ほごログ(文化財課ブログ)

ほごログ

昭和46年(1971)2月1日公民館6館オープンー広報かすかべ169号

文化財保護課では、過去に市役所の広報担当が撮影した写真フィルムをデジタル化する作業を進めています。
『ほごログ』の新しいコーナーとして、保存している広報写真の中から、旬な情報を定期的にお届けします。
昭和から平成の春日部を写真でお楽しみください。

48年前の昭和46年(1971)2月1日、春日部地区の粕壁地区公民館、内牧地区公民館、豊春地区公民館、武里地区公民館、幸松地区公民館、豊野地区公民館の6館が一斉にオープンしました。広報では、大小の会議室や和室などが整備され、学習や会議ができる施設として紹介されています。

写真の幸松公民館は、開館から22年後の昭和63年(1988)10月23日、建て替えを経て現在の建物になりました。

広報かすかべ169号(昭和46年2月)
広報かすかべ387号(昭和63年10月)

開館当時の幸松公民館
開館当時の幸松公民館(広報かすかべ169号掲載)

幸松小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

平成31年2月1日に幸松小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。
昔懐かしの暮らしと道具を実際に近くで見て触って、少し昔の生活を身近に感じていました。

見学の様子

展示されている道具ですが、これは何だか分かりますか?
手水器
児童たちからは、「蚊取り線香?」「炊飯器?」という声もありましたが


正解は・・手を洗う道具「手水器(ちょうずき)」です。
手水器のイラスト


児童も早速体験していました。
見学の様子

郷土資料館では、3月24日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催しており、昔の懐かしい道具や写真を展示しています。小さなお子様からご年配の方まで、一緒に楽しめる展示となっております。ぜひ遊びにいらしてください。

正善小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

平成31年29日に正善小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。
少し前に使われていた日用品や農具等の説明を一生懸命にメモをとりながら聞いていました。

見学の様子

初めて見る物の使い方を質問したりして、昔の道具に興味深々でした。

見学の様子

土資料館では、3月24日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催しており、昔の懐かしい道具や写真を展示しています。小さなお子様からご年配の方まで、一緒に楽しめる展示となっております。ぜひ遊びにいらしてください。

神明貝塚の巡回展の第二弾が始まります

1月22日まで庄和総合支所にて開催されていました巡回展「ここまで分かった!神明貝塚と縄文人のくらし」が場所を移し、今度は正風館(庄和地区公民館)にて、1月30日より公開します。

見逃してしまった方はもちろん、すでにご覧になられた方も、正風館に足をお運びの際には、是非一度ご覧いただき、市域最大の縄文のムラとくらしの息吹を感じてみてはいかかでしょうか。

正風館での展示の様子

場所:正風館1階ロビー(大衾307番地1)
会期:平成31年1月30日~4月末日


縄文時代の土偶『新編図録春日部の歴史』ーその74

縄文時代の人々の精神性を表す道具として、土偶(どぐう)があります。
土偶は粘土で人の形を作ったもので、乳房(ちぶさ)の表現と豊満な腹部や臀部(でんぶ)から女性を表現し、多産や安産などを願うために使われたと考えられています。


豊春地区の花積台耕地(はなづみだいこうち)遺跡では、「ハート形土偶」の、まさに名前の由来であるハート形の顔が発見されています。顔面をふちどるような文様は、イレズミを表現している可能性があります。
また、西親野井地区の神明貝塚では、同じく「ハート形土偶」のお尻から足の部分が発見されています。これらの土偶は、
3,5004,000年前の縄文時代後期のものです。


神明貝塚では、最近の調査(春日部市サイトにリンク)でも土偶が発見されています。

「縄文時代の文化」『新編図録 春日部の歴史』18ページ

花積台耕地遺跡の土偶
花積台耕地遺跡のハート形土偶の顔の部分

神明貝塚の土偶
神明貝塚のハート形土偶のお尻から足の部分

南桜井小学校伝統芸能クラブの活動

1月23日は校内でのクラブ活動ではなく、学校外で「伝統芸能クラブ」の活動が行われました。総合支所2階にある庄和児童センター(スマイルしょうわ)に招かれ、『芝舞(しばまい)』と『辻切(つじきり)』の2演目を披露しました。昨春4月から新たなメンバーで始まったクラブ活動も円熟(えんじゅく)し、15名の児童の力の結集で見事なお囃子が奏でられ、伝統の舞もきれいに揃っていました。

▲さまざまな年代の方々が観覧する中、堂々とした「芝舞」が舞われました

▲「辻切」は腰をおとし、安定した舞でした
クラブ活動も残すところ3回。指導されてきた西金野井獅子舞保存会の染谷会長さんも目を細めて息のあった舞を見守っていました。この中から、伝統芸能を担う後継者が生まれることを切に祈っています。

上沖小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

平成31年1月22日と23日に上沖小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。
時代とともに変わっていった春日部を学芸員から説明を聞いたり、当時使っていた物を触ったりしました。

小学校の見学

自由時間には、実際に”竹ぽっくり”で歩いてみたりと、昔のおもちゃで楽しそうに遊んでいました。

小学校見学の様子

カラーが当然と思っていたテレビが、昔は白黒だったことにも驚いていました。

見学の様子

郷土資料館では、3月24日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催します。
昔の懐かしい道具や写真を展示し、小さなお子様からご年配の方まで、一緒に楽しめる展示となっております。ぜひ遊びにいらしてください。

郷土資料館体験ワークショップを開催しました

平成31年1月20日(日)、郷土資料館展示室で「体験ワークショップ」が開催されました。

ワークショップの様子

春日部の伝説をもとにした紙芝居や、蓄音機によるレコード鑑賞を楽しんだあと、昔のおもちゃ「パタパタ(板がえし)」を作りました。

ワークショップの様子

一番上の板をひっくり返すと、下の板も順番に”パタ♪パタ♪パタ♪”と音をたてながらひっくり返るのを、何度も楽しんでいました。

ワークショップの様子

ワークショップは、小学生までを対象とした、昔の遊びを気軽に体験できるイベントです。事前申込み不要、当日の飛び込みも大歓迎です。
 次回ワークショップは、平成31年2月17日(日)に「からくり屏風」を作ります。ご参加をお待ちしています。


ワークショップの様子

宮川小学校の皆さんが郷土資料館を見学しました

平成31年1月18日(金)、宮川小学校第3学年の皆さんが春日部市郷土資料館を見学しました。
宮川小学校学区内の花積貝塚の竪穴住居や、日光道中の宿場町の模型を見学した後、現在、社会科で学習している昔のくらしについて、資料を見学しました。その後の自由時間では、体験コーナーが人気。
とんとん相撲やブンブンゴマなど、昔のおもちゃを体験し、おじいさん・おばあさんの時代の暮らしを学習しました。

写真:体験コーナー

おばあさんにお手玉を教えてもらったという男の子もおり、わらべ歌をうたいながらお手玉を披露してくれました。また、けん玉が上手な男の子もいました。
昔のくらしの学習は、おうちの方にお話しを聞くと理解が深まるかもしれませんね。

写真:けん玉の体験
宮川小学校の皆さん、またぜひおうちの方と遊びに来てくださいね。

1月20日(日)銚子口の獅子舞が公開されます

1月20日(日)、銚子口香取神社にて、春日部市の無形民俗文化財に指定されております「銚子口の獅子舞」が公開されます。
どうぞ皆様お誘いあわせの上、ご来場ください。

日時:平成31年1月20日(日)14時~15時20分ごろ
場所:銚子口香取神社(春日部市銚子口551)

