ほごログ
8月の考古学関係展示会、イベント情報
8月の近隣博物館・資料館の考古学情報をお届けします。
(毎月28日ごろに掲載します。随時、情報を追加します。)
(東部地区文化財担当者会リレー展示ー都鳥が見た古代)
・9月5日(金曜日)~9月19日(金曜日)パストラルかぞ(加須市・パネル展示)
(展示会_閉会日順)
・8月30日(土曜日)まで 帝京大学総合博物館(東京都八王子市)
企画展「ホネホネワンダーランド-骨の不思議を探る-」
・8月31日(日曜日)まで かみつけの里博物館(群馬県高崎市)
企画展「わくわく!はにわ体験‘25」
・8月31日(日曜日)まで 埼玉県立さきたま史跡の博物館(行田市)
令和7年度埼玉の考古おひろめ展「地中からのメッセージ」
・8月31日(日曜日)まで 桶川市歴史民俗資料館(桶川市)主催:埼玉県埋蔵文化財調査事業団
令和7年度里帰り展 「地中に眠る桶川の歴史」
・8月31日(日曜日)まで 栃木県埋蔵文化財センター(栃木県下野市)
巡回展「栃木の遺跡&発掘調査速報展」
・8月31日(日曜日)まで くにたち郷土文化館(東京都国立市)
ミニ展示「甲野勇と秋田のストーンサークル」
・9月10日(水曜日)まで 富士見市立水子貝塚資料館(富士見市)
「縄文を表現する ~新川昌子氏 作『私の縄文日記』~」
・9月15日(月曜日・祝日)まで 早稲田リサーチパーク・コミュニケーションセンター
企画展「本庄市の古墳3 西五十子古墳群」
・9月17日(水曜日)まで 墨田区立ひきふね図書館(東京都墨田区)主催:墨田区教育委員会
すみだゆかりの展示「墨田区の遺跡2025」
・9月28日(日曜日)まで 壬生町立歴史民俗資料館(栃木県壬生町)
文化財企画展 「みぶほる!-壬生町の発掘調査速報展2025」
・10月13日(月曜日・祝日)まで 国立科学博物館(東京都台東区)
特別展「氷河期展 〜人類が見た4万年前の世界〜」
・10月31日(金曜日)まで 神川町多目的交流施設(神川町)
企画展「かみかわの古墳を知ろう8~南塚原の古墳2~」
・11月3日(月曜日・祝日)まで 府中市郷土の森博物館(東京都府中市)
「古代国司と国司館~都から来た役人とそのすまい~」
・11月16日(日曜日)まで 柏市郷土資料室(千葉県柏市)
第30回歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」
(講演会)
・9月6日(土曜日)明治大学駿河台キャンパス(東京都千代田区) 主催:明治大学資源利用史研究クラスター
公開シンポジウム「大山柏の史前学と縄文生業論の今日的展開」
・9月7日(日曜日)明治大学駿河台キャンパス(東京都千代田区) 主催:日本考古学協会
公開シンポジウム「人類はどこから来て、どこへ向かうのか」
・10月18日(土曜日)行田市教育文化センターみらい文化ホール(行田市) 主催:埼玉県立さきたま史跡の博物館
シンポジウム 「埼玉古墳群と古代国家成立前夜」
【デジタルミュージアム】収蔵資料データベースの掲載写真が増えました
7月から公開している、春日部市郷土資料館の収蔵資料データベースですが、当初は150件ほど公開でしたが、少しずつ公開資料を増やし、現在279件となりました。このうち、資料の利用頻度や要望の高い、市内の古写真(特に広報誌撮影の古写真)は公開件数が100件になりました。
たとえば、この写真。昭和37年(1962)の粕壁内出の踏切です。この踏切は、地元では「大踏切(おおふみきり)」とよばれる開かずの踏切。当時は国道16号。現在は、県道2号で、写真は粕壁の宿場町・新町橋の方面を望むものです。踏切をわたった先には、春日部市内でもまだ珍しかったスーパーマーケット「東莫ストア」がみえます。
一つ一つの写真の説明・解説記述には、まだ精粗がありますが、『広報誌縮刷版』などを参照しつつ、写真の情報を充実していきたいと思います。フリーワードで「広報 写真」などと検索いただきますと、戦後の春日部の風景が蘇ります。画像ダウンロードできるものも徐々に増やしていますので、ぜひご活用ください。
なお、掲載など資料の利用にあたっては申請書の提出をお願いしています。
こども土器作り教室2日目 ~土器焼きを行いました~
8月24日(日)にハルカイト(大凧文化交流センター)にてこども土器作りの2日目、「土器焼き」を行いました。今回は土器焼きの工程をご紹介します。
写真は乾燥中の土器です。天候にも恵まれ1週間、じっくりと天日干しできました。色はうっすらと乳白色に変化しています。
土器焼きは9時過ぎにスタート。最初に地面をしっかりと乾燥させ、また土器の温度を徐々にあげていきます。一番分厚い底の部分から温めます。
土器が徐々に温まってきたら、土器を立て火に近づけます。最初から焼いている木材はだんだんと炭になっていることが分かります。
土器が温まったら、さらに火に近づけます。さらに土器の温度をあげるため、土器の中に炭を入れ、内側からも熱していきます。ここまではまだ余熱の段階ですが、軍手では持てないくらい土器が熱くなっています。
土器の余熱が完了したら、参加者の皆さんにも集まってもらい、ここからいよいよ本焚きに入ります。土器周りに板材を差し込み、赤い炎で一気に焼いていきます。この時の温度は600~800度近くまで上昇し、土器焼きの中でも最も過酷な工程となります。
今年は快晴が続いたため、よく乾燥できたため、一つの土器も破裂することなく、無事焼き上がりました。最後に炭の上で、土器を転がし真っ黒な表面を少しづつ赤茶色に仕上げていきます。
焼き場から取り上げ小一時間ほど経てば、やっと手で持てるくらいの温度となり、完成となります。一部が欠けてしまったり、底が外れてしまったりしたものもありましたが、大成功の土器焼きとなりました。
参加者の皆さん、暑い中、2日間お疲れ様でした。今後も、夏休みのイベントとして継続していきますので、またの参加をお待ちしています。
館収蔵資料(文化財)の調査が行われました
郷土資料館では、市指定文化財をはじめ、春日部ゆかりの様々な資料を収蔵・保存しています。
先日、埼玉県内の中世・近世移行期について調査・研究されている方がお越しになり、市指定文化財「西金野井香取神社の棟札」を実見・調査されました。
この棟札は、昭和57年に旧庄和町の指定文化財となり、現在も春日部市指定文化財として引き継がれていますが、実は、知る人ぞ知る史料なのです。ですから、『武蔵史料銘記集』をはじめ、『新編埼玉県史 資料編』など埼玉県内の史料を蒐集した刊行史料集にも収載されてきました。また、『春日部市庄和町史編さん資料(十五)中・近世資料』にも収載されています。
今回、調査された方は、これらの刊行史料集を検討するため、実物の資料を実見したいというものでした。採寸をはじめ、スケッチや写真撮影など。じっくりと、資料を実見されておられました。
さて、この「西金野井香取神社の棟札」をはじめ、西金野井香取神社には貴重な文化財が伝来しています。実は、戦前に、埼玉郷土会という郷土史団体が、史跡・文化財の見学旅行に訪れ、同社の文化財を巡見しています。
埼玉郷土会とは、埼玉県の郷土史誌『埼玉史談』を編集発行する団体です。『埼玉史談』第1巻第5号(昭和5年5月刊)には巡見の様子が次のように報告されています。
(前略)同神社(香取神社)の本殿は寛永十五年五月改築されしものとて彫刻や金具等は、同時代の特徴を遺憾なく発揮せる県下稀なる建築である。又同社の朱印状は天正十九年徳川家康より十石の地を下されたるに初まり、引続き歴代将軍よりの朱印状十二通が完全に保有されて居る。棟札には神田梶取大神とありて、徳治元年五月第一回の屋根改をなせし事を記せる物で同社に取りては有力なる資料ではあるが写し改めた様に思はる。獅子舞の面などは寛永以後の製作で、神威遠近に輝きたるに依り上流地方より奉納せられたりとの説があり、其舞は神秘的な感を与へるとの事である。(下略)
巡見が実施されたのは、昭和5年(1930)3月9日のこと。現在、西金野井香取神社に文化財として伝わるものが目白押しです。現在の評価とは異なる部分もあり、鵜呑みはできませんが、大変興味深い記事です。当日の巡見参加者のなかには、考古学者の柴田常恵や、陸軍の軍人で郷土史家の渡辺刀水、そして、『埼玉縣誌』の編さんや先の『武蔵史料銘記集』の編者である稲村坦元もいました。もしかすると『武蔵史料銘記集』に収録されたきっかけはこの巡見だったのかも、と思ったりもしますが、どうでしょうか。
いずれにしましても、今回の調査の結果・成果は・・・。私たちは、座して待つほかありません。楽しみにしております。
収蔵資料の調査。郷土資料館をご活用いただき、大変ありがとうございました。
「麦わらのかすかべ」展、みゅーじあむとーく
8月20日、企画展「麦わらのかすかべ」展のみゅーじあむとーく(展示解説)を実施しました。
この企画は、展示室で担当の学芸員がレクチャーするもので、好評を得ており、常は企画展につき2回ほど実施していますが、今回の企画展では、諸般の事情から本日のみ。
猛暑がつづき、人の入りもまばらだったので、お客さんは来てくれるのか、と不安に思っていましたが、午前の部は5名、午後の部は4名の方にお越しいただきました。
解説では、麦わら帽子は何でてきているか、どうして春日部が「帽都」になったのか、について、展示資料を見ながら、触りながら、展示のみどころを紹介しました。
午前の部では、なんと!!
調査・展示にご協力いただいた、関係者の皆さんにお越しいただきました。現役の帽子屋さんの前で、春日部の麦わら帽子の特長、産業の歴史をお話しするのは大変緊張しましたが、解説のあと「よく調べてるね」とお褒めの言葉をいただきました。関係者の皆さんにお喜びいただけたことが、この上なく励みとなります。力及ばず、調べてもわからなかったことや、工場での新たなエピソードも教えていただきました。また、勉強になりました。
午後の部では、4名の方にご参加いただきました。解説の後、説明が不十分だった点についてご質問いただき、理解を深めていただけたようです。また、実際に春日部産の麦わら帽子をさわり、観察していただき、麦わら帽子の良さを知っていただけたのではないかと思います。
「歴史バカ」の展示担当者は、物事の起こり・過程などの歴史こそが、その物事の本質であると考えます。言い方をかえれば、ある事柄の本質は、その生成と変遷の筋に宿る、ということでしょうか。
春日部の麦わら帽子も歴史のなかに特徴やその意味を見出すことができる。ひいては、それは春日部(市)という地域の特徴や個性であると思います。
麦わら帽子の歴史を通じて、特産品の麦わら帽子、さらには春日部を理解できる企画展示の会期も折り返しを過ぎました。ぜひご覧いただいていない方はお越しください。
郷土資料館【手作りおもちゃクラブ】を開催しました
令和7年8月17日(日) の午前と午後各1回ずつ、郷土資料館手作りおもちゃクラブ「ペーパーローリングを作ろう!」を開催しました。
この日は今年度初の手作りおもちゃクラブです。
夏休みということもあってか、初めて見るお顔もたくさん♪
もし気に入ってくれたら常連さんになってくれると嬉しいです♪
まずは蓄音機でレコード鑑賞です。午前の部では「お化けの踊り」、午後の部では「雷公と稲妻」という曲を流してみました。日本の夏といえば“怪談”や“夕立”ということで、タイトル先行でのチョイス(笑)
おばけを題材にした「お化けの踊り」という曲は、なんとなく某妖怪アニメを彷彿とさせる和風(?)にも聴こえる曲調ですが、作曲者は海外の方のようです。おばけに対するイメージが日本人と近いのでしょうか?
