ほごログ
#民具 出張しました。
郷土資料館所蔵の民具。先人たちが、生活を営むために造った「身辺卑近」(身近でありふれているの意)の道具です。
本日、そうした民具のなかから、とある一つの民具にスポットがあたり、テレビ出演のために東京へ旅立っていきました。
手回し洗濯機です。今から60年ほど前に発売されました。
手回し洗濯機は、電気で動く洗濯機が販売される以前の洗濯機で、なかにお湯や水と洗剤(洗濯石鹸)を入れて、ふたをしてぐるぐる回すと、密閉して圧力がかかるので、洗濯物がきれいになるそう。
でも、洗濯をする人はちょっと大変です。なぜなら、ずーっと回さなければならないから。
そういうわけで、目新しく、それなりに効果もあったようですが、あまり普及しなかった(または利用されずに箱にしまい、とっておかれた)そうです。 詳しい解説は以前の記事を参照のこと。
当館所蔵の手回し洗濯機は、使用された形跡もあり、ふたが少し錆びています。現在は地域学習展に展示中。小学校の出張授業「でばりぃ資料館」にも出張する人気の道具です。
さて、当館の手回し洗濯機が、どういうわけか、東京のテレビ制作会社の方の目に留まり、本日、東京のテレビ局へと運ばれて行きました。学校の先生向けの資料活用ページがお目に留まったのでしょうか。地道に情報発信をしていてよかったと思える瞬間です。
手回し洗濯機は工業製品で、どこにでもある道具です。ですから、当館だけではなく、他の資料館・博物館でも所蔵されていることも少なくありません。しかし、本日お越しになった制作会社の方は、手回し洗濯機を見るなり、「やっと出会えた!」と感激されていました。貸出を許す博物館がなく困っていたそうなのです。
館蔵の民具の数は、リスト上だと3400件ありますが、実はまだ未整理のものも多くあり、その正確な数はわかりません。古いものでは江戸時代の道具、新しいものは最近のものまで、大きさ、形、重さ、素材、材質もさまざまで、一見、見栄えしませんが、文字・記録ではわからない郷土の人々の生活とその変遷を伝え、考える資料として、現代に生きる私たちにとって、大変重要なものです。
手回し洗濯機は、工業製品なので、厳密にいえば「民具」の定義から外れるかもしれませんが、テレビ出演によって、有名になって地元に帰ってきて、なかなか日の目をみることがない、民具への関心が高まることになれば、うれしいなぁと思っています。
テレビの番組名や放送予定日などは、告知が可能になり次第お知らせしたいと思います。
武里西小学校のみなさんから見学の感想をいただきました
10月31日に、郷土資料館を見学した武里西小学校の3年生のみなさんから、来館の感想を掲示できる形でいただきました。見学の様子はこちら
郷土資料館出口の外に掲示していますので、ごらんください。
武里西小学校のみなさん、ありがとうございました。
みなさんからは次のような感想をお寄せいただきました。
・お手玉がおもしろかった。
・縄文時代のくらしに興味を持った。
・むかしも家がちゃんとあった。
・縄文時代の本物のがいこつがあった。
・江戸時代は自転車や自動車がなかった。
・電気のない生活をイメージできた。
・ダイヤル式電話が気になった。
このほかに、「また行きたい」と書いてくれた人もいました。
ぜひ、ご家族とやお友達とまたいらしてください。
郷土資料館【手作りおもちゃクラブ】を開催しました
令和5年12月10日(日) の午前と午後各1回ずつ、郷土資料館手作りおもちゃクラブ「パタパタ(板返し)作ろう」を開催しました。
手作りおもちゃクラブでは、蓄音機で音楽の上演、春日部に伝わる伝説の紙芝居の読み聞かせ、昔ながらのおもちゃ作りの3つを行います!
蓄音機、紙芝居、おもちゃ作りのどれもが電気を使っていないというちょっとエコなイベントだったりします。
まずは蓄音機でレコードの鑑賞から。
郷土資料館で使用しているレコードは1枚で約5分程度の音楽です。CDのアルバムなどはだいたい10曲以上、時間にして70~80分の音楽が収録されているため、一度音楽を流し始めたらしばらくディスク交換せずに音楽を楽しめますが、レコードはほんの1曲分です。短い時間だからこそ、その分音楽を味わうように楽しんだかもしれません。
紙芝居は「蛇女房」という粕壁地区に伝わるお話。
鶴の恩返しにも似たお話で、聞きやすかったのではないでしょうか。
このお話を聞くと、世の中知らないほうがいいこともあるような、、ないような、、そんな気持ちにさせられます。。
おもちゃは「パタパタ(板返し)」を作りました。
郷土資料館のイベントで作っているおもちゃの中では、おそらく一番難しいのが今回のパタパタです。
一番上の板をひっくり返すだけで、連なっている板も次々にひっくり返るからくりおもちゃ。
からくりの部分は少し複雑な造りになっていますが、みんなお話をよく聞いて最後まで作れていました!
