校長室のひとりごと
校長室のひとりごと「教員の業務改善その2」
先日、文部科学省が先頭に立って全国的に教員の業務改善に取り組んでいるという話をしました。先生方が元気はつらつで生徒の前に立つために、本校で取り組んでいることをいくつか紹介します。
中学校では、1年間に1015時間(1時間は50分)、1週間あたり29時間の授業時数が決まっています。ですから授業を勝手に削ったり、時間を短くするなど1015時間を下回ることはできませんし、そもそも本末転倒です。そこで授業以外の一つ一つの業務について見直しました。まず、放課後に行われる職員会議など様々な会議です。これまでの紙ベースから会議資料をデジタル化しました。これにより印刷や綴じ込み作業が必要なく、更には事前に資料に目を通すことができ会議時間の縮減につながりました。デジタル化と言えば、家庭に配布する「〇〇便り」や「朝の欠席連絡」などもメール配信などデジタル化したことで随分と業務がスマートになりました。そして、今年度大きく変えたのは一日の日課です。朝と帰りの学活の時間を短縮し、毎日全員で行っていた「掃除」を放課後の当番制にしました。これにより、6時間授業の日でも15:20から部活動を始められ、結果として部活動の時間を十分確保しても放課後の先生方の余裕が生まれています。ここでも生徒一人一台端末を活用してのデジタル化を図ることで、内容はそのままで時間を短縮させることができました。
これが全てではありませんが、新しい発想で業務改善に取り組みながら生徒も教師も「笑顔あふれる学校」を目指していきます。
校長室のひとりごと「教員の業務改善」
時代の流れ社会の変化に伴い、学校への期待やニーズも変化し、学校が抱える課題は山積状態が続いています。例えば感染症対策、いじめ、児童虐待、ヤングケアラー、多様化、不登校などの子どもの対応、一人一台端末による授業スタイルの変更、少子化による児童生徒数の減少、それによる学級減、教員数の削減、大量退職に伴う教員の若年齢化、SNSによるトラブル対応、保護者対応…そしてこれらの諸課題に対する調査など膨れ上がる事務仕事など挙げればきりがありません。近年、文部科学省を先頭に各学校では教員の業務のスリム化、時間外勤務の削減など業務改善が喫緊の課題として取り組んでいます。「自分たちのために教育を簡略化するのか」と誤解されがちですが、そうではありません。教員が毎日仕事に追われ、子ども達の前に立つ教員の姿が疲れきっていては良い影響は与えません。毎日元気にハツラツと子どもの前に立ち、子どもと接するために、業務改善が進められているわけです。一般的にはあまり知られていませんが、我々教員の勤務時間は7時間45分。本校で言えば8:00から16:30(45分間の休憩を含む)ですが、現実にはその通りにはいきません。教員には残業手当は支給されません。こんな状況を少しでも改善できるよう生徒達のためにも先生方の業務改善、ライフワークバランスを考えた学校運営を目指しています。(愚痴っぽくなってしまいました)具体的な方法については、追々お話していきます。
校長室のひとりごと「端午の節句」
3月3日は「桃の節句」、5月5日は「端午の節句」。子ども達がまだ小さい頃には、我が家も「ひな人形」を飾ったり「鯉のぼり」を立てていました。それなりに準備や片付けに苦労していたことも今では懐かしく感じます。
