、至極まっとうなご意見をいただきました。

郷土資料館は微力ながら、市の魅力を歴史という観点からPRしていきますので、どうぞご支援ください。

 

連日の団体見学で、半世紀ほど年の離れたお客様たちでしたが、宿場の模型をみるまなざしは同じだったように思えました。また、あそびにきていただけるとうれしいです。

地学さんぽ講座4「生きている化石植物と10万年前の地層探検」を開催しました

5月11日(日)、日差しに恵まれ汗ばむ陽気の中、地学さんぽ講座の4回目、「生きている化石植物と10万年前の地層探検」を開催しました。
今回は庄和地区で約10万年前の地層や貝化石、生きている化石植物を見学するコースでした。
はじめに庄和総合支所に集合して、龍Q館まで歩いて向かいました。片道約1㎞の道中には水塚や金野井用水路もあり、地域の歴史も学びながら歩きました。

龍Q館には首都圏外郭放水路建設工事の際に出現した約12.5万年前の地層の剥ぎ取り標本(地層タワー)が展示されています。案内者の先生に地層タワーの見方を教えていただき、約15万年前から現在までの自然環境の変遷を辿りました。地層タワーを見ると、この地域に約12.5万年前の木下貝層、約6000年前の縄文時代前期の貝層があることがわかります。ここでは実際に貝化石も見ながら木下貝層などの貝に関する知識を深めました。

 

 その後、江戸川の堤防から景色を眺め、江戸時代の絵図を見ながら現在の地形の成り立ちも探りました。

 そして最後にレジデンシャルパークSHOWA(庄和総合公園)に戻り、生きている化石植物であるメタセコイアやユリノキを観察しました。

盛り沢山な内容となりましたが、参加者の皆さまは先生方の専門的なお話に耳を傾け、質問をされたりメモを取られたりしながら熱心に散策されました。

改めて、ご参加くださった皆さま、ご案内くださった先生方、ありがとうございました。

この地学さんぽは、2024年2月に刊行された『春日部市史 自然誌編』の連動企画として全4回が実施されました。
今回をもって一段落となりますが、続編をご希望されるお声も複数いただいておりますので、また次の講座も検討してまいります。
『春日部市史 自然誌編』では春日部市の地形や地質について詳しく説明されていますので、ぜひこちらもご覧いただければ幸いです。『春日部市史 自然誌編』は文化財課窓口のほか、庄和総合支所、道の駅しょうわ、ぷらっと春日部でも販売しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 

【東部地区文化財担当者会リレー展示_都鳥が見た古代】久喜市立郷土資料館でリレー展示が開催されています

久喜市立郷土資料館で東部地区文化財担当者会リレー展示「都鳥がみた古代」が開催されています。

「東部地区文化財担当者会40周年記念リレー展示「都鳥(みやこどり)が見た古代-埼玉県東部区の奈良時代・平安時代」を開催します」(久喜市ホームページ)

 

 

久喜市立郷土資料館は、久喜市鷲宮にあり、鷲宮図書館との複合施設です。

 資料館は2階にあり、リレー展示はロビーの一角で開催されています。  

 展示では、都鳥ーユリカモメに関して、長唄や能楽の『隅田川』の文献、永井荷風の小説『すみだ川』、城之内早苗の楽曲『都鳥』のカセットテープなど充実したコレクションが展示されています。

また、奈良時代、平安時代の遺物として、市内の神明神社東遺跡や地獄田遺跡の土器が展示されています。

久喜市立郷土資料館の近くには、鷲宮催場楽神楽(わしみやさいばらかぐら)が催されることで有名な鷲宮神社もあります。どうぞあわせてお出かけください。

 

東部地区文化財担当者会報告書第9集「埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代」も好評発売中です。詳しくはこちら

 

●久喜市立郷土資料館会場「都鳥が見た古代ー埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代」

開催期間 令和7年5月3日(土曜日)~5月25日(日曜日)

開催場所 久喜市立郷土資料館 久喜市鷲宮5丁目33番1号(東武伊勢崎線鷲宮駅東口から徒歩15分、1.1㎞、または同駅より東鷲宮駅西口行バス図書館入口下車、徒歩2分)

開館時間 午前10時から午後6時まで

休館日 毎週月曜日

 お問い合わせ (0480)57-1200

 

*リレー展示は、下記日程で開催予定です。

5月3日から5月25日 久喜市立郷土資料館 資料展示

6月3日から7月21日 幸手市郷土資料館 資料展示

7月29日から8月24日 蓮田市文化財展示館 資料展示

9月5日から9月19日 加須市パストラルかぞ パネル展示

10月24日から11月26日 三郷市わくわくライブラリ― パネル展示

令和8年1月6日から3月1日 宮代町郷土資料館 資料展示

#かすかべ地名の話 (9)#小渕

春日部市内の地名の話。今回は、本日5月2日が千秋楽の企画展「藤・渕・富士 ふじのかすかべ」展でも取り上げている、小渕(こぶち)について。

小渕は、現在の住居表示では「小渕」と書きますが、「渕」の字は「淵」の異体字だそうで、かつては「小淵」と書かれる場合もありました。

小渕の地名の由来については、『新編武蔵風土記』に次のような記述があります。

「村内百余尊権現の縁起に拠れば、当時今の古利根川殊に大河にして、当所は水底深き大淵なりしゆへ、巨淵と号せしより、地名にをはせしを、後に文字を仮借して小淵と書改といへり」

