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2024年11月の記事一覧

校長室のひとりごと「成長期の後半に」

 今日は、3年生対象に「思春期講演会」が行われます。毎年この時期に3年生対象に実施しているこの「思春期講演会」とは、思春期の後期から青年期に向かう3年生を対象に自分と向き合い生きてゆく力を身につけること、また「生」と「性」について考え、より良い行動を選択するための正しい知識を身につけさせることを目的としています。

 昨日は尾崎小学校で授業(講話)をしてきましたが、児童たちは皆私の話に耳を傾け、話し合い活動では自分の意見をきちんと話すなど立派なものでした。安心していつでも中学生になる準備ができていると実感しました。その一方で日頃中学生相手のためか、小学6年生が小さく(身体面だけではなく)感じられました。やはり成長期真っ只中、3年間でこうも大人になるのかと今朝改めて生徒たちを見て感じたところです。

 さて、今日は千葉県助産師会の助産師を務めていらっしゃる先生をお招きし「いのちの話」と題して「生命誕生の大切さ」「正しい性の情報」「二次性徴、性感染症、男女の性の違い」「LGBTQ」についてご講演いただきます。よく言われているように北欧の学校に比べると、「性教育」について日本の学校では消極的で、お互いに学校では家庭が、家庭では学校がやるだろうと、他人任せの時代が長く続いてきました。

 今回、「生と性の専門家」でもある助産師から直接お話を聞く貴重な機会です。

日本のこれまでを考えれば、なかなかすぐに全家庭でできることではないと思いますが、ぜひ、この機会に家庭で「生、性」について話題にしてほしいと思います。

校長室のひとりごと「来春を見据えて」

 今日は尾崎小学校6年生を対象とした出前授業に行ってきます。本校と学区の川間小学校、尾崎小学校は小中連携、様々な取り組みをしています。これは小学校、中学校それぞれ単独で学校運営をするのではなく「地域の子どもたちを義務教育9年間で育てよう」というねらいがあります。

 例年、1月下旬に新入生保護者説明会と並行して6年生に体験入学を行っていますが、限られた時間内で中学進学への不安を取り除くには十分だとは言えません。そこで今回、尾崎小学校から6年生に「中学生になる心構え」について、講話と授業を体験させたいと依頼があり実施するものです。本校からは、校長の私が講話を、教務主任が算数(数学)、3年学年主任が国語の授業を行います。

 中学校では基本的に生徒たちを「大人」として接します。そのことを踏まえて今回私の講話の中でコンセンサスゲーム(NASAゲームとも)を体験させ「自分の考えを持つこと、それを伝えること」「自分以外の考えに耳を傾けること」そして「それらをもとに合意形成すること」「協力して最善の方法を導くこと」の大切さに気づかせたいと考えています。そのために今できることはなんだろう、と6年生が考えてくれるきっかけになればと思っています。


※コンセンサスゲームとは、グループで与えられた条件の中で課題を解決するための最善策を考えるゲームです。現在多くの企業の新人研修等で実施されています。

 

校長室のひとりごと「市長と話そう集会」

 昨日の「所長訪問」に続き、今日は「市長と話そう集会」のため野田市長が来校します。教育に力を入れている市長が忙しいスケジュールの合間を縫って市内の小中学校を直接訪問し児童生徒の生の声を聞き生徒は市政に感心を持ち、市長は今後の教育施策等に生かす話し合いの場です。

 2年生はこれまで「ふるさと野田」について学び、調べ市の今後について考える学習に取り組んできました。今日は学年集会で、これまでの学習のまとめとして各部門ごとにプレゼンテーションします。そのセクションとは…

「野田市の防災対策について」

「野田市の交通事故防止について」

「野田市の公共交通機関について」

「野田市の地下鉄8号線について」

「野田市の再開発計画について」

この5つについて調べたことに対して、中学生なりに考えをまとめ、それを市長にも参観いただき市長のお考えや施策などについてお聞きするという企画です。

事前に生徒たちの考えや、プレゼンテーションを見ましたが、さすが次世代を担う中学生、自分たちなりの考えをまとめ将来の野田市を考えているなと感心させられました。

 「市長と話そう集会」が、生徒たちの「ふるさと野田」について考え、野田市民だという自覚につながることを願っています。

校長室のひとりごと「所長訪問」

 今週は連日来校者、逆に他校に訪問と慌ただしくなりそうです。

 今日は、千葉県教育庁東葛飾教育事務所(野田市の学校を管轄)による「所長訪問」があります。この「所長訪問」とはその名の通り、教育事務所の所長が来校されるわけですが、総務課、管理課の皆さんも同行し、更には野田市の教育委員会からも教育長、学校教育部の管理担当の皆さんも来校します。管轄する県教育委員会、直接監督する立場の市教育委員会、それも所長、教育長が来るとなれば気の弱い(?)私は朝からソワソワ落ち着きません。この「所長訪問」とは3年に一度行われる視察を兼ねた監査のような性質のものです。授業を受けている生徒たちの様子や先生方の様子、校舎を含めた敷地内の安全点検、様々な諸帳簿が適正処理されいるかなどを点検していただき、それをもとに指導していただき必要があれば改善することを目的としています。