紙芝居は「江戸川を流れてきた獅子」です。
西金野井に伝わる、雨を降らせる不思議なお面の伝説。干ばつの続く農地に、恵みの雨をもたらした、というありがたいお話でした。
そしておもちゃ作りは「ペーパーローリング」です。
ペーパーローリングに使用する紙は、丸めて筒状にし、輪ゴムで縛ってあらかじめクセをつけておくのがポイントです!
材料は簡単に手に入るものばかりですが、紙を丸めてクセをつける時間が必要なので、実は作ろうと思っても、すぐには完成しない一品だったりします。
手作りおもちゃクラブでは既に下ごしらえ済みのものを用意しているので、その場で作って遊んでいただけます!安心してご参加ください!(宣伝)
お土産の缶バッジ作りも、多くの子が初体験です!
ちょっとした夏の思い出になったでしょうか♪
今年度初の手作りおもちゃクラブとあって参加者が集まるか心配でしたが、ふたを開けてみればたくさんの子が元気に遊びにきてくれました♪
暑い中お集まりいただきありがとうございました!
次回の手作りおもちゃクラブは10月12日(日)に開催予定です。
詳しくは広報紙等に掲載いたしますので、ぜひチェックしてみてください!
体験講座みて!さわって!dokidoki音楽づくりを開催しました
8月9日(土)、春日部市郷土資料館恒例の体験講座「みて!さわって!dokidoki音楽づくり」を開催しました。
この講座は、国立歴史民俗博物館の中村耕作先生と國學院大學栃木短期大学の早川冨美子先生、筑波大学付属小学校の高倉弘光先生のご協力により、毎年夏休みに、郷土資料館で開催しており、今年で5回目になります。縄文土器を観察し、土器の文様のパターンやイメージなどをみたりさわったりしながら、縄文時代にも存在した自然素材を使って音で表し、グループで音楽を作る講座です。
今回のdokidoki音楽づくりはおおまかに次のような流れで行いました。
1.本物(ほんもの)の縄文(じょうもん)土器(どき)をさわってみよう どんな特徴(とくちょう)があるかな?
2.縄文(じょうもん)時代(じだい)って、いつ? どんな暮(く)らし?
3.縄文(じょうもん)土器(どき)のもようづくり
4.自然(しぜん)素材(そざい)をさわって音(おと)を出(だ)してみよう
5.縄文(じょうもん)土器(どき)の特徴(とくちょう)を音(おと)やからだの動(うご)きなどで表現(ひょうげん)してみよう
6.グループで音楽(おんがく)づくりをしよう
7.作品(さくひん)を発表(はっぴょう)しよう
↑縄文時代っていつ?年表で確認しよう!
↑縄文土器を学ぼう
↑土器の観察をして気づいたことを書こう
↑自然素材をつかって音を出してみよう
↑作品を発表しよう
最後にアンケートとともに土器の観察カードを記入してもらいました。
暑い中、お越しいただいた先生方、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。
来年の夏休みにも実施しますので、土器が好きな人や音楽が好きな人はぜひ参加してください。
小中学校初任者研修 in 史跡神明貝塚&ハルカイト
本日8月7日には、この4月に市内の小中学校に着任された先生方の施設体験研修の中で史跡とハルカイトをご案内してきました。午前中の降雨で久しぶりの30度を切る陽気でも高い湿度でモヤモヤする中、初々しい先生32名と共に史跡神明貝塚の現地を周回。足下に広がるヤマトシジミの貝殻片に興味津々。公有地化の終盤、そして現地公開に向けて着実に進んでいるので、将来には社会科学習や総合的な学習の時間の生きた現地としての活用をPR!
続いて大凧文化交流センター「ハルカイト」へ移動。愛称の「ハルカイト」の由来も即、解読されました。施設では旧宝珠花小学校の沿革、郷土の作家”三上於菟吉”、神明貝塚のジオラマ、貝層剥ぎ取り模型を紹介する宝珠花サロンでの見学後には、8月生まれの5名の先生が「千歯こき」にチャレンジ。資料館職員の解説に即応し、脱穀の体験をいただきました。初めて千歯こきをみた先生ばかりでしたが、スムーズな動きで見事に稲籾を落とすことができました。その後は2階の各展示室の見学、解説シートの記入など、「2学期の学習に生かせそう!」「資料館に見学へ赴きたい」「ハルカイトでの見学もいいな」との頼もしく嬉しい声が聞かれました。
今回の見学では「公立学校の強みは地域との繋がり」「生きた教材は郷土資料」というキーワードを用いてお話をしましたが、教育の現場での実践と今後の活躍に期待しています。暑い中での研修、大変お疲れさまでした。
【手作りおもちゃクラブ】ペーパーローリングを作ろう!
8月17日(日)に“手作りおもちゃクラブ”を開催します。
“手作りおもちゃクラブ”では、
①約100年くらい前に使われていた蓄音機を使って音楽鑑賞
②春日部に伝わる様々な伝説の紙芝居の読み聞かせ
③みんなで手作りのおもちゃ作り
の3つを行います。
全行程をあわせても1時間満たない程度の時間なので、軽い気持ちでご参加ください♪
そして、今回作るおもちゃは「ペーパーローリング」です
このシュルンッと戻ってくるのがクセになります!
普段スマホやゲームに慣れ親しんでいる子でも、こういった昔ながらのおもちゃを意外と楽しんでくれます♪
見たことがあるおもちゃでも、“自分で作る”という経験はなかなかないものなので、ぜひ足を運んでみてください♪
手作りおもちゃクラブは申込不要、おもちゃの材料も資料館で用意しています。
当日の午前10時30分と午後2時からの計2回開催しますので、お時間までに郷土資料館にお越しください!
【手作りおもちゃクラブ】
日時:令和7年8月17日(日)午前10時30分~・午後2時~
場所:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15)
内容:蓄音機と紙芝居の上演
おもちゃづくり(ペーパーローリング)
費用:無料
申込:不要(開催時間までに郷土資料館にお越しください)
今年、春日部市は20歳になります記念・ミニ収蔵品展
今年、令和7年(2025)10月1日、旧春日部市と旧庄和町が合併して20年目を迎えます。
市では、「市制施行20周年記念事業」と称し、様々なイベントを開催しているところです。
ただいま開催中の企画展示「麦わらのかすかべ」展も、春日部市のシンボルである特産品「麦わら帽子」を扱っている都合で、市制施行20周年記念事業と冠しているところです。
春日部市を人間とみなすならば、20歳(はたち)。
日本では、明治9年以来、成年年齢は20歳とされてきましたが、2022年4月の民法の改正に伴い、成年は18歳に引き下げられました。民法上、18歳は、一人で有効な契約をすることができること、父母の親権に服さなくなる意味をもつそうです。選挙権や裁判員選出も18歳から。
では、従来の成年である20歳は、どんな意味をもつのでしょうか。
20歳になると、国民年金への加入義務が生じます。また、お酒、タバコ、公営ギャンブルが許されるのも20歳。民法上の成年年齢が引き下げられても、健康上の理由や若年者の依存症を懸念する観点から、これまで通り20歳からとされています。いいのか、悪いのか、自分自身で判断して、責任のある大人として行動することが求められる。それが20歳の意味なのでしょう。
というわけで、郷土資料館では、企画展示の傍らで、市制施行20周年をお祝いして、記念のミニ収蔵品展を開催しています。
題して、「酒と春日部 ※お酒は20歳になってから」です(市の20周年記念事業にはノミネートしていません)。
収蔵品のなかから、お酒に関わる展示を資料の種別や時代を問わず、オムニバスで紹介します。
最初は、市民の方から寄贈された漆塗の酒器と、市内の酒屋(小売店)から寄贈された、ウイスキーの広告パネルを展示しています。後者は、俳優の大原麗子が起用された有名なコマーシャルのパネルです。
1か月を目途に展示替えをする予定です。酒と人との関係は切っても切れない。だから、時代を問わず、収蔵品も様々。企画展のついでにご覧ください。
【東部地区文化財担当者会リレー展示_都鳥が見た古代】蓮田市文化財展示館でリレー展示が開催されています
蓮田市文化財展示館で東部地区文化財担当者会リレー展示「都鳥がみた古代」が開催されています。
蓮田市文化財展示館は蓮田市役所に隣接しています。国史跡「黒浜貝塚」のガイダンス施設としても活用されています。
リレー展示は、展示室奥のコーナーで開催されています。
蓮田市には、荒川附遺跡や椿山遺跡といった、奈良時代、平安時代の大集落があり、多くの遺物が出土しています。今回の展示では、これらの遺跡を含め、蓮田市から出土した遺物を展示しています。
文化財展示館、市役所に隣接して、国史跡「黒浜貝塚」があります。
暑い日が続いています。熱中症に気をつけて、お出かけください。
展示の詳細は下記の通りです。
●蓮田市文化財展示館会場「都鳥がみた古代」
開催期間 令和7年7月29日(火曜日)~8月24日(日曜日)
開催場所 蓮田市文化財展示館 蓮田市大字黒浜2801-1
(JR宇都宮線蓮田駅東口からパルシー・根金・下大崎・菖蒲仲橋・蓮田駅西口行きバスで「蓮田市役所前」下車、徒歩2分)
開館時間 午前9時から午後5時まで
休館日 毎週月曜日、祝祭日
お問い合わせ (048)764-0991
東部地区文化財担当者会報告書第9集「埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代」も好評発売中(残部僅少)です。詳しくはこちら
*リレー展示「都鳥が見た古代」は、下記日程で開催予定です。
7月29日から8月24日 蓮田市文化財展示館 資料展示
9月5日から9月19日 加須市パストラルかぞ パネル展示
10月24日から11月26日 三郷市わくわくライブラリ― パネル展示
令和8年1月6日から3月1日 宮代町郷土資料館 資料展示
実習6日目を終えて
実習6日目の本日は、午前中に粕壁の大和屋酒店文書と廃校となってしまった冨多小学校の旧蔵資料の整理に加え、資料の簡易的な修繕作業を行わせていただきました。
資料整理では、大和屋酒店と冨多小学校の資料としての特徴が大きく違うこともあり、学芸員の方に尋ねることも多くありましたが、多くの資料整理を行うことが出来ました。
資料の修繕作業では、糊がはがれた部分に糊接ぎをする作業をやらせていただきました。一見簡単なように見える作業もその資料の保存状態や虫害の度合いなどにより難易度が変化するのだと作業を通して学びました。
午後ではこれまでの6日間の実習を通して自分たちの中で印象に残った点や、初日に行ったディスカッションの話題でもあった自分たちの考える博物館像についてどのような考えの変化があったのかについてなどを話し合いました。一人一人が来館者目線だけでなく学芸員視点も取り入れた博物館像を考えていたので、実習を通して様々な見方や考え方を学ぶことができたように感じました。
実習はまだ数日ありますが、今年度の実習生によるブログの更新は今回で最後となります。拙い部分などもあったと思われますが、読んでいただきありがとうございました。
(令和7年度博物館実習生)
実習5日目です!
