庄和地区公民館ブログ

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市民大学「おとなの『道徳教室』-小学校『道徳』教材のおとな読みー」

 9月21日(金)、「おとなの『道徳教室』-小学校『道徳』教材のおとな読み-」を実施しました。
 学習指導要領の一部改正により、道徳は「特別の教科」になりました。道徳の教科化により、小学校や中学校などでは「読む道徳」から「考え、議論する道徳」の授業づくりが行われています。


 この講座は、文教学園の野島理事長を講師に迎え、「道徳教育の変遷」と「道徳教育の今」を知り、小学校で使用する道徳教材を用いてグループワークを行いました。

 冒頭の講義では、道徳教育で使用する教科書は、主に4つの視点を持った内容を構成しているとのお話がありました。
1.主として自分自身に関すること
2.主として人との関わりに関すること
3.主として集団や社会との関わりに関すること
4.主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること

 これらの視点から、「マイルール」や「星野君の二るい打」などの4つの教材について、市民大学事務局の女性が小学生にやさしく語りかけるように朗読した後、各グループで自由に話し合いました。
 「マイルール」は、電車やバスの座席を「席を必要としている人」に譲ることについての考え方を議論する教材です。
 「元気な人は座席に空きがあっても座らない」、「元気な人も座席に空きがあれば座り、席を必要な人が来たら譲る」という考え方はどちらもよいように思えますが、一人ひとりどのように思ったか、こんな状況だったらどうするかなど、考えを語り合いました。


 「星野君の二るい打」は、星野君が「バントで岩田君を二塁へ送る」という監督からのサインを破ってヒットを打ったことに対して、議論する教材です。
 「野球はただ勝てばいいわけではなく、チームワークの心を養うものだ」という監督の考えを無視した星野君について、自分だったらどうするか、結果的に星野君のヒットでチームが勝ったことについて、監督の指示はこれでよかったのかなど、話し合いは大盛り上がり・・・グループワークを延長して、活発な意見交換を行いました。


 グループでの話し合いの後は、講師から、道徳教材の「読み方の参考」として、教師用指導書にかかれていることの紹介や多くの視点を持った感想が述べられました。
 「ともに考え、議論する」という根幹には、「答えは1つではない」ということが尊重されていることを感じました。
 小学校学習指導要領解説によると、「道徳は全教育活動を通じて行う道徳教育の要であり、その授業を公開することは、学校における道徳教育への理解と協力を家庭や地域から得るためにも、極めて大切である」とあります。
 今回の、おとなの『道徳教室』は、道徳教育のあり方を踏まえて、小学校で行われる道徳教育についての理解を深め、こんな考えもあるよね、ほかの人はどう思ったかなと、お互いに話し合うことの必要性を再認識できた講座になりました。

市民大学「生活学科ボランティア講座」

夏休み明け、最初の講座は2週にわたる「生活学科ボランティア講座」です。第1回目は9月7日、宇都宮大学教育学部・陣内雄次教授による「社会変革の力としてのNPOとボランティア」でした。人口減少、超高齢化社会、少子化という社会的転換点にある現在、従来の行政に頼るだけでなく、住民自らが主体となり行政に参画・協働していく、あるいは補完してことが重要と説かれました。

ボランティアの神髄は、「自ら望んで、他人・社会・自然のために良いことを、自分の出来る範囲で行うこと」です。NPOはボランティアと同じ目的ですが、個人ベースでなく組織として課題に取り組みます。組織運営のため有償サービスとなりますが、収益を目的としていません。春日部市には50ものNPO法人が登録されています。

 

2回目のボランティア講座は、9月14日、「庄和のボランティア活動の事例」と題して卒業生も受講できる公開講座として行われ、3つの事例が紹介されました。

 

事例1は、『地域に絆を紡ぐ「寺子屋」の生い立ち』と題した、宗廣亮氏のお話です。

寺子屋は南桜井小学校で2005年に始まったボランティア活動です。家庭と学校と地域をつなぎ、健全な感性を持つ子供の育成を目指しています。地域に住む人生経験豊かな大人たちが、運動、料理、科学、囲碁・将棋などを通じて子どもたちと触れ合います。この活動に当初から参加されている7期の清水朝子さんからも活動の紹介がありました。

 

事例2は、『自治会活動と新宿新田区防犯パトロール隊』と題した、楳原勝幸氏(11期生)のお話です。

防犯活動では次の4つを行っています。

①小学生の登下校時の見守り
②青色防犯パトロール・カーでのパトロール(年間30日)
③徒歩による町内パトロール(区内を6班に分け毎月2~4回)
④市内防犯情報の回覧(毎月2回)

これらの活動で犯罪件数減少の効果は数字では把握できないが、防犯パトロールを実施したもう一つの狙いである「地域のコミュニケーションを深める」の点では確実に効果を上げているとのことでした。

 

事例3は、『「NPO法人庄和ふる里を守る会」の活動』と題した、菊池重雄氏(10期生)のお話でした。

この法人は2005年に市民大学の学生・卒業生のボランティア活動として始まりました。庄和地区の農村公園・庄内悪水路・桜並木の自然環境保全を地道に続け、2016年にNPO法人として認証されました。法人となることで企業・団体からの支援も受けられ、「庄和道の駅さくら公園」を中心に定期的な活動(除草、排水路のゴミ収集、害虫駆除)、独自のイベント(桜まつり、花植え、講習会など)を開催し、活動の範囲を広げています。

 

2週にわたる講座が終わった後、ボランティア、NPOへの参加状況について学生に緊急アンケートを行いました。回答者15名(男性8名、女性7名)。

・ NPO団体に所属:5名(全員が庄和ふる里を守る会)