交通機関:朝日自動車バス(春日部駅東口~豊野工業団地行)豊野小前バス停下車、徒歩5分

春日部市指定無形民俗文化財「銚子口の獅子舞」の公開(春日部市公式サイトイベントカレンダー)

銚子口の獅子舞

中野小学校の皆さんが郷土資料館を見学しました

平成31年1月17日(木)中野小学校3年生の皆さんが、春日部市郷土資料館を見学しました。

縄文時代の竪穴住居の模型の見学。
中野小学校の周りにも縄文時代の家があったことを話すと、とても驚いていました。
写真:竪穴住居の見学

千歯こきの体験では「モミがとれて、すっきりした」と感想を話してくれました。体験が終わった後、千歯こきは何する道具ですか?と聞くと「米を散らかす道具!」と元気に答えてくれる子もいました。本当は板や筵(むしろ)などを引いて集めやすくするのです。
写真:千歯こきの体験
このほか、体験できる昔のおもちゃや道具等に興味津々。スケッチやメモなどを一生懸命とっていました。展示資料のなかでは、今の遊びと直結するファミコンとゲームボーイが人気のようでした。

1月から2月にかけて、郷土資料館の社会科見学も本格的になり、資料館がにぎやかになります。

出張展示 庄和図書館 三上於菟吉と春日部展

郷土資料館の出張展示としまして、1月16日(水)から2月20日(水)まで、庄和図書館(春日部市金崎839-1 午前9時~午後7時開館)で「三上於菟吉と春日部」展を開催しております。



庄和図書館と三上於菟吉顕彰会による連続講座「三上於菟吉と春日部」が開催されましたことから、関連として展示するものです。連続講座は、第2回まで終了、第3回は2月3日(日)に、三上於菟吉顕彰会代表新井義昭先生による「『百万両秘聞』の生まれた背景」が行われます。お問合せは、庄和図書館(048-718-0200)まで。



展示内容は、於菟吉の粕壁中学校(現春日部高等学校)時代の作品や、昭和10年刊の唯一の随筆集『随筆 わが漂泊』にみえる故郷と中学校の思い出話の紹介と、『モントクリスト伯爵』のほか、意外と知られていない於菟吉の翻訳小説を中心としております。寄贈者のご厚意で、直接ご覧いただける著書もございますので、皆さまぜひご覧ください。

東部地区の交通ー交通の発展と三郷ー(三郷市立郷土資料館)

三郷市立郷土資料館にて、1月11日(金)から2月11日(月・祝)まで、「東部地区の交通ー交通の発展と三郷」が開催されています。
この展示会は、東部地区文化財担当者会の「東部地区の交通」巡回展の一つで、三郷市では、近世・近代からの河川・道路・鉄道による交通の歩みについて、実物資料・写真を用いて紹介しています。春日部市郷土資料館からも、内国通運(ないこくつううん)株式会社西宝珠花取扱所の半てんなどを貸し出しています。

常磐自動車道や東京外環道、つくばエキスプレスなど、近年も新しい交通が次々と整備されている三郷の交通の歩みを展示資料と共に学ぶことができます。みなさまお誘いあわせの上、ぜひお出かけください。

なお、東部地区文化財担当者会発行の研究報告書『東部地区の交通』(1,500円)は、残部が大変少なくなっております。購入ご希望の方は、春日部市教育委員会文化財保護課(土日は郷土資料館)までお問い合わせください。

<東部地区の交通ー交通の発展と三郷ー>
日時:平成31年1月11日(金)~2月11日(月・祝)平日:9時半~19時 土日祝日:9時半~17時
休館日:毎週月曜日(1/14(月・祝)・2/11(月・祝)を除く)、1月15日(火)、1月24日(木)
場所:三郷市立郷土資料館(三郷市谷口618-1三郷市わくわくライブラリー内)
 ※つくばエクスプレス「三郷中央駅」から徒歩約10分

 電話番号:048-952-8800 展示内容については048-930-7759(生涯学習課)
入館料:無料

郷土資料館企画展「埼玉県東部地区の交通―交通の発展と三郷―」開催のお知らせ(三郷市立郷土資料館)

三郷市東部地区の交通展ポスター

東中学校『新編図録春日部の歴史』ーその73

平成25年(2013)1月7日、春日部市立東中学校では、「光と風、水面に映える学校」をコンセプトに建設された新校舎の落成式典が挙行されました。
新校舎は木材をふんだんに使い、冷暖房を完備、太陽光発電と雨水利用の設備やミニコンサートが開ける「パティオ」という中庭も設置されました。

今年の1月3日に行われた箱根駅伝第9区には、平成25年に東中学校卒業で国士舘大学の石川智康選手が出場しました。

東中学校ブログ「卒業生が箱根駅伝を走ります」
No.148 東中学校新校舎落成式典が開催されました(国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP))
「教育施設の拡充」『新編図録 春日部の歴史』286ページ

東中学校


 

郷土資料館利用のご案内

●開館時間:午前9時から午後4時45分
●休館日:毎週月曜日、祝祭日(月曜日が祝祭日と重なる場合は、火曜日も休館となります) そのほか、選挙投票日、施設点検日など臨時休館日あり
●入館料:無料

●アクセス
住所:春日部市粕壁東3-2-15(春日部市教育センター内)
電話番号:(048)763-2455

春日部駅東口(東武スカイツリーライン・東武アーバンパークライン)から徒歩10分
東北自動車道岩槻ICから国道16号線春日部・野田方面、「小渕」交差点を国道4号線東京方面へ、国道4号線「女子高入口」交差点を春日部駅方面へ、「粕壁小」交差点南東角。
駐車場は教育センターと共用。

グーグルマップ 春日部市郷土資料館

資料館地図
郷土資料館案内図

御産御祈目録『新編図録春日部の歴史』ーその72

南北朝時代の武将、春日部重行(かすかべしげゆき)は、建武記(けんむき)や後醍醐天皇綸旨(ごだいごてんのうりんじ)などの古文書にその名が登場することをこれまで紹介しましたが、今回の御産御祈目録(おさんおいのりもくろく)もその一つです。
御産御祈目録とは、天皇の妃が妊娠している期間に、その安産祈願のために行われる様々な祈祷を目録にしたものです。
建武2年(1335)の御産御祈目録には、重行の官職名である「滝口左衛門尉」(たきぐちさえもんのじょう)の名が記され、後醍醐天皇の妃の安産祈願に、西国三十三所(さいごくさんじゅうさんしょ)第十九番札所の行願寺(ぎょうがんじ)に重行が派遣されたことがわかります。
行願寺は革堂(こうどう)とも呼ばれ、現在は京都市中京区(なかぎょうく)に所在します。南北朝時代は現在の上京区(かみぎょうく)にあたる場所にありました。

 

『続群書類聚』997巻 国立公文書館所蔵
「春日部氏と建武の新政」『新編図録 春日部の歴史』48ページ
御産御祈目録
御産御祈目録(赤線部分に「行願寺 滝口左衛門尉重行」とある 