百余尊権現とは、小渕村の鎮守で、現在は鷲神社と呼ばれています。江戸時代の祭神は詳しくわかりませんが、別当は村内にある本山派修験の宮本院でした。明治時代には、鷺神社となるようですので、修験に関わるご祭神だったのかもしれません。この神社の縁起によれば、かつて、古利根川は大河であり、当地は水底が深い大きな淵になっていたため、「巨淵」と呼ばれていたという。地名に大きな淵という意味を背負い、その後、文字(表記を仮借して「小淵」に改めた、あるそうです。

「巨淵」という地名が表記された文献は、残念ながら遺っておらず、真偽は不明です。ただ、企画展「藤・渕・富士 ふじのかすかべ」展でも紹介したように、「渕」は淵・縁とも書き、水が流れずよどんで深いところ(淵)や、物のまわりの部分・めぐる端(縁)という意味があります。

小渕は、古利根川が緩やかにカーブする東の縁に位置し、川沿いには、自然の摂理で形成された河畔砂丘が分布しています。カーブの部分が大きな「淵」となり、また川縁の陸地には川の土砂や砂が堆積しました。「小渕」がかつて「巨淵」だったというのも、あながち間違いではないのかもしれません。

 

さて、企画展「藤・渕・富士 ふじのかすかべ」展は、小渕地区にゆかりのある資料を展示しました。小渕には、小渕山下遺跡、小渕山下北遺跡という遺跡が認められており、古くは古墳時代後期から、奈良・平安時代に人々が暮らし、中世には地域の拠点となっていたと考えられる遺物が見つかっています。今回、市指定有形文化財の「小渕河畔砂丘出土須恵器大甕」や、小渕山下北遺跡出土の漆腕を展示しました。それぞれ、小渕地区、さらには春日部市域の歴史を考える上で非常に貴重な資料です。

画像:展示風景 小渕地区のコーナー

小渕の砂丘は、地元では、「不二山」(ふじやま)と呼ばれました。春日部音頭には「♪桃の不二山~」という歌詞があるように、桃の栽培地として、さらには桃の花の名所としても知られました。粕壁小学校では低学年の児童の遠足先としてよく利用されました。昭和前期と考えられる粕壁小の遠足の写真が残っています。

 写真:不二山

今も国道(旧日光道中)沿いには円空仏祭でこのGWに賑わう観音院をはじめ、河畔砂丘周辺には、朱印寺院でもある浄春院、現存はしませんが、かつて関東の修験寺院を統括していた幸手不動院など、小渕は春日部市域でも特徴的な歴史を伝える地区でもあります。

「小渕」の地名表記は、江戸時代前期の文献まで遡れますが、それ以前は「巨淵」と書いたのか、それともまた別の表記だったのか、残念ながらわかりません。

近年、豊臣政権期に作図されたと推定されている「下総之国図」(船橋市西図書館所蔵)は、まだ下総国に属していた小渕周辺の様子が描かれており、「利根川」(現古利根川筋)沿いに「藤山」の表記がみえます。北側には「本郷」(現杉戸町本郷)の地名がみえるので、おそらくこの「藤山」が小渕あたりで、小渕の「不二山」に通ずるものとも推測されますが、「下総之国図」の史料批判も必要であり、今後、さらなる検討が必要です。

小渕の「渕」、藤塚の「藤」、「不二山」の「藤」、そして、それぞれが富士信仰にも関わっている(かもしれない)という点は、なかなか興味深いなぁと、企画展示の最終日に展示担当者は回顧するのでした。

次期、展示も絶賛準備中です。お楽しみに。

新たに文化財に指定されました「旧石器時代の石器」を公開します!!

 令和7年4月17日付けで新たに春日部市の有形文化財に指定されました「馬場遺跡旧石器時代石器群」について、教育センター1階エントランスホールで展示・公開を開始しました。

 

▲教育センターエントランスでの展示状況

  馬場遺跡は、西金野井地区に所在し、国道16号と江戸川が交差する金野井大橋の北側に広がる台地上に立地します。これまでの発掘調査では縄文時代7,000年前のいろりや4,500年前の住居跡、平安時代のムラなどを確認した遺跡でしたが、平成29、30年の調査で旧石器時代の石器製作の跡が発掘されました。今回の文化財指定で、市指定51件(国指定5件・県指定15件)、総数71件となりました。

イラスト

発掘の様子
《文化財の特徴 その1》
 馬場遺跡では現在の地表から90㎝ほど掘り下げた関東ローム層から119点の石器が発掘されました。関東ローム層は富士山、浅間山、榛名山、赤城山など関東周辺の火山から噴出された鉱物類が風化した土壌です。特に3万年前に大噴火を起こし日本列島一帯に噴出物をもたらした鹿児島県姶良(あいら)火山の噴出物に含まれる「火山ガラス」(AT)は関東ローム層の年代確定の目印になっています。石器はその下のローム層から発掘されたことから、埼玉県内でも旧石器時代の初期の約3.4万年前にあたるという、最古級の石器です。

石器出土状況

 ▲石器の発掘状況~まとまりをもって同じローム層の中から発見された~

 

