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校長室のひとりごと

校長室のひとりごと「日本式学校教育」①

 現行の学習指導要領では「全ての児童生徒の可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びの一体化」を目指すことが「令和の日本型教育」だと記されています。似ている言葉で混乱しそうですが、今日は諸外国から注目を集めている「日本式学校教育」について書いてみます。

 2016年エジプト首相が来日の際に訪れた小学校の様子に衝撃を受け5年前よりエジプトの学校で「日本式学校教育」を取り入れ始め、今やその「日本式学校教育」は中東各地に広がりを見せているそうです。ではその「日本式学校教育」とは何なのか、例えば「全員で分担して掃除をする」「話し合い活動で問題を解決する」「日直や給食当番」など、我々日本人がこれまで当たり前に経験してきたことをまとめて「日本式学校教育」と読んでいます。特に「特別活動」特活と言われる話し合い活動等は社会性を身につけるのに大いに役立っているとエジプトカイロの小学校の校長先生は話しています。またエジプトでは「掃除は社会階層の低い人がやること」という意識があり導入当時は保護者から疑問視する意見も少なくなかったようですが、今では「子供が家でも整理整頓するようになった」と評価する保護者が大半だそうです。

 現在エジプトで「日本式学校教育」を取り入れているのは51校ですが、入学希望者は定員の5倍の人気で、今後「日本式学校教育」を取り入れた学校を増やしていく方針だそうです。日本人として誇らしい気持ちになる話ですよね。

校長室のひとりごと「下の名前」

 入学式では新入生一人ひとりの名前を呼び、呼ばれた新入生は「ハイ」と元気に返事をします。卒業式では、卒業生一人ひとりを呼名し卒業証書を手渡します。学校ではこのように入学から卒業までの間、何回も生徒の名前を呼ぶ機会があるものです。入学式や卒業式などフルネームで呼ぶ機会は教師にとって特別なもので、絶対に失敗しちゃいけないタイミングでもあり、とても緊張するものです。そんな教師にとって、最近の名前の読み方が難しすぎて悩みの種です。

 先日、今年に生まれた子どもの名前ランキングなるものが発表されました。年々初見では下の名前を読めなくなってきており、比較的キラキラネームに慣れている教師である私にも手強い名前もあります。

男の子 1位「陽翔(はると)」2位「凪(なぎ)」3位「朝陽(あさひ)」4位「暖(だん、はる)」5位「陽向(ひなた)」です。そして女の子では1位「紬(つむぎ)」2位「翠(すい)」3位「凛(りん)」4位「陽葵(ひまり)」5位「芽依(めい)」でした。近年のグローバル化を背景に、英語でも表記、呼びやすい名前が増えているそうです。

校長室のひとりごと「年賀状じまい」

 今年はいつまでも暑い日が続き、やっと秋が訪れたかと思えば、すぐに冬の寒さ、どうも季節感がうまく掴めないまま、12月も中旬です。物価の高騰の影響か、X‘mas商戦も以前ほど激戦ではないように感じます。また、以前であれば師走の声を聞けば「そろそろ書き始めるか」と年賀状が気になるはずなのですが、今年は少し違います。今年も年賀状の受付が始まりましたが、最近の「年賀状離れ」の影響か、年賀状に関連するCMやメディアの報道も少なくなっているように感じます。

 年末年始の風物詩でもある「年賀状」、SNSやメールの普及など時代の変化とともにその在り方も変わってきました。相手との関係を壊すことなく年賀状のやり取りをやめる人も増えてきていることから「年賀状じまい」という新しい文化(?)も生まれています。以前は「年賀状」とネットで検索すれば来年の干支にちなんだ文例集やイラスト関連のサイトばかりでしたが、今は「年賀状じまい文例集」なども目につきます。

 平安貴族が遠方への「年始の挨拶回り」に代わって手紙を届けたという起源を持ち、江戸時代には飛脚の台頭から庶民にも広まった歴史を持つ「年賀状文化」なだけに「年賀状じまい」は少し寂しい気がしますが、これが時代の流れ、社会の変化ということなのでしょうか。

校長室のひとりごと「金」

 漢字一文字で世相を表す「今年の漢字」が昨日漢字能力検定協会により発表されました。京都清水寺の舞台で大筆で豪快に書き発表される、あれです。もうご存知の方も多いと思いますが、今年の漢字は「金」に決定しました。「金」はこれで5回目、過去には2021年、2016年、2012年、2000年も「金」が今年の漢字に選ばれました。と、ここで「金」の5回の共通点がお分かりですか。そうです、いずれも五輪イヤーで日本選手が活躍した年なんです。