最近の郷土資料館

年の瀬も迫ってまいりました。今回は、高齢者施設の団体見学、大学生の資料利用、常設展示の一部更新など、春日部市郷土資料館での最近の出来事を紹介します。

【その1】12月8日・15日・19日、市内の高齢者施設の皆さんが団体でお見えになりました。
写真:昔の道具の見学
展示室では、回想法ボランティア「ふれあい幸齢倶楽部」さんのご協力をえて、回想法に基づいた映像の上映をしていただきました。回想法と言うと、敷居が高く聞こえますが、簡単にいえば、高齢者の方に懐かしい物事を思い出して、話し合っていただき、活き活きとしてもらおう、という取り組みのことです。回想法の映像では、昭和30年代の県内の風景や国内で起きた主な出来事が紹介されました。
写真:回想法映像の上映
また、「くらしのうつりかわり」展で紹介している昔の道具を手に取って御覧いただきました。ご来館いただいたみなさんは、映像や懐かしい道具を御覧になり、楽しんでいただけたようです。「とても楽しかった」「この道具使っていたよ、懐かしい」などとご感想をいただきました。またのご利用をお待ちしています。

【その2】大学生の卒業研究の資料調査がありました。
日本工業大学の学生さんが、館蔵の木製の椅子・机の調査のため来館されました。
写真:資料を撮影する学生
この学生さん、小中学校で戦前に使用された木製の椅子・机をテーマに卒業研究をまとめている方で、JIS(日本工業規格)が確立される以前の椅子や机に規格があったのかを原物の資料を測量しながら調べているんだそうです。
当館には、粕壁小学校の木製椅子・机、葛飾中学校の木製椅子が収蔵されていますので、調査していただきました。わずかな点数ですが、半日がかりで写真に撮り、丁寧に実測されていました。「児童の体型や安全性などに配慮して設計・製作されていたのではないか」と考察されていました。近隣の博物館の資料とも比較するそうなので、研究の成果、楽しみにしています。ちなみ、粕壁小の木製椅子・机は展示中ですので、いつでもご覧いただけます。


【その3】またまた、常設展示を一部更新しました。
写真:常設展の一部更新
今回は、近現代の市域の歴史について展示を一新しました。新たに設置したのは、「関東大震災と春日部」「近代の交通・流通」「ベッドタウンとしての春日部」の3テーマです。「近代の交通・流通」は、江戸川の舟運や鉄道関係の資料も展示しています。
先日、近隣にお住まいの方が、「久しぶりに立ち寄ってみましたが、少しずつ変わっているんですね!」と感想をもらしてくださいました。
日々かわっていく郷土資料館の展示室をぜひともご覧ください。

小渕河畔砂丘出土の須恵器大甕『新編図録春日部の歴史』ーその71

今回ご紹介する須恵器の大甕(おおがめ)は昭和31年(1956)に、小渕地区の小渕河畔砂丘(こぶちかはんさきゅう)の一部を崩す工事の際に発見されました。
口の部分の直径は33.8㎝、高さは54.6㎝と、空の状態でも一人で持ち運ぶには難しい大きさです。作り方や粘土の特徴から、古墳時代後期から奈良時代の初めに、群馬県方面で生産されたものと推定されています。

重要な点は、この頃作られた須恵器大甕が河畔砂丘の砂の中に埋まっていたことです。これは、小渕河畔砂丘の形成が開始された年代が奈良時代にさかのぼることを示します。
須恵器大甕は河畔砂丘の歴史を考えるうえで重要な意味をもつことから、平成21年に春日部市の文化財に指定されました。

春日部市の指定文化財「小渕河畔砂丘出土の須恵器大甕」(春日部市教育委員会サイト)
春日部市教育委員会『春日部市史第1巻 考古資料編』1986 577ページ
「古代の生活と文化」『新編図録 春日部の歴史』38ページ

小渕河畔砂丘出土の大甕

平成最後のしめ縄づくり

春日部市郷土資料館のイベントも年内最後になりました。先週に引き続いて、12月15日(土)に体験講座しめ縄づくりを開催しました。
写真:しめ縄をつくった皆さん

紙垂(しで)をつくった後に縄ないをして、しめ縄をつくりました。
今回も例年参加している方が多く、初めての方も、筋がよく、あっという間に完成しました。

写真:しめ縄をよる作業

参加した小学2年生と年中さんの姉妹。お姉さんは一人で、妹さんはお母さんに手伝ってもらいながら立派なしめ縄を作り上げました。お正月にお父さん・お母さんの実家に里帰りして、両方のおじいさん・おばあさんにそれぞれプレゼントする、と話してくれました。お孫さんが作った立派なしめ縄をもらって、おじいさん、おばあさんは驚くのではないでしょうか。
写真:しめ縄をつくった姉妹

よく考えたら、「平成最後」のしめ縄づくりですね。受講者の皆さん、「平成最後」のしめ縄で、「平成最後」の新年をお迎えください。

春日部実景父子が自害した法華堂の跡『新編図録春日部の歴史』ーその70

春日部氏は、おおむね現在の東京都大田区、品川区、目黒区、神奈川県川崎市の一部である武蔵国荏原郡(えはらぐん)を開発した大井氏や品川氏の一族にあたります。
春日部実景(かすかべさねかげ)は、甲斐守(かいのかみ)など鎌倉幕府の要職をつとめた御家人で、幕府内の地位も髙かったものと推定されます。
しかしながら宝治元年(1247)、有力御家人であった三浦泰村(みうらやすむら)が執権の北条時頼(ほうじょうときより)と対立し、宝治合戦(ほうじかっせん)が起こります。この際、三浦氏方についた春日部実景父子は、敗走した三浦氏一族とともに、法華堂(神奈川県鎌倉市)にあった源頼朝の画像前で自決しました。

『吾妻鏡』巻38 宝治元年6月10日条・6月22日条 国立公文書館内閣文庫
春日部市郷土資料館『中世の武士 春日部氏(夏季展示第35回展示図録)』2007
「下河辺氏・太田氏・春日部氏」『新編図録 春日部の歴史』160ページ
法華堂跡
法華堂跡(源頼朝墓・神奈川県鎌倉市)
吾妻鏡6月11日条
『吾妻鏡』宝治元年6月10日条
10日条には春日部実景の子どもが武蔵国で捕らえられ、鎌倉に到来したことが記される。

吾妻鏡6月22日条
『吾妻鏡』宝治元年6月22日条
22日条には自殺・討死した武将の名前の中に「春日部実景」と子息「太郎」「次郎」「三郎」がみえる。

古文書勉強会の成果(その9)

平成30年12月1日(土)古文書勉強会を開催しました。市民の方々が主体的に市内神間地区ゆかりの江戸時代の古文書=神間村文書(春日部市郷土資料館所蔵)を解読しています。
写真:勉強会の様子
今回は、延宝3年(1675)3月「神間村屋敷御検地御水帳写」(史料番号332)と文久2年(1862)3月「入置申一札之事」(史料番号42)を講読しました。

延宝3年「検地帳写」は、代官南條金左衛門による総検地の時に作成されたものであり、神間村にとっては、開発直後の慶安3年(1650)の検地に引き続いて2度目の検地になります。今回は、当村の屋敷地の持ち主や広さなどが記載されている屋敷分を読みました。以前、講読した慶安3年の屋敷地と比較すると、全体的に屋敷地の面積が拡大していること、高入れしていない藪地が屋敷地に付属していること、藪地は屋敷の面積を合わせると全体の4分の1程度であることが明らかになりました。おそらく藪地は屋敷林(防風林)のことと考えられます。事実上、村が成立した慶安3年から25年の間に、耕地の開発がすすみ、そこに暮らす人々が屋敷に屋敷林などを備えて、村に定着していったことがうかがえます。
また、参加者からは、他の村には「藪」があったのか、と疑問が投げかけられました。当日もお見せしましたが、神間村と同じ下総国葛飾郡庄内領の水角村の延宝3年検地帳(当館蔵)にも屋敷地に藪が付属しています。防風林をそなえた屋敷が点在する中川低地の農村の風景は、このころに形成されていったと考えられます。