近年その「ひな人形」も様変わりし、昔のような「〇段飾り」と言われる階段状になった一部屋使いそうな(?)大型の「ひな人形」セットに代わり、ちょっとしたスペースに置けるような「お雛様と御内裏様」二人だけのセットが主流だそうです。また、この季節あちらこちらで目に入ってきた5月の風にたなびく「鯉のぼり」も、近年めっきり見なくなりました。連休中も妻と車に乗りながら「そういえば鯉のぼり上がってないね~」なんて辺りをキョロキョロと探しましたが、やはり「鯉のぼり」は見当たりません。住宅地ならまだしも自然豊かな農村地でもほとんど見つかりませんでした。ちらほらとベランダに括られた小さな可愛らしいものばかり。これも時代の流れなのかと少し寂しい気がします。それでも「ひな人形」なら勝浦市の「ビッグひな祭り」、「鯉のぼり」なら加須市の100mを超える「ジャンボ鯉のぼり」など、地域のイベントや名所で季節の風物詩として残り、人の目を和ませくれていることにホッとしています。「ひな人形」や「鯉のぼり」も将来は見ることができなくなってしまうのでしょうか。
校長室のひとりごと「野田市内大会」
今日、明日と各運動部活動の野田市内大会が行われます。
中学校の運動部活動は1年間に各種目ごとに様々な大会があります。一つはこの「野田市内大会」や夏の「葛北大会」「県大会(千葉県中学校総合体育大会)」など、小中学校体育連盟が主催している大会、そしてもう一つは各種目、各競技団体が所属している〇〇連盟、〇〇協会が主催している大会に分けることができます。今回の市内大会は、小中学校体育連盟主催の大会ですが仮に優勝したとしても、県大会などその上の大会につながることはありません。夏の葛北大会に向けた前哨戦となる大会です。野田市が所属している同じ葛北支部の流山市でもこの時期に市内大会が行われ、野田市流山市双方の大会結果が夏の県大会や関東大会、全国大会まで続く「葛北支部総合体育大会」つまり葛北大会でのシード権に反映されたりもします。昨晩の雨で天気も心配されましたが、野球、サッカー、バスケットボール、バレーボール、ソフトテニス、卓球の各部が、市内の各会場に向けて出発しました。このあと私も各会場に応援に行こうと思います。これまでの練習の成果を発揮できるよう頑張って欲しいものです。
校長室のひとりごと「子どもの減少」
このところ保護者会や全校生徒の前で話す機会があるたびに、在籍生徒数が令和7年度は創立以来一番少ない人数だということを話しています。昭和22年の創立当初は257名、昭和61年には774名にまで増加した生徒数も徐々に減少を続け、今は224名にまで減少しています。全国的な少子化は本校にも影響しています。
総務省は「こどもの日」に合わせ、子どもの数(15歳未満)が44年連続で減少し、昨年度より35万人少ない過去最低の1366万人だと発表しました。これだけ「少子化」「少子高齢化」という言葉が頻繁に使われれば、わかってはいても具体的な数字に驚いてしまいます。全人口の子どもの占める割合も0、2ポイント昨年度より低く、人口4000万人以上の国では、韓国に次いで二番目に低いポイントだそうです。都道府県ごとに子どもの割合を見ると、沖縄県で15、8%の最高で、次いで滋賀県、佐賀県が12、7%で、最も子どもの割合が少ないのは秋田県で8、8%という結果だそうです。ちなみに千葉県はというと10、8%だそうで、全国平均の11、2%を下回る結果です。
本校に入学してくる小学生の児童数からしても、しばらくは本校生徒は微減していく見込みです。生徒数が少ないからとネガティブに捉えるのではなく、少ないからこそできることを探りながら、チャンスと捉え様々なことに取り組んでいこうと考えています。
校長室のひとりごと「75歳の野田市」
明日からGW後半の4連休ですね。4連休の初日、明日5月3日は「憲法記念日」です。今から75年前の昭和25年の5月3日、野田町、旭村、梅郷村、七福村の1町3村が合併し野田市が誕生しました。これは生誕150周年を迎えた千葉県で8番目のことだったそうです。その後、昭和32年に川間村、福田村の2村を編入し、平成15年には関宿町と合併し現在の野田市に至っています。そんな野田市誕生から75年、明日は「市制誕生75周年記念式典」が行われます。野田市では市民と共に新たな一歩を踏み出すスタートの年と位置づけ様々な取り組みを予定しているようです。