 《文化財の特徴 その2》
 馬場遺跡は、標高13.5mを測る下総台地の西縁に立地します。東方50mには江戸川堤防下に埋もれた谷があり、緩やかな東向きの斜面地で旧石器時代の石器製作の場が発掘されました。この石器製作の場は南北23m、東西17mの範囲に広がり、4か所の集中区からなる旧石器時代初期の石器製作の集合体です。こうした石器製作の場は、埼玉県内の下総台地にあたる幸手市・杉戸町・春日部市、そして松伏町では初めての検出であり、旧石器時代の文化の示標となります。


《文化財の特徴 その3》
 発掘された石器は、狩猟具の「台形様(だいけいよう)石器」や石器を製作する「ハンマー」「砥石」(といし)、植物の加工具である「磨石」(すりいし)と、道具類は極めて少なく、完成品を携えて移動生活を繰り返したものと推定することができます。石器の材料は、関東周縁から採取できる8種類の石材が用いられました。なかでも流紋岩(りゅうもんがん)やガラス質黒色安山岩の2種が全体の7割を占め、いずれも群馬県や長野県境の山地、利根川上流で産出される石材が中心でした。また、旧石器時代から縄文時代の長きにわたって人びとが愛用した利器に加工しやすい「黒耀石」は科学的な分析により、栃木県矢板市の高原山産であることが判明し、北関東地方と春日部周辺のモノとひとの交流がうかがい知ることができます。

台形様石器

ハンマー類

 ▲主な石器(上:台形様石器、下:ハンマー、磨石、砥石) 

 実物の石器に加え、写真やイラスト、北海道白滝産の黒耀石を用いて展示しておりますので、郷土資料館や教育センターにお立ち寄りの際はご覧ください。

【市ホームページでも紹介しています「新指定文化財」のお知らせ】

 

4月の考古学関係展示会、イベント情報

4月の近隣博物館・資料館の考古学情報をお届けします。
(毎月28日ごろに掲載します。随時、情報を更新します。)

(東部地区文化財担当者会リレー展示ー都鳥が見た古代)
・4月12日(土曜日)~4月29日(火曜日・祝日) 吉川市中央公民館(パネル展示)
・5月3日(土曜日・祝日)~5月25日(日曜日)久喜市立郷土資料館(資料展示)

 

(展示会_閉会日順)

・5月6日(火曜日)まで 朝霞市博物館(朝霞市)
第38回企画展「根岸古墳群と内間木古墳群~朝霞の古墳時代」

 

・5月25日(日曜日)まで さきたま史跡の博物館(行田市)

 令和6年度テーマ展 埼玉の遺跡「小敷田遺跡―低地集落に生きた人びと」



・5月25日(日曜日)まで 藤岡歴史館(群馬県藤岡市)
令和6年度春季企画展「群馬県指定史跡指定記念 ムラと歩んだ古代の寺―牛田廃寺の時代」

 

・5月25日(日曜日)まで 本庄早稲田の杜ミュージアム(本庄市)
企画展「古代エジプトの棺と埋葬」

 

・6月15日(日曜日)まで 国立科学博物館(東京都台東区)
古代DNA-日本人の来た道―


・6月15日(日曜日)まで 水子貝塚資料館(富士見市)
「縄文文化のはじまり ~八ヶ上遺跡全部見せます~」

 

・6月15日(日曜日)まで 飛鳥山博物館(東京都北区)
春期企画展「丸木舟ラボー縄文の舟にまつわる4つのはてなー」

 

・6月29日(日曜日)まで 佐野市郷土博物館(栃木県佐野市)
令和7年度春の展示「佐野の遺跡展」

 

・6月29日(日)まで 栃木県埋蔵文化財センター(栃木県下野市)
令和7年度春の企画展「キレッきれの黒い石―とちぎの黒曜石―」

 

・7月6日(日曜日)まで 宮代町郷土資料館
企画展 「発掘された地蔵院~テーマで探る人々の姿~」

 

・8月30日(土曜日)まで 帝京大学総合博物館(東京都八王子市)
企画展「ホネホネワンダーランド-骨の不思議を探る-」

 

・8月31日(日曜日)まで かみつけの里博物館(群馬県高崎市)
企画展「わくわく!はにわ体験‘25」


(現地説明会)
・5月17日(土曜日)午前10時30分~11時30分、午後1時30分から2時30分 茅ヶ崎市教育委員会 居村B遺跡現地説明会(神奈川県茅ヶ崎市)

不動院野の神楽(市指定無形民俗文化財)が公開されました

 あいにくの雨の中でしたが、令和7年4月13日(日)、大杉神社の祭礼にあわせ、東不動院野の集会所で、市指定無形民俗文化財の不動院野の神楽が公開されました。                                                        
 お囃子のあと、「天狐(てんこ)の舞」、「お地蔵様」などの神楽が演じられました。
 「天狐の舞」は、神の使いである狐が、人々の願いを神に伝え無病息災、五穀豊穣、家内安全などを祈る狐の舞です。

天狐の舞 

「お地蔵様」は、源頼朝(みなもとのよりとも)の厄年(やくどし)にあたり、厄除(やくよけ)のため、頼朝の家臣の梶原景時(かじわらのかげとき)が石屋の名工である五郎太(ごろうた)に一夜のうちに6尺のお地蔵様をつくるよう命じるストーリーです。困り果てた五郎太は弟子をお地蔵様に扮装させる妙案を考えて実行しました。この結果、世間の評判となり参詣する人がたくさん訪れ、ついには参詣者の武将に見破られ、太刀(たち)で乱闘騒ぎとなる中で幕を終える演目です。