ところで、みなさん、古文書を読むのに慣れてきましたが、その一方で「検地帳や人別帳は読みやすいが単調」という意見も出始めました。そこで、今回は続けて、一紙文書の文久2年(1862)3月「入置申一札之事」を読んでみました。この文書は、土地を質入れして金5両を借用したことを証明する質地証文について、その作成を十二月まで引き延ばすことを取り決めた文書です。以下、釈文です。

【史料番号42】
     入置申一札之事

一、其御組合御水帳面傳左衛門名前屋敷畑

壱反歩、私義年来所持致居候処、追々

身上向不如意ニ罷成、勝手合を以親類相談仕、

此度貴殿江立而御無心申入、質地代金五両也、

不残御聞済被下、書面之金子證人立会、

慥ニ請取申処実証ニ御座候、然ル処我等勝手

合を以質地證文取極メ候儀は、当戌十二月

迄引延、就而は貴殿方ニ而御聞済被下質地證文

対談之通り期月ニ至り候ハヽ、貴殿方ニ而被仰

付次第無違変御組合一同我等ニ而相頼、質

地證文取極メ可仕候、若其節右地面二付

横合より少も変乱申もの御坐候ハヽ、加印

之もの引請急度埒明、貴殿江少も御苦

難相掛ケ不申、質地證文書替可申候、為後日

一札入置申処如件  

   庄内領神間村

               出石地主

   文久二年         文右衛門㊞

     三月       親類

                亀蔵㊞

            源兵衛殿       

前書取極メ対談仕候上ハ、当年より

公議様御年貢諸夫銭共貴殿方ニ而

御勤可被成候、依之奥書相添一札入

置申処如件        

             出石地主 

               文右衛門㊞

             親類

               亀蔵㊞

            源兵衛殿

次回の勉強会は、年をまたいで1月12日(土)14時~を予定しています。
原本をみながら、古文書を講読できるのは、春日部でたぶんココだけです。ご興味のある方のご参加をお待ちしています。

年末恒例の体験講座

平成30年12月9日(日)春日部市郷土資料館でしめ縄づくりの講座を開催しました。リピーターも多い毎年恒例の人気講座です。
写真:しめ縄完成
この講座は、郷土に古くから伝わる風習についての理解のため、稲わらを細工して、正月飾りになるオリジナルのしめ縄をつくっていただくものです。受講者のみなさん、わらの扱いに苦労されながらも、立派なしめ縄を拵えていただけたようです。

講座では、はじめに、しめ縄に垂らす「紙垂」(しで)をつくり、その後、しめ縄をしばる縄をつくるため縄ないをしました。
写真:縄ない

そして、しめ縄づくり。郷土資料館でつくるのは「ゴボウジメ」と呼ばれる、わらを3つ編み状にしたしめ縄です。単純に3つ編みにするのではなく、3つ編みにするのと反対方向にわらをよりながら編み込んでいきます。
リピーターで毎年参加されている熟練の方は、一人で作ってしまいますが、皆さんには二人一組で協力してつくっていただきました。下の写真は、ご家族総出での製作の模様です。
写真:しめ縄をつくる
家族で作ったオリジナルのしめ縄で、よいお年をお迎えいただけますよう、お祈り申し上げます。
郷土資料館のしめ縄づくり体験講座は、今週末12月15日(土)にも開催いたします。定員はわずかです。ご興味のある方はお早めにお申し込みください。

修善寺・熱海温泉紀行『新編図録春日部の歴史』ーその69

明治16年(1883)4月、当時の下柳村に住んでいた染谷保次郎さんは、伊豆の修善寺、熱海まで、旅行をしました。その際の記録が、『修善寺・熱海温泉紀行』です。郷土資料館で保存している資料は、後年の明治25年に書き写されたものです。

『修善寺・熱海温泉紀行』には、約1か月の行程が詳細に記されており、下柳から粕壁を経て、馬車、人力車、鉄道を乗り継いで伊豆に行った交通事情の様子がわかります。
当時、浅草から宇都宮間には1日3便、旅客10人の馬車が運行されており、浅草と粕壁間の運賃は一人63銭でした。

『修善寺・熱海温泉紀行』春日部市郷土資料館
「宿場町粕壁と交通の変容」『新編図録 春日部の歴史』160ページ

修善寺・熱海温泉紀行

第8回民俗芸能公開事業を開催しました

12月2日(日)に市指定無形民俗文化財を伝承されている「赤沼民俗文化財保存会」、「東中野獅子舞保存会」のみなさまによる『伝承300年の舞-守り継承されてきた獅子舞‐』を正風館大ホールで開催しました。当日は、第1部で地元の祭礼で演じられる主要演目を演舞していただきました。
赤沼の獅子舞弓くぐり
▲赤沼の獅子舞「弓くぐり」
 夏の祭礼で五穀豊穣を願って弓をくぐる迫力のある舞です

東中野の獅子舞花掛り
▲東中野の獅子舞「花掛り」
 三匹獅子に加え、道化きつねが絡むストーリー性のある舞です

第2部では地域の家内安全、疫病退散を祈願し、地域の辻つじで演じられる「辻きり」「追い出し」と呼ばれ、舞台上で初めて舞っていただきました。
赤沼の獅子舞悪魔払い
▲赤沼の獅子舞「悪魔払い」
太夫獅子が模造刀で邪気を追い出す演目で、平成26年に復活させました

東中野の獅子舞大祓い
▲東中野の獅子舞「大祓(おおばらい)」
神職姿の役員さんが祝詞を唱え、幣束を模造刀で断ち切る「辻きり」の一場面


当日は多くの皆さまに郷土春日部の伝統の舞を堪能いただきました。来年も開催いたしますので、ご期待ください!!
また両団体の皆さま、ご熱演いただき、ありがとうございました。

12/2(日)「伝承300年の舞」が開催されます

12月2日(日)13時10分より、正風館大ホールにて、第8回民俗芸能公開事業「伝承300年の舞ー守り継承されてきた獅子舞」が開催されます。
春日部市指定文化財の赤沼の獅子舞(あかぬまのししまい)、東中野の獅子舞(ひがしなかののししまい)が舞台で披露されます。

今回出演する2つの獅子舞は享保(きょうほう)3年(1718)、享保5年(1720)に、ともに現在の越谷市下間久里(しもまくり)から伝承されたものです。
実に300年という長い歳月にわたって、今日まで地域のみなさまが守り継承されてきた郷土春日部の獅子舞を、ぜひご堪能ください。

開催日時:平成30年12月2日(日)13時10分開演(12時50分開場)
開催場所:庄和地区公民館(正風館)大ホール
所  在  地:春日部市大衾307番地1(南桜井駅北口より徒歩8分)
定員:500人
費用:入場無料
申込:不要。直接会場へお越しください。
※駐車場に限りがありますので公共交通機関のご利用をお願いいたします。

古文書勉強会の成果(その8)

更新がだいぶご無沙汰になってしまいましたが、春日部市郷土資料館の市民による古文書勉強会の成果を紹介します。9月、10月、11月と数回にわたり、神間村文書のうち検地帳・宗門人別帳を講読しました。
写真:講読の風景
まず、慶安3年(1650)「神間村新田屋敷御検地御水帳写」(史料番号334)は、神間が開発され、はじめて検地の時に作成されたもので、元文4年(1739)に書写されて、今日に伝わったものです。今回は五冊のうち、住民の屋敷を書き上げた一冊を読みました。参加された方が内容を表にまとめてくださいました。
画像:検地帳の集計表
住民に屋敷の大小があること、「〇〇分」の記載から、いわゆる分付主という存在がいたこと、検地の案内人には除地が与えられていることなどを読み解きました。また、史料の写し間違えがあり、屋敷地の合計が計算上合っていないことも明らかになりました。