・ ボランティア団体に所属:2名(高齢者支援、平和フェスティバル実行委員)

・ NPO、ボランティア団体の両方とも未加入:8名(男性5名、女性3名)


未加入の8名に自治会・地域などのボランティア活動に参加しているかを問うと、ボランティア活動はまったく未経験という回答が3名でした(すべて男性!)。

 

 

教養講座「これだけは知っておきたいインターネットとの付き合い方」

9月5日(水)正風館2階視聴覚室にて教養講座「これだけは知っておきたいインターネットとの付き合い方」を行いました。

講師に株式会社ラック、サイバー・グリッド・ジャパン ICT利用環境啓発支援室リサーチャー・チーフの落合博幸氏を迎え、サイバー犯罪の情勢等を事例をもとに紹介し、その対策について学びました。
また詐欺サイトの見分け方についても、アドレスバーに鍵マークがない、URLの最初が「https://」でないものは、詐欺サイトである可能性が高いなど詳しく教えていただきました。

参加者の方からも「大変参考になった」、「非常にわかりやすかった」、「勉強になりました」など、大変好評でした。

次回は1110(土)ITコーディネータ、IPAセキュリティープレゼンターの西郷圭一氏を講師に迎え、
デジタル遺品安心してスマホ、パソコンを遺せますか?を行います。
申込みは、10日(月)から正風館窓口または電話で受け付けます。参加費無料ですので、ぜひご参加ください。

市民大学「ディベート体験講座」2

ディベートの3回目の講座(7月27日)は、作戦タイムです。

各チームは主張を繰り広げる論旨と、相手チームの予想される主張に対する反論、そして論戦を戦わせた後のまとめとなる最終弁論に頭をひねります。ホワイトボードに各メンバーの意見を書いて議論するチーム、付箋に各メンバーが思いつくままの意見を書き込んで、大きな主張にまとめていくチームと、やり方は様々です。2時間の講座時間を延長して、各チームは決戦に備えました。

       

 

ディベートの4回目の講座(8月3日)はいよいよ決戦です。

この日はOB・OGの方を対象にした公開講座で、10数人の卒業生が学生の論戦を見守り、厳正なジャッジを下してくれます。

         

 

第1試合は、「一定の年齢になったら運転免許は強制的に返還させるべきか、否か」

賛成派のチームは、高齢者の運転は危険だ、危険な手段を使ってまで利便性を求めすぎる、個人が車を持たなくても生活が維持できる社会を築くべきだ、と主張しました。これに対し反対派は、文明は利便性を求めて進歩してきた、自動車を活用して生活するのは当然、高齢者でも安全に運転できる車両の開発に力を注ぐべきだ、と主張しました。

論戦の結果、判定は反対派(返還させるべきではない)が大差で勝利しました。

        

 

第2試合は、「コンビニの24時間営業は必要か、否か」

賛成派は、コンビニはなんといっても便利、深夜でも営業しているので町が明るく安全になる、何か危険なことがあった場合の駆け込み場所になると主張しました。これに対して反対派は、24時間営業は電気代など資源の無駄使い、従業員の勤務が過酷、そもそも真夜中にどれほどの人が買い物に行くのか、と主張しました。白熱した論戦が続き、判定は・・・。何と1票差で賛成派(24時間営業は必要)が勝利しました。

 

対戦後に観戦していたOGの方に感想を聞くと、「コンビニでの論戦は10年前にもやり、私のチームの賛成派が勝利しました」とのこと。10年経っても論戦のテーマと自分のチームの勝敗を覚えている・・・。ディベート講座はそれ程強烈な印象を残す講座のようです。

市民大学「ディベート体験講座」1

7月13日(金)文教大学人間科学部人間科学科青山鉄兵准教授の「ディベート体験」の1回目を行いました。

ディベートとは特定のテーマについて、肯定・否定の二組に分かれて行う討論です。
流れとしては、最初に肯定・否定それぞれの意見を主張し、その後相手チームに尋問をして、それをふまえて最終弁論(主張のまとめ)を発表したのち観客のジャッジにより勝敗が決まります。
今回は8月3日(金)の本番へ向けてディベートを行うのに大切なことについて学びました。

青山准教授は
・テーマの問題について様々な視点に立って考えること。
・情報を適切に収集・整理しそれをもとに議論すること。
・自分の主張を客観的かつ魅力的に伝えること。
・相手の主張をきちんと聴き、相互に議論を深めていくこと。
の4つが大切で、「勝敗にもこだわってほしいがそれよりもプロセスが大事だ。」と言っていました。
その後、学んだことをふまえて「市民大学に成績表(通信簿)は必要か、否か」で練習をしました。「モチベーションが下がる」や
「やる気につながる」などたくさんの意見が出されました。

後半は、本番と同じ班に分かれて「小学生にスマホを持たせるべきか、否か」でディベートを行いました。班で肯定・否定の意見を出し合い、グループとしては賛成か反対かを発表しました。

本日の講座を通して学生達はディベートのコツをつかめているようでした。

7月20日(金)「ディベート体験」の2回目を行いました。
今回は、本番のディベートで討論するテーマ決めです。
前半は各班で話し合い、どんなことをディベートするか意見を出しました。

その結果、第1試合は「高齢者は一定の年齢になったら強制的に運転免許証を返還させるべきか否か」に、第2試合は「コンビニの24時間営業は必要か否か」に決まりました。
後半は班に分かれて作戦会議をしました。

次回、7月27日(金)に各班で改めてディベートの作戦会議を行い、
8月3日(金)はいよいよ本番です。