校長室から発信
歌声交歓会を終えて
7月を迎え、1学期も残り半月となりました。昨日(30日)は保護者の皆さんに参観していただき、歌声交歓会を実施しました。
それぞれの学年・学級で精一杯練習した成果を発表することができました。3年生は3クラスともに学級の特色を生かし、リーダー学年としてふさわしい、後輩の見本となる発表でした。2年生は男子の変声があったり、自我の強さから合唱でクラスをまとめるのが難しいとも言われる時期ですが、それを乗り越えて曲を完成させていました。1年生は、まだ幼さの残る声ですが、全員が一生懸命に全力で歌っている姿が印象的でした。そして、会の最後は特設合唱団の素晴らしい発表が心を打ちました。
学級の合唱作りは、そのまま学級の仲間作りにもつながります。学級全員の心が一つになり、信頼関係が育まれないと聴く者の心に響く合唱はできないとも言われます。そういった意味でも、今日の交歓会を聴いていただいた保護者のみなさんには、布佐中学校の各学級の様子が手に取るようにわかったのではないかと思います。
講評の中では、会が始まるまでの騒々しさと、演奏と演奏の間にある移動時の話し声について指摘しましたが、次回、秋の合唱祭では、この点も見事に修正して、さらにレベルの高い発表会が開催できると確信しています。どうぞ、秋の合唱祭には多く保護者・地域のみなさんのご来場をお待ちしています。
地域ルーム開室にあたり
学校だより6月号等でもお知らせしましたが、25日(水)15:00より本校多目的室において布佐中学校区地域ルームの開室式が行われました。大変な雨の中、地域のみなさん50名前後の参加をいただき、教育長を始めとした市教育委員会や地元議員の方々をお招きして1時間余りの充実した式となりました。
地域ルームは学校・家庭・地域の連携を強め、地域全体が布佐中学校区の小中学生を他人の子ではなく『布佐の子』という意識をもち、多くの大人の目で子ども達を見守りながら育てることで、将来にわたって布佐の地の未来を切り拓く人財を育成するための拠点です。
具体的には、地域のみなさんによる学校支援ボランティアの活動を通して教育環境を整備したり、様々な方策を用いて学校の教育力を上げ、子ども達の「生きる力」を育んでいきます。そして、このような取り組みを中学校区3校(布佐中・布佐小・布佐南小)が共有して展開することによって、布佐中学校区のミッションである小中一貫教育の礎を築いていきたいと考えています。
また、そんなボランティアのみなさんが集う地域ルームで「学校を核とした地域コミュニティー」の再生が図れれば、こんなうれしいことはありません。これまでも地域の教育力をお借りしながら学校運営を進めてきた布佐中学校ですが、今後、さらにこれを強化し、「みんなで創る地域の学校」が現実のものとなるよう、ご支援・ご協力をお願い致します。
生徒総会を終えて
13日(金)に生徒総会が実施されました。事前に資料を読み、各学級で協議を重ねてきたこともあってか、冒頭から生徒会が提案したスローガンに対して多様な意見が出て白熱した議論がかわされました。当日は、第2回目の評議員会議の開催日であったため、評議員の皆さんにも生徒総会の様子を参観していただき、「民主的に物事を決める手法を生徒たちが理解していますね」といった趣旨の感想をいただきました。
そのような状況であったため、時間的には厳しい面があり、すべての議案を討論し尽くすとまではいきませんでしたが、多くの生徒が意欲的に参加(議長からは何人かに対して厳しい指摘もありましたが…)し、成功に終わった生徒総会であったと思っています。
最後に「学校が明るく生徒が活き活きと活動している学校は、すべて生徒会活動が活発に行われている」という内容と民主主義についての話、校内で生徒が活動して生活改善が図られた例を話し、民主主義で決定したスローガンのもと、今後もチーム布佐中として全員が一丸となって取り組んでいくことを確認しました。次の行事での生徒たちの活躍が楽しみであり、大いに期待したいと思っています。
校内授業研究会から
11日(水)に今年度1回目の校内授業研究会を実施しました。理科と特別活動の提案授業を2名の先生にお願いし、私たち布佐中職員で研究協議を行うとともに、東葛教育事務所・我孫子市教育委員会から招いた講師の先生からご指導をいただきました。また、当日は市内中学校初任者研修の会場として、本校の2名を含む14名の初任者の先生が、上記に加えて社会科の模範授業を参観し、研修を深めてそれぞれの学校に戻りました。さらに、小中連携・交流のひとつとして、小学校の先生4名にも参加していただきました。
当日は、本校の研修の柱である「活動と協同的な学びのある授業」に沿った授業が行われ、社会科ではグループによるジグソー学習・理科ではグループでの実験と結果の共有、考察・特別活動では学級の問題を解決するための話し合い活動が展開されました。それぞれに先生方の個性や工夫が感じられる授業でしたが、どの授業にも共通していた点、それはただの一人として「学ぶこと」から逃げている生徒がいなかったことです。すべての生徒が目を輝かせて意欲的に授業に参加し、意見を述べ、活き活きと活動していました。