次に、享保21年(1736)「下総国庄内領神間村宗旨人別帳」(史料番号339)を講読しました。
写真:享保21年人別帳
こちらも内容を表にまとめていただきました。
表:享保21年人別帳の分析
家族構成や年齢、旦那寺、本百姓でない「地守」「水呑」という肩書の農民の存在など、当時の神間村の住民構造を読み解きました。神間村には寺院がなかったため、各家は他村の寺院を旦那寺としており、とくに西宝珠花村の宝蔵寺を旦那寺とする家が多いことから、近世前期の新田開発にあたって、台地上の宝珠花から入植があったことがうかがえます。また、この宗門人別帳には「本家立三間、横弐間半」というような記述がみえます。「本家」の厳密な意味はわかりませんが、おそらく各家の母屋の面積を示したものと推察されます。
ある参加者の方は、この面積の数値と家族人数を合わせて、分析してくださいました。
画像:参加者の分析図
検地帳、宗門人別帳を講読して、当時の神間村の人々のくらしがイメージできましたでしょうか。
また、前回の11月17日(土)には、講読後に新規受け入れ資料の加藤楸邨・水原秋櫻子の短冊を熟覧していただきました。楸邨・秋櫻子は春日部ゆかりの俳人ですが、近世の古文書とはまた違った草書を読んで、昭和の俳句の世界に思いをはせていただきました。
写真:加藤楸邨等の短冊の熟覧
次回の勉強会は、12月1日(土)14時~、次々回は1月12日(土)14時~です。一緒に古文書を読んでみたいという方も大歓迎です。

春日部中学校図書館『新編図録春日部の歴史』ーその68

昭和34年(1959)11月25日、全国で初めて、春日部中学校に中学校図書館が開館しました。鉄筋コンクリート製の平屋で、面積349.2平方メートル、総工費は630万円でした。円形バルコニー、明かり天井が採用されるとともに、会議室、司書室も備わり、図書館司書が配置されました。
昭和41年(1966)に春日部中学校で火災がありましたが、図書館は鉄筋コンクリート製であったために、その被害は免れました。

「落成した春中図書館」『春日部市政だより』昭和34年12月10日号
「公共施設の整備」『新編図録 春日部の歴史』252ページ
春中図書館

高齢者施設の皆さんにご来館いただきました

11月20日(火)、市内の高齢者施設の皆さんが団体見学で春日部市郷土資料館にいらっしゃいました。
写真:こての使い方を説明される方
「くらしのうつりかわり」展では、昔のおもちゃや道具に触っていただきました。こての使い方やベイゴマの回し方を教えていただきました。
個人的に驚いたのは、アルマイトの弁当箱のこと。梅干しをのせた日の丸弁当を毎日食べていると、梅干し酸によって、弁当箱のフタの真ん中に穴が開いてしまうんだそうです。「ただでさえモノがない時代だったのに困った」と昔を思い出されていました。

写真:回想法ボランティアの活動
映像コーナーでは、回想法ボランティア「ふれあい幸齢倶楽部」にご協力いただき、回想法の映像を上映しました。昭和33年の皇太子殿下のご成婚の映像や昭和30年代の県内の映像をご覧いただき、クイズや会話を通して、昔のことを回想していただけたようです。

皆さん、笑顔でお帰りいただきました。またのご来館をお待ちしております。

テレビ局の取材と帰ってきた埴輪

春日部市郷土資料館、昨日月曜日は休館日でしたが、動きのある一日でした。お知らせもかねて、話題をニつ紹介します。

一つ目。
テレビ埼玉の番組「魅力まるごと いまドキッ!埼玉」の取材があり、リポーターとして活躍されている小堺翔太さんにご来館いただきました。
写真:模型をみる小堺翔太さん
小堺さんと一緒に春日部大通りを歩いて、日光道中粕壁宿の昔の町並みをご案内しました。一見気づかない昔の面影をご覧いただき、喜ばれていました。写真は、当館の宿場町の模型をご覧になる小堺さん。ちゃっかりサインもいただいちゃいました(資料として保管します)。
写真:小堺さんのサイン
この模様は、11月24日(土)8時30分~9時にテレビ埼玉(地デジ3チャンネル)で放送されます。宿場の町並みだけでなく、市内の伝統手工芸品やスイーツなども紹介されるそうです。お楽しみに。

話題の2つ目。埴輪(はにわ)が帰ってきました。
県立さきたま史跡の博物館の企画展示に出展するため、行田市に旅立っていた人物埴輪が、常設展示に無事に帰ってきました。春日部唯一の人型の埴輪です。ところで、この埴輪がかたどった人物は男性?女性?どちらでしょうか?答えは収蔵資料紹介のページをご覧ください。
写真:人物埴輪

郷土資料館体験ワークショップを開催しました

平成30年11月18日(日)、郷土資料館で「体験ワークショップ」が開催されました。
蓄音機による音楽鑑賞が行われ、やわらかく温かみのある音に皆さん聞きいっていました。

蓄音機

電気を使わず再生することや、レコード1枚で約5分間しか聞けないということに驚かれ、郷土資料館で、少し昔にタイムスリップを体験してもらいました。

蓄音機演奏

次回は、平成31年1月20日(日)を予定しております。
事前申込み不要、当日の飛び込みも大歓迎です。ご参加をお待ちしています。

萬葉集・東国の世界に想いをはせるひと時となりました

平成30年11月17日(土)歴史文化講演会「萬葉集東国の歌 東歌、高橋虫麻呂、山部赤人など」を開催しました。
写真:講演会の様子
この講演会は、春日部市郷土資料館の歴史文化講演会で、郷土春日部にに親しんでいただくため、専門家をお招きして市や県東部ゆかりの歴史・文化についてお話しいただくものです。
今回は、県立高校の国語科の先生として長く教鞭をふるい、また市内で萬葉集を学ぶサークルを主宰されている堀越令子先生をお招きして、埼玉ゆかりの文学、特に萬葉集の武蔵国や下総国ゆかりの東国の歌について、解説していただきました。

写真:堀越先生
堀越先生には、一首一首、歌人の想いや当時の風景を丁寧にお話していただき、東国の万葉の世界の情景に思いをはせるひと時となりました。
個人的には、「小埼の沼の鴨」(行田市周辺)の話が、水鳥が飛来する現代の県東部地区の環境にも通じているようで、大変興味深く拝聴しました。

受講者の方々からは、「萬葉集を独学したいが、おすすめの本を教えてほしい」「今回限りでは残念。また次回も開催してほしい」「埼玉の文学についてもっと知りたい」などのご感想をいただき、有意義な講演会となりました。

次回の歴史文化講演会は、年度内3月末に幕末明治維新の歴史をテーマとして先生をお招きして開催する予定です。追ってお知らせしますので、後報をお待ちください。

庄内領の用水・排水概略図『新編図録春日部の歴史』ーその67

江戸時代、現在の幸手市東部から庄和地域北部を中心とする上庄内領(かみしょうないりょう)と呼ばれる地域は、中島村(現幸手市)で江戸川の水を取水する中島用水を基幹用水とし、そこから分流する中用水(なかようすい)、郷台用水(ごうだいようすい)、根用水(ねようすい)という三用水によって水が供給されていました。取水施設などの水利施設は、庄内領北部の村で組織される上庄内領16か村組合が管理しました。
水田に引かれた水は、領内の諸水路を通り、水角村から庄内古川へと排水されました。