本日は大凧文化交流センター「ハルカイト」で作業を行いました。
はじめにハルカイトの施設の紹介をしていただきました。
1階には宝珠花地区の学校などの資料や記録を展示している「宝珠花サロン」があります。
地元の方には懐かしい資料もあるかもしれません。
2階の大凧文化展示室には大凧を揚げているような写真を撮れるトリックアートがあります。
2階には他にも歴史展示室1~3があります。
歴史展示室1は宝珠花小学校で使われていた教室が再現されていて実際に机に座ってボードゲームができるほか、オルガンを触ることもできます。
実習生も展示室の机に座って作業を行いました。
歴史展示室2・3には庄和の通史として農具など民俗資料が中心に展示されています。
午後には収蔵資料の整理として資料の移動や配架場所の記録を行いました。
配架場所を記録する作業では実際にその資料が何か、どのように使われた資料かを考える場面もありました。
資料を見ても実習生だけではわからないことが多くあったため、もっと知識を付ける必要性を感じました。
本日の作業は共同作業が特に多かったので実習生同士の仲を深めることが出来ました。
実習も残り少なくなってきたので最後までたくさんのことを学んでいきたいです。
(令和7年度博物館実習生)
7月の考古学関係展示会、イベント情報
7月の近隣博物館・資料館の考古学情報をお届けします。
(毎月28日ごろに掲載します。随時、情報を更新します。)
(東部地区文化財担当者会リレー展示ー都鳥が見た古代)
・7月29日(火曜日)~8月24日(日曜日)蓮田市文化財展示館(資料展示)
(展示会_閉会日順)
・8月5日(火曜日)まで 坂戸市文化会館ふれあ(坂戸市)
第28回坂戸市埋蔵文化財出土品展「長岡遺跡の物語-足元に眠る1万年史-」
・8月17日(日曜日)まで そごう大宮店(さいたま市大宮区) 主催:埼玉県埋蔵文化財調査事業団
令和7年度ほるたま展 「古代のものづくり」
・8月11日(月曜日・祝日)まで 飛鳥山博物館(東京都北区)
スポット展「ようこそ!アクセサリー専門”展”KODAIへ」
・8月30日(土曜日)まで 帝京大学総合博物館(東京都八王子市)
企画展「ホネホネワンダーランド-骨の不思議を探る-」
・8月31日(日曜日)まで かみつけの里博物館(群馬県高崎市)
企画展「わくわく!はにわ体験‘25」
・8月31日(日曜日)まで 埼玉県立さきたま史跡の博物館(行田市)
令和7年度埼玉の考古おひろめ展「地中からのメッセージ」
・8月31日(日曜日)まで 桶川市歴史民俗資料館(桶川市)
令和7年度里帰り展 「地中に眠る桶川の歴史」
・8月31日(日曜日)まで 栃木県埋蔵文化財センター(栃木県下野市)
巡回展「栃木の遺跡&発掘調査速報展」
・8月31日(日曜日)まで くにたち郷土文化館(東京都国立市)
ミニ展示「甲野勇と秋田のストーンサークル」
・9月10日(水曜日)まで 富士見市立水子貝塚資料館(富士見市)
「縄文を表現する ~新川昌子氏 作『私の縄文日記』~」
・9月15日(月曜日・祝日)まで 早稲田リサーチパーク・コミュニケーションセンター
企画展「本庄市の古墳3 西五十子古墳群」
・9月28日(日曜日)まで 壬生町立歴史民俗資料館(栃木県壬生町)
文化財企画展 「みぶほる!-壬生町の発掘調査速報展2025」
・10月13日(月曜日・祝日)まで 国立科学博物館(東京都台東区)
特別展「氷河期展 〜人類が見た4万年前の世界〜」
・11月3日(月曜日・祝日)まで 府中市郷土の森博物館(東京都府中市)
「古代国司と国司館~都から来た役人とそのすまい~」
・11月16日(日曜日)まで 柏市郷土資料室(千葉県柏市)
第30回歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」
(講演会)
・8月3日(日曜日)埼玉県立さきたま史跡の博物館(行田市)
「埼玉県遺跡発掘調査報告会」
・9月6日(土曜日)明治大学駿河台キャンパス(東京都千代田区) 主催:明治大学資源利用史研究クラスター
公開シンポジウム『大山柏の史前学と縄文生業論の今日的展開』
・9月7日(日曜日)明治大学駿河台キャンパス(東京都千代田区) 主催:日本考古学協会
公開シンポジウム「人類はどこから来て、どこへ向かうのか」
(現地説明会)
8月21日(木曜日)午前11時、午後2時、午後3時30分 大道遺跡(越谷市)越谷市教育委員会
実習4日目を終えて
本日の実習は午前中に資料整理を、午後には資料の取り扱いとして軸物について主に学びました。
午前の部には大和屋酒店に関する資料を実習生各々が実物を見ながら調書をとって資料を整理しました。実際に調書を取る中で、「後から見た人にも内容が伝わる」記載が大事であることを学びました。
文書資料を見ながら調書を取る実習生。難解なものも?
午後には軸物、つまり掛軸や巻物の取り扱いについて学びました。個人的には巻物について実物に触れて取り扱うことが初めての経験だったため非常に緊張しました…。
掛軸を広げる実習生。資料を取り扱うときは緊張します…。
その後大きな絵図についても取り扱いました。大きな資料はさすがに一人では広げることも一苦労です。そのため実習生で協力して広げて何が載っているのか、いつの年代の物なのかを皆で考察しました。
実習生の協力体制!
本日も多くのことを学ばせていただきました。ありがとうございました!
(令和7年度博物館実習生)
実習3日目です!
博物館実習3日目、無事終了しました。
午前中は、教育センター内の一室で、考古学資料である土器を使用した梱包作業の実習作業と、「ふとん」と呼ばれる梱包作業に必須の道具の作成作業を行いました。
考古資料の梱包については、初めて行う作業だったのでうまくできるかの心配は少しありましたが、他の実習生の手順をしっかりと見学したうえで行ったため、すんなりと行うことができました。個人的には、資料をしまっていた箱をビニール紐で縛る作業より、考古学資料を包んでいるふとんを縛る作業の方が、資料を気にしながらの行動になるため、緊張しました。
「ふとん」の作成作業は、2人1組で行いました。実際に実習の事前指導や今まで大学の授業で学んでいた物を実際に見るだけでなく、作成する作業を通して何故、梱包の際に必要になってくるかを学びました。作業をしていくうちに、要領は掴むことができましたが、屈んで作業を行ったため、後半は体勢の維持が大変でした。また、途中でちょっとしたハプニングもありましたが、作業は終了することができました。
午後は、館外見学に行ってきました。郷土資料館で紹介している神明貝塚と、花積貝塚を見て来ました。神明貝塚は、令和2年に国指定の遺跡に登録され、今は公有地化を進めています。神明貝塚では地上にたくさんの貝殻があるのが、特徴的でした。
花積貝塚は、春日部市の指定遺跡です。貝殻は地中に埋まっているのか、地上にはほとんどありませんでした。貝塚は、個人的にこんもりとした山のような形を想像していましたが、そのようなものは一切なく、地面に散らばっている貝殻が、貝塚があったことを主張していて、とても興味深かったです。
(令和7年度博物館実習生)
「実習二日目を終えて」
実習二日目が無事終わりました。
今日は、午前にミュージアムトークに参加、午後は講演会のポスターの製作・発表に加えて資料のデータ入力をしました。
ミュージアムトークでは、学芸員の方に企画展示「麦わらのかすかべ」についての解説をして頂きました。麦わら帽子の歴史や製造方法、春日部とどのような関りがあったのかなど、様々なことについて知る事が出来ました。また、私自身春日部に麦わら帽子の生産が盛んだったというイメージが無かったので、過去には帽都の春日部と呼ばれていたことを知り驚きました。また、麦わら帽子の元となるひもを編んだり、材料の麦に触れてみたりと貴重な体験をすることが出来ました。
午後には、皆それぞれが製作したポスターの発表を行いました。皆、様々な工夫をポスターに凝らしていて、見ていてとても楽しかったし勉強にもなりました。ただ、写真の資料を使う際には写真の出典を書くようにする等、注意しないといけない点も学ぶ事が出来ました。発表が終わった後には、資料のデータ入力も行いましたが、画面と資料の二つに視点を行き来させているせいか、目がどんどん疲れてしまい中々ハードでした。
今日は作業を色々とした為、学芸員の仕事について少しずつ分かってきた1日になりました。
(令和7年度博物館実習生)
こども土器作り教室を開催しました
7月23日(水)に毎年恒例の土器作り教室を開催しました。
今年は諸事情により、初めての平日開催、そして小学生限定の「こども土器作り教室」となりました。
毎年、多くのお申し込みをいただき、今年もやむなく抽選となりましたが、20名のご参加をいただきました。
土器は縄文人と同じ「輪積み」という技術で作っていきます。土器の「底」となる円盤を作ったら、粘土をヒモ状にして円盤の上に積んでいき、これを繰り返して形を作ります。粘土のヒモをどんどん積んでいきますが、粘土のつなぎ目をしっかり消すことが上手に作るポイントです。
粘土が十分に積めたら、今度は思い思いの土器の形へ整形していきます。最後に縄を転がして、「縄文」をつけたり、竹串や貝殻で模様をつけたり、飾り付けをして土器の完成となります。
皆さん集中して取り組んでいただき、あっという間の3時間となりました。
今年も参加者皆さんの個性にあふれた、数々の土器ができあがりました。
土器はこれから1ヶ月かけて乾燥させ、色はやや白っぽく、大きさは一回り小さくなります。
これからどのような土器に焼き上がるのでしょうか?1ヶ月後を楽しみにお待ちください。
「麦わらのかすかべ」展が開幕!帽子の歴史を探る旅へ
本日、7月23日(水)から企画展「麦わらのかすかべ~帽都いま・むかし~」展がはじまりました。
無事に展示の設営を終え、一安心。ですが、これから、チラシなどの送付やら、SNSでの告知やら、関連イベントやら、滞っていたもろもろのことがまっています。
初日の今日はありがたいことに、朝から取材ラッシュ。近いうちにテレビや新聞で露出されることでしょう。
しかし、これも企画展示を多くの方に知っていただき、多くの方に足を運んでいただくため。まだ終わらんのです。
手前みそですが、今回の展示で工夫した点は、空間を活かすこと。展示室内にUFOのように帽子をつるしたり、古写真を掲示したり、帽子自体や写真類を手に取ってご覧いただけるようにしたところです。
また、最近、外国人の観光客が多く来館されているので、掲示物を一部英語表記しました。帽子や真田編みの体験など外国の方も手にとっていただき、某アニメキャラだけでない春日部の魅力を知っていただけると、うれしいです。(個人的には春日部の町の歴史が背景にあり、春日部が某アニメキャラの舞台になっていると思っています)。
「えっ!歴史の学芸員の方、英語がご堪能なのですね」と思った方。お察しがいいですね。
実は、今回の新しい試みとして、市役所に導入されたAIを活用し、英訳をお願いしました。たぶん通じると思われます。
それから、このブログの記事のタイトルもAIに考えてもらえました。「帽子の歴史を探る旅へ」だそうです!ほかには「歴史とファッションの融合」。これも捨てがたいなぁ、しかし展示を見ていないのに、よく思いつくなぁ(ホントかなぁ)と感心しました。
AIの肩をもつわけではないですが、「帽子の歴史を探る旅へ」「歴史とファッションの融合」の企画展示だと思います。ぜひ、ご覧ください。
「倉常の神楽囃子」「榎の囃子神楽」「西金野井の獅子舞」が公開されました
7月20日(日)、倉常、榎、西金野井の3地区で指定無形民俗文化財が公開されました。
倉常地区では、地区内の大字境の辻4カ所で辻切りをした後、倉常神社に戻ってから神楽囃子が奉納されました。
倉常の神楽囃子は神田囃子深川流の流れをくむお囃子です。太鼓や笛によって小気味良いお囃子が披露された後、「大黒の舞」、獅子舞が舞われました。