他校の初任者で「グループ活動をしようとすると机の移動だけで時間がかかりすぎたり、グループ内で私語ばかりするようになって授業が成立しない」という悩みを話してくれた先生がいました。もちろん、布佐中学校が完璧な授業を展開しているというわけではありませんが、前向きに頑張る職員集団とそれに応えてくれる生徒達によって、日々の学校生活や授業がしっかりと運営されているということを感じています。
しかし、本校も若年層教員を始めとして、まだまだ授業改善を要する部分があり、生徒の学習意欲や学力向上にも課題を抱えていることは事実です。今後とも、生徒たちのために、本校のめざす「自主性」と「共生」を育むための「B型学力」向上に向けた取り組みを職員一丸となって進めていきたいと考えています。
成長の修学旅行・林間学校
5月26日(火)~28日(木)に3年生の修学旅行(京都・奈良方面)、そして6月1日(日)~3日(火)に2年生の林間学校に同行しました。
修学旅行は「古都の歴史や文化をしっかり学び、修学旅行をめいいっぱい楽しもう」というスローガン、林間学校は「五感を駆使し自然を学び、共に成長しよう」という目標のもと、生徒たちは実行委員を中心に入念に事前準備を行い、当日を迎えました。
それぞれの学年カラーに彩られた3日間でしたが、共通して感じたこと。一つは上記目標とスローガンに「学び」とあるように、この修学旅行と林間学校は、総合学習の時間に各自が設定したテーマに沿って一生懸命に事前学習を行った検証の場であったこと。そして、生徒たちはその目的に沿って、誰もが目を輝かせて寺院を、仏像を、雄大な自然を見たり、ボランティアガイドさんの話に食い入るように耳を傾けていました。ガイドさんたちからは、「今まで一緒に行動してきたどの学校の生徒よりも熱心でした」というお褒めの言葉をいただいています。
二つ目は、1日目よりも2日目、2日目よりも3日目と生徒の行動変容が実感できたことです。修学旅行も林間学校も、初日はたくさんの失敗がありました。リーダー生徒や先生方から笑顔が失われる場面もありました。しかしながら、生徒たちは自分たちの力でしっかりと課題を捉え、改善に向けて行動にうつしたのです。修学旅行も林間学校も、事前指導で「みんなが適切に判断したり、行動できているかの基準は周囲の人たちの笑顔だ」という話をしました。まさに、日を追うにつれ笑顔が満載で多くの人がつながった二泊三日であったと思います。
この修学旅行と林間学校を成功のうちに終えた2・3年生の生徒たちが、この成果を次にどう活かしていくのかがとても楽しみです。この後、すぐに定期テストがあり、夏の葛南大会も「あっ」という間。その隙間をぬうように生徒総会や歌声交歓会も計画されています。生徒の成長とは、まさに「どう行動が変容していくか」ということで可視化できます。生徒たちの「自主」と「共生」(学校目標)に向けたさらなる成長を心から期待しています。
斜めの関係で子どもを育てる
16日(金)に総合学習の一環である本校の「布佐タイム」がスタートしました。これは、生徒が自らの興味・関心に基づいた課題を設定・選択し、思考し探究しながら解決し、表現していく過程を通して学校教育目標である「自主」と「共生」を実現しようとするものです。教員だけでは成立し得ないこの学習には、全部で12ある講座に地域の方を始めとした30名前後のみなさんにご協力いただいており、これから実施される「布佐カリキュラム」についても同様で多くの斜めの関係に支えられて実現できていることを改めて実感します。
また9月に行われる「就職体験」に向け、現在、地元を始めとした多くの事業所様に依頼に伺っているところですが、これも大変好意的かつ積極的に受け入れOKの回答をいただいています。ここでもキャリア教育そのもののねらいに加え、斜めの関係を活かした教育活動が展開できると感謝しています。
さらに、近日中に学校内に「地域ルーム」を開設し、ここを学校支援地域本部の拠点としながら、多くの学校支援ボランティアや大人の目で生徒を見守り、育てていきたいと考えています。詳細は後日、学校だより等で連絡させていただきますが、多くの皆様のご理解とご協力をいただければ…と思っています。よろしくお願い致します。
部活動を応援して…
21日(月)に部活動集会を行い、1年生も正式入部となり、さっそく翌日から元気な姿で活動しています。72名の新入生ということで、どの部も人数確保が課題であり、チームを組むことが厳しい状況になってしまった部もありますが、各顧問も一人ひとりの生徒の可能性を伸ばすことに主眼を置いて、きめ細かい指導に努めているところです。
さて、そのような少数精鋭の布佐中部活動ですが、どの部も本当に一生懸命に練習し、大会では勝利をめざして全力で頑張っています。27日(日)は野球部が市内大会で優勝したといううれしい報告もありましたが、多くの部活動が他の中学校よりも圧倒的に少ない部員数でありながら、それに左右されない結果を出したり、どの学校にも負けない応援の声や挨拶の声を聞くにつれ、うれしさも倍増しているところです。