 この「今年の漢字」の始まりは1995年、その年の1月には阪神淡路大震災が発生したこともあり、漢字は「震」でした。「今年の漢字」をもとにその年を振り返ってみます。

  1998年 毒入りカレー事件     「毒」

  2001年 アメリカ同時多発テロ事件 「戦」

  2002年 北朝鮮拉致被害者帰国   「帰」

  2010年 記録的猛暑        「暑」

  2015年 消費税引き上げ      「税」

  2019年 新元号 令和       「令」

  2020年 新型コロナ蔓延      「密」  という年がありました。

 あと二週間で2025年の幕開けですね。来年はどんな一年になり、どんな漢字が「今年の漢字」に選ばれるのでしょうか。

校長室のひとりごと「鈴木貫太郎翁」

 皆さんは「鈴木貫太郎」という名前をご存知でしょうか。

 ここ野田市(関宿)の偉人として名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。「鈴木貫太郎(敬称は省略します)」は戦時下の1945年に総理大臣になり、終戦直後までの約4ヶ月間総理大臣を務め「戦争を終わらせた総理大臣」として知られています。この程度の知識しか私はありませんでしたが、やはり野田市に住み野田市で働く者として、今一度「鈴木貫太郎」のことを正しく知ろうと思い、鈴木貫太郎のお孫さんの著書を読むことにしました。「正しく知ろう」と書きましたが、この鈴木貫太郎がポツダム宣言の受諾を断ったから広島、長崎に原爆を落とされたのではないか、など史実に誤って伝わる部分もあるため「本当のところはどうなのか」という興味が湧いたためです。今回「祖父、鈴木貫太郎」というお孫さんの著書を読んでいます。家族として、そばで見てきたこと、家族しか知らないことなどが書かれた本のページが進むにつれて、改めて鈴木貫太郎の偉大さが伝わってきました。戦乱の中勃発した「ニ・ニ六事件」では実際に事件の標的の一人となり4発の銃弾を浴び、奇跡的に命を取り留めたこと、もともと海軍の軍人で多くの実績を上げてきたこと、そして何より「戦争継続だ」と軍部も国民までも欺き、昭和天皇との関係やお考えを悟り終戦への道を模索していたことなど、読めば読むほど、現代日本があるのも鈴木貫太郎のおかげであり、彼が長年望んでいたことなのだと感じました。

 鈴木貫太郎記念館は現在修復中ですが、完成の折にはぜひ足を運びたいと思います。

校長室のひとりごと「過去から未来を探る」

 羊の「ドリー」を覚えていますか?当時の最先端技術を結集させ1996年に誕生した羊のクローン「ドリー」です。このクローン羊の誕生は大きな話題となりました。それ以来遺伝子学は飛躍的に進み、今では実際にペットの犬のクローンを誕生させるなどの事例が報道されています。

 ところで「絶滅した動物を現代に甦らせる」と言えば、映画の世界でCGを駆使しまるで本当に恐竜が蘇ったかのように描かれたりしています。「絶滅した動物を現代に甦らせる」、実際にそんな研究が進んでいることはあまり知られていませんが、地球温暖化により溶け始めた永久凍土の中からは様々な物が冷凍保存状態で発見されています。マンモスも良い保存状態で発見されていますが、そのマンモスの遺体のDNAを採取し「マンモス復活プロジェクト」なるものが進められているそうです。研究の進行度合いや、マンモスがいつ蘇るのかなどはまだ先の話ですが、近い将来動物園でマンモスが見られる日が来るかもしれません。

 この「マンモス復活プロジェクト」は、単に甦らせることだけが目的ではなく、現在絶滅の危機にある他の動物の絶滅防止、氷河期に生息した生きたマンモスを調べることで、気候変動に関する研究を進めるといった、その先を見据えているそうです。絶滅したマンモスが地球を救う救世主になる日は遠くないかもしれませんね。

 