夏の日差しのもと、神社には多くの人が集まり、神楽囃子の奉納の後は、納涼会を楽しみました。
▼大黒の舞
▼獅子舞
榎地区では、榎の囃子神楽が公開されました。午前中は辻切りが行われ、集会所に戻ると神楽が奉納されました。
榎の囃子神楽は倉常と伝ってきた由来が同じため、大黒の舞や獅子舞など、共通している舞もあります。
太鼓と舞にはそれぞれ小学生と高校生が加わりました。榎地区では、保存会の皆さまが江戸川小中学校で神楽の指導をされています。児童・生徒さんたちを含め全員で、この日のために練習を重ね、本番では素晴らしい音色と舞を披露してくださいました。
▼テンタン(オカメの舞)
▼テンコサンバ
▼ひょっとこの舞
▼大黒の舞
▼獅子舞
西金野井香取神社とその周辺では、埼玉県指定無形民俗文化財の「西金野井の獅子舞」が公開されました。
保存会三匹獅子による「芝廻り」や、南桜井小学校の伝統芸能クラブの児童による子供獅子の「芝廻り」、保存会三匹獅子による「雨乞い」などの演目が披露されました。また、神社正面の大鳥居や、江戸川堤の改修の歴史を伝えるかつての参道に配された鳥居(裏参道鳥居)の2か所で「辻切り」により地域の家内安全が祈願されました。祭礼の最後には、拝殿の中で、悪疫を追い払っていただいた感謝と神送りの意味を持つ「注連切りの舞」が舞われました。
子供たちや保存会の皆さんによる素晴らしい舞に、集まった方々からも盛大な拍手が送られました。
▼芝廻りの舞
▼辻斬りの舞
▼雨乞いの舞
▼注連切りの舞
保存会の皆さまや地区の方々の努力、そして学校での体験などを通して興味を持った児童・生徒の皆さんの力によって伝統芸能が着実に継承されていきます。来年の夏の公開も楽しみです。
市内の伝統芸能は10、11月に秋祈祷の舞が公開されますので、近づきましたらお知らせいたします。
夏季展示「麦わらのかすかべ」関連イベント
7月23日より開催される、夏季展示「麦わらのかすかべ」。
展示だけでなく、麦わらに親しむ関連イベントも開催予定です。告知させてください。
- 記念講演会「関東の麦わら細工」
- 講 師 山田淳子先生(小山市立博物館)
- と き 令和7年8月31日(日)14時~16時
- ところ 春日部市教育センター
- 申込み 直接、または電話(048-763-2455)、電子申請で受け付け
- 展示解説講座「春日部の麦わら帽子と関連産業」
- と き 令和7年9月6日(土)10時~正午
- ところ 春日部市教育センター
- 講 師 展示担当学芸員
- 申込み 直接、または電話(048-763-2455)、電子申請で受け付け
- みゅーじあむとーく
- と き 令和7年7月27日(日)・8月20日(水)いずれも10時30分~、15時~
- ところ 郷土資料館企画展示室
- 申込み不要
記念講演会は、小山市立博物館で麦わら細工の製作体験などを実践されている、山田淳子先生に、関東地方における麦わら細工について、実際の経験や民俗学的な見地からお話しいただきます。
展示解説講座は、春日部市域における麦わら帽子産業(麦稈・経木・麻真田を含む)の歴史的な展開を、様々な史料から検討するものです。今回の展示のウラテーマは女性とグローバルヒストリー。そのあたりのことを少し意識しながら、史料をネチネチ読んでお話します。また、余興で真田編みも実践します(時間があれば笑)。
みゅーじあむとーくは、展示担当の学芸員が展示室で展示をレクチャーします。諸般の都合により、チラシでh8月20日(水)の開催のみと表示していましたが、追加で7月27日(日)も開催することになりました。申込みは不要、出入り自由ですので、時間が合えばお越しください。
「赤沼の獅子舞」、「銚子口の獅子舞」が公開されました
7月13日(日)、赤沼、銚子口の2地区で獅子舞(市指定無形民俗文化財)が公開されました。
赤沼、銚子口の両獅子舞は、越谷の下間久里から江戸時代に伝授された伝統ある獅子舞です。同じ獅子舞の系統ですが、長い年月をかけ、それぞれの地区独自の演目、曲の調べ、舞の所作などが形づくられ受け継がれ今日にいたっています。
赤沼地区では、赤沼の獅子舞が公開されました。今年の夏の祭礼では子ども獅子10名が参加しました 途中、獅子舞の体験コーナーを設け、見学者が自由に参加して、獅子舞の所作を体験し、最後に皆で通しで演じてみる催しが行われました。
祭礼のクライマックスには五穀豊穣を祈願する「弓くぐり」が舞われ、太夫獅子が見事に弓をくぐり抜け、会場の皆さんも今年も無事豊作になることを願いながら暑い夏の祭礼を過ごしました。
▼稲荷の舞(きつねの舞)
▼こども獅子
▼獅子舞体験
銚子口地区では、銚子口の獅子舞が公開されました。今年の夏は、午前中、5年ぶりに地区内6か所で辻切れが行われました。また辻切りでは、初めて女性舞手が太夫・中・女獅子の三匹獅子を担いました。午後からは、銚子口香取神社境内で、天狗を先頭に道中流しが行われ、天狗の舞、三匹獅子による弊がかりの舞などが行われました。三匹獅子のうち、中獅子と女獅子を女性の舞手が務めました。囃子方でも女性が太鼓を務め、近年保存会が力を入れている女性舞手の活躍を目にすることができました。演目の最後のに四方祓いの舞では、会場の四方を御幣で祓う舞がおこなわれ、夏の獅子舞奉納が無事に締めくくられました。
▼天狗の舞
▼弊がかりの舞
▼四方祓いの舞
経木真田がないなら、帽子を解体すればいいじゃない
7月23日から開催される、夏季展示「麦わらのかすかべ~帽都いま・むかし」展の準備も佳境です。目下、展示の設営にとりかかっているところです。
陳列をしていて、どうしてもほしい、物足りないものも出てきています。それは、取材・調査をしても入手困難だった資料=経木真田です。
春日部の麦わら帽子づくりは、元々は麦稈真田製造からはじまったことは、これまで知られてきたことではありますが、実は、その麦稈真田製造自体は、春日部においては息は短かったことが、今回の展示に伴う調査で明らかになりました。
国内の麦稈真田製造は、明治30年以降は関西地方がメインになり、反対に関東地方では、麦稈にかわる新たな素材として経木を真田に編む技術が開発され、経木真田が生まれ、この製造がメインになっていくのです。
春日部のいわゆる「麦わら帽子」は、中国産の麦稈真田を縫う麦わら帽子づくりと、地場で編んだ経木真田を縫う経木帽子づくりの二つの製品が主力となり、戦後には特に経木帽子がレジャー用で安価な帽子として流行し、多く製造されました。
このように、経木真田、経木真田帽子は、春日部の麦わら帽子産業を語る上で、重要な製品なのですが、現在、市内の製帽所では、ほとんど作られていません。若い職人さんは、「経木って何ですか??」というほど。
そもそも「経木」がない。どうやら、現在、木材を薄く挽いた「経木」自体を製造する方が国内にはほとんどいない模様。桐材の調査をした時にも、山や山林を管理する人や木材を扱う人材が減ってきている、と桐材屋さんが話されていました。国産材木産業ですら厳しいのですから、ましてや「経木」は・・・
というわけで、現代の春日部では経木帽子すら入手が困難であり、また経木真田を入手することも難しそうなので、学芸員が自腹で経木帽子を入手。経木真田帽子はこんな感じです。
白色の木材(ドロヤナギやイモノキなど)を薄くした経木を編んだ経木真田を、ミシンで縫製し作られています。
経木帽子のツバをみるとこんな感じ。頭の天頂から渦をまきながら縫製され、麦わら帽子と同じ技術・構造をしています。ただ、経木真田は、麦稈真田に比べ、軽くて薄く、強度がありません。
どうしても経木真田を展示したい。
担当者のなかのマリー・アントワネットがつぶやきました。
「経木真田がないなら、帽子を解体すればいいじゃない」
経木帽子を縫製された四国地方の帽子職人さんには大変申し訳なく思いますが、経木真田を取り出すために、心を鬼にして、帽子を解体することにしました。
経木帽子は、経木の質感の特性からか、必ずといっていいほど、ツバの縁には「テープ」とよばれるカバー(リボン)がミシンで縫い付けられています。
ミシンの糸をはさみで切り、「テープ」をはずしました。「テープ」をはずした部分はこんな感じです。
そして、帽子の縫い終わりの部分の糸を切り、ペリペリと真田を外していきます。
縁の「テープ」も真田も、麦わら帽子と同じミシンの環縫いミシンで縫製されています。
環縫いミシンは下糸がないミシンで、1本の糸を環縫い=チェーンステッチで縫製していきます。下の写真は環縫いの糸目です。縫い目の裏側に輪っかが出来ているのがわかるでしょうか。この輪っかに糸をくぐらせ、鎖のように縫っていくのが環縫いという縫い方、なのだそうです。
環縫いにするメリットは、伸縮性に優れていること。帽子がギチギチだとかぶりづらいですので、麦わら帽子などの紐状(真田)をつかう帽子で使用されるそうです。
さて、ペリペリを解体した紐が、念願の経木真田です。
さらに、経木真田を経木紐に解体。
下の写真では判りづらいですが、この経木真田は、三本の経木紐を編んでいるので、「三平」(さんぴら)という経木真田であることがわかりました。
解体した経木帽子も、解体前の経木帽子も、展示する予定です。
今回の解体でよくわかったのは、経木帽子も麦わら帽子と同じ技術・製造方法がとられているということです。素材が替わっても帽子縫製の技術はかわらない。今は忘れられつつある経木真田ですが、現在までつづく春日部の麦わら帽子産業の歴史においては、とても重要な素材であり、帽子だと思います。
ぜひ、麦わら帽子との違い、そして共通点をかぶって体感ください。
【祝】10000日!
春日部市郷土資料館は平成2年(1990年)7月20日(金)にオープンした、市の歴史と文化を紹介する施設です。
開館から35年をかけ、
本日、開館日数10000日を迎えることができました!
地域の皆さまから愛される資料館に、また郷土愛の醸成を促せる資料館にと日々奮闘した結果、いつの間にかこれだけの月日が経っていました。
そこで今回は、開館当初の郷土資料館の様子を少しお見せしたいと思います。
この写真は平成2年(1990)7月20日、郷土資料館開館式典のテープカットの様子です。現在の郷土資料館入り口付近と比べると、随分すっきりした印象を受けます。
現在の入り口付近を写真に撮ってみました。展示の案内板や、近隣館園の展示案内などがずらりと並んでいます。窮屈そうにも見えますが、それだけ郷土資料館事業が発展し、近隣地域との繋がりができてきたことが窺えます。
こちらは開館当初の展示室内の様子です。
約35年間大規模な工事はしていないので、展示室の内装や形状は現在と同じです。しかしながら、館内の様子は少しずつ変わっていきます。
現在は、解説パネルや展示ケースの数も増え、広々としていた通路も若干狭く感じるでしょうか。ご寄贈いただいた資料などを展示し、長い時間をかけて展示室を賑わせるようになっていきました。
地下の収蔵庫には、まだ日の目をみない収蔵品がたくさん眠っており、もっともっと展示して皆さまにお披露目したいのですが、展示室の広さや、展示テーマ、収蔵品の性質など様々な理由からベンチウォーマーならぬ、収蔵庫ウォーマーに落ち着いてしまっています。
資料をどう“活かす”か、長年の課題でもあります。
資料館のオープン時には「広報かすかべ」408号(1990年6月号)にも取り上げられました。
今日で開館日数10000日という節目を迎えましたが、これまでもこれからも郷土資料館に託された役割を忘れず、市の歴史や魅力を伝えるため、皆さんに楽しんでもらえるような、そして生涯の学びとなるような資料館を目指していきます!
令和7年7月23日(水)からは「麦わらのかすかべ~帽都いま・むかし~」展と銘打ち、春日部の特産品である麦わら帽子にフォーカスを当てた展示会を開催します。こちらもぜひご期待ください!
