春日部 利根川紀行 # 桜咲くかすかべ
#桜咲くかすかべ
郷土資料館では、「桜咲くかすかべ」に協力しています。
春日部には、北から南に古利根川(ふるとねがわ)、庄内古川(中川)、江戸川が流れており、私たちに水の恵みをもたらしています。
こうした河川は、少なくとも歴史時代にはいずれも利根川であり、特に戦国時代の末から江戸時代の初めころ、おおよそ400年前ごろに行われたといわれる河道変更によって、利根川は銚子(現千葉県)へと流れるようになりました。庄内古川、江戸川は、いずれも利根川と称されていた時期があったようです。江戸川は、当初「新利根川」ともいわれていました。
また、利根川が国境であったことの名残りとして、武蔵国(むさしのくに)と下総国(しもうさのくに)の国境、埼玉郡と葛飾郡の郡境は、時代によって変化していきました。
今日、桜を愛でることができる古利根川や古隅田川(ふるすみだがわ)は、古代・中世には利根川・隅田川であったと考えられています。当時の利根川は小渕付近で西側に折れ、おおむね現在の古隅田川筋を流れて、岩槻(現さいたま市)方面の元荒川へ流れていたと想定されています。今私たちの見る古隅田川の流れと真逆ですね。
この古隅田川や古利根川が国境・郡境であったことは、南北朝時代と室町時代の古文書で確認できます。約700年前、今の粕壁地区付近は春日部郷といわれており、市域の大半は下総国に属していました。江戸時代には、庄内古川(中川)を境に武蔵国に変わっています。
春日部では、このように時代によって違っていた利根川をまとめて見られます。川沿いにお花を見ながら、利根川の悠久の歴史を感じていただけると幸いです。
*参考 平成7年『第11回特別展 埼葛の歴史』展パンフレット
平成26年『第49回夏季展示 江戸川』展パンフレット