校長室のひとりごと「探究の種を探す」

 昨日に続き探究学習について、具体的にはどういう学習なのか幾つか例を挙げてみます。ある女子高生たちは先輩たちから引き継いだものも加えた40万枚以上の撮影した雲の写真をもとに探究学習を進めました。雲の形や種類、組み合わせによって天気が予想できる、という結果を受け全国総合文化祭の自然科学部門で文部科学大臣賞に輝きました。誰しもが一度は空を見上げたことがある「雲」、この女子高生たちも同様です。ただ色々な雲の形や種類に興味を持ち「何でだろう」という「探究の種」を見つけたことが探究の実をつけたのです。

 他にも、「地域の特産物を全国に広めるにはどうすれば良いか」「空き家問題」「地球温暖化」「シャッター商店街からの脱出」「スズメの急激な減少理由」「お祭りの衰退化」「AIの効果的な活用」などなど大人でも感心してしまうほどの身近な「探究の種」を見つけ探究の木を育てた例がたくさんあります。また実際に空き家問題について、自治体や不動産屋さんと連携し「高校生カフェ」をオープンしたという「探究の実」をつけた例もあります。

 本校でも「野田市の活性化」「今後の豆バス」「防災と高齢化」など素晴らしい探究学習が続いています。

こういった身近な課題を解決する力が、これからの社会に求められる「生きる力」だということでしょう。

 

校長室のひとりごと「探究学習」

 中学校では、国語や数学などの各教科の学習以外に「総合的な学習の時間」という授業があります。この「総合的な学習の時間」中学1年生は年間50時間、2、3年生は年間70時間(週2時間)割り当てられています。これまでどこの学校でも手探りで進めてきたというのが実際のところですが、昨今の技術革新や少子化、雇用体系の変化、価値観の多様化などの背景から、改めて「総合的な学習の時間」が注目を集めています。「総合的な学習の時間」は言い換えると「探究学習」であり、予測不能なこの時代、自分と社会をつなぐ上で重要な資質や能力を培うものです。高等学校では今この探究学習に一層力を入れています。大学の入試方法も変化し、この「探究」の成果を評価する「総合型選抜」を実施する大学も増えてきていることからも伺えます。

 探究とは、興味や関心を突き詰めていくことですが、仮にこの興味関心を「探究の種」とします。この種に水をやり、時には肥料をあげることで芽が出て「探究の木」が育ちます。この水や肥料に当たるのが「書籍やインターネット、これまで学んできたこと」などです。そして探究を進めることで「探究の木」は大きく逞しく育ち結果として「探究の実」をつけるわけです。この一連の学習が探究学習ですが、仮に木が思うように育たず実をつけなくてもそれはそれで良いのです。大切なのは「探究の種」を探し、その種をまき「探究の木」を育てようとすることです。

 言葉では簡単ですが、いざとなると「どの種にしようか?」でつまづいてしまうところが、この探究学習の難しいところです。

 

校長室のひとりごと「お茶会を・・・」

 かれこれ数十年続けている毎朝のルーティンがあります。それは毎朝起きて一番にコーヒーをたて、朝のニュースを見ながらゆっくりとそのコーヒーを2杯飲むことです。別にコーヒー通ではありませんが、仮に朝早くから用事がある日でも、このコーヒーを飲む至福の時間を逆算し早起きするようにしています。そんなコーヒーについて気になる記事を見つけました。

 このところの空気の乾燥で星が綺麗に見えますね。ちょうど今は三日月の隣に金星がよく見えます。

 ところでコーヒーやお茶は成分には発がんを抑制したり、血中コレステロールを低下させ、虫歯を防ぐなど多くの作用がこれまで知られてきました。抗酸化・抗炎症作用があり、動脈硬化などの予防に良いとされている「ポリフェノール」、一般に赤ワインやチョコレートが有名ですが、日本人のポリフェノール摂取源で一番多いのがコーヒー、次いでお茶だそうです。1日に3から4杯ほどコーヒーを飲む人は、1杯未満の人に比べ循環器疾患、糖尿病、死亡リスクが低いことが分かっているそうです。

 また、高齢者2万4千人を対象にお茶の摂取量と対人交流の多さ、残っている歯の本数を調査したところ、お茶を4杯以上飲む人は飲まない人に比べ平均1、6本歯が多く残っており、1ヶ月に10人以上の知人に会う人は、誰にも会わない人に比べ2、6本多く残っているという結果が発表されています。

 私の場合は、毎朝一人でコーヒーを味わっているのですが、これらの記事によるといわゆる「お茶会」と呼ばれるような何人かで集まり、コーヒーやお茶を会話と共に楽しむことが健康につながるということでしょう。