やったり踊りの公開-県指定無形民俗文化財ー
7月12日(土曜)、県指定無形民俗文化財の「やったり踊り」が武里駅近くの大畑香取神社で公開されました。
「やったり踊り」は、午後8時頃、武里香取神社から南東方向に約400mほどの西光寺からスタートします。厳かな境内の中、太皷と笹笛の囃子に合わせ、隊列を組んで、「練り込み」という踊りをしながら、約45分をかけて、会場である大畑香取神社にゆっくりと向かいます。境内では、到着を待っていた見学者が集まっており、境内の鳥居をくぐると拍手で迎えられての入場となります。
▼練り込み様子(西光寺から大畑香取神社まで隊列を組んで踊る)
最初の踊りは、小学生低学年、高学年の「小若」による「扇子踊り」から始まります、この日に向けて練習をしてきた成果が遺憾なく発揮され、大きなかけ声で、元気よく扇子を用いた舞が披されました。続けておこなわれる若衆の「扇子踊り」も、ベテランと、高校生や大学生の今後を担う若衆が迫力ある舞を披露しました。
▼扇子踊りの様子(日の丸の扇子をもって踊る)
次の「手踊り」では、哀愁を帯びた唱にあわせながら、身体全体を使って踊り、手のひらや指先を使って蓮の花を表現する所作が、会場全体に夏の夜の幻想的な世界を醸し出していました。踊りが終わってしまうのが名残惜しくなるくらい、会場全体が「やったり踊り」の余韻で覆い尽くされていました。また来年の夏へ、さらに次の夏も、この余韻が引き継がれていくことを期待しています。
▼手踊りの様子(手のひらや指先を使って蓮の花を表現している
古文書勉強会で館蔵の古文書を読みました
7月5日、古文書勉強会にて、市民の方々と館蔵の古文書を読みました。
講読した史料は「御神忌日記」です。今年の1月から毎月1回のペースで読んできましたが、ようやく読み終わることになりました。今後はいま一度原稿を確認・校訂し、本ブログ等で公開したいと考えています。
さて「御神忌日記」の講読ですが、元治2年(1865)の家康の250回忌法要の記録でしたので、京からお公家さんたちが参列するのですが、読みなれない公卿の名前に苦戦されたこともありました。
どういった史料で公卿の名前を調べればよいのか。手っ取り早いのは、近世に出版された「雲上明覧」という版本。これは京・朝廷の皇子・門跡・公卿たちの名鑑とでもいうべき書物です。大名や幕府の役人の名鑑として「武鑑」というのがありますが、その朝廷版とでもいうべきものでしょう。一例を『近世公家名鑑編年集成』からコピーして皆さんに配布しましたが、実は、館蔵史料のなかにも「雲上明覧」があったことに、当日気づきました。せっかくなので、皆さんにも手に取ってみていただきました。
館蔵の雲上明覧は、先日公開した収蔵資料データベースから「雲上明覧」で検索いただけると、一部の画像をご覧いただけます(資料を公開しました)。春日部にも「雲上明覧」があったことに、少し驚きました。江戸時代は出版文化が花開き、18世紀半ばには、庶民は様々な情報を出版物から入手していたことがわかります。まさに「べらぼう」の世界。
次回からは、また新たな古文書に挑みます。粕壁宿に関わる新出史料なので、個人的にも楽しみです。次回は、9月6日(土)14時~です。
【ご注意ください】彩の国 東・北部ミュージアムスタンプラリーが始まります
令和7年7月19日(土)~令和7年11月30日(日)まで「彩の国 東・北部ミュージアムスタンプラリー」が開催されます。
当館もスタンプの押印スポットとなっておりますが、先日もブログに書きました通り、
教育センターが令和7年7月20日(日)に行われる参議院議員通常選挙の投票所として利用されるため、
令和7年7月19日(土)午後、令和7年7月20日(日)は郷土資料館は休館となります。
また、続く7月21日(月)と7月22日(火)も通常休館と祝日の振替休館となっているため、休館になります。
スタンプラリー開始早々、休館が重なってしまいご迷惑をおかけしますが、ご理解ご協力の程よろしくお願いいたします。
郷土資料館の開館スケジュールは随時下記のページで更新しておりますので、ご来館の際にはぜひご参考になさってください。
https://schit.net/kasukabe/center/hogolog
春日部共栄中学校の皆さんが英語で郷土資料館を紹介してくれました
7月9日、春日部共栄中学校の3年生の皆さんが、郷土資料館に来館されました。
英語授業の一環の活動で来館された皆さんは、春日部市内のいろいろなスポットを外国人観光客向けに紹介するもので、自分たちで見どころを英語で説明し、動画を撮影していました。
中学生の皆さんは、自分たちで作った台本や原稿どおりに、カメラワークを工夫し、時折ジェスチャーを交え、外国人の先生の指導をうけながら、郷土資料館を紹介してくださいました。
鎌倉時代のコーナーでは、兜をかぶって紹介。
江戸時代は、松尾芭蕉の弟子曽良の顔ハメで紹介。
初めは恥ずかしがっていましたが、先生との英会話、資料館内を楽しみながら、主体的に英語を学習しているように見えました。
撮影した動画は、学校内の学習で使用され、外部への公開・公表はないそうです。
近年、郷土資料館には、某アニメキャラクターのスタンプラリーで多くの外国人観光客が訪れています。資料館では、外国の方に春日部の魅力を知っていただくために、案内サインなど多言語表記に少しずつ取り組んでいるところですが、ごくごくわずかです。市域全体でも、外国人向けに春日部の魅力を英語で紹介するというニーズが高まってきているのは間違いないと思います。ですから、中学生の皆さんの取り組みは、実は実社会で役立つかもしれません。
生徒・学生たちの英語の学習になり、かつ社会に役立つことになれば、これほどよいことはない。そんな話を、中学校の先生にお伝えしました。
ぜひ、今後とも郷土資料館を教材として、そして多言語化する対象として、ご活用くだされば幸いです。
【臨時休館のお知らせ】
令和7年7月20日(日)は、教育センターが参議院議員通常選挙の投票所として利用されます。そのため、準備を含め下記の日程で郷土資料館は休館となります。
〈臨時休館日〉
令和7年7月19日(土)午後
令和7年7月20日(日)終日
また、続く下記日程も休館となります。
令和7年7月21日(月)(海の日)
令和7年7月22日(火)(祝日と重なる月曜日の翌日)
ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。
甕棺のふるさと福岡県春日市一の谷遺跡
郷土資料館の甕棺については、以前も触れたことがあります。福岡県春日市からお借りしているものです。
【常設展示】甕棺(福岡県春日市出土)のキャプションを更新しました
この甕棺は、福岡県筑紫郡春日町(現・春日市)大字下白水字一の谷に所在する一の谷遺跡から発見されました。今回は、昭和44年(1969)に、旧春日町が発刊した一の谷遺跡の報告書より、当時の調査成果を紹介したいと思います。
一の谷遺跡の調査成果は『一の谷遺跡ー筑紫郡春日町大字下白水字一の谷所在甕棺等の調査』(春日町文化財調査報告書第2集1969年)にまとめられています。
一の谷遺跡は、那珂川、御笠川にはさまれた春日丘陵と呼ばれる丘陵上に立地します。遺跡の標高は約37mです。周辺には須玖岡本遺跡をはじめとして弥生時代の遺跡が集中しています。一の谷遺跡は、以前から甕棺が埋蔵されていることが知られていましたが、昭和43年5月、急遽始まった土砂搬出工事をきっかけに5月から8月までの期間で調査が行われました。
調査では、甕棺および壺棺墓29基、土壙墓22基、石蓋土壙墓1基、箱式石棺墓1基、溝状遺構4条が確認されました。甕棺は29基のうち7基が小児用の小型のもので、うち1基は壺棺でした。甕棺は2個体を用いた合わせ口のものと1個体だけの単棺があり、形の整っていない竪穴を掘り、その一側面に横穴を掘った墓壙に埋められていました。
資料館で展示している甕棺が出土した15号甕棺墓は、上下2個体の合わせ口の甕棺が不整形な隅丸長方形の穴に横穴を掘った部分に埋められていました。下の甕は、「T」字状に右内側まで張り出す口縁とその直下に山形の凸帯が1条、胴部に「コ」字状の凸帯が2条巡っています。上の甕は、肩の部分から口縁を割って使っており、胴部に「コ」字状の凸帯が2条巡ります。
甕棺内からは人骨が出土し、推定伸長149cmの20歳代の女性と推定されています。人骨には丹(に)と呼ばれる赤色の顔料の付着がありました。
一の谷遺跡がある春日市は、福岡市のベットタウンということで、いまでは、遺跡周辺も住宅街になっています。報告書の写真では、発掘調査が行われた昭和43年当時は農地が広がり、遺跡は周囲が見渡せる丘陵の上に立地していました。
一の谷遺跡の場所:33°31'26.48"N130°26'59.23"E (リンク:googlemap 地点の出典:九州大学総合研究博物館データベース)
以前の記事でもお知らせしましたが、春日市には、春日市奴国の丘歴史資料館があり、ドーム内で須玖岡本遺跡で発見された甕棺墓を発掘調査当時の状態で展示しています。
福岡方面にご旅行の際は、ぜひご見学ください。
出張授業「縄文体験教室」 in桜川小学校
7月2日(水)に、桜川小学校で縄文体験教室の出張授業をしました。
今回は、6年生3クラス78名です。
1学期最後の出張授業ともあって、講師も今一度気を引き締めて臨みました。
歴史の授業は飛鳥時代まで進んだとのことで、縄文時代は復習となります。
授業の前半はパワーポイントを使って、縄文時代の春日部や、学校の周りの遺跡について説明をしました。
また、市内の代表的な縄文時代の貝塚・国史跡神明貝塚についてもパンフレットを用いて解説します。
このパンフレットは、3月に刊行されたもので、小学生向けと、大人向けの2パターンを作っています。
続いて、後半では、班ごとに分かれての体験になります。
石器コーナーでは、実際に黒曜石製の石器を用いて段ボールを切りました。
恐る恐る石器を握って段ボールで刃の鋭さを体験しました。
貝コーナーでは、学校の周りに広がる貝塚の貝と、神明貝塚の貝の違いを説明します。
縄文時代の人が食べたものを実際に手に取って触ることができる貴重な機会です!
貝がらのクイズでも盛り上がりました。
土器コーナーでは、縄文時代の土器を実際に触ってもらいました。
持ち上げてもらうと、思ったよりも軽い!という声があがりました。
今回は縄文を付ける道具も持っていき、触ってもらいました。
土器についた模様のどれが縄文なのか、わかりやすかったようです。縄文人は、器用にさまざまな道具を活用して模様をつけていました。
桜川小学校のみなさん、ありがとうございました!
***
申し込みいただいていた授業は今回で終了となりましたが、出張授業の申込みはまだまだ受け付けております!