お地蔵様

お神楽は、地区内外の方を問わず見学に訪れた方を交えて、地区のほのぼのとしたコミュニティーの中で演じられました。お囃子の音色、凜とした狐の舞、余興を交えたお地蔵様の演目などのおもてなしにより、皆さん楽しいひとときを過ごしました。

春期展示「中世板碑の世界ー発掘された板碑」を開催します

中世の時代、板碑(板石塔婆)と呼ばれる板状の石を使った石造物がさかんに製作されました。春日部市内でも、これまでに約490基が発見されています。今回の展示では市内で発掘された板碑を中心に紹介します。

 

 

会期:令和7年5月17日(土曜日)から7月6日(日曜日)

休館日:毎週月曜日、祝日、施設点検日

*期間中の休館日:5月19日(月曜日)、5月26日(月曜日)、6月2日(月曜日)、6月9日(月曜日)、6月14日(土曜日・施設点検日)、6月16日(月曜日)、6月23日(月曜日)、6月30日(月曜日)

会場:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15・東武鉄道春日部駅東口より徒歩10分)

 

●関連事業 みゅーじあむとーく

展示室で学芸員による展示解説を行います。申し込み不要、展示室までお越しください。30分程度、各回同じ内容です。

とき 5月17日(土曜日)、6月22日(日曜日)、7月6日(日曜日)10:30~、15:00~
ところ 郷土資料館企画展示室

 

●関連事業 展示解説講座

展示の内容を中心に、春日部市の板碑について、展示担当学芸員が解説します。

とき 6月28日(土曜日)10:00から12:00
ところ 教育センター(郷土資料館と同じ建物)
申し込み 5月8日(木曜日)から、郷土資料館へ直接、電話(048-763-2455)、電子申請でお申し込みください。

みよ!春日部の古き映像を! #彩の国ビジュアルプラザ ( #SKIPシティ )から映像視聴端末が出張中!

4月24日より、郷土資料館・ハルカイト(大凧文化交流センター)に、新たに映像視聴端末が設置されました。

写真:郷土資料館の映像コーナー

写真:ハルカイト設置状況

これは、埼玉県の施設「彩の国ビジュアルプラザ」による移動公開ライブラリー事業に伴うものです。

普段は、川口市のSKIPシティで視聴できる動画や写真(の一部)が、特別に春日部市内の二つの施設で視聴できるもの。

この事業は、令和4年度からこれまで、熊谷市・川越市・秩父市で実施されてきましたが、今年度は春日部市で実施されるはこびとなりました。

本日は、はるばる川口市から端末や周辺機材を運搬していただき、汗をかきつつ組み立て作業が行われました。

写真:画面

モニターは直感的に使いやすいタッチパネル式。

春日部や県東部地域ゆかりの動画が48本、市内の古写真が48点、収録されています。

見たいアイコンに触ると、映像が再生され。

画像:動画の一部

上は、埼玉県のニュース映像で、ちょうど春日部市役所(二代目)が完成したころの映像です。

 

SKIPシティで保存している映像のほか、春日部市で制作し、新たに提供した映像・写真も収録されています。

盛りだくさんで、全部視聴すると、1日では時間が足らないかも!?

設置後、早速、市民の方が視聴されていました。職員からも大変好評です。実は担当者もきちんと見ていない映像もあり、要チェックです。皆様もぜひご覧あれ。

設置期間は、今年度内の令和8年3月中旬(予定)です。

「藤・渕・富士 ふじのかすかべ」展みゅーじあむとーく(2回目)開催しました

4月19日、みゅーじあむとーくを開催しました。

午前中は、「東武健康ハイキング」で館内大賑わい。

写真:ハイキングの皆さん

写真:東武ハイキングのみなさん

というわけで、年度跨ぎの「ミニ展示」の「みゅーじあむとーく」にも関わらず、大勢のお客様にご参加いただきました。

 写真:解説の風景

今回は、藤塚地区、小渕地区、そして富士信仰について、市の花フジとともに紹介する展示。

学芸員が好きなことを好きなだけ喋る「とーく」の後、ご来館いただいた皆さんから、様々なお話が聞けました。

生まれてこの方春日部(粕壁)にお住まいの方からは、小渕について、「粕壁小のころ、不二山に遠足にいきました」とか「60年前にはカブトムシ採集にはいったけど、桃林はなかったと記憶している」など教えていただきました。

 

昭和40年代に春日部に越してきた方からは、藤塚の砂丘周辺に桃林があったことを教えていただきました。

また、山梨の大月市のあたり出身の方からは、「山に囲まれていて近くの富士山は意外に見えず、富士山をまじまじとみるのも、富士講や富士信仰を知ったのも、関東地方に出てからのこと」など、教えていただきました。

市内の小中学校の校歌にみる「藤」と「富士」についても、県立高校の元教員の方からは「勤務地だった校歌も「筑波山」と「富士山」が歌詞に入っていた、共通していて面白かった」と感想をいただきました。

 写真:午後のみゅーじあむとーく

「藤」「渕」「富士」の多岐にわたるテーマのため、お伝えしたいことがぼやけてしまうと思いましたが、かえって、幅広い、オムニバスなテーマなので、皆さん各々に刺さることがあり、お楽しみいただけたようなので、展示し甲斐があったよかったと思いました。資料(博物館)が人と人を繋ぐこと、実感した充実した一日でした。