校長室のひとりごと「学校もデジタル化」

 近年、学校もデジタル化が進んでいます。子ども達は「GIGAスクール構想」による一人一台端末を活用した授業に日々取り組んでいます。また授業以外の場面でも業務のスリム化を目指し先生方の仕事もデジタル化が進んでいます。学校から家庭への配布物や欠席連絡なども、デジタル配信サービスを利用し直接配信するなど以前と変化しています。

 こういったデジタル化により、保護者から「困る」という声を聞くことがあります。以前は当たり前だった「連絡網」の存在です。個人情報保護の観点で「連絡網」を作っていない学校がほとんどです。学校から急な連絡があれば、連絡網の先頭の家庭に連絡し、家庭から家庭へと電話連絡していましたが、今は学校から、学年、学級などの特定のグループへの一斉にデジタル配信を直接家庭にしているため家庭と家庭のつながりの希薄化は否めません。何より我が子の学級に誰がいるのかさえ親はわからない状況です。最近は子どもが直接スマホで連絡を取り合うため親は「誰とどこへ」行ったのかわかりません。仮に「◯◯くんの家」と言って出ていったとしても、仲の良い「ママ友」ならともかく、基本的に親同士は連絡先を互いに知りません。昔は「息子がお世話になっているみたいで…」「いいえこちらこそいつも仲良くしていただいて、もう直ぐ帰しますのでご心配なさらずに」なんて連絡網で探し固定電話に架電することで家庭同志、親同士の関係を築いてたものです。現在連絡先はほとんど携帯電話、子供同士の連絡もスマホや携帯電話。結果として親同士の関係に変化が生じているのかもしれません。

 

校長室のひとりごと「お酢を飲む?」

 突然ですが、皆さんは「柔軟性」がある方ですか?柔軟性と言ってもなぞなぞに強いなど脳や考え方の柔軟性ではなく、いわゆる体前屈など身体的な柔軟性です。幼い頃からありとあらゆるスポーツに挑戦してきた私にとって「柔軟性」は大きな課題でした。スポーツ選手にしては体が硬かったので「お酢を飲めば柔軟性が増す」なんて都市伝説に頼り実際に何度か試してみたりもしました。もちろん変化は認められず、挙げ句の果てには「体は硬い方が跳ね返りが強く瞬発力系のスポーツには向いている」などの、これまた都市伝説に食いつき安心したりと… 一流になれなかったのはそんな精神的甘さだったかもしれませんね。

  前置きが長くなりましたが「体が柔軟な人より硬い人の方が死亡リスクが高い」と、あるブラジルの調査の結果をスポーツ医学専門誌を通して発表しました。調査は46歳から65歳までの男女を対象に、肩や膝など関節の可動域を点数化したもので、13年余りの追跡調査も行ったそうです。その結果ですが、男女ともに体が硬い人グループは体の柔軟な人グループよりも死亡リスクが高く、女性では⒋78倍、男性で⒈87倍のリスクだそうです。

 この調査では、調査対象者が途中から運動を始め柔軟性を高めたり、そもそも個人差もあるため、まだまだ調査は道半ばだと言われています。

 ケガの予防ということであれば、体が硬い人より柔軟な人の方がリスクは少ないのは確かです。今後も「お酢を飲む」のではなく日々のストレッチなど柔軟性を高めていこうと思いました。

校長室のひとりごと「闇バイト」

 首都圏で相次いでいる闇バイトによる強盗事件が後を絶ちません。治安が良いと言われてきた日本の世の中はどうなってしまったのでしょうか。こう連日のように近隣での強盗事件の報道があれば他人事でいられず、恐怖すら感じずにはいられません。「強盗殺人、強盗傷害致死」事件のように金銭が絡み人の命を殺めてしまった場合「死刑もしくわ無期懲役」、殺人や致死でなくても「強盗傷害」であれば最低でも「懲役6年以上」という量刑です。それを知っての犯行なのでしょうか。

 実際に闇バイトによる住居侵入未遂事件で逮捕起訴されたある女性被告がインタビューに応じた記事を読みました。「彼氏とお揃いの物を買ったり旅行に行ったりするお金が欲しかった」と動機を語り、SNSで闇バイトに応募し事件当日まで内容は知らされず、当日になって初対面の共犯者と落ち合い主犯格からSNSで指示を受けたそうです。この女性被告は「被害者に癒えることのない傷を負わせてしまい悔やんでも悔やみきれない」と、また「SNSに頼らないで。メッセージが来てもボタンを絶対に押さないで。ボタンひとつで人生が変わる」「過去に戻れるなら誰かに相談すれば良かった」と警鐘を鳴らすと共に後悔の念を語っています。