小中学生向けの「縄文体験教室」出張授業に関しての詳細は、文化財課文化財担当までお問合せください。
お待ちしております。
県立春日部女子高の皆さんと、春日部の歴史を考えました
7月4日、県立春日部女子高の皆さんが郷土資料館を見学されました。
今回の企画は、同校の社会科担当の先生から、郷土資料館の展示解説+ミニ講座をやってほしいとオファーいただいたものです。高校は、いま試験期間中だそうで、試験勉強の最中だったためか、生徒さんは2名でしたが、社会科の先生2名、そして校長先生にもご来館いただきました。
まずは、常設展示の解説。市域の地形を考えながら、人びとの拠点がどのように変化し、歴史を歩んできたのかを、特製のワークシートを使いながら、解説させていただきました。
上の写真は、江戸時代の道しるべに刻まれた文字を読んでもらっているところです。近世の人(キンセイジン)は粕壁からどこを目指したのでしょうか、という問いです。高校生のお二人は、難無く文字を解読してくれました。
展示解説の途中、ちょうど飛び込みでデイサービスの団体さんの見学が重なり、高校生に対する解説を、お年寄りが一緒に聞く、という状況に。
いつのまにか、昔の女学生だった皆さんと、現役の女子高生と混交の団体見学に。若者からお年寄りまで、同じ資料を目の当たりにしながら、郷土や歴史について考える光景は、博物館ならでは、だと思います。
展示室の説明の後、後半戦は研修室に移って、ミニ講座。
ただいま準備中の「麦わらのかすかべ」展でも展示する資料を読んでもらいながら、春日部の近代の麦稈真田産業の歴史について考えてもらいました。
皆さんに読んでもらったのは、次の葉書です。
まずは、はがきの差出人と宛名、そして年代を読み取ってもらいました。読みなれない墨の字、旧字で解読に苦戦したようでした。
差出は、粕壁町の麦稈真田紐・帽子類の卸商野澤市十郎。宛名は、南桜井村金野井(西金野井)の汽船拠所「〇ツ」会社です。「〇ツ」とは、〇に通のマークで、現在の日本通運の前身の内国通運株式会社を指します。つまり西金野井に内国通運株式会社が運航する汽船が就航していたことを示します。年代は、葉書の消印から。消印には「丗七年」とあり、「丗」をなんと読むのかを考えてもらいました。「丗七」は37(ご名答)。ですから、明治37年6月20日投函されたことがわかります。
さて、文面を読んでみましょう、などとやっていると大学の歴史学科の演習になってしまいますので、解読した文章を一緒に読んでみました。「どんなことが書いてあるのかな」と問いかけると、非常に明解な説明をしてくれました(さすが春女生!)。葉書には、高浜(現茨城県石岡市)に送ったはずの帽子籠が届いていないと、送り先から連絡が来たので、荷物がどうなっているか確認してほしい、と書かれています。つまり、明治後期に春日部の麦わら帽子は、北関東方面に蒸気船で流通していたことがわかるのです。
そして、当時麦稈真田は西欧への重要な輸出品目として位置づけられていました。日本が近代国家へと歩んでいくなかで、春日部では麦稈真田産業が展開していくのです。さらにいえば、麦稈真田を編んでいたのは、農家の女性たち。女性たちの副業が、日本の近代化を支えていた、ともいえ、春日部の近代産業は世界の需要を支えていたともいえるわけですが、詳しいことは企画展「麦わらのかすかべ」展で。ちなみに本資料は最近公開された収蔵資料データベースでご覧いただけます。
資料を読んだあと、麦稈真田を編んでもらう簡単なワークショップにもチャレンジしてもらいました。今回は、モールを使って三つ編みの真田(三平)を編んでもらいました。写真を見ながら編んでもらいましたが、ちょっと苦戦。近代の農家の女性たちが真田を編んだことをイメージしていただけましたでしょうか。
高校生には「「汽船」って何のことでしょう」「〇に通のマークは知っていますか」などと問いかけると、知っていたり、知らなかったり。「歴史は雑学だ」というのは、担当者の恩師の言葉ですが、雑学によって、歴史世界・当時の情景がより豊かに想像できるのではないかと思います。高校生の皆さんはまだまだ若いので、いろいろなことを経験し、学び知り、自分の視野を広げていってもらえると嬉しいです。郷土資料館の見学・ミニ講座がその一助となったのならば幸いです。
試験中にもかかわらず、ご来館いただいた高校生のお二人、ご多忙のなかお付き合いいただいた先生方には改めて感謝申し上げます。担当者的にも、皆さんの反応がうかがえたので、実りある一日となりました。
春女とのコラボ、これからもどうぞよろしくお願いします。
熱い暑い夏季例大祭ー民俗芸能の公開ー
7月一週目という、例年では見聞きしたこともない短い梅雨明けとなり、この後は酷暑が予報されている令和7年の夏。その中で次週12日(土)には埼玉県から指定された無形民俗文化財『やったり踊り』が、13日(日)には春日部市指定無形民俗文化財『銚子口の獅子舞』と『赤沼の獅子舞』がそれぞれ地区の祭礼で公開されます。
それに先だって、インターネットラジオ「ゆめのたね放送局」では、春日部市内の伝統芸能に携わる皆さまの生の声が放送されます。
やったり踊り保存会の渡辺大介さんが主宰する『だいすけが勝手に応援するラジオ』では7月8日(火)午後11時~11時30分に『銚子口獅子舞保存会』『赤沼民俗文化財保存会』、そして渡辺さんと、3団体のみなさまがラジオ波で小学校での出張授業や後継者の育成・獲得など、民俗芸能が抱える課題や取り組みについて熱く語ってくれます。ラジオへのアクセスは検索サイトから「ゆめのたね放送局」へ。
乞うご期待!! そして祭礼当日の見学をとおして伝統芸能に触れてみませんか!!
<7月6日まで>春期展示「発掘された板碑」ーみゅーじあむとーく、展示解説講座を開催しました
春季展示「発掘された板碑」のみゅーじあむとーく、展示解説講座を開催しました。
6月22日みゅーじあむとーく
みゅーじあむとーくは、展示室で板碑を観覧しながら説明をさせていただくものですが、毎回、参加者の方から鋭い質問をいただきます。たとえば、「1300年代の板碑と1500年代の板碑では、字体が全く変わっているがなぜか」といった質問がありました。もちろんにわかにお答えできる内容ではないので、調べてみますと回答しましたが、板碑に字を刻む人がどういった人だったのかということにつながる質問で、非常に興味深いものだと思います。
6月28日展示解説講座
6月28日の展示解説講座は、多くの方にご参加いただきました。講座では、発掘された板碑とともに、伝世品の板碑についても、特徴的なものをご紹介しました。アンケートでは、最近、関東の展示施設での板碑の企画展が少ないといったご意見や石材の運搬経路に興味があるといったご意見をいただきました。
さて、「発掘された板碑」展は、次の日曜日、7月6日(日曜日)までです。最終日7月6日(日)にはみゅーじあむとーくも予定しております。ぜひご来館ください。
●第71回企画展示「中世板碑の世界ー発掘された板碑」
会期:令和7年7月6日(日曜日)まで
休館日:毎週月曜日、祝日
会場:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15・東武鉄道春日部駅東口より徒歩10分)
●関連事業 みゅーじあむとーく
展示室で学芸員による展示解説を行います。申し込み不要、展示室までお越しください。30分程度、各回同じ内容です。
とき 7月6日(日曜日)10:30~、15:00~
ところ 郷土資料館企画展示室
出張授業「縄文体験教室」 in川辺小学校 その2
6月26日(木)に、川辺小学校6年生2クラスの「社会の時間」で出張授業に行ってきました。
小学校3年生のときにも縄文体験授業を受けていたことを覚えてくれていました!
6年生になり歴史の授業が始まって、現在は飛鳥時代ごろまで進んでいるとのこと…。
縄文時代の復習もかねて、授業を進めていきます。
前半の縄文時代の春日部をパワーポイントを用いて説明します。
春日部には海があったこと、学校の近くにも縄文時代の遺跡があったことを説明しました。
生徒さんからは、 「埼玉に海があったことをはじめて知った」、春日部の縄文人は「イルカを食べていた」といった声が寄せられました。
イルカがみつかるくらい温かい海であったことを勉強してくれました。
次に、石器、貝、縄文土器の3班に分かれて体験をおこないます。
石器コーナーでは、黒曜石の流通について話を聞いたり、黒曜石を用いて実際に段ボールを切る体験をしました。
「石をナイフの代わりに使っていた」「黒曜石の硬さに驚いた」「切れ味がすごかった」といった声をもらいました。石器の切れ味に、みなさん驚いたようです。
貝のコーナーでは、縄文時代の人々の一年のサイクルや、食べた貝の種類、動物について話をききました。
「貝を実際に触れた」「イノシシの骨が現代と同じだった」「貝塚によって貝の種類が違う」といった声をもらいました。特に、神明貝塚の貝と、学校の近くの遺跡から出土した貝との違いも分かってもらえたようです。
土器のコーナーでは、学校付近で出土した縄文土器を実際に持ってもらいました。また、縄文土器、土師器、須恵器、埴輪を当てるゲームをおこないました。
縄文土器に「縄の模様がのこっていた」、4種類の中から「縄文土器を探すのが印象的」といった声をもらいました。
ゲームの中では、自分の持った土器が何か、皆さん一生懸命に考えてくれました。土器の違いが分かってもらえたようです。
川辺小学校6年生の皆さん、ありがとうございました!
粕壁小学校6年生が資料館を見学しました
6月24日(火曜日)から25日(水曜日)にかけて、粕壁小学校の6年生が、1クラスずつ郷土資料館の原始時代のコーナーを見学しました。
竪穴住居模型から塚内古墳群の埴輪のコーナーまでを、時間をかけてじっくり見てもらいました。
6年生ともなると、体も大きく、土器のケースの前の通路にいっぱいになってしまいました。
せまかったと思うのですが、みんな熱心にメモを取りながら説明を聞いてくれました。
郷土資料館の展示は竪穴住居模型から、神明貝塚、縄文土器、花積貝塚と縄文時代の展示が多いので、説明も縄文時代のことが多くなってしまいましたが、須釜遺跡の弥生土器に籾の痕跡が残っていることや塚内4号墳の武蔵系・下総系の埴輪に興味をもってくれた人もいました。
またのご来館をお待ちしています。
【デジタルミュージアム】収蔵資料データベース公開されました!
春日部市郷土資料館の収蔵資料データベースが公開されました。
データベース自体は、昨年度から導入していましたが、この7月に開館10000日を迎えることから、その記念としてこのたび一般の皆様にも公開しました。
普段は収蔵庫に眠る郷土資料をはじめ、ちょっと懐かしい資料や写真、指定文化財など、写真と簡単な解説文をまじえ、紹介しています。
現在の公開件数は150件ほどですが、収蔵資料件数は現在90000件を超えています。少しずつですが、皆さんが利活用しやすい古写真、学校や生涯学習でも活用可能な資料、知的好奇心をくすぐる資料を、順次公開に供していきますので、定期的にのぞいてみてください。
6月の考古学関係展示会、イベント情報
6月の近隣博物館・資料館の考古学情報をお届けします。
(毎月28日ごろに掲載します。随時、情報を更新します。)
(東部地区文化財担当者会リレー展示ー埼玉東部と古代の幸手)
・6月3日(火曜日)~7月21日(月曜日・祝日)幸手市郷土資料館(資料展示)
(展示会_閉会日順)
・7月6日(日曜日)まで 熊谷市立図書館郷土資料展示室
令和7年度市立熊谷図書館・立正大学博物館連携展示「立正大学を掘ってみたー熊谷校地内遺跡発掘調査の記録」
・7月6日(日曜日)まで 宮代町郷土資料館
企画展 「発掘された地蔵院~テーマで探る人々の姿~」
・7月6日(日曜日)まで 杉戸町文化財展示室(エコ・スポいずみ内)
令和7年度企画展「モノ云うモノ」
・7月20日(日曜日)まで ふじみ野市立上福岡歴史民俗資料館
最新出土品展「ふじみ野に海があったころ」
・7月21日(月曜日)まで 市原歴史博物館(千葉県市原市)
令和7年度企画展「ここまでわかった市原郡衙―古代いちはらの官衙遺跡―」
・8月30日(土曜日)まで 帝京大学総合博物館(東京都八王子市)
企画展「ホネホネワンダーランド-骨の不思議を探る-」
・8月31日(日曜日)まで かみつけの里博物館(群馬県高崎市)
企画展「わくわく!はにわ体験‘25」
・8月31日(日曜日)まで 埼玉県立さきたま史跡の博物館(行田市)
令和7年度埼玉の考古おひろめ展「地中からのメッセージ」
・10月13日(月曜日・祝日)まで 国立科学博物館(東京都台東区)
特別展「氷河期展 〜人類が見た4万年前の世界〜」
【学芸員がやってみた】ショート動画「麦わらのかすかべ」展をつくってみた
今日から思いつきではじまった「学芸員がやってみた」シリーズ(初回にして最終回かもしれない)。「麦わらのかすかべ」展の告知のショート動画をつくってみました。若い世代の方々向けに(!?)縦づかいの動画です。
麦稈真田を職人さんが縫い、麦わら帽子が一つ一つ丁寧につくられている工程をイメージして、15秒の動画をつくってみました。まだまだ粗削りですが、一般のソフトで作っていますのでご容赦を。
市役所内のデジタルサイネージで7月中旬ごろから放映される予定です。市役所に公用でたまに訪れる出先の担当者も見れたらラッキー。映像が流れたときは、ぜひ立ち止まって見てみてくださいね。
【展示情報】
展示会名:春日部市郷土資料館夏季展示(第72回)「麦わらのかすかべ~帽都いま・むかし~」
会 期:令和7年7月23日(水)~9月7日(日) 月曜・祝日休館
会 場:春日部市郷土資料館 企画展示室(春日部市粕壁東3-2-15 教育センター内)
入 館 料:無料
麦稈真田を編みを再現したい!