 

この展示は、5月2日まで。お見逃しなく。

 画像:展示チラシ

[事業の基本情報]

展示名:企画展「藤・渕・富士 ふじのかすかべ」展

日時:令和7年3月22日(土曜日)~5月2日(金曜日)月曜日・祝日休館。開館時間午前9時~午後4時45分

関連事業:みゅーじあむとーく(展示担当学芸員による展示解説)
     令和7年4月19日(土曜日)午前10時30分~、午後3時~(30分程度)
     予約不要。時間までに展示室へお集まりください。費用無料

#ハルカイト 見学のススメ(7) #春日部市制20周年 のバースデーケーキ

本日は、ハルカイトへ展示資料の点検に。

ロビーに大きなバースデーケーキが。春日部市の市制20周年をお祝いして造ったものです。

写真:

このバースデーケーキ、なんと和紙でできています。

和紙は、大凧でも使用される小川和紙。大凧を製作したときに出た切れ端を切りそろえ、和紙一枚一枚をバラに加工して、1000個のバラをケーキのように仕立てたものだそうです。

廃材とは思えないほど、細部も凝っていて、なかなか見ごたえがあります。赤いバラはペンキで着色、マカロンは粘土で造ったそうです。

写真:ケーキ

ハルカイトの見学、そして、5月3日・5日の大凧あげ祭りとともにお楽しみください。

【東部地区文化財担当者会リレー展示_都鳥が見た古代】吉川市中央公民館でリレー展示が開催されています

吉川市中央公民館で東部地区文化財担当者会リレー展示「都鳥がみた古代」が開催されています。

「東部地区文化財担当者会40周年記念リレー展示「都鳥が見た古代-埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代」を開催します」(吉川市ホームページ)

吉川市中央公民館は、定員509人のホールや図書室を完備するなど規模が大きい公民館です。

リレー展示は、入口を入ったところのロビーで行われています。

吉川市中央公民館 展示状況 展示状況2

吉川市では現在のところ、遺跡は発見されていません。しかしながら市西部の越谷市・八潮市境となる中川流域には、川に沿って広大な自然堤防が形成されており、特に八潮市では、川沿いの自然堤防上に八條遺跡など古代の遺跡が発見されています。対岸の吉川市側にも遺跡が存在する可能性が考えられます。

また、市東部の深井新田、平方新田では、古代の太日川(ふといがわ・おおひがわ)によって基盤が形成されたと考えられる自然堤防が良好に残されています。

 自然探訪もあわせ、この機会にぜひお出かけください。

 

●吉川市中央公民館会場「都鳥が見た古代ー埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代」

開催期間 令和7年4月12日(土曜日)~4月29日(火曜日)

開催場所 吉川市中央公民館 ロビー 吉川市大字保577番地(JR武蔵野線吉川駅から1.1㎞、徒歩15分)

開館時間 午前9時から午後9時まで

休館日 期間中の休館日はありません

 

お問い合わせ (048)984-3563(吉川市教育委員会生涯学習課)

 東部地区文化財担当者会報告書第9集「埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代」も好評発売中です。詳しくはこちら

 

*リレー展示は、下記日程で開催予定です。

4月12日から4月29日 吉川市中央公民館 パネル展示 

5月3日から5月25日 久喜市立郷土資料館 資料展示

6月3日から7月21日 幸手市郷土資料館 資料展示

7月29日から8月24日 蓮田市文化財展示館 資料展示

9月5日から9月19日 加須市パストラルかぞ パネル展示

10月24日から11月26日 三郷市わくわくライブラリ― パネル展示

令和8年1月6日から3月1日 宮代町郷土資料館 資料展示


 

#かすかべ地名の話 (8)#藤塚

春日部市内の地名の話。今回は、現在開催中の企画展「藤・渕・富士 ふじのかすかべ」展でも取り上げている、藤塚(ふじつか)について。

藤塚は、大落古利根川と中川(庄内古川)に挟まれた地域です。現在は住居表示として藤塚が使用され、また、昭和54年に開校する藤塚小学校、昭和56年に開設された藤塚公民館など公共施設の名称にも使用されています。加えて、市の花「藤」が地名にも入っていることから、「藤塚」の地名は地域の方々から親しまれています。

藤塚の地名の初見は、近世前期の記録にみられる「藤塚村」。当時は、武蔵国葛飾郡松伏領に属しました。藤塚村は、現在の住居表示の藤塚と、六軒町・本田町を含むエリアになります。現在使われている六軒町や本田町という住居表示は、藤塚村の村組である六軒組、本田組を由来にしています。藤塚村は、天保13年(1842)には家数141軒、809人ほどの村でしたが、今の藤塚(六軒町・本田町を含む)には6921世帯の方がお住まいの住宅街となっています(令和5年10月現在)。

藤塚の歴史的特徴ともいえるのが、古利根川の縁辺に形成された内陸型の砂丘(河畔砂丘)です。河畔砂丘は、河道の砂が卓越風で飛ばされ、河道や自然堤防に定着してできた砂の丘のこと。藤塚は藤塚橋や香取神社の付近に帯状の砂丘が確認されます。市内では、浜川戸や小渕にも河畔砂丘が分布しています。

江戸幕府が作成した街道図巻「分間延絵図」によれば、藤塚の河畔砂丘と思われる地帯には樹木が植わり、「百姓林」として利用されてことがわかります。古利根川の対岸の備後村の古文書には、対岸に松林が見えると記述されていますので、江戸時代の河畔砂丘は村人が管理する松林として利用されていたものと考えられます。