市内を循環している「まめバス(コミュニティバス)」を「幸運を呼ぶまめバス」と称しラッピングを施したり「まめバスのチョロQ制作販売」「市民のど自慢大会の開催」「ギネス世界記録挑戦」などを計画していそうです。その他にも例年行ってきた関連行事を記念事業と位置づけ行っていくようです。
明日の「市制誕生75周年記念式典」には私も出席してきます。
校長室のひとりごと「野球拳?」
野田市の「学校あるある」ですが、「明日は野教研だから早帰りだぞ!」なんて教室で先生が連絡すると、お調子者の生徒は「エッ野球拳?」なんてやりとりが教室で繰り広げられていたものです。今日がその「野球拳(?)」ではなく「野教研」です。野田市内の方には馴染みがあるかもしれませんが、野教研とは「野田市教育研究会」の略で、野田市の小中学校全ての教員773名が所属する教育研究組織です。その教育研究組織の定期総会、そして各教科領域に分かれ1回目の分科会が行われます。そのため市内一斉に早帰りになるわけです。
先生達が集まって何を研究しているのかといえば、各教科領域ごとの分科会(例:数学部会など)で、子ども達が「主体的・対話的で深い学びにつながるような授業の工夫」であったり、一人一台端末の「効果的な活用について」など様々です。近年、教員の若返りが著しく、経験の浅い先生が増加しています。学校という枠を超えて集まり、他校の先生、経験のある先生などと問題を共有することは、経験の浅い若い先生方にとっては授業改善の大きなヒントが得られることでしょう。この野教研が野田市の学校格差を抑え、一定の水準を維持に貢献していることは間違いありません。
校長室のひとりごと「ザ、昭和」
昨日は「昭和の日」、今年は「昭和100年」ということもあり昭和を振り返る特別番組が流れていました。番組では昭和の家電なども紹介されており、チャンネル式のTVやダイヤル式の黒電話、振り子式の掛け時計や鳩時計、ラジカセなど…コテコテの昭和世代の私は、つい「そうそう、あったあった」などと懐かしんでいました。また、昭和の子どもの遊びも紹介されており、缶蹴りや警ドロ、ゴム跳び、スーパーカー消しゴム、メンコなどなど
私もそうでしたが、昭和の子どもはよく公園や道ばたで遊び、暗くなったことを合図に家に帰っていたものでした。私も何であんなに熱中して遊んでいたのか今となっては不思議でなりません。自然と仲間と合流し「今日何やる?」なんて話し合い、協調しあい、「缶蹴り」にしても何にしても、遊びの中で自分たちでルールを決め、楽しんだものです。そうしなければ楽しくありませんでしたから。昭和の子どもはそうして規範意識を養っていたのかもしれません。そして遊びの中で負けたりうまくできなかったとしたら、明日こそ勝つぞ!明日はこうしてみよう!などと戦術を考えたり工夫したりと競技性もあったのかもしれません。勝てばうれしく、負ければ悔しく、失敗して転べば擦りむいて血も出ます。そんな簡単にリセットできないバーチャルではない社会を経験しながら、皆大人になる準備をしていたのかもしれません。
改めて昭和を振り返ると、意外と楽しかった記憶が蘇ってきました。
校長室のひとりごと「PTA活動」
今日は、年度はじめ保護者会が行われます。そして引き続き「PTA総会」も行われます。残念なことに例年、事業参観や学級懇談会が終わるとお帰りになる保護者の皆さんが多く、PTA総会まで残ってくださる方は多くはありません。今、巷では「PTA活動」について疑問を投げかけるような世論が広まっています。
PTAは、保護者(P)と先生(T)で構成される組織(A)で、子ども達の健全育成のために、戦後間もない昭和20年に誕生しました。子ども達のために環境整備を行ったり、学校行事お手伝いを担ったり、登下校の見守りなどの活動が一般的です。誕生から80年、時代や社会、教員だけではなく保護者の皆さんのライフスタイルも変化し、共働きの家庭も増え、なかなかPTA活動に参加できない方々もおり、近年PTA組織自体を見直す自治体も出てきています。PTA組織自体を廃止したり、PTAへの加入者が少なく、活動を維持できずPTA組織自体を廃止する学校もあるようです。
