ほごログ(文化財課ブログ)

カテゴリ:郷土資料館

桐の貯金箱をつくりました!

11月12日(日)、春日部の特産品「 #桐箱 」を製造されている #春日部桐箱工業協同組合 の皆さまを講師にお迎えして、郷土資料館の体験講座「桐のオリジナル貯金箱づくり」を開催しました。

写真:講座のようす

この講座は、桐産業を紹介した企画展示「桐のまち春日部」展(令和3年開催)の関連企画以来の人気講座の一つです。毎年開催し、今回は3回目となります。作ってもらうのは、春日部の伝統的な手工芸品「桐箱」の技術を踏まえた桐の貯金箱です。見本はこんな感じです。

写真:貯金箱の見本

一見、簡素なつくりですが、材料には桐箱にも使われる細かい細工がされており、箱に入れたお金を取り出せるよう、可動式のフタがついていたりもします。

参加者の皆さんは、桐板に丁寧にボンドをつけながら、箱を組み立てていきました。

写真:のりづけ

ボンドを乾かしている間は、輪ゴムで箱を固定して、圧着します。この方法は、実際の桐箱づくりでも採られている方法です。

くみ上げた箱の背板には好きな図柄を書いて、それを組合の職人さんに切り抜いてもらいます。

写真:電のこ

電のこの作業。切り抜いてもらう子どもたちは、じーっと職人さんの手元を見ていました。まさに羨望の眼差し。

思い描いた形どおりに切り抜いてもらえて大満足!

写真:やすりがけ

最後に仕上げ。やすり掛けです。やすりを丁寧にかければかけるほど、職人さんたちがつくった桐箱のようにすべすべでいい仕上がりになります。上の子も一生懸命にやすり掛けをしていました。

写真:完成

そして、完成!(やったー!!!)

今年も人気だったイラストは、ポケモンでした。

みなさん、満足に帰っていかれました。

大人の参加者の方は、自分で作るのもいいけど、出来上がりがいい見本品を売ってほしい、ともおっしゃっていました。

貯金箱を作ったり、見本や製品に接して、春日部の伝統産業に触れる機会になったのではないかと思います。

参加者の皆さま、春日部桐箱工業協同組合の皆さま、どうもありがとうございました。

市民の方たちと読む古文書

11月4日、市民の方たちと郷土資料館所蔵の古文書を読む、古文書勉強会を開催しました。ほごログでの紹介はご無沙汰していますが、古文書勉強会は、月に一度の頻度で、市民の皆さんが主体になって決まったテキストを講読するものです。引き続き「宝暦度より酒造用留」を読み進めています。

写真:講読の様子

上は講読の様子。史料の読み合わせをしているところです。皆さん、机にしがみつくように、テキスト(古文書)を見ています。お互いの顔を見るよりも、古文書を見ているのが、至福の時間な、皆さんです。

だんだんと読むスピードがあがってきており、かなり進捗しましたが、史料の後半は癖のある筆で書かれており、いくつか疑問や疑義の残るものが出てきました。いくつか紹介しまししょう。

写真1:儀

「藤次右衛門儀」と書かれていますが、この「儀」という字が読みづらいと意見がありました。

この筆の人物は、「儀」をこんな風にも書くようです。

写真2:儀

「御非文之儀」。いずれも人偏の「儀」ですが、皆さんに配布している紙焼きのテキストでは不鮮明でもあり、なかなか読むのが厳しいところもあるようですが、くずし字の字典などでみれば筆順なども間違いないかと思います。

「儀」ではないか、との意見もあった字がこちらです。

写真3:趣

「いたし候趣」と読みますが、最後の文字の「趣」が「儀」に似ているとの指摘でした。

しかし、よく見ると、篇にあたる部分に横の筆があり、「土」のようなくずしになっていること、旁の部分が「義」だとすると、画数が少ないことから、「儀」ではなく「趣」という結論に至りました。

このように、話し合いながら、読み進めているのですが、どうにも読めなかった箇所が次の部分です。

 写真:古文書

「一、借家物置家 壱ケ所

   但★から★壱組

    右ニ付候道具一式相添

    代金         」

と書かれていますが、但し書きの部分は何が一組なのか。

皆さんと一緒に悩み、★の部分が結局埋められませんでした。

今、再考してみて「此から臼」ではどうかなとの結論に至りましたが、いかがでしょうか。

次回、改めて皆さんで検討したいと思います。

郷土資料館体験講座「かわいいミニぞうりを作ってみませんか」を開催しました

令和5年11月5日(日)に体験講座「かわいいミニぞうりを作ってみませんか」を開催しました。

 

江戸打ちひもを使用した約10cmほどの小さなぞうりを作る本講座。編み方を覚えれば、藁や布でも作れるようになりますよ♪

 講座風景

講座ではミニぞうり作成前に、郷土春日部により親しんでいただくため、春日部の伝説に纏わる紙芝居を1つ読みました。

そして、いざミニぞうり作り!