庄和地域の南部にあたる下庄内領(しもしょうないりょう)と呼ばれる地域には、基幹となるような用水路がありませんが、渇水のときは、沼の水などをかんがい用水として利用していたようです。

「用水と悪水の利用と管理」『新編図録 春日部の歴史』131ページ
庄内領の用水路悪水路概略図
庄内領の用水路・悪水路概略図

庄内領用水の現況路
庄内領用水(中用水)の現況路(椚地区)

かすかべ弁、追加しました

「ぱあーす」「なっこ」「つのんでろ」「あめんぼおー」「さんげし」…これらは何のことだかわかりますか?
写真:かすかべ弁展示
郷土資料館の常設展示室の一番奥の壁展示に、「かすかべ弁」のコーナーがあります。
来館者の方々に割と好評のようなので、このたびパネルを補充しました。

また、くらしのうつりかわり展でも、昔のおもちゃを「かすかべ弁」で紹介しています。
写真:かすかべ弁の紹介

言葉の意味はパネルをめくってみるとわかります。答えを知りたい方は、ぜひ郷土資料館にお越しください。

中学生に学芸員を体験してもらいました

11月7日~9日の3日間、春日部中学校1年生が郷土資料館のお仕事を体験しました。今回は、学芸員っぽい仕事(展示解説)の補助をメインとし、一般の団体見学のお客様には縄文土器や石器の説明、小学校の社会科見学では、昔の小学生の日記を解説してもらいました。
写真:縄文土器の模様付け
縄目の模様づけの実演(練習風景)

写真:黒曜石の解説
黒曜石の解説(練習風景)

特に、時間をかけたのは、富多・宝珠花小学校の社会科見学のために準備した、昔の小学生の日記の紹介です。
見学の前におよそ1日かけて、郷土資料館所蔵の大正14年(1925)の宝珠花尋常小学校2年生のノートから、日記の記事を解読して、解説をつけてもらいました(実は人前でしゃべることよりも、この作業が学芸員!)。
写真:日記の解読風景
カタカナや旧仮名遣いに苦戦しながら、文字や意味を読み取ってもらいました。ちなみに、本文はこんな感じです。読んだなかでは、割ときれいなほうです。中学生は、昔の小学2年生の悪筆に苦戦していました…
写真:日記の文面
さて、今や大凧揚げが有名な西宝珠花ですが、大正14年(1925)の小学生たちは日常の遊びとして凧揚げをしていたことが日記から読み取れます。さらに、「オレノタコヲアゲベ」といった当時の言葉遣いや、「センゲンサマノウラ」(浅間様=宝珠花神社)で凧揚げをしたこと、凧の糸を「カマトク」(釜徳)で買ったことなど、戦後の江戸川改修によって移転する以前の西宝珠花の町並みが子どもの目線で記されており、大変貴重な日記といえます。内容については大変興味深いので、またの機会に紹介したいと思います。

そして、本番当日。小学生と引率の先生方の前で解読した日記を読み上げて、90年前の地元の小学生のくらしについて紹介しました。
写真:小学生に説明
富多小・宝珠花小のみなさん、中学生の解説を真剣に聞いてくれました。日記の面白さが伝わりましたでしょうか。
中学生の皆さんは、いろいろ盛りだくさんで大変でしたでしょうが、郷土資料館の業務の体験を通じ、郷土春日部を再認識してもらえれば、うれしいです。
中学生の皆さんが解読した成果は、すべて紹介できたわけではありませんので、これから解読の成果を活用していきたいと思います。
春日部中学校のみなさん、3日間お疲れさまでした。

富多小学校と宝珠花小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

平成30年11月19日に富多小学校と宝珠花小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。
春日部の移り変わりの展示品や、少し前のおもちゃや学用品・家庭で使われていた道具・農具を見ながら、生活の変化を理解していました。

見学の様子

社会体験事業で郷土資料館のお仕事をお手伝いしてくれていた中学生が、小学生の質問などに答えたり、千歯こきによる脱穀体験では補助をしてくれました。

見学の様子

駕籠の乗り心地はどうかな?
児童も先生も一緒に体験をしてくれました。


見学の様子

11月11日(日)東中野の獅子舞が公開されます

11月11日(日)は、春日部市指定文化財である東中野の獅子舞が公開されます。年に一度の神社での公開です。ぜひ、皆さまお誘いあわせの上、お出かけください。

東中野の獅子舞
日時:平成30年11月11日 (日曜日) 午前9時~午後4時
雨天の場合は18日(日曜日)に順延

午前9時~正午は地区内を辻切り、午後2時から神社境内で奉納舞

場所:東中野香取神社(春日部市東中野366)

南桜井駅から徒歩30分

幸松小学校放課後子ども教室で「神楽・お囃子教室」の開催

 幸松小学校放課後子ども教室「幸松っ子くらぶ」では、市指定無形民俗文化財を伝承する東不動院野神楽保存会による『神楽・お囃子教室』が本年で4年目を迎えました。
 年を重ねるごとに子供たちの中でもすっかりと定着し、本日11月5日の練習では1年生から4年生の6人が参加しました。

△榎原さん、清水さんの指導のもと、タイヤでウォーミングアップ。
幸松小学校放課後子ども教室
△3・4年生はすっかり熟練の「ニンバ」のお囃子を奏でることができます。また保存会の練習にも参加され、立派な後継者です!

△7月からは実行委員さんと鈴木会長さんの発案により、練習の記録が作成されました。回数と達成度が会長さんから記入されるため、練習後のサインも楽しみ。

次回は、保存会が揃えていただいた子供用の”神楽面”を被ることも企画されています。
実行委員会による子供の居場所作りと共に地域の皆さんの協働・連携により、伝統芸能の大切な後継者養成にも連動しており、引き続きの活動に期待しています!!

市内最古の住居跡ー坊荒句遺跡『新編図録春日部の歴史』ーその66

内牧地区の坊荒句遺跡(ぼうあらくいせき)では、平成4年(1992)と平成8年(1996)に、内牧公園をつくるにあたり、事前に発掘調査を行いました。調査した場所は、現在の公園の一番南側にある「林間アスレチック広場」にあたります。発掘調査では、約1万年前の縄文時代早期(じょうもんじだいそうき)の住居跡が8軒など、春日部市域では初例となる時代の生活の営みが発見されました。

特に縄文時代早期の住居跡は、いずれも台地の縁辺部に築かれ、住居跡の形は角が丸い長方形や楕円形(だえんけい)で、最も大きいものは長軸が約6mですが、大半は長軸約4m、短軸約3m程度と、縄文時代の住居の中では小型なものです。床面からは、焼けた土が広がる炉跡(ろあと)や、柱を立てるための柱穴(ちゅうけつ)などが確認されています。住居跡からは「撚糸文系土器群(よりいともんけいどきぐん)」と呼ばれる土器が発見されています。

坊荒句遺跡の縄文時代早期の住居跡は、春日部市内では最古の住居跡であることはもちろん、県内でも発見例が非常に少ないものです。これらの住居跡は、壊されることなく埋め戻され、現地で保存されています。

春日部市教育委員会「第二節 坊荒遺跡」『春日部市史第一巻 考古資料編』 1988
春日部市遺跡調査会『坊荒句北1.2次 坊荒句 立山遺跡』春日部市遺跡調査会報告書第4集 1995
春日部市遺跡調査会『坊荒句遺跡2次地点』春日部市遺跡調査会報告書第13集 2004
「縄文時代の生活」『新編図録 春日部の歴史』16ページ

坊荒句遺跡で発見された住居跡
坊荒句遺跡で発見された市内で最も古い時代の住居跡

桜川小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

平成30年10月26日に桜川小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。

見学の様子
常設展示室と、企画展示室の「くらしのうつりかわり」展の説明を受けた後は・・
自由に展示室内を見学!