本校もこういう状況を鑑みながら、PTA活動を大きく見直し、役員等を極力減らして、お手伝いいただけるときにお手伝いしてくださいね、というスタンスで保護者の皆さんに呼びかけて子ども達のために活動していただいています。今日のPTA総会、多くの方が参加くださることを願っています。
校長室のひとりごと「ペップトーク②」
昨日の続き「やる気にさせる魔法の言葉ペップトーク」について書いてみます。「ペップトーク」とはアメリカのスポーツ界で古くから重んじられている指導者必須の技術で指導者が率先して学ぶ「話術」です。
最も有名なペップトーク例です。舞台は1980年レークプラシッド冬季五輪アイスホッケーの決勝ラウンド。アメリカの相手は五輪4連覇中のソ連(現ロシア)、当時プロ選手の出場は認められておらずアメリカは代表とはいえ学生選抜。試合前のロッカールームは、勝てっこないという思いから来る恐怖と不安と緊張で静まりかえっています。そこへヘッドコーチがやってきて「偉大な瞬間は偉大なチャンスから生まれる。チャンスは今夜だ、その手でチャンスをつかみ取ったんだ」「たった1試合だ。10試合戦えばソ連が9回勝つだろうが、今日のこの1試合は違う。今夜は敵と肩を並べとことん食らいつく。そして完全に封じ込めるんだ、必ずできる」「今夜は俺たちが世界で最も偉大なチームだ。お前達はホッケーをやるために生まれてきた。今夜お前達がここに来たのは運命だ」「その時が来たぞ、ソ連の時代はもう終わった。もういいだろう、いい加減聞き飽きた。どこでもソ連は凄いという話ばかり聞かされ続けた。でももう古い」「時代はお前達のものだ。必ず奪い取ってこい!」そして選手達はリンクへ出て行き、結果は逆転の4対3で勝利、アメリカは金メダルに輝き、後に「氷上の奇跡」と呼ばれ語り継がれています。(つづく…)
校長室のひとりごと「ペップトーク①」
雨の休日には、一日中動画配信サービスで映画を観ることがあります。多い日には5.6本ぶっ通しで観るなんてこともあります。邦画、洋画、アニメなど特にジャンルは決まっていませんが、比較的洋画が多いかもしれません。特にアメリカの実話をもとにしたスポーツに関する映画をよく観ます。映画化されるようなスポーツの実話ですから、弱き挑戦者が最後には強き者に勝つ、というような内容が少なくありません。「結末がわかってるのに何で観るの?」と家族に言われますが、長年スポーツに携わり指導経験もある私にとっては、つい目に入り、気づけば「リモコンのプレイボタン」を押しています。
いろいろな逆境を乗り越え決勝の舞台に。しかし決勝の相手は強敵、誰もが分が悪いと思っている最後のゲーム、不安と緊張で静まりかえったロッカールーム、そこでヘッドコーチが選手を奮い立たせるために話をする。するとヘッドコーチの話に奮起した選手は見違えたように闘志をみなぎらせロッカールームから大舞台へと歩を進める・・・実はこんな場面で指導者が話す「やる気」にさせる魔法の言葉を「ペップトーク」と呼んでいます。この「ペップトーク」の場面を観たくて、人を「やる気」にさせる言葉を学びたくて、結果がわかっていても、実話をもとにしたスポーツ映画を観てしまうのです。この「ペップトーク」という言葉、覚えましたか?(つづく…)
校長室のひとりごと「マンホール」
毎日道路を通っていれば、必ず視界に入っているはずなのに、存在すら忘れているような物の一つに「マンホール」があります。マンホールは地下の下水道につながっており、その地表部分には頑丈な鉄製の蓋(フタ)が被せてあります。このマンホールの蓋、自治体ごとにデザインが違うのをご存じでしたか?