7月23日からはじまる、企画展「麦わらのかすかべ~帽都いま・むかし」展、目下準備中です。
本展は、春日部の特産品「麦わら帽子」産業の歴史、そして今を紹介する展示ですが、以前にも紹介した通り、市域におけるその始まりは、麦わら帽子の原料である「麦稈真田」(ばっかんさなだ)を、農家の副業としてはじめたことのようです。
日本で麦稈真田をつくるようになったのは、明治初めのことです。東京の大森(現大田区)の川田谷五郎が、横浜で外国人がかぶっている麦わら帽子に着目し、大森に伝わる麦わら細工の技術を活かし、麦稈真田を開発したといわれています。川田の開発後、麦稈真田は、欧米の麦わら帽子の材料となり、明治10年代半ばには輸出の需要に応えるように、製造が盛んになっていきました。川田は、麦稈真田の編み方を考案しただけでなく、麦わらの漂白方法や品種の選定までに手をかけたといわれ(『大田区史 資料編 民俗』)、政府の産業奨励とともに、麦稈真田製造を新興の輸出産業に育てていった重要な人物といわれています。
春日部市域に、麦稈真田製造がどのように伝わったのか。それを示す一次資料は現在のところ見出されていません。当時の状況をもっとも詳しく活写するのは、大正元年(1912)刊行の埼玉県の郷土誌『埼玉縣誌 下巻』です。
これによれば、粕壁町周辺では、明治11年のころは東京・大森に麦稈(麦わら)を送っていたが、明治13年に神奈川県川崎町の鳥飼(鳥養か)氏が婦女の副業として麦稈真田製造が有益であると説き、粕壁町の高橋氏、幸松村の野口氏に勧め、両人らの尽力もあって、市域周辺で麦稈真田製造がはじまったが、しばらくは不振で、明治15年以降にやや盛大になっていった、とあります。
麦作が盛んだった市域では、はじめは麦わらの供給地として大森方面の麦稈真田製造を支え、明治13年に川崎町の鳥飼(鳥養)なる人物が技術を伝え、明治15年以降、婦女子の副業=地域の産業として根付いていったということです。春日部市域での起こりを年代・人名を明確にして記述するものは、このほかには管見の限りありません。残念ながら典拠は示されていませんが、『縣誌』は大正元年刊行なので、30~40年前の出来事を知っている人もいたでしょうから、市域の麦稈真田産業の始まりを伝えるものとして信憑性が高い記事だと考えられます。
そうしてはじまった、麦稈真田製造。明治30年(1897)『日本農業新誌』6-11によれば、粕壁地方では、麦稈真田の原料には、大麦の半芒種「ザンギリ」という麦わらを使っていたそうです。市域周辺の麦稈真田製造は明治30年半ばにピークを迎え、その後は中国産の麦稈真田がとってかわることになります。また、明治末期から大正期にかけて、国内では麦稈にかわる素材で編む真田=経木真田、マニラ麻真田が考案・製造されるようになります。ですから、実は、市域では国内産の麦わらをつかって編む麦稈真田製造は、明治13年ごろから明治30年代ごろまで(遅くても大正初めまで)であり、大正初めまでにはほとんど製造されなくなってしまうようです。
ただ、国内では、岡山県・広島県・香川県などで麦稈真田製造は続けられ、中国・四国地方には様々な文献や製造用具が伝来しているようです(野田繭子「資料紹介 岡山県立博物館所蔵麦稈真田関係資料について」『岡山県立博物館研究紀要』37、2017年)。おそらく、春日部市域でも同様の用具が使用されていたものと考えられます。
市域では短命に終わった麦稈真田製造ですが、かつてかなり盛んだった真田編みを再現してみたい!
岡山県立博物館では、紙テープをつかって三本編みの真田(三平・さんぴら)編みの疑似体験をされていたことが、前掲野田氏の文章にみえましたので、参考にさせていただき、まずは紙テープ三平に挑戦(といっても、担当者は鶴の折り紙がギリギリできるくらいの「不器用な男」なので、手先の器用なパートさんの協力を得てつくってもらいました)。
意外と簡単で、楽しい。お子様でもできるかも。
では、5本編み(五平・ごひら)はどうか。はじめ、一戸清方『麦稈真田製造法』(1906年)の図を参考にしながら編んでもらいましたが、図や説明が不完全でどうしてもできない。諦めかけたとき、藤原覚一『図説日本の結び新装版』(築地書館、2012年)に出会いました。そして、できたのがこれ。
三平よりは複雑で難しいですが、手順さえ間違えなければ意外とできるかも。
不器用な男も、ラッピング用の針金でもやってみました。
針金はキラキラして綺麗ですが、接ぐのが難しいのが難点。飛び出たところはご愛敬!?本来は切って整えるようです。「やっぱり紙テープかなぁ、それとも…」と素材をかえながら、試行錯誤しているところです。
ちなみに、麦稈真田をつくる動作を「編む」ともいいますが、「打つ」ともいうようです(どちらも使うようです)。
企画展の体験コーナーでは、「みんなでつなぐ紙テープ真田」(仮称)と題して、観覧者の皆さんに紙テープ真田に「編み」「打ち」に挑戦していただき、それをつないで長い真田をつくってみたいと思っています。たぶん、三平です。お楽しみに。
【展示情報】
展示会名:春日部市郷土資料館夏季展示(第72回)「麦わらのかすかべ~帽都いま・むかし~」
会 期:令和7年7月23日(水)~9月7日(日) 月曜・祝日休館
会 場:春日部市郷土資料館 企画展示室(春日部市粕壁東3-2-15 教育センター内)
入 館 料:無料
「幸松っ子クラブ」でのお囃子教室
6月23日(月)に幸松小学校の放課後こども教室である「幸松っ子クラブ」の第1回目が開催されました。この中の「お囃子教室」では、幸松地区に江戸時代から伝わる市指定無形民俗文化財「不動院野の神楽」を継承する、「東不動院野神楽保存会」の皆さんが、講師として招かれました。
1年生から6年生まで、総勢15名でのお囃子教室です。まずは保存会の皆さんによる「新バヤシ」と「ニンバ」のお手本を見学します。初めてお囃子を聞く子どもも多く、皆さん興味津々です。今回の教室では「ニンバ」というお囃子の太鼓を叩く練習をしました。
保存会の皆さんの指導の下、「天スク ステスク 天ツクツ スク」のリズムに合わせて太鼓に見立てたタイヤを叩きます。バチの握り方やリズムの取り方が難しいようでした。
練習の後半では、本物の太鼓を叩きました。タイヤでは出せない音や感触の違いを感じ、子どもたちも真剣に、楽しそうに叩いていました。「大きいほうの太鼓も叩いてみたい!」と積極的に取り組んでいました。
お囃子の練習は今後も継続して行われるので、子どもたちの上達が楽しみです。この中から地区の神楽やお囃子に興味をもってくれる子どもたちが増えることを願っています。
7月12日(土)・13日(日)の春日部夏まつりでは、保存会の方々が実際にお囃子を披露されますので、こちらもぜひお出かけください。
保存会の皆さん、ありがとうございました。
#かすかべ地名の話 (10)#正善
春日部市内の地名の話。今回は、武里地区の正善(しょうぜん)という地名について。
現在、正善小学校の名称にも使用されている「正善」という地名。「正善」(せいぜん)は「正しくてよいこと」「理にかなって正しいこと」の意味ですが、市内の地名は「しょうぜん」と読ませますので、「せいぜん」と同じ意味ではないと思われます。しかし、実は地名の本来の意味はわかっていません。
「正善」の初見は、元禄10年(1697)「武蔵国崎玉郡備後村検地水帳」(県立文書館収蔵森泉家文書)です。
備後村の小名として「正善」が確認されます。検地帳によると、このほか、備後村には「市の縄」「田嶋」「須加」「宮田」「大道東」「谷原(やわら)」「会の谷」「立野」という小名があったようです。
小名の由来・意味を特定(確定)するのは非常に難しい。というより、地元に言い伝えなどがなければ、確かなことはわかりません。「正善」も同様です。今回は、その意味に迫るため、あえて地名の意味を推察してみたいと思います。地名は土地・地形の状況を表わす場合が多いですので、考えうる範囲で次のようになりましょうか。
「市の縄」は、よくわかりませんが、「縄」は土地の丈量に使用される道具なので、丈量に関わる地名なのでしょうか。「市の縄」は旧古利根川の流路跡に分布する自然堤防上のエリアと重なり、「一の縄」と漢字が当てられることもあるので、人びとが住み着き、最初に丈量した土地ということでしょうか。
「田嶋」の「嶋」は、水に囲まれた陸地のこと。県東部では、低地のなかに島状に高くなている微高地を「嶋」と称することが多いので、「田嶋」は田のなかにある少し高くなっている土地を指すのでしょう。
「須加」は今でも「備後須賀」などと使われる地名の一つ。スカは川沿いに堆積した砂地・微高地を意味します。備後須賀の周辺には古利根川の旧流路跡があり、かつて側に川が流れていました。その時に積もり堆積した砂をして、須賀と呼んだのでしょう。
「大道東」は日光道中沿いの東側に分布する地名です。「大道」は日光道中のこと、その東側という意味でしょうか。
「会の谷」「谷原」は、落ちくぼんだ谷状の地形=後背湿地を「谷」と読んでいるのではないかと思われます。
「立野」は原野という意味があるようです。備後だけでなく、市内にも散見される地名です。
「宮田」は、第四保育所から東側国道4号あたりまでのエリア。「宮」は、お宮(神社)を指すのでしょうから、備後須賀稲荷や備後西川香取神社、いずれかの神社の田んぼ、という意味なのでしょう。
そして「正善」。まったく見当がつきません。全国規模でみると、福井県や高知県に「正善」の地名があったり、「正善」寺という寺院があったり。春日部とは直接関係はありませんが、正善という僧侶も存在したようで、仏語なのでしょうか。いずれにしても、土地に「正しくてよいこと」「理にかなって正しいこと」の意味を与えた、とは考えにくいですから、「正善」という人物か、もしくは仏教由来からか、この土地が「正善」と呼ばれるようになったと思われます(大変苦しいです)。
以下の写真は、明治後期から大正期に作図された備後地区の字図。まちがいなく、この土地は「正善」と呼ばれていたことがわかります。
そして、昭和51年(1976)、正善小学校が開校します。武里・備後地区の児童数が増えていったため、「正善」に仮称備後第二小学校の新築がはじまりました。当時の春日部市では、「上沖小」(昭和51年)「沼端小」(昭和51年)「立野小」(昭和52年)など、小字を採用して学校名が付けられることが多かったため、「正善」小学校と名付けられることになりました。
繰り返しになりますが、地名の「正善」は地名の本来の意味はわかっていません。先人から受け継いできた土地に刻まれた「正善」の歴史を、今後も考えていく必要がありましょう。
結論がなく、小字・小名の謎は深まるばかり。ご存じの方がおられましたら、そっと、ご教示ください。
春期展示「発掘された板碑」ー金泥が残る板碑
平成9年に行われた小渕山下北遺跡2次調査では、井戸跡の中から破片を含め、17基以上の板碑が発見されました。このうち天文23年(1554)の銘が刻まれた板碑には、刻まれた文字の部分などに金泥(きんでい)が残っていました。