見学の様子
「あら?私達の方が、60年前の同年代の平均よ背が高い」と、言ってるのでしょうか?

小学校見学
兜をかぶり、先生に記念撮影を取ってもらったりして、色々な体験をしていました。

小学校見学の様子
なんと、千歯こき体験のあとは、お掃除もしてくれました。どうもありがとう♪

【常設展展示替】地区の信仰を伝える

春日部市郷土資料館の常設展で「町のなかの信仰」と題した展示替えをしました。今回は、粕壁地区に所在した陣屋稲荷ゆかりの資料を出品しています。
写真:狐像の写真
市内各地の神社には、地域の信仰にゆかりのある資料が伝来しているほか、特色のある民俗芸能や祭礼行事も伝承されています。しかし、近年の少子高齢化に伴い、町内会や地域での神社経営や祭礼行事の存続が危ぶまれているものもあります。
陣屋稲荷は、今年の8月、町内会の解散にともない遷座の儀式を行い、解体された稲荷社です。郷土資料館では、博物館実習生に協力してもらいながら、陣屋稲荷を調査し、ゆかりの資料の寄贈を受けました。資料の受け入れや整理については、前に実習生が本ブログで紹介してくれています(調査について整理について)。

さて、地元の方によれば、初午の祭礼の日には、子どもたちは太鼓を打ち鳴らし、「アンドンヤブリ」(「チョウチンヤブリ」とも)という遊びをするなど、大変にぎわったそうです。

昭和7年(1932)の粕壁尋常高等小学校編『郷土の研究』によれば、三月十日の初午について次のように記述されています(以下原文・句読点は補った)。

三月十日 初午(陸軍記念日)
赤飯、すみつかれ、甘酒、豆腐、油あげを稲荷様へ供へる。組合の人は酒宴をひらく。年に依り火祭りをなす。掛行灯へ俳句を書いて出す。子供は部内の稲荷様へこもり太鼓をたゝく。こもつて太鼓をたゝいてゐる子供、又遊びに来た子供には稲荷様上つて居るものを御馳走する。他の部内に行つて、そこに供へてあるもの(油あげ菓子豆腐)を取り、又掛行灯を破つて来る。沢山破つた方が勝。破られた方が負。

この記録からは、町全体が初午でにぎわっていた様子がうかがえます。陣屋稲荷の資料は、陣屋地区のみならず粕壁の町内の往時のにぎわいを伝える資料といえます。

地元の方と共に歩んできたお社は、さまざまな事情により、残念ながらなくなってしまいました。しかし、地域の信仰の記憶は、郷土資料館に引き継がれました。後世に伝えられるように、しっかりと保存していきたいと思います。
皆さまには、展示をご覧いただき、地域の記憶・歴史の行く末について、思いを巡らせていただければ幸いです。

写真:展示風景

昭和42年の埼玉国体『新編図録春日部の歴史』ーその65

昭和42年(1967)10月22日から27日にかけて、埼玉県で第22回国体秋季大会(国民体育大会)が開催されました。「成功させよう埼玉国体」、「まごころで迎えよう埼玉国体」のスローガンのもと、29競技、17,129名が参加しました。

春日部市では、この年の5月に完成した大沼運動公園グラウンドが、10月23日から26日の期間、女子ソフトボールの会場になりました。高校女子24チーム、一般女子10チームが、それぞれトーナメントで熱戦をくり広げました。
初日の10月23日には、昭和天皇・皇后両陛下が大沼運動公園グラウンドを訪れ、試合をご覧になりました。

「第22回大会の概要」公益財団法人日本スポーツ協会サイト
「新市街地の開発」『新編図録 春日部の歴史』276ページ

昭和42年埼玉国体女子ソフトボールポスター
昭和42年埼玉国体女子ソフトボールのポスター

郷土資料館所蔵の古写真の活用例(回想法)

平成30年10月28日(日)まで、教育センター1階のミニギャラリーにて、市内の古写真が展示されています。この催事は、市内の回想法ボランティア団体「ふれあい幸齢倶楽部」さんによる取り組みで、春日部市郷土資料館所蔵の古写真をご活用いただいています。蔵出しの古写真をご覧いただき、昭和の春日部に思いをはせてみてください。なお、10月27日(土)の遊学1日体験教室では「ふれあい幸齢倶楽部」の熊谷さんによる「回想法講座」も開催されるそうです。
写真:展示の風景

「回想法」とは…の説明は熊谷さんの講座に譲りますが、実はこの「回想法」、日本の博物館業界でも、郷土資料を福祉分野に活用する取り組みとして徐々に広がりつつあります(たとえば、愛知県北名古屋市富山県氷見市など)。春日部でもこの先進的な取り組みが広がるといいですね。

さて、現在開催中の「くらしのうつりかわり」展でも、古写真のみならず、懐かしいおもちゃや道具を展示しています。「回想法」には至りませんが、展示室でも、むかし懐かしい昭和の春日部を思い出し、そしてお楽しみいただければ幸いです。
写真:くらしのうつりかわりの写真展示
写真:くらしのうつりかわりのおもちゃ展示
ちなみに、郷土資料館所蔵の古写真の一部は「かすかべデジタル写真館」で公開していますし、展示で使用した写真パネルの貸し出しも行っております。多方面からのご利用をいただけるとうれしいです。
…結局、郷土資料館の宣伝になってしまいました(反省)

「赤沼の獅子舞」&「銚子口の獅子舞」が公開されました

 10月22日(日)、さわやかな秋空のもと、市指定無形民俗文化財の「赤沼の獅子舞」「銚子口の獅子舞」が公開されました。

 赤沼神社では、平成元年に舞が復活し、ちょうど30年の節目を迎えた「赤沼の獅子舞」では、獅子舞社中の皆さま、そして獅子舞を継承す小学生を中心とする子ども獅子による様々な舞とユーモラスな神楽が披露されました。
7月の夏の例祭では、秋の収穫を祈願する『弓くぐり』が舞われますが、今回は初めて小学6年生がチャレンジしました。

▲大人顔負けの弓くぐりに拍手喝采でした
 また、平成7年に伝承以来、長らく使用されていた獅子頭を新調し、「隠居獅子」となっていた獅子頭を20数年ぶりに被り、獅子舞社中会長による太夫獅子の舞も披露されました。

▲島田会長による迫力ある太夫獅子の出端
 赤沼の獅子舞は12月2日(日)に開催される第8回民俗芸能公開事業(於:庄和公民館)でもご出演いただき、様々な舞を披露いただく予定です。

 銚子口香取神社では、元禄10年(1697)に越谷市下間久里から伝承以来、初めて女性の舞手による獅子舞が披露されました。

▲期待の高校1年生、日向さんによる「小獅子の出端」。女性らしく、軽やかでリズミカルな舞が披露され、会場からは大きな拍手をいただきました。
また、収穫の感謝と無病息災、家内安全を祈願する三匹獅子の「幣掛り」では初めて同演目に取り組む「太夫獅子」役の会田さんと「中獅子」役の赤井さんによる堂々とした舞が披露されました。

▲例祭の最後を締める幣掛り。子獅子役の川鍋さんを中心に、三匹獅子による息のあった迫力ある舞が披露されました。

 銚子口の獅子舞は、1月中旬にも新春を祝う舞が公開されます。

 全国各地で無形民俗文化財(伝統芸能)の後継者不足が危惧されていますが、春日部では着々と新たな世代へ引き継がれる準備が進んでいます。 江戸時代から地域の皆さまによる地道な努力で今日まで継承されている郷土春日部の宝を、ぜひ、現地でご覧ください。

 両地区、そして保存会のみなさま、それぞれ特色のある取り組みを披露いただき、ありがとうございました!