先日、茨城県龍ケ崎市が使用されてきたマンホールの蓋を販売すると新聞に掲載されていました。記事によると龍ケ崎市のマンホールの蓋のデザインは2種類、一つは中央に市章があしらわれた蜘蛛の巣柄で、もう一つは牛久沼を背景に筑波山、そして白鳥があしらわれているそうです。こうした土地土地でデザインされた「ご当地マンホール」はマニアの間で人気のコレクションアイテムだそうです。例えば静岡市は「ちびまる子ちゃん」、福井県勝山市は「恐竜」、横浜市は「BAYSTARS」、川越市は「小江戸の町並み」など探せば実に様々で見ているだけで楽しめます。ここ野田市はといえば「けやき(市木)、ツツジ(市花)、ヒバリ(市鳥)」が描かれた物や、旧関宿町の「ぼたん(町花)」や「関宿城」が描かれた蓋、また桜木神社境内内には綺麗に桜色に塗られた「満開の桜」柄の蓋があるようです。
これまで気にもとめず通り過ぎていましたが、この連休にお出かけの際には、その土地土地をPRするマンホールの蓋に注目してみるのも面白そうですね。
校長室のひとりごと「ラーケーション」
いよいよ今週末からゴールデンウィークですね。新年度、生活環境が変わり慌ただしく過ごしてきた約一ヶ月、生徒達も先生達もこのゴールデンウィークを利用してリフレッシュしてほしいものです。
今年は、カレンダーの並びがあまり良くなく、ある調べでは、円安も手伝ってか海外旅行へ出かける人は少なく、短期の国内旅行や日帰りのお出かけが増える見込みだそうです。
ところで、近年中学校でも「家族で出かけるので休ませます」という欠席連絡が入ることがあります。時代の流れか「欠席」という概念も随分変わってきたようです。
「ラーケーション」という言葉を聞いたことがありますか。愛知県(名古屋市を除く)は、平日に旅行などで学校を休んでも欠席扱いにしない「ラーケーション制度」を2023年度より導入しました。「ラーニング(学習)」と「バケーション(休暇)」を掛け合わせた造語で、子どもが平日に休み地域や家庭での体験学習などを通して学びを深めようという狙いで始まりました。事前に活動の計画を立てて申し出れば年に3日間まで取得できるという制度です。これには賛否両論ですが、昨年度より沖縄、大分、茨城、熊本なども同様に制度を導入しているそうです。(千葉県では家庭の事情ということで「事故欠」という扱いです)
校長室のひとりごと「未来に運動は必要か」
先週「微細運動能力」が低下していることについて書きました。「微細運動」とは手や指を使った細かな精密な動きのことですが、関連して「粗大運動」について書いてみます。「粗大運動」とは姿勢の維持やバランス、立ったり座ったりと日常生活に欠かせない基本的な動きで、その能力を「粗大運動能力」と言っています。この「粗大運動」は赤ちゃんの時には寝返りを打つとかハイハイをする。もう少し成長すればつかまり立ちや歩行になり、中学生なら一般的に運動能力と言われる能力で、成長に合わせてその能力は変化します。「微細運動」と同様に「粗大運動能力」も低下傾向であるのは否めません。ある専門家は、いわゆる幼児体験、特に外遊びの機会が減少していることが大きく影響しているのではないかと話しています。
こう書くと「微細運動」「粗大運動」の能力低下が、あたかもマイナスであるかのようですが、この能力の低下が、人類の退化なのか人類の進化なのか、Society5.0「予測不能」な世の中、今は判断できないかもしれません。なぜなら、そもそも近未来で細かな作業能力が必要なのか、そもそも運動が必要なのかは想像もできません。我々は過去の経験から「そりゃそうでしょ」と答えますが、AI等の進歩により、これまでの常識が覆され始めているのが現状です。
校長室のひとりごと「新入生から1年生へ」
