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校長室のひとりごと「微細運動能力」

 「微細運動能力」という言葉をご存じですか?今、日本はもちろん、各国の教育関係者の間で、児童生徒達の、「微細運動能力」の低下が問題視されています。この「微細運動」とは、例えば靴紐を結ぶとか、物を積み上げる、ペンで字や絵、図などを描く、はさみを上手に使うなど、簡単に言えば「手先の器用さ」に関わることで、その能力を「微細運動能力」と言っています。2024年に行われたアメリカの調査によると、教師の77%が低学年では5年前の低学年に比べ、鉛筆やペン、はさみを上手に使えなくなっていると回答しており、また69%の教師は、靴紐を上手に結べない子どもが増えていると回答したそうです。確かに中学校でも、はさみやカッター、レタリングなどの機会はめっきり少なくなっています。以前はこの時期には教室内の掲示物を自分たちで見栄え良く作るために、丁寧にレタリングした文字をはさみやカッターで切り、それを台紙に貼って・・・などを時間を設け行っていましたが、今は、先生方がPCを使い、それなりに見栄えのする物を準備したりできるだけ手間がかからない工夫をしています。

 ある専門家は、スマートフォンやタブレットなどの普及でデジタルな学習が増えている一方で、学習で画面を見ている時間が増えた分だけ、手を動かす「かく」「切る」「ぬる」「めくる」などの時間が減ってしまったことが影響しているのではないかと話しています。