明治時代になると、藤塚村の高橋豊吉という人物が、外国種の桃樹(上海水蜜桃)3本を宮内省から譲りうけ、県内で初めて桃を栽植したといわれています。明治10年代に作図されるフランス式彩色迅速測図には、藤塚の河畔砂丘は「桃」の果樹園となっており、桃林として利用されていたことがわかります。さらに、藤塚の遠藤栄太郎は、明治35年(1902)に松林を開墾して、天津水蜜桃、上海水蜜桃を計1200余本栽植し、園芸会社を設立しました。植え付けの本数は最大数万本にものぼり、東京や近県の市場に販路を築き、粕壁や越ケ谷付近の諸村でも水蜜桃の栽培が普及していきました。

東武鉄道の開通後には、藤塚の桃林は「桃花園」と称し、最寄の一ノ割駅から藤塚橋を渡って訪れる観光スポットにもなります。

藤塚の桃林は、昭和40年頃まで往時の面影を残していましたが、東武線の地下鉄乗入れを契機として、昭和42年(1967)ごろから民間の建設会社による分譲住宅の開発が進み、桃林は減少してきました。その代わり、藤塚は春日部市内、屈指の住宅街となり、ニュータウン「藤ケ丘文化村」が造成され、今に至っています。

藤塚の桃林の写真は少ないのですが、今回の展示準備で見つけた写真 がこちら。

写真:昭和39年藤塚橋起工式

昭和39年(1964)3月26日の藤塚橋の起工式の模様。藤塚橋付近で行われた式典で、挨拶をする山口宏市長の後ろには、桃樹らしき樹木が植わっています。おそらく、桃の果樹園ではないかと思われます。

 

さて、本題の地名の由来。藤塚の地名の由来としては、二つの説が唱えられています。一つは、富士浅間を信仰する修験や行者によって造られた塚(富士塚)を意味するという説(『埼玉県地名誌』)。もう一つは、川べりの川底が深くよどんで大きな「渕」となり、その渕の上の砂丘にある板碑や墳丘を指す「渕塚」が転化し、「ふじつか」となったという説(古老の話による)。

藤塚の香取神社には、富士塚は残されていませんが、境内に「忠行院林山」(もしくは忠行林山)と名乗る行者の浅間神を祀る近世後期の石碑が遺されており、かつては富士塚が存立していたのかもしれません。神社一帯は河畔砂丘に立地していますので、砂丘の高まり自体を塚と見立てていた可能性も考えられます。もう一つの「渕塚」という説も、河畔砂丘のある「小渕」の「渕」にも共通しています。「地名の由来はこれだ!」という決定打は欠きますが、いずれの説も、花の「藤」というよりも、川べりにある小高い河畔砂丘を由来としています。

牛島のフジ、藤塚、小渕、富士信仰、ダジャレで繋げたテーマでしたが、ここまで関わるものだとは正直思っておりませんでした。

企画展に陳列する藤塚ゆかりの収蔵品はわずかですが、ぜひご覧いただければと思います。

 企画展チラシ

[事業の基本情報]

展示名:企画展「藤・渕・富士 ふじのかすかべ」展

日時:令和7年3月22日(土曜日)~5月2日(金曜日)月曜日・祝日休館。開館時間午前9時~午後4時45分

関連事業:みゅーじあむとーく(展示担当学芸員による展示解説)
     令和7年4月19日(土曜日)午前10時30分~、午後3時~(30分程度)
     予約不要。時間までに展示室へお集まりください。費用無料

圓福寺所蔵の市指定有形文化財が公開されました

4月6日(日)、一ノ割の圓福寺(えんぷくじ)にて「圓福寺まつり」が開催され、大勢の人で賑わいました。

それにあわせて、市指定有形文化財群の、年に一度の公開が行われました。

圓福寺の境内にある曼荼羅堂には、「木彫当麻曼荼羅図(もくちょうたいままんだらず)」「木彫釈迦涅槃図(もくちょうしゃかねはんず)」「木彫閻魔王宮並びに八大地獄図(もくちょうえんまおうきゅうならびにはちだいじごくず)」が安置されています。これらの作品はすべて、圓福寺の九世住職であった光世上人が元禄年間(1688~1704)に、「木彫当麻曼荼羅図」と「木彫釈迦涅槃図」は6年間、「木彫閻魔王宮並びに八大地獄図」は2年間の歳月をかけて制作したものになります。

一般的には曼荼羅図は絵画によるものが多く、圓福寺所蔵の曼荼羅図のような木彫・立体のものは非常に珍しいものといわれています。

制作されて320年以上が経過している貴重な文化遺産を今日まで保管し、公開の機会を設けていただいている関係者の皆様に感謝申し上げます。

 