「新入生歓迎会」が行われます。今年度最初の生徒会行事、2.3年生は企画や事前準備、合同発表の練習に励んできました。大げさかもしれませんが、経験上「新入生歓迎会」の出来栄え(?)が一年間を左右しかねない大切な行事だと思っています。「新入生歓迎会」はその名のとおり、新入生に対して慣れない中学校生活へのエールを送ったり、生徒会活動や部活動、日常の生活などについて説明や紹介、そして2.3年生が歓迎の意を合同発表という形で表す会、そんな行事です。その何が一年間を左右するの?という話ですが、言い方は悪いですが2.3年生は上級生として力を見せつけ、1年生は「先輩達のように」と上級生に憧れ「頑張らなくちゃ」と中学校生活に意欲を持たせるねらいがあります。もし逆に「先輩ってたいしたことないな~」なんて思われるようなことがあれば、部活動にしても生徒会活動にしても全校で作り上げる行事、スムーズな学校生活など全てに暗雲が垂れ込めてしまいます。だからこそ2.3年生で力を合わせた「迫力ある全校応援」「調和のとれた合唱」などの練習に取り組んできたというわけです。
そうそう、今日までは「新入生」。明日からは「1年生」と呼ばれ中学校の日常が始まります。(部活動仮入部も今日から始まります)
校長室のひとりごと「各種学力調査」
小学6年生と中学3年生を対象に毎年実施している全国学力学習状況調査が行われています。既に14日に中学校「理科」を実施しました。その理科の調査ではデジタル端末を使いオンラインで出題・解答する新しい方式(CBT)が初めて導入されました。ネットワークへの負担軽減のために全国の中学校を17日までの4日間に分散させ、本校は14日に実施したというわけです。
今日は、残りの「国語」「数学」の調査が行われます。また1.2年生は「野田市学習到達度調査」を実施します。毎年実施されているこれらの調査の結果は経年でデータ蓄積しており、その対象学年の学習状況の傾向を知ることができます。全国調査については、どこの県がどうだとか、野田市はどうだとか、自治体ごとの順位が興味本位で取り沙汰されます。結果として順位や序列は出ますが、それは二の次三の次、調査の結果から学習状況の傾向を分析することで、今後の指導改善に努めるという大きな目的のもと行っているのがこの調査です。
過去の分析から見た本校の学習状況の傾向はというと「授業では内容を理解している」しかし「テストでは正答率が高くない」。つまり「授業内容を学力として定着させる取り組みが足りていない」…こういった現状から、今年度本校の先生方で「より効果的な学習サイクルの確立」というテーマで研修を始めたところです。今年度の調査の結果も生徒達のために有意義に使っていこうと思います。
校長室のひとりごと「微細運動能力」
「微細運動能力」という言葉をご存じですか?今、日本はもちろん、各国の教育関係者の間で、児童生徒達の、「微細運動能力」の低下が問題視されています。この「微細運動」とは、例えば靴紐を結ぶとか、物を積み上げる、ペンで字や絵、図などを描く、はさみを上手に使うなど、簡単に言えば「手先の器用さ」に関わることで、その能力を「微細運動能力」と言っています。2024年に行われたアメリカの調査によると、教師の77%が低学年では5年前の低学年に比べ、鉛筆やペン、はさみを上手に使えなくなっていると回答しており、また69%の教師は、靴紐を上手に結べない子どもが増えていると回答したそうです。確かに中学校でも、はさみやカッター、レタリングなどの機会はめっきり少なくなっています。以前はこの時期には教室内の掲示物を自分たちで見栄え良く作るために、丁寧にレタリングした文字をはさみやカッターで切り、それを台紙に貼って・・・などを時間を設け行っていましたが、今は、先生方がPCを使い、それなりに見栄えのする物を準備したりできるだけ手間がかからない工夫をしています。
ある専門家は、スマートフォンやタブレットなどの普及でデジタルな学習が増えている一方で、学習で画面を見ている時間が増えた分だけ、手を動かす「かく」「切る」「ぬる」「めくる」などの時間が減ってしまったことが影響しているのではないかと話しています。
校長室のひとりごと「あふれる情報」