 今回インタビューを受けたことについて「自分が話すことで闇バイトに手を染める人が減って欲しかった」と語っています。

そもそも怪しいSNSに誰も反応せず応募する人がいなくなれば闇バイト自体がなくなるはず、子供まで一人一台スマホを持つ時代だからこその犯罪なのかもしれませんね。

校長室のひとりごと「師走」

 いよいよ12月、2024令和6年も残すところあと1ヶ月。野田市の学校は二学期制のため、学期末ではありませんが、それでも「師走」我々教師も忙しくなってきます。

 ところで、日本は四季があり、その季節でしか味わえない食材を生かした「旬」の料理という伝統が残っています。例えば新年の「おせち料理」「お雑煮」もその良い例です。長い歴史で育まれてきた和食の文化は、その地域に密着した料理で特に「お雑煮」は地域によって様々です。例えば、皆さんのご家庭ではお雑煮に入れるお餅、丸ですか四角ですか?味付けは味噌ですか?醤油ですか?それとも魚などの出汁ですか?

 少し調べてみると関東以北のお雑煮は「角餅で醤油味」が多いようですが、北海道は「角餅で味噌味」が多いようです。一方西日本は「丸餅で薄味のだし汁」が多いようです。珍しい(?)地域の例として九州や四国の一部では、お餅の中にあんこが入っているお餅を使っているそうです。それ以外にも、鶏肉やかまぼこなど、その土地土地で海の幸の具を入れたり、山の幸の具を入れたりと長い日本列島だけに、実に様々です。

 日本のお正月とは、親戚一同本家や実家に集まり、新年の挨拶を交わし、子どもたちには「お年玉」を渡し、大人達は「お屠蘇(とそ)」で無病息災を願い、子ども達は「コマ回し」「羽つき」などで遊ぶ。そして「初詣」に出かけ帰ってくると「おせち料理」や「お雑煮」を食べる…

忘れ去れる前に今こそ子ども世代、孫世代にも引き継ぎたい日本の伝統文化だと思いませんか?

校長室のひとりごと「高齢者ふれあい体験授業」

 昨日、川間地区「いきいきクラブ」の皆さんをお招きし「高齢者ふれあい体験」授業を行いました。この場でも何度となくご紹介してきましたが、今年度本校は地域に目を向けた教育活動を展開しています。3年生の家庭科の授業を一本の柱として「地域との関わり方」「中学生にできること」など生徒達に考えさせることで、近い将来地域の一員として主体的に地域と関わり、地域を支える、そんな人材に育てることが目的です。去る11月9日「川間地区ふれあいの広場」という地域行事があり、今年は生徒たちも運営側の立場で関わりました。それまで学んできたことを実践に移す場です。そして、その「ふれあいの広場」での中学生としての関わり方について、地域を長年牽引してくださっている高齢者「いきいきクラブ」の皆さんと成果や課題、様々な意見交換をする場面、それが「高齢者ふれあい体験」授業でした。4、5人のグループごとに終始笑顔で活発に意見交換する様子が伺え、授業は大いに成果があるものでした。

 ところで、「いきいきクラブ」とは以前の老人(会)クラブですが、皆さん元気で活力もあり私も見習いたいものです。今後も「いきいきクラブ」の皆さんや、地域の高齢者の皆さんのお力を借りながら、ふるさと川間を背負う中学生を育てていこうと思います。

校長室のひとりごと「日本の英語力」

 このほどスイスのある企業が「英語力」に関する調査を実施しその結果を発表しました。調査は、英語圏以外の国や地域による「英語能力指数」を調査したもので、日本はこの急速に国際化が進む中、2011年の調査開始以来順位が後退し続け、英語力の低下に歯止めがかからない状態です。調査は116の国と地域で行われ、1位はオランダ、6年連続で首位を守っているそうです。2位はノルウェー、3位はシンガポールで日本は昨年より5つ順位を落とし92位という結果でした。同じアジアの国や地域で言えば、先ほどのシンガポールが3位、韓国が50位、ベトナムが63位、インドネシアが80位、中国が91位とアジアでも16番目という結果です。