最後はお土産の缶バッジ作り!絵柄は当館オリジナルです♪
今回はリピーターの方も、はじめましての方もたくさん集まってくれました♪
次回は来年1月21日(日)に開催予定です!おもちゃは「からくり屏風」を作ります。
詳しくは広報紙等をご覧ください。お待ちしています!
武里団地着工60周年記念事業と武里団地の石碑
11月19日(日)、武里南公民館において、武里団地着工60周年記念講演会が開催されました。
武里団地着工60周年記念事業(第1弾)開催!(武里南公民館のブログ)
この催しは、昭和38年(1963年)に武里団地が着工してから60周年を記念し、武里南公民館主催で行われました。郷土資料館からは、鬼塚が招かれ「1960年代の武里団地」と題した講演を行いました。
また子どものころ9街区にお住まいで、元群馬大学非常勤講師の巻島隆氏より「武里団地と私 昭和の思い出」と題してご講演をいただきました。
9街区は残念ながら、現在、取り壊し中です。巻島さんは、9街区や武里団地の幼少期の思い出について、こと細かに「ここは武里団地9街区」というブログにまとめられています。先日のご講演についても、複数の記事をあげられていますので、ぜひごらんください。
ところで、武里団地が昭和38年(1963年)に着工したということの根拠は、どこにあるのでしょうか?
団地内、カスミ春日部武里店と武里図書館の間の道沿いにある石碑にそれは記されています。
石碑には次のように刻まれています。(別分は分譲のことを表しています。)
着工 昭和38年11月
竣工 昭和43年1月
戸数 6,119戸
賃貸 5,559戸
別分 560戸
面積 約582,000平方メートル
団地の完成については、入居開始の年代が話題になることが多く、着工の年が資料としてなかなか出てこないことがあります。
武里団地についても、春日部市広報で撮影した写真は、昭和39年(1964年)の造成工事や昭和40年(1965年)の起工式、同じ年の建物建設風景などです。残念ながら昭和38年にどのような工事が行われたかは不明ですが、確かに昭和38年中に工事が開始されたと石碑に刻まれています。
昭和39年武里団地準備工事(広報写真より)
昭和40年武里団地起工式(広報写真より)
ちなみ武里団地の入居開始は、昭和41年(1966年)4月で、こちらは「入居案内」などの資料から知ることができます。そして、石碑にある通り、竣工は昭和43年(1968年)1月となっており、入居が開始されてもなお、建設工事が進められていたことがわかります。
普段は通り過ぎてしまうかもしれない武里団地の石碑ですが、団地の完成時のデータをいまに伝える重要な記録です。
【手作りおもちゃクラブ】パタパタ(板返し)を作ろう!
12月10日(日)に“手作りおもちゃクラブ”を開催します。
つい先月までは“体験ワークショップ”というイベントでしたが、ちょっと名称を変更してみました。
理由としては、タイトルをみて何をするイベントなのかをイメージしてもらいやすくするためです。なので、実際の内容は特に変化はありません(笑) これまで通り、蓄音機の上演、紙芝居、おもちゃ作りとなっているので安心してご参加ください!
ということで、12月10日(日)に作るおもちゃの紹介です。
こちらのおもちゃは「パタパタ(板返し)」といいます。
郷土資料館のおもちゃコーナーの中でも人気の高いカラクリおもちゃです!
一番上の板をひっくり返すと、下の板も連動するようにひっくり返っていきます。
江戸時代から遊ばれているおもちゃですが、今の大人が見てもなかなか不思議な動きをしています。
うまく作れるか不安な方も、職員がお手伝いしますのでお気軽にご参加ください!
本講座はお申し込み不要、おもちゃの材料は資料館で用意しています。
当日の午前10時30分と午後2時からの計2回開催しますので、お時間までに郷土資料館にお越しください!
【手作りおもちゃクラブ】
日時:令和5年12月10日(日)午前10時30分~・午後2時~
場所:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15)
内容:蓄音機と紙芝居の上演
おもちゃづくり(パタパタ)
費用:無料
申込:不要(開催時間までに郷土資料館にお越しください)