金泥は金箔をすりつぶした金粉にニカワを混ぜた水を加えたものです。発掘調査で出土した板碑には金泥が残されているものが少なからずあり、板碑が造られた当時は、多くの板碑に金泥が使われていたものと推定できます。
▲金泥部分アップ
ちなみに同じ井戸からは、「二引両紋(ふたつひきりょうもん)」と呼ばれる家紋が赤漆で描かれた漆椀(うるしわん)も発見されています。
ご紹介した金泥が残る板碑も展示している「発掘された板碑」展は、会期が残り2週間となりました。6月22日(日)にはみゅーじあむとーくを予定しております。ぜひご来館ください。
●第71回企画展示「中世板碑の世界ー発掘された板碑」
会期:令和7年7月6日(日曜日)まで
休館日:毎週月曜日、祝日
会場:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15・東武鉄道春日部駅東口より徒歩10分)
●関連事業 みゅーじあむとーく
展示室で学芸員による展示解説を行います。申し込み不要、展示室までお越しください。30分程度、各回同じ内容です。
とき 6月22日(日曜日)、7月6日(日曜日)10:30~、15:00~
ところ 郷土資料館企画展示室
出張授業「縄文体験教室」in 南桜井小学校
6月17日(火)に南桜井小学校の社会科出張授業にうかがいました。
今回は6年生の2クラスを対象に授業を行いました。
授業の冒頭で、社会の授業でどの時代まで進んでいるか聞いてみたところ、2クラスともすでに縄文時代は学習を終え、弥生時代、さらには飛鳥時代に進んだとのことでした。そのため、「縄文時代はどんな時代でしたか?」との復習を促す質問にも、「狩りをしていた!」「縄文土器を発明した」など、明快な答えが返ってきました。
今回の出張授業は、歴史の授業の復習であると同時に、春日部、さらには児童の身近な学区内に暮らした縄文人の生活と、国史跡「神明貝塚」をより詳しく知る授業を行いました。
授業の前半では、パワーポイントを用いて、「学校付近に暮らした縄文人の生活」について説明します。
最初は春日部に海があったイメージがわかない様子でしたが、春日部の貝塚からはウミガメの甲羅やイルカの骨が見つかった話を聞いて、温かい海が広がっていたことがだんだん理解できたようでした。
また本校からほど近い、外郭放水路「龍Q館」を作る時に見つかった12万年前の地層からは巨大な牡蠣の殻には驚きの声が上がり、みなさん興味津々、春日部にも縄文時代と遙か12万年前の2度も海原が広がっていることを理解してもらいました。
授業の後半では、実際に縄文土器や石器や貝塚の貝殻に触れて、縄文時代の生活を考えてもらいます。
最初は壊さないようにおそるおそる触れていましたが、緊張がほぐれると、実際に触ってみた感想や、「なぜ」「どうして」「どのように作られたのか」などと次々と疑問に思ったことを質問してくれました。
教科書を読むだけではわからない手触りやにおいなど、実物を使った体験をとおして縄文時代の暮らしについて学習を深めてくれました。
南桜井小学校のみなさん、ありがとうございました!
第11回春日部市民俗芸能公開事業のダイジェスト動画が公開されました!
2月9日(日)に粕壁市民センター(中央公民館)で行われた「第11回春日部市民俗芸能公開事業〜伝える、つなげる、獅子舞の未来〜」での様子をまとめたダイジェスト動画を公開しました。
https://youtu.be/BlyBw_gd0Ck?si=-HO2cyMgTC8u2DpI
第11回のテーマにもあるように、両団体は長年後継者養成に取り組んできており、当日は子どもや女性舞手による獅子舞も披露されました。
当日披露された演目を多数収録していますので、ぜひご覧ください。
≪収録演目≫
銚子口の獅子舞「道中流し」、「出端の舞」、「中の舞」、「三切りの舞」、「津島の舞」
赤沼の獅子舞「宮入り」、「三番叟」、「太夫獅子の出端」、「神楽 さかなつり」、「太夫獅子の練り」、「弓くぐり」、「ぶっきり・さんぎり」
出演:銚子口獅子舞保存会、赤沼民俗文化財保存会
撮影:安藤 茂雄氏(ビデオ特派員)
縄文体験出張授業in ハルカイト
本日6月13日(金)、義務教育学校 江戸川小中学校第6学年の皆さんが大凧文化交流センター”ハルカイト”で「総合的な学習の時間」を活用し、地元に所在する『国史跡 神明貝塚』の調べ学習に取り組みました。例年、自らが調べ・学習した成果を新聞を作成し発表するということで、文化財課が刊行した神明貝塚ガイドブックに目を凝らし、神明貝塚の特徴と縄文人のくらしについて聞き漏らさないよう、真剣に向き合ってくれました。
社会科の歴史の授業では既に飛鳥時代まで進んでおり、縄文時代は復習となりました。縄文時代はどんな暮らしぶりだったのか質問したところ、「狩猟採集」「縄目を付けた縄文土器を発明し煮炊きや生活に使った」「地面を掘り込んだたて穴住居を作った」と明快な回答が返ってきました。
授業会場の「宝珠花サロン」には、神明貝塚の1/150縮尺のジオラマと原寸大の貝層剥ぎ取り模型を常設しており、貝塚の特徴と大きさ、保存の良さなど、児童の地元学区内に残る文化遺産の誇らしさを感じ取ってくれました。
最後に出張授業では恒例の体験である黒耀石のナイフによる切れ味体験では、石器の鋭利さや縄文人の知恵や技術に驚嘆、歓声が上がりました。また、質問コーナーでは、貝塚を覆う大量の貝殻のリサイクル利用の提案や、黒耀石の生成過程や原産地など、想定外の質問も投じられ、「子ども博士ちゃん」の視点には講師にとってもいい勉強の機会となりました。
みなさん、神明貝塚のすごさ・魅力を少しでも受け取っていただき、個性ある新聞作成に挑んでいただければうれしい限りです。暑く湿気の高い午後に徒歩での来館と学習ありがとうございました。
石造物部会の巡見(粕壁地区)を行いました
6月12日(木)に春日部市市史石造物部会で粕壁地区の巡見をおこないました。
春日部市では令和5年4月より「第2次春日部市市史編さん事業計画(第2期)」を策定し、継続的な市史の編さんを進めています。令和6年2月には、この計画に基づき『春日部市史 自然誌編』を刊行しました。次は身近な歴史遺産である石造物編を刊行予定です。
今年度から石造物部会を立ち上げ、数年がかりのプロジェクトが本格的に始動しました。
まずは具体的な調査に入る前に、春日部市域にどんな石造物があるかを確認します。
今回は市史編集委員の皆さまと粕壁地区の神社や寺院にある石造物を見て回りました。粕壁地区は神社や寺院の数が多く、その中でも特に石造物が集中しているところを厳選して巡りました。
午前中は、春日部八幡神社、春日部稲荷神社、浅間社に行きました。3社は隣接しており、それぞれに石造物が遺されています。春日部八幡神社には市指定文化財である都鳥の碑もあります。これは在原業平の隅田川おける伝承等を伝えるために嘉永6年(1853)に建立された石碑です。
午後は、日枝神社、八坂神社、東八幡神社、真蔵院、成就院、玉蔵院に行きました。
各地に庚申塔や記念碑など様々な石造物があります。東八幡神社の境内には江戸時代の有名な力持ちである三之宮卯之助の力石が奉納されています。
成就院には市指定文化財である見川喜蔵墓および見川家五輪塔があります。見川喜蔵は古利根川の洪水を防ぐために堤防などをきずいた人物です。
今回は巡見のほかに、郷土資料館所蔵の板碑を使って市史編集委員の先生に拓本の取り方を教えていただきました。
郷土資料館では7月6日(日)まで企画展示「発掘された板碑」を開催していますので、ぜひ足を運んでいただければ幸いです。
もし個人的に市内の石造物をご覧になる場合は所有者や周りの方へのご配慮をお願いいたします。
石造物部会では今後も他の地区を巡見しつつ調査の準備をおこなっていきます。
調査にあたりましては、所有者や関係者のご協力をいただきながら進めていきますので、どうぞよろしくお願いします。
【麦わらのかすかべ】麦の刈入れがはじまっています
市内では、ちょうど冬に作付けした麦が実り、これから刈入れをしていくそうです。
通りすがりに農家の方にお願いをして麦畑を撮影させてもらいました。
刈り取った麦をみると、茎(麦わら)は、ストローといわれるように、空洞になっています。茎が中空であるから、メソポタミア文明のころから、飲み物をチューチューする道具(ストロー)として使用されていたそうです。
麦わら(ストロー)は、稲わらよりも固く、しっかりしています。これを真田紐のように編んだのが、麦稈真田(ばっかんさなだ)。麦稈真田を材料として麦わら帽子がつくられるのは、前に紹介した通り。
絶賛準備中の企画展「麦わらのかすかべ」展では、麦作、麦わら細工、麦稈真田、麦わら帽子づくりの材料の移り変わり、帽子づくりの”わざ”についても、紹介します。麦畑をはたとみて、好機と思い、「展示に使いたいので・・・」とお願いし、麦を数本刈り取らせていただきました。刈り立ての資料。まだまだ情報・資料を収集中です。
【展示情報】
展示会名:春日部市郷土資料館夏季展示(第72回)「麦わらのかすかべ~帽都いま・むかし~」
会 期:令和7年7月23日(水)~9月7日(日) 月曜・祝日休館
会 場:春日部市郷土資料館 企画展示室(春日部市粕壁東3-2-15 教育センター内)
入 館 料:無料
【臨時休館のお知らせ】
令和7年6月14日(土)は教育センターの設備点検のため、郷土資料館は休館となります。
ご迷惑をおかけしますが、ご注意ください。
6月15日(日)は通常通り開館します。
夏季展示「麦わらのかすかべ~帽都いま・むかし~」のチラシ
夏季展示のチラシのデザインが出来上がりました。
春日部市市制施行20周年の記念の年の夏季展示は、春日部の特産品「麦わら帽子」をテーマにしました。
題字は、春日部女子高の書道部の生徒さんにご協力いただき、揮毫いただきました。定型化されたパソコンのフォントとは違い、手書きならではの温もりがあって、イイ感じになりました。春女とのコラボは初の試みです。
背景の写真は、粕壁の大通りで帽子製造をされていたお宅から提供いただいた、昭和31年(1956)12月、麦わら帽子の寒干しの様子。麦わら帽子は、麦稈真田を水で湿らせながら縫製、型入れの工程を進めますので、その都度都度に帽子を乾燥して製造されています。乾燥に適しているのが、一年のなかで最も湿度が低い冬場。夏にかぶる麦わら帽子を冬場に干すというのが、帽子のまち=「帽都」春日部の風物詩でもあります。
展示図録(パンフレット)、関連イベントについても絶賛準備中です。詳しくは後報をお待ちください。
麦わら帽子の関係者の方がいらっしゃいましたら、資料・情報を提供いただけますと幸いです。
【展示情報】
展示会名:春日部市郷土資料館夏季展示(第72回)「麦わらのかすかべ~帽都いま・むかし~」
会 期:令和7年7月23日(水)~9月7日(日) 月曜・祝日休館
会 場:春日部市郷土資料館 企画展示室(春日部市粕壁東3-2-15 教育センター内)
入 館 料:無料