 この結果をある専門家は、コロナの影響もあり留学や国際交流の機会が減ったことが影響している、としています。確かに私もそう思いますが、コロナの影響だけではないように思います。日本では古くから中学校、高校で英語の授業を行なってきました。しかし国際化が進む社会の中で日本人の英語力が問題視され始め、小学校で英語活動を取り入れたり、中学校の英語の授業も授業中は「オールイングリッシュ」、可能な限り英語のみで授業を進めるといった取り組みを進めていますが思うように結果には表れていないようです。

 AIの進歩などにより自動翻訳が簡単にできるようになりましたが、グローバルの世の中外国人と触れ合う機会も増えることでしょう。冗談など同じタイミングで笑いたいなと個人的には思っています。

校長室のひとりごと「悩みは修学旅行の行き先」

 先日、今の1年生対象の令和8年度の修学旅行の日取りが決まりました。「ずいぶん早くに」と思われるでしょうが、中学校の修学旅行は主に新幹線を利用するため学校独自で日取りを決めるのではなく関東修学旅行委員会が各校の希望をもとに割り振ります。それによりJRも修学旅行専用列車のダイヤを組み込んでいくという、大変複雑になっています。そしてこの日取りをもとに各旅行業者はホテルの確保や見積もりなどを作成し学校に提示し、旅行業者を入札するという大まかな流れです。

 近年、修学旅行について悩みを抱えています。皆さんは中学校の修学旅行はどこに行きましたか?野田市でなくても関東の中学校の多くは「京都・奈良」に行っていたと思います。これは日本の原点とも言える伝統や文化に触れるためでしょう。しかし近年、その京都はインバウンド需要の影響もあり、宿泊、貸切バスなどが高騰しています。円安もありホテル側も外国人観光客用にシフトし改装するなど、昔ながらの修学旅行生が宿泊できるホテルが減少したことも一つの要因です。ここ数年京都市内はどこへ行っても外国人観光客が多く、市バスなど公共交通機関も長蛇の列、貸切タクシーを利用すれば、旅行費用は一気に膨れ上がってしまいます。

 私が抱えている悩みとは「それでも京都に行くのか」「そろそろ別の場所を検討した方が良いのか」です。このまま旅行費用が高騰を続けるようなら、悩んでばかりではなく判断に迫られる時が近々来るでしょう。

 例えば、広島であったり、東北の盛岡や奥入瀬、北陸の金沢、信州長野の民泊など…

 いずれにしても、生徒達にどんな経験をさせ、何を学ばせたいのかを明確に考えた上での決断になることでしょう。

校長室のひとりごと「映えスポット」

 コンビニ越しに富士山が見える、いわゆる「映えスポット」での撮影マナーの悪さが話題になりました。また人気アニメの舞台鎌倉の海を背景に江ノ電が通る踏切もまた「映えスポット」、道路に侵入し車の通行を妨げながらの撮影が話題になりました。共通点はどちらも、主に外国からの旅行者だという点です。しかし一概に外国からの旅行者や外国人が悪いかと言えばそうではありません。旅行者や外国人の大多数は日本の文化を理解し尊重しながら観光を楽しんでくれています。マナーの悪い一部の外国人旅行者が印象を悪くしてしまっているのでしょう。

 最近は神宮外苑の黄色く色付いたイチョウ並木も同様の映えスポット、マナーの悪い撮影の様子が報じられました。これは外国人だけではなく日本人の姿も少なくありません。季節は冬。様々なところでイルミネーションによる飾り付けが始まりました。先日ニュースを見ていると「欅坂のイルミネーション」が始まり、正面の東京タワーを背景に撮影しようと車道の真ん中でお構いなしにポーズをとる日本の若者の映像が報じられていました。富士山も江ノ電も、イチョウ並木もイルミネーションも人気の「映えスポット」ですが警備員や交通整理員を配置するなどの対策が取られています。

 先日見た航空ショーの報道では、ショーの性質上、小さな部品などでも大事故につながるため、折りたたみイスやレジャーシートは使用禁止、関係者がその旨を伝え控えるよう注意すれども一向に聞いてくれません。それどころか関係者にくってかかる始末です。日本人です。

 職業柄よく生徒たちに「マナーを守って」と言いますが、そういった映像を子供達も見ているかもしれません。まずは私たち大人がマナーを大切にしていかなければならないと痛感しました。