 今回、事前に先生方で安全という観点で校舎内を巡回してみると意外と改善点があることに気づきました。例えば、地震の際に危険な棚の上に物を置いてあったり、移動式大型テレビのキャスターにストッパーがかけられていなかったり、教室のロッカー内に破れた古いプリントが無造作に溜まっていたり…

3年に一度ですが、学校内を見つめ直す良い機会であることは間違いありません。

校長室のひとりごと「冷静に見極める」

 最近の技術革新はめざましく、その技術を扱う人間側のモラルや判断力が追いついていないと実感しています。人工知能AIも日々進化を続け、人間が描いたかのような絵画、声優の声を学習させ、まるで本人のような音声を作り出す、もう何が本当で何がどうなっているのかわからない状況です。これらが悪いというつもりはありませんが、使う側の意識やモラルが追いついていなければ、技術を悪用したり、ネット上のフェイクニュースなどに翻弄されたりしてしまいます。戦時中からフェイクニュースは存在していたようですが、今は誰でも簡単に作ることができ、ネットを通して拡散させることも可能です。報道とはとても言えない間違えた内容、興味を引くために個人が作りあげたものなどです。私もこの「校長室のひとりごと」を書く際にネットを開いて話題を探したり、詳細を調べたりとインターネットを使用しています。その際、その情報が正しいものなのか、過剰すぎる表現はないかなど必ず複数のサイトを確認し、最終的には冷静に自分で判断しています。

 今やインターネットを小中学生も当たり前に閲覧しています。しかしその情報の真偽まで考えているかと言えば、そうではない場合も少なくないと感じています。SNSでも同様です。その書き込みが全て真実とは限りません。我々大人は「ちょっと待てよ」となりますが小中学生もそうとは限りません。最近話題の闇バイトも「ちょっと待てよ」と冷静な判断力があれば、おかしいと気づくものが多いと言われています。

 技術革新が進み便利になり、多くの人が簡単に使えるようになればなるほど、その使い方、使う側の冷静な判断力が必要になってきます。その危険性を学校、家庭で大人が教える必要があるとつくづく感じます。

校長室のひとりごと「77年目の今年」

 このところ、地域関連の話題が多いのですが、「地域と関わる」「地域と共生」を語るからには、この川間地域を知らなくては話になりませんよね。私は昨年の着任以来地域を歩き、本やインターネットで色々と調べたりしています。もちろん「川間中学校」についても調べる必要があると、最近は中学校について色々と過去の記録を見直しているところです。

 本校は昭和22年、旧川間村に川間中学校として誕生し今年で創立77年を迎えた地域に根ざした歴史と伝統ある学校です。そこで創立当時の記録を校長室の金庫から引っ張り出し調べたところ衝撃(?)の事実を知ってしまいました。私は平成元年より市内の中学校で勤務してきましたが、概ねどこの学校も昭和の終わりから平成の始めに生徒数が一番多く、逆に創立当時が一番少ないというパターンが一般的です。 本校の創立当時昭和22年の生徒数は257名、翌昭和23年には300名を超え、そのまた翌昭和24年には400名を超えるほどの急増でした。昭和35年には500名を超え、昭和57年には600名を…右肩上がりに生徒は増加し昭和61年には774名という規模まで膨れあがりました。しかし、それからは徐々に生徒数は減少し、昨年令和5年度には268名にまで減少しました。現在は全校生徒246名で生活しています。これが衝撃(?)の事実です。77年目にして実は初めて創立当時の生徒数を下回り過去最少人数だったのです。更に川間小学校、尾崎小学校の児童数を見ると、来年度は更に過去最少人数を塗り替えそうで、あと数年はこの状況が続きそうです。

 衝撃(?)的な事実は事実として、少ないからといって何が変わるわけでもありません。体育祭では迫力の応援を披露し、川創祭(文化祭)では一致団結した素晴らしいハーモニーの合唱を作り上げてくれました。この生徒数はハンデキャップではなく、むしろ小回りが効く強みだと捉え、これからも生徒たちのために頑張ってまいります。

校長室のひとりごと「努力」

 教員がよく使う呪文のような言葉の一つに「努力」という言葉があります。

 部活動顧問、学級担任として第一線で生徒たちと関わっていた頃は、一切迷いもせず「努力は報われる」と生徒に呪文(?)を唱えていたものです。

 多くのスポーツ選手は「努力」について名言を残しています。例えば世界のホームラン王「王貞治」氏は「努力は必ず報われる。もし報われない努力があるとすれば、それはまだ努力と呼べない」と残しています。また、サッカーのメッシ選手は「努力は報われる?そうじゃないだろ、報われるまで努力するんだ」と述べています。一方でフィギュアスケート「羽生結弦選手」は「努力はウソをつく。でも無駄にはならない」。他にも「努力は報われるとは限らない」「努力が報われるのであれば、みんなメダリストになっている」…… などと残しています。 陸上競技の「為末 大」氏は「一流のアスリートは、そもそも努力を努力だと思っていない」と著書に綴っています。いったい「努力」って何なのでしょう?

