校長室のひとりごと「未来に運動は必要か」
先週「微細運動能力」が低下していることについて書きました。「微細運動」とは手や指を使った細かな精密な動きのことですが、関連して「粗大運動」について書いてみます。「粗大運動」とは姿勢の維持やバランス、立ったり座ったりと日常生活に欠かせない基本的な動きで、その能力を「粗大運動能力」と言っています。この「粗大運動」は赤ちゃんの時には寝返りを打つとかハイハイをする。もう少し成長すればつかまり立ちや歩行になり、中学生なら一般的に運動能力と言われる能力で、成長に合わせてその能力は変化します。「微細運動」と同様に「粗大運動能力」も低下傾向であるのは否めません。ある専門家は、いわゆる幼児体験、特に外遊びの機会が減少していることが大きく影響しているのではないかと話しています。
こう書くと「微細運動」「粗大運動」の能力低下が、あたかもマイナスであるかのようですが、この能力の低下が、人類の退化なのか人類の進化なのか、Society5.0「予測不能」な世の中、今は判断できないかもしれません。なぜなら、そもそも近未来で細かな作業能力が必要なのか、そもそも運動が必要なのかは想像もできません。我々は過去の経験から「そりゃそうでしょ」と答えますが、AI等の進歩により、これまでの常識が覆され始めているのが現状です。