校長室のひとりごと「同窓会」

 この週末、私が担任をした学年の同窓会がありました。その学年は1年生の時に学級担任を務め、2、3年生の時には担任を外れて学年主任を務めた学年です。この学年を卒業させた翌年からは教務主任、教頭と学級や学年に属さない立場になったため、この学年は、最後の学級担任、学年でもあり、私自身思い入れの強い学年です。

 卒業から13年、お互い風貌も変わったこともあり、はじめはどこかぎこちない空気感でしたが、不思議なもので数分で当時の関係を取り戻し、まるで時間が逆戻りしたかのような錯覚に陥ってしまいます。唯一違和感があるとすれば、当時は制服や校内服で給食の牛乳を飲んでいたのが、着飾った私服で酒を交わしているという点でしょうか。

 実家の農業を継いでいる子(28歳ですが)や、医療関係の仕事に就いている子、パティシエしながらシンガーソングライターを目指している子、地元の野田に住んでいる子、埼玉や東京に住んでいる子、既に結婚し3人の子の親になっている子など様々です。中には今カナダに住んでいる子やドイツに住んでいる子、そしてそれを互いにテレビ電話同志で宴席で繋がるという今時の楽しい時間を過ごすことができました。

 中学生だった教え子たちが、皆自分の人生を確実に歩んでおり、こうして集まり当時の思い出で盛り上がる、そして何よりその席に呼んでくれるのは教師冥利に尽きるというものです。幸せな時間と美味しいお酒を堪能した同窓会でした。改めて「教師で良かった!」と実感しました。

校長室のひとりごと「上級学校訪問」

激動(?)の一週間もやっと金曜日になりました。

 今日は2年生が、お隣「西武台千葉(中学校)高等学校」を訪問します。20日に小学6年生が少しでも中学入学に不安を軽減できるようにと出前授業の話しをしましたが、その中学生版とでも言いましょうか、キャリア教育、進路選択の一助となるような「上級学校とは」というお話しを、実際に高校の先生にしていただくための訪問です。西武台千葉(中学校)高等学校は私学ですので、本校との関係性を心配される方もおいででしょうが、そこは心配いりません。お話いただく内容も西武台高校についてはなく「高校というのは…」「高校卒業後は…」など、公私問わず身近にある上級学校というスタンスでの一般的なお話が中心です。

 中学2年生のこの時期、高校受験はまだまだ他人事、ややもすると「偏差値の高い高校が良い学校」と考えている生徒が少なくありません。この西武台千葉(中学校)高等学校の訪問で、なんのために進学するのか、どのように進路(受験校)選択すれば良いのか、漠然としていた自分の将来について見つめるきっかけと例年なっています。

 3年生は、今進路(受験校)選択の佳境を迎えていますが、同じようにこの訪問で得た経験を生かして希望を叶えるため受験に向かおうとしています。

 

校長室のひとりごと「成長期の後半に」

 今日は、3年生対象に「思春期講演会」が行われます。毎年この時期に3年生対象に実施しているこの「思春期講演会」とは、思春期の後期から青年期に向かう3年生を対象に自分と向き合い生きてゆく力を身につけること、また「生」と「性」について考え、より良い行動を選択するための正しい知識を身につけさせることを目的としています。

 昨日は尾崎小学校で授業(講話)をしてきましたが、児童たちは皆私の話に耳を傾け、話し合い活動では自分の意見をきちんと話すなど立派なものでした。安心していつでも中学生になる準備ができていると実感しました。その一方で日頃中学生相手のためか、小学6年生が小さく(身体面だけではなく)感じられました。やはり成長期真っ只中、3年間でこうも大人になるのかと今朝改めて生徒たちを見て感じたところです。

 さて、今日は千葉県助産師会の助産師を務めていらっしゃる先生をお招きし「いのちの話」と題して「生命誕生の大切さ」「正しい性の情報」「二次性徴、性感染症、男女の性の違い」「LGBTQ」についてご講演いただきます。よく言われているように北欧の学校に比べると、「性教育」について日本の学校では消極的で、お互いに学校では家庭が、家庭では学校がやるだろうと、他人任せの時代が長く続いてきました。

 今回、「生と性の専門家」でもある助産師から直接お話を聞く貴重な機会です。

日本のこれまでを考えれば、なかなかすぐに全家庭でできることではないと思いますが、ぜひ、この機会に家庭で「生、性」について話題にしてほしいと思います。