 以前、全校生徒に「努力は必ず報われる。しかし、自分が思っている形で報われるかどうかは別の話。仮に努力したのに報われなかったと感じていても、その努力は違う形で自分の力になっているはずです。これからも惜しまず努力できる人になってほしい」と話したことがあります。

 歳を重ねるにつれ、私自信「努力は報われる」と思っていますし、一方で「努力しても報われないこともある」とも思っています。

 先ほどの「為末大」氏は「現在の日本は、努力しても報われないと感じる人間が多数派を占める社会になっているように思う」とも記しています。

 中学生という成長段階においては、どのパターンで「努力」という言葉を投げかけるかが問題です。中学生は全てが経験全てが勉強です。何事にもガムシャラに取り組める人間、そして惜しまず努力できる人間になって欲しいと切に願っています。

 

校長室のひとりごと「地域に関わる」

 土曜日に「川間地区ふれあいの広場」が行われました。川間地区社会福祉協議会が主催し規模も大きく地域にとって大切な行事です。こういった地域行事では中学校や小学校も発表団体として、吹奏楽部などが招待されることが少なくありません。この「ふれあいの広場」も同様で、これまで本校は吹奏楽部、特設郷土芸能部が出演していましたが、今年は「次世代の地域を担う中学生には、もっと地域に目を向け、地域の一員として自覚を持って欲しい」とわがまま言って運営団体の一つに加えていただきました。事前の会議、前日の会場準備、当日の司会進行、受付、接待、商品販売などの各ブースに分かれて生徒たちは地域の方々に混じってお手伝いさせていただきました。生徒からは「色々な発表を通して地域の文化や伝統を知ることができた」「初めての経験でしたが優しく教えていただき一緒に活動していて楽しかった」などの声が聞かれました。

 また、会場にいる私にたくさんの方が声をかけてくれました。「中学生が優しく案内してくれ嬉しかった」「元気な中学生と一緒にいて、こっちまで元気になりました」「いつもの決まった面々に中学生が加わり、みんな笑顔が増え若返ったように感じました。とっても楽しかった」「孫(中学生)が笑顔で手伝っているのを見て泣けてきました」など数えきれないほどの言葉をいただきました。

 会を終え生徒たちに「地域の一員だと自覚できましたか?みんなは、この先どこの高校に行こうとも、大人になってもどこに住もうとも、いつまで経っても故郷はここ川間地区だということを忘れないで欲しい。10年、20年30年先に、みんながこの「ふれあいの広場」を運営していて欲しい」と話しました。社会福祉協議会など運営に携わった皆さんには「生徒がお世話になりました。日頃学校では見せない「優しさ」「気遣い」「笑顔」を見ることができました。本当に良い経験ができました。ありがとうございました。」とお礼を述べました。

 今年の「ふれあいの広場」は多くの笑顔にあふれ「育てよう川間の絆」というスローガンに近づけたと感じて、ホッコリと温かい気持ちの一日でした。

校長室のひとりごと「全国調査によると」

 令和5年度実施の「問題行動.不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査」の結果が公表されました。この調査は文部科学省が毎年実施しており、全国の公立私立全ての小中高校、特別支援学校を対象とした調査で、その結果をもとに各学校で生徒指導上の諸問題への取り組みをより充実させ、未然防止、再発防止に役立てることを目的に行なわれているものです。

 公表された結果は、不登校や長期欠席、高等学校の中途退学など項目は多岐にわたっていますが、その幾つかを紹介します。

 まず「いじめ」についてです。全国の小中高校、特別支援学校でいじめと認知した件数の合計です。全国で732,668件で昨年度比プラス50,620件の7、4%増でした。また、この件数において77、5%は既に解消済みという結果です。この結果に対して文部科学省は、いじめ自体の件数が増えたというより、いじめの定義の浸透により軽微なものもいじめと捉えるようになったことで件数は増えていると分析しています。

 次に「不登校」については、全国小中学校で346,482人で前年比15、9%増加しています。この増加の原因の一つには、児童生徒の休養を重要視する「義務教育段階における教育の機会確保に関する法律」が認知され始めたことが影響していると文部科学省は分析しています。

 調査の結果が出たからというわけではなく、本校でも引き続き、生徒一人一人に目を向け「いじめ」に対するアンテナを張り巡らせ早期発見、早期対応を心がけていきます。また不登校についても、家庭との連携を密にしながら心のケアを含め丁寧に個々の改善策を考えていこうと思います。