地学さんぽ講座3「大河古隅田川を探ろう」を開催しました

 3月30日(日)、穏やかな春の日差しに恵まれ、地学さんぽ講座の3回目、「大河古隅田川を探ろう」を開催しました。 今回は、古隅田川の流路をたどり、豊春駅から八木崎駅に向かうルート(古隅田野鳥の森、古隅田公園、古隅田川緑道)を散策しました。古隅田川は、下総国と武蔵国の国境であり、中世の頃までは川の流れが現在と逆で、古利根川から古隅田川へ向かって流れていました。また、古隅田川とすでに「古」がつくのに、さらに「旧」がつく旧古隅田川があることなど謎に満ちた川です。こうした謎に迫るため、古隅田川の流れの変遷、かつて暴れ川だった痕跡の押堀(おっぽり)(注1)クレバススプレー(注2)、やじま橋や満蔵寺のお葉附きイチョウなどの文化財、梅若塚の伝承、昭和の河川改修による流路変遷などを数多くの見所のある箇所を散策しました。参加された皆さんは、所々で咲き始めたサクラの花を愛で、講師の先生の案内で、地学の探求者として、古隅田川の滔滔としたかつての流れに想いをはせ、様々な謎にみちた川について意見をかわしながら、長い行程の道のりを歩かれました。次回は、地学さんぽ講座の4回目、生きている化石植物の観察場所としてレジデンシャルパーク(庄和総合公園)、10万年前の地層を展示する龍Q館(地下神殿(調圧水槽)の見学は行いません)などを散策する予定です。参加希望の方は広報かすかべ4月号17面をご覧の上、お申し込みください。

注1:押堀(おっぽり) 川の洪水によって堤防を越えたり、破って氾濫した平野部に水が勢い流れた時に水の圧力で地面が掘られた跡。そのまま水がたまって池になったり、湿地として残ることがありますが、現在は、ほとんどは埋め立てられて目にすることは少なくなっています。

注2:クレバススプレー 川の流れに沿って形成された自然堤防が洪水によって破堤し、勢いよく流出した濁流によって引き起こされた地形です。

旧古隅田川(川面橋)で川の流れの確認

古隅田川堤防跡(古隅田野鳥の森)

古隅田川の堤防跡での解説(古隅田野鳥の森)

やじま橋(市指定文化財)

 

 

 

 

 

 


 

3月の考古学関係展示会、イベント情報

3月の近隣博物館・資料館の考古学情報をお届けします。
(毎月28日ごろに掲載します。随時、情報を更新します。)

(東部地区文化財担当者会リレー展示ー都鳥が見た古代)
・3月15日(土曜日)~4月8日(火曜日) 白岡市立歴史資料館(資料展示)
・4月12日(土曜日)~4月29日(火曜日・祝日) 吉川市中央公民館(パネル展示)

 

(展示会_閉会日順)
・4月20日(日曜日)まで 取手市埋蔵文化財センター(茨城県取手市)
埋蔵文化財センター第54回企画展 「近世を掘る―地下からわかる取手宿―」


・4月20日(日曜日)まで 桶川市歴史民俗資料館(桶川市)
令和6年度企画展示「ようこそ はるばる おけがわへ~縄文時代のモノと移動~」


・5月6日(火曜日)まで 朝霞市博物館(朝霞市)
第38回企画展「根岸古墳群と内間木古墳群~朝霞の古墳時代」

 

・5月25日(日曜日)まで さきたま史跡の博物館(行田市)
令和6年度テーマ展 埼玉の遺跡「小敷田遺跡―低地集落に生きた人びと」

・5月25日(日曜日)まで 藤岡歴史館(群馬県藤岡市)
令和6年度春季企画展「群馬県指定史跡指定記念 ムラと歩んだ古代の寺―牛田廃寺の時代」


・5月25日(日曜日)まで 本庄早稲田の杜ミュージアム(本庄市)
企画展「古代エジプトの棺と埋葬」


・6月15日(日曜日)まで 国立科学博物館(東京都台東区)
古代DNA-日本人の来た道


・6月15日(日曜日)まで 水子貝塚資料館(富士見市)
「縄文文化のはじまり ~八ヶ上遺跡全部見せます~」


・6月15日(日曜日)まで 飛鳥山博物館(東京都北区)
春期企画展「丸木舟ラボー縄文の舟にまつわる4つのはてなー」


・7月6日(日曜日)まで 宮代町郷土資料館(宮代町)
企画展 「発掘された地蔵院~テーマで探る人々の姿~」


・8月30日(土曜日)まで 帝京大学総合博物館(東京都八王子市)
企画展「ホネホネワンダーランド-骨の不思議を探る-」

「藤・渕・富士 ふじのかすかべ」展みゅーじあむとーく開催しました

3月23日(日)、現在開催中の企画展示のミュージアムトーク(展示解説)を行いました。

みゅーじあむとーく1

今回の展示は、春先に恒例の藤(フジ)の花の展示の派生企画展。フジの花にかけて、地名の「藤塚」「小渕」、そして「富士信仰」の歴史を収蔵品を中心に紹介しています。

今回のみゅーじあむとーくには、郷土資料館常連の皆さんに多くお集まりいただきました。顔見知りの方ばかりで、解説が終わった後にも、様々ご質問いただき、ご教示いただきました。ありがとうございました。

写真:富士信仰のコーナー

午前中には、ナント!富士信仰の研究者の方にもお出でいただきました。今回の展示準備にあたり、ご著書をいつも座右に置き、参照しており、直接お会いするのは初めてでしたが、動画で拝顔していましたので、展示解説の冒頭から「あの方かも!?」と緊張していました。特に富士信仰の概要や資料を説明する時は、今年一番のドキドキ。