郷土資料館体験講座「ミニぞうりを作ろう」を開催しました

平成30年10月20日(土)、郷土資料館体験講座「ミニぞうりを作ろう」が開催されました。
長さ3mの江戸打ち紐を3本使い、10cmほどのミニぞうりを作りました。ぞうり本体は、江戸打ち紐を互い違いに編んで作り、最後に鼻緒を、かぎ針を使い本体に編み込んで完成させます。

体験講座

好きな色のミニぞうりを作ってもらうため、江戸打ち紐は、皆さんご自身で色を選んでご用意していただいたものです。

ミニぞうり作り

参加者達は、「自宅で、もっと小さな物を作ってお財布の飾りにしよう」「すごく楽しかった」と喜んでいました。
 次回体験講座「しめ縄を作ろう」は、12月9日(日)・12月15日(土)です。ご参加をお待ちしています(事前の申込が必要です)。

藤塚小学校第3学年が郷土資料館を見学しました。

平成30年10月19日に藤塚小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。
写真:藤塚小の見学
少し昔に使われていた道具や、昔のおもちゃを実際に手に取ったり、様々な体験を通じて、昔のくらしについて学習していました。
写真手前の児童は、80年前の小学生と背比べしているようです。

千歯こきの体験では、職員が道具を抑えていないと、動いてしまうことに気づいた児童が「どうしたらいいのか」と質問していました。
「本当は足をかけて使ったようです」と職員が説明すると、児童は千歯こきに足をかけて脱穀体験。
写真:藤塚小千歯こき
なかなか、ワイルドな脱穀体験になりましたね。「すっきりした」でも「昔の人は大変だったことがわかった」と感想を話してくれました。


郷土資料館では、3月18日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催しており、昔の懐かしい道具や写真を展示しています。藤塚小の皆さん、今度はおうちの方と遊びに来てくださいね。

10/21赤沼の獅子舞、銚子口の獅子舞が公開されます

10月21日の日曜日、春日部市指定無形民俗文化財の「赤沼の獅子舞」、「銚子口の獅子舞」が実りある収穫の秋祭りとして公開されます。
みなさまお誘いあわせの上、ぜひお出かけください。

赤沼の獅子舞
日時:10月21日(日)13:00~
場所:赤沼神社(春日部市赤沼770)
交通機関:茨城急行バス せんげん台駅東口から大正大学・松伏町役場・まつぶし緑の丘公園行きにて赤沼バス停下車、徒歩5分

銚子口の獅子舞
日時:10月21日(日)14:00~
場所:銚子口香取神社(春日部市銚子口551)
交通機関:朝日バス 春日部駅東口から豊野工業団地行きにて豊野小前バス停下車、徒歩5分

文化財めぐりを開催しました。

9月25日(火)、10月16日(火)の両日に文化財めぐりを開催しました。

文化財めぐりは、文化財への理解を深め、郷土春日部を学ぶ機会をご提供することを目的にマイクロバスで市内の指定文化財所在地を訪問し、学芸員の説明を聞きながら文化財を見学するものです。
両日とも、午前は春日部八幡神社・やじま橋・内牧塚内古墳群・小渕山観音院仁王門を、午後は神明貝塚・西金野井香取神社本殿・花蔵院の四脚門・蓮花院のムクを見学しました。

ご応募いただきました市民の皆様、文化財の公開にご理解・ご協力を賜りました文化財所有者の皆様、誠にありがとうございました。

ご興味のある方は、来年度のご応募をお待ちしております。
(広報かすかべ、ホームページ等でお知らせします。)


▲春日部八幡神社 都鳥の碑


▲西金野井香取神社


▲花蔵院の四脚門

クレヨンしんちゃん、展示はじめました

春日部市郷土資料館で開催中の企画展示「くらしのうつりかわり—懐かしい昔の道具展」の一角に「クレヨンしんちゃん」を紹介する展示コーナーを設置しました。
写真:クレヨンしんちゃんコーナー

「クレヨンしんちゃん」の展示については、以前より市民の方や市外から訪れた観光客の方、遠くは台湾や東南アジアなど外国人観光客の方からも要望がありました。資料館としては、念願の「クレヨンしんちゃん」です。

今回の展示は、「クレヨンしんちゃん」の作中に描かれた、しんちゃんの家族や日常生活について紹介しています。「くらしのうつりかわり」展で紹介している”昔のくらし”と比較すると、野原家は、平成(現代)の家族・生活様式を象徴しているといってもいいかもしれません。現代の暮らしぶりが描かれる漫画のワンシーンも展示しています。
また、今では入手できない、春日部市制作の「クレヨンしんちゃん」関連グッツや、中国語版のコミックス単行本も展示しています。
春日部と「クレヨンしんちゃん」のあゆみ、ぜひともご覧ください(みれば~)。

粕壁小学校特別支援学級の児童が、郷土資料館で脱穀体験をしました。

平成30年10月16日に、粕壁小学校特別支援学級の児童が、郷土資料館に来館しました。
常設展示室を見学し、隣の企画展示室に移り脱穀体験♪♪

見学の様子

児童がバケツの中で育てた稲を、千歯こきで脱穀し、唐箕をまわして軽い藁くずやゴミを飛ばしたりして、昔の農業の体験をしました。

見学の様子
ん・ん? 千歯こきに稲が引っかかった?
でもこの後、ちゃんと取れました。

唐箕

いつもは、資料館に展示されているだけの唐箕が、今回、稼働しました!

稼働する唐箕

郷土資料館では、10月2日(火)から3月24日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催します。
昔の懐かしい道具や写真を展示し、小さなお子様からご年配の方まで、一緒に楽しめる展示となっております。ぜひ遊びにいらしてください。

榎の囃子神楽が公開されました

実りの秋の今日この頃、10月15日には富多神社で秋の大祭が催されました。境内東側にある神楽殿では市指定無形民俗文化財『榎の囃子神楽』が公開されました。
 神社拝殿で執行された神事に続き、高い舞台となる神楽殿で富多小学校3・4年生の児童の皆さんが4月から練習を続けている「お囃子」「オカメヒョットコ」「テンコサンバ」「獅子舞」「大黒舞」を地元をはじめ、多くの皆さんを前に堂々とした舞を披露しました。

息のあった「オカメヒョットコ」の舞

堂々とした「テンコサンバ」の舞

「大黒舞」では難しい口上も大きな声で唱えました

終盤は保存会の皆さんによる貫禄の「大黒舞」が披露されました

 富多小学校の児童の皆さんは11月のけやき祭りや年明けの”閉校式”に向けてまだまだ練習に取り組むそうで、この中から地域の伝統芸能の後継者が生まれることに期待しています!