また、5月14日(水)には、学校代表として市内陸上大会に選手団を派遣します。こちらも、年々、子ども達の頑張りで成績が上向いていると聞きました。一つでも上位をめざし、自信をもって大会に臨んでほしいと願っています。
保護者の皆様、引き続き、応援よろしくお願いします。
保護者会で伝えたこと
14日(月)に年度始め保護者会を実施しました。入学式から1週間も経っていない日の設定で、特に1年生の保護者の皆様にはご迷惑をかけた点も多々あったことをお詫びいたします。
さて、保護者会の中では、「教育=共育・協育」であり、「子どもは家庭で生まれ、学校で学び、地域で育つ」のであるから、三者がそれぞれの役割をしっかりと果たすと同時に、足りない部分を連携・協力して補い合うことで、子どもを育てるという崇高な営みが成立する。また、学校と家庭の間で誤解、或いは意見や考え方の相違が生じたときには、常に「子どものためには何がベストなのか」というスタンスに立ち、両者が十分に話し合い、共通点を見い出して同じ歩調で子どもに接していくことが、子どもにとって最善の結果を生む、という話をさせていただきました。
これまでも家庭や地域に愛され、支援をいただいてきた布佐中学校ですが、これをさらに大きな支援の輪に巻き込み、たくさんの大人の目で見守りながら、子どもたちの健全な成長を促していきたいと考えています。
ご協力、よろしくお願い致します。
避難訓練で伝えたこと
そして、しばらく時間が経ってから布佐地区の甚大な被害の状況を知り、大変に驚きました。小中学校に通う児童生徒の中にも被災した家庭が多かったのだろうと思います。そんな布佐地区にある中学校として、将来にわたって布佐の地を愛し、誇りをもって地元に貢献し、復興にも携わることができるような人材を育成することは本校のミッションであると考えています。そんな人材を育成するために、前回、お示しした学校教育目標を設定しているということもご理解いただければ、と思います。
さて、避難訓練では、災害から身を守るためには「自助」「協助」「公助」の考え方があるけれど、命を守るために一番大切なのは「自助」であり、それを為すためには場の状況を考え、冷静に判断して自ら行動する力が求められる。そんな力をつけるために学校の様々な教育活動を通じて勉強しているという話をしました。その際に、大津波から避難し、小中学校の全児童生徒が助かった岩手県釜石市のいわゆる「釜石の奇跡」を実現した「自助」を重視した防災教育のこと、釜石の中学生がお年寄りや幼い子供たちの手を引いたり、リヤカーに乗せて多くの命を救った「協助」についても取り上げて話しました。
避難訓練への生徒の参加態度を見ていると、震災から時が流れ、ややもすると記憶が薄れてしまっているような心配もされます。私の話が生徒たちにどのくらい浸透したかはわかりませんが、生徒が自らの命を守るための思考力や判断力・行動力を身につけられるような学校での教育活動をさらに展開していかなくては…と改めて考えています。
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着任から10日を過ごし…
4月1に我孫子市教育委員会・教育研究所より布佐中学校に着任しました校長の石井美文と申します。よろしくお願い致します。
さて、初任校長として、新年度に入って慌ただしく時を過ごし、気がつけば10日が過ぎてしまいました。余裕がなく、HPでのご挨拶、更新が遅れてしまったことをお詫び致します。
今年度、本校の学校教育目標は「自ら学び、共によりよく生きる生徒の育成」としています。これについて、始業式と入学式の式辞の中では「自主的に学んだり行動し、みんなで助け合ってよりよく生活できる生徒になろう」という意味であり、学校は自立した大人になるための勉強をするところであるから、中学校では「自分で考え、自分から誰かのためになる一歩を踏み出す」練習をたくさんしてほしい、という話をしました。
また、進学・進級した生徒たちに贈るエールとして、「成功」の反対は「何もしない、何も行動しない」ことであり、「失敗」とは「成功」の途中である。今までに多くの「失敗」をしてきた人も、胸を張って中学校の活動にチャレンジしていこう、という話もしています。
始業式も入学式も、生徒たちは大変に立派な態度で式に参加し、特に、入学式で2・3年生が歌った「ジュピター」は1年生の心に響くすばらしいものでした。今後、いろいろな場面での布佐中生の活躍を予感させるうれしい入学式の1日となりました。
布佐中学校は、保護者のみなさんと地域の方々の支援を受け、多くの大人が生徒たちを見守り、育てている学校です。本年度も、学校・保護者・地域が連携し「みんなでつくる地域の学校」をさらに推進していきたいと考えています。保護者・地域のみなさんには、そんな理想の学校づくりに向けて積極的に参画し、お手伝いいただければ幸いです。
どうかよろしくお願い致します。「教育」は「共育・協育」です。