担当者のつたない富士信仰の解説の後、研究者の方には様々な資料や情報をご教示いただきました。今回は収蔵品のみの展示でしたので、固定ケース半分にとどまりましたが、あんな資料やこんな資料も借り、あんなところやこんなところも調査すれば、春日部市域の富士信仰は企画展テーマとして柱が立ちそう、であることをお導きいただきました。ありがとうございました。

今回は「藤」「藤塚」「小渕」「富士信仰」と欲張りな企画で、盛沢山ですが、それぞれが中途半端でもあるともいえましょうか。「富士信仰」のテーマもさながら、「藤塚」も「小渕」も特徴的な地域ですので、それぞれ一本立ちするくらい、調査・研究を深めたいものです。

このように、みゅーじあむとーくは、学芸員と企画展の反省・展望を促すイベントにもなっています。

次回は、4月19日(日)。「藤塚」「小渕」「富士信仰」の関係者の方は、ぜひ叱咤激励にお出でください。

 

[事業の基本情報]

展示名:企画展「藤・渕・富士 ふじのかすかべ」展

日時:令和7年3月22日(土曜日)~5月2日(金曜日)月曜日・祝日休館。開館時間午前9時~午後4時45分

関連事業:みゅーじあむとーく(展示担当学芸員による展示解説)
     令和7年4月19日(土曜日)午前10時30分~、午後3時~(30分程度)
     予約不要。時間までに展示室へお集まりください。費用無料

歴史文化講演会 『奥の細道』を読む~草加から日光あたりまで~ を開催しました

令和7年3月22日(土)午前、教育センター視聴覚ホールにおいて、歴史文化講演会を開催いたしました。

國學院大學栃木短期大学教授で、漢文学がご専門の塚越義幸先生をお迎えして、「「奥の細道』を読む ~草加から日光あたりまで~」をテーマに、お話ししていただきました。

江戸時代の日光道中の宿場町であった粕壁宿には、たくさんの人々が通行しました。

元禄2年(1689)3月に粕壁に宿泊した俳聖 松尾芭蕉もその一人です。

歴史文化講演会

講演では、『奥の細道』を、芭蕉のしゃれ(洒落) や かろみ(軽み) を感じながら鑑賞するために、大切なことを、『奥の細道』の本文に沿いながら、わかりやすく解説していただきました。

芭蕉が訪ねた歌枕の地や、表現方法としての俳諧の様式などについて、文学の専門的なお立場からお話ししていただき、松尾芭蕉の俳諧の特性についても知ることができました。

歴史文化講演会

歴史文化講演会

受講された80名の皆さまには、熱心にご清聴いただき、たいへん盛況となりました。時間の都合で質疑はお一人のみでしたが、先生には丁寧にお答えしていただきました。

塚越先生、受講された皆さま、ありがとうございました。

春日部には、江戸時代後期に建てられた芭蕉の句碑も存在します。また、近代の俳人水原秋桜子や加藤楸邨のゆかりの地でもあります。今後も本市ゆかりの俳諧・俳句につきまして、紹介してまいります。

 

【東部地区文化財担当者会リレー展示_都鳥が見た古代】白岡市立歴史資料館でリレー展示が開催されています

白岡市立歴史資料館で東部地区文化財担当者会リレー展示「都鳥がみた古代」が開催されています。

「リレー展示「都鳥が見た古代〜埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代〜」開催中です!」(白岡市ホームページ)

白岡市立歴史資料館は、平成30年に開館した白岡市生涯学習センター「こもれびの森」内にあります。「こもれびの森」は、歴史資料館のほか図書館、多目的ホール、集会室などから成る複合施設で、白岡市役所に隣接しています。

リレー展示は、入口を入ったところすぐの企画展示室で行われています。

今回は、白岡市の中妻遺跡の資料も多く展示されています。中妻遺跡は白岡市篠津に所在する縄文時代、古墳時代、奈良・平安時代、中世の遺跡です。奈良時代・平安時代では、鉄作りの工房跡が発見されており、関連資料も展示されています。

「古代白岡の鉄作りの起源に迫る!(中妻遺跡第10地点)」(白岡市ホームページ)

常設展示室では、旧石器時代からの白岡市の歴史資料が展示されています。白岡市には、縄文時代の遺跡が多く、資料が充実しています。

この機会にぜひお出かけください。

 

●白岡市立歴史資料館会場「都鳥が見た古代ー埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代」

開催期間 令和7年3月15日(土曜日)~4月8日(火曜日)

開催場所 白岡市立歴史資料館 企画展示室 白岡市千駄野432番地

開館時間 火曜日から土曜日 午前9時~午後7時、日曜日・祝日 午前9時~午後5時

休館日 毎週月曜日(月曜日が祝日に当たる場合は、その直後の祝日でない日)

歴史資料館について(白岡市ホームページ)

お問い合わせ 0480-92-1894

 

*リレー展示は、下記日程で開催予定です。

3月15日から4月8日 白岡市立歴史資料館 資料展示

4月12日から4月29日 吉川市中央公民館 パネル展示 

5月3日から5月25日 久喜市立郷土資料館 資料展示

6月3日から7月21日 幸手市郷土資料館 資料展示

7月29日から8月24日 蓮田市文化財展示館 資料展示

9月5日から9月19日 加須市パストラルかぞ パネル展示

10月24日から11月26日 三郷市わくわくライブラリ― パネル展示

令和8年1月6日から3月1日 宮代町郷土資料館 資料展示

 

東部地区文化財担当者会報告書第9集「埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代」も好評発売中です。詳しくはこちら