 作業は真剣そのもの

編みはじめと、最後の編み終わりをしまい込む部分が大変で、みなさん悪戦苦闘!

しかしながら、編み上げていくうちにいい形に♪2つ目ともなると、さらにクオリティアップしていきました!

 完成!

こちらは小学生の児童が作り上げたものです!可愛くできてます♪

編むのが難しい部分もありますが、その分出来上がったものには愛着がわくのではないでしょうか!

 

今日は個人でご参加の方から、ご家族、小学生のお友達同士での参加の方まで、幅広い方が来てくださいました。

郷土資料館では他にも各種イベント、講座を開催しておりますので、ぜひまたご参加ください!

考古学講座第2回を開催しました

 10月29日(日)に考古学講座第2回を開催しました。

 考古学講座2

本日は、1.発掘調査の方法、2.層位学、3.春日部市の縄文時代の遺跡についてお話をしました。前回の反省を生かし、あせらず、できるかぎりゆっくりと進めたつもりでしたが、まだ早かったでしょうか?

発掘調査の方法については、現在日本で行われている発掘調査の多くが、工事などに先立つ調査であることや発掘調査で表土はぎを行うと関東ローム層に遺構の形が現れることを説明しました。

発掘調査の基礎となっている層位学では、地層は積み重なっていき、下のものより上のものが新しいという大原則があることを説明しました。

春日部の縄文時代では、春日部市域にも縄文海進の影響があること、春日部市内では台地上に縄文時代の遺跡が多く発見されていることを説明しました。

縄文時代の醍醐味である貝塚や縄文土器の話は、次回に少し時間を作りお話します。

 

さて、考古学講座では、毎回、博物館や資料館の考古学に関する特別展や企画展を紹介しています。現在、近隣の宮代町と久喜市の資料館で、特別展として考古学関連の展示を行っているのでご紹介します。また12月9日(日)には、さいたま市岩槻区の真福寺貝塚で、発掘調査現地見学会が開催されます。ぜひお出かけください。

宮代町郷土資料館 令和5年度特別展「古代のみやしろ-古墳時代の宮代町-」

 会期:令和5年10月28日(土曜日)~12月24日(日曜日)

久喜市郷土資料館 第13回特別展「大集合!久喜市の遺跡」

 会期:令和5年10月14日(土曜日)~12月27日(水曜日)

真福寺貝塚発掘調査現地見学会

12月9日(日)午前10時~11時30分、午後1時30分~3時

会場 史跡真福寺貝塚発掘調査現場(さいたま市岩槻区城南3丁目949番地付近)

武里西小学校第3学年が郷土資料館を見学しました

令和5年10月31日(火)に武里西小学校第3学年が郷土資料館を見学しました。

 

今日は楽しい社会科見学のようです♪

最初に羽子板屋さんを見学してから、徒歩で資料館に来てくれました。

 

企画展示室での学習風景

企画展示室では、まだ電気が普及しきっていなかった時代の家庭の道具や、農具、勉強道具について職員から解説を受けました。

また、千歯扱き(せんばこき)を使った、脱穀体験もしてもらいました。

千歯扱き体験

脱穀の時、手にプツプツとした感触が伝わり、「楽しかった」「気持ちよかった」という感想が聞かれました。

 

常設展示室での学習風景

常設展示室では竪穴式住居の中をのぞき、職員の質問に答えながら、縄文時代の生活を学びました。

 

自由見学①

自由見学②

自由見学の時間にはおもちゃコーナーがやはり人気です!

また、今年資料館で寄贈を受けた3人用そろばんなども、その珍しさから人だかりができていました!

自由見学③

そんな中、昔の学校給食で使われていた資料や、、、

自由見学④

桐たんすに興味を持つこだわり派も!

 

入館前からワクワクが隠し切れない様子だった武里西小の児童たち♪もっと時間がほしそうだった子もチラホラ。

郷土資料館は土日も開館しているので、ぜひまた遊びに来てください!

 

「くらしのうつりかわり-なつかしのくらしの道具展-」は、令和6年2月25日(日)まで開催しています。

お子様からご年配の方まで楽しんでいただける展示になっていますので、皆さまぜひご来館ください!