世の中には様々な情報があふれています。新聞やテレビだけではなく、インターネットやSNSでもキーワードを入力し検索すれば、関連した情報が次から次へと閲覧できます。スマホ1台持っていれば不自由なく情報を手に入れることができる便利な世の中になったと実感しています。一方で、情報が簡単に手に入ることへの怖さも感じています。我々大人もそうですが、情報が多ければ多いほど、欲しい情報はどれなのか、フェイクニュースなど、この情報が正しいのかという判断力が必要になってきます。私は朝夕のニュース番組をよく見ますが、時間帯によってチャンネルを変え複数の局のニュースを見るようにしています。同じ出来事を報じていても局によって伝わり方が違うことが少なくありません。しかしSNSなどの情報とは違い、マスメディアには、必ず社内に校閲チームがあるので誤った情報はあり得ません。例えば「月」は誰が見ても、同じように見え裏側は見えませんが、事件や事故は多方向から見ることができ、取材する人も違えば見ている方向が違うことがあるから局により違った印象を受けるのだと思います。しかし事実として双方とも正しいわけなので、双方の事実を踏まえ自分なりに解釈するようにしています。情報があふれている世の中、情報を見極める力が必要だということでしょうか。
当たり前のようにスマホやタブレットを毎日使う子ども達にも「情報リテラシー」を身につけてほしいものです。
校長室のひとりごと「青かったっけ?」
この歳(60歳)になっても世の中には知らないことがたくさんあるものです。「春の交通安全週間」にちなんで、先週信号について書きました。改めて文字にしてみると一つの疑問が沸いてきました。「青信号って緑だよな…」「なんで緑じゃなく青信号なんだろう?」という疑問です。そう思い始めると次から次へとさらなる疑問が襲ってきます。「青汁って緑だよな」とか「青リンゴ」「青葉」など緑色なのに青と呼んでいる物ってどういうことだろうか?
調べたところ、もともと昭和5年に初めて登場した信号は今と同じ緑色で「緑信号」と言われていたそうです。ただ、古くから我が国には「緑色」という概念が薄く、緑色の物も広義で青と呼んでいた文化があったそうです。そう言われると「青葉」や「青リンゴ」など昔からあるものを「青」といっているのも理解できる気がします。それなら信号が登場した当時に「緑信号」と呼ばれていたにもかかわらず、なぜ「青信号」で定着したかというと、登場したての信号を紹介した新聞記事に「青信号」という昔ながらの言い回しが残ってしまい、それ以来「青信号」が定着したのだろうと言われています。ならばいっそのこと「緑ではなく青にしてしまえば」と思ってしまいます。ごくまれに「緑ではなく青」の信号も存在しているようですが、青い空でも見やすく、また諸外国にも合わせ、青ではなく緑が主流なのだそうです。
校長室のひとりごと「赤は止まれ!黄色は?」
今日も「春の交通安全運動」にちなんだ話です。当然皆さんは「赤信号」の意味をご存じですよね。そうです「止まれ」です。では「青信号」は?「進め」と答えがちですが、そうではありません。「進むことができる」です。歩行車や他の車を確認した上で進めるようなら進んで良いという意味だそうです。では「黄色信号」はどうでしょう。黄色信号は「止まれ」だと知っていましたか?自動車なら信号手前に「停止線」がありますが、安全に停止線手前で止まれるなら「止まれ」、それが難しいときには「注意して進んで良い」とされています。では「それが難しいとき」とはどんなときなのか、例えば後続車に追突されてしまいそうなとき、急ブレーキをかけなければ止まれそうもないときなどが「それが難しいとき」にあたるそうです。
ちなみに夜間や早朝に「赤の点滅信号」「黄色の点滅信号」の場所もありますが、この点滅信号についても触れておきます。「黄色の点滅信号」は歩行車や他の交通に注意して進むことができる。で、「赤の点滅」は歩行車は注意して進むことができ、車両は停止線で一旦停止し他の交通に注意して進むことができる、となっています。
黄色は「注意して進め!」ではないんですね。意外とわかっているつもりでも、正確ではないことってあるんですね。気をつけましょう!