ほごログ(文化財課ブログ)

カテゴリ:郷土資料館

埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代の販売を開始しました

埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代表紙

埼玉県東部の市町で組織される東部地区文化財担当者会より、『埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代』が刊行されました。東部地区の奈良時代、平安時代を考古学調査の成果から紹介します。郷土資料館、図書館等でご覧いただけるほか、販売もしております。

東部地区文化財担当者会:春日部市・越谷市・久喜市・八潮市・三郷市・蓮田市・幸手市・吉川市・白岡市・宮代町・杉戸町・松伏町・行田市・加須市・羽生市の文化財担当者で構成

 

(書名)『埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代』東部地区文化財担当者会報告書第9集

(価格) 1冊2,000円

(購入方法) 直接、次の頒布場所で購入できます。

春日部市役所本庁舎4階文化財課
春日部市郷土資料館

宮代町郷土資料館(宮代町西原289)

 

(目次)

<プロローグ>

<1 東部地区の奈良時代・平安時代の遺跡の概要>

はじめに

対象とする時代

対象とする地域と地形

東部地区に関係する代表的な河川

河川が作った地形

行田市の概要

羽生市の概要

加須市の概要

久喜市の概要

幸手市の概要

杉戸町の概要

宮代町の概要

白岡市の概要

蓮田市の概要

春日部市の概要

越谷市の概要

松伏町の概要

吉川市の概要

八潮市の概要

三郷市の概要

<2 住まいと建物>

竪穴建物

役所と掘立柱建物

<3 道具>

古代の土器

須恵器の流通

墨書土器

土師器焼成坑

鉄の道具と鉄作り

織物生産と紡錘車

<4 いのり>

仏教関連遺物

火葬墓

コラム

吉川市深井新田の自然堤防

万葉遺跡

屋敷裏遺跡の鉄製口琴

小敷田遺跡の木簡

条里

<エピローグ>

調査の経緯

スポットガイド

用語集

遺跡一覧

文献集

 

 

とあるおもちゃの開発記録

郷土資料館では例年7,8、10、11、12、1月に“手作りおもちゃクラブ”という、こども向けのワークショップを開催しています。
当日は蓄音機で音楽の上演、春日部に伝わる伝説の紙芝居の読み聞かせ、おもちゃ作りの3本立てです。

 

作るおもちゃは、昔から親しまれているものや、電気を使わずに遊べるものに限定しており、だいだい6~7種類ほど。作るおもちゃは毎回1~2種類なので、年間を通して参加すると、全種類のおもちゃを作ったことになります。
なかなか同じおもちゃを2度作りに来てくれる子は少ないので、担当としてはおもちゃの種類を増やそうと、日々新作の開発に余念がありません。とはいっても年に1種類増やせるかどうかですが。。。

 

資料館のおもちゃコーナー

現在は郷土資料館のおもちゃコーナーにも設置してある、人気の「アレ」をミニサイズにして簡易的に作れないか模索中です。

おもちゃ開発中

作成可能であれば講座で作りたいのですが、材料を揃え、どの程度まで準備しておくかなどの検討も必要なため、お披露目の予定はまだたっていません。現在も開発を進めていますので楽しみに待っていてください♪

 

“手作りおもちゃクラブ”の開催日は広報かすかべや郷土資料館のブログでお知らせしますので、ぜひチェックしてくださいね!

昭和は遠くなりにけり

6月30日、企画展「まちをみつめて50年」の展示解説講座「広報かすかべにみる市政のあゆみ」を開催しました。タイトルは受講者の方の感想です #かすかべプラスワン

写真:講座のようす

講座では、昭和29年(1954)7月に成立した旧春日部市の市政の歩みを、広報かすかべの縮刷版や、郷土資料館に収蔵されている広報誌の古写真をスライドなどでみながら、振り返りました。

昭和30年代の広報誌には、赤痢や伝染病の注意を促す記事や、自動電話の開設、ネズミくじなどの記事があり、受講者の皆さんと当時の春日部市の状況を想像していただきました。

なかでも、担当者が気に入っている記事は、「なくそう春日部時間」というもの。

昭和34年6月の広報第29号の記事です。以下、引用してみましょう。

六月十日は「時の記念日」です。むかしの時刻は寺院などの時の鐘を鳴らして知らせていました。本市では二十年前の町役場当時からサイレンを正午にならして正しいときを知らせてきましたが集会の時間はなかなか守られず、市教育委員会の会議が比較的よいといわれるだけで、市議会でさえ五月までの成績によると本会議が三、四十分おくれ、委員会など一時間おくれが多いといわれます。公の会議がこのようですから一般の集会などは一時間おくれがあたりまえのように考えている方が多く、いつになっても「春日部時間」の追放ができないのはこまったことです。ラジオの時報に合わせて休みなくたあわただしいサイレンに恥を与えないようお互いのため「時間の励行」を新生活運動の一環として実行しようではありませんか。みなさまの代表新市議会議員によってこんどこそこの悪い習慣を打破していただくよう期待しています。この時間励行は全市民のことしの実践課題としてとりあげられぜひご協力をお願いいいたします。

当時の春日部では、時間を守る人が少なかった。そうした悪習を「春日部時間」と俗称していたようです。市議会をはじめとする公の会議ですらも、一時間遅れが当たり前。現代の私たちにはとても想像に及びませんが、まだ、ゆったりとし、牧歌的であった春日部の様子がうかがえ、むしろ微笑ましくも思えます。当時の春日部市は「田園都市」の建設を目指していました。「田園都市」とは、中心となる市街地が発展しつつも、その周りには農村部が残り、市街地と農村部とが有機的に絡み合うような都市、を意味しているようです。

しかし、昭和40年代ともなると、武里団地の入居開始、地下鉄日比谷線の延伸、埼玉国体会場となる大沼グラウンドの建設、そして、春日部駅の西側の開発などを経て、春日部市が目指す都市像が、「衛星都市」「近代都市」にすり替わっていくことになります。そうした「衛星都市」「近代都市」への「躍進」を象徴するものとして、昭和46年(1971)1月に前の市庁舎(二代目市役所)が完成することになるのです。二代目市役所の建設は、春日部市政にとって画期的な出来事だったのです。

昨年、二代目市役所が役割を終え、旧春日部市の市制施行から70年目の節目の年である今年に、新市庁舎(三代目市役所)が業務を開始しました。牧歌的、かつ近代都市として発展してきた「昭和」という時代が、遠くなり、時代が転換していくのが、まさに今なのかもしれません。

 

6月の近隣博物館・資料館の考古学情報

6月の近隣博物館・資料館の考古学情報をお届けします。(毎月28日ごろに掲載します。)

見学の際は、休館日等、よくご確認の上お出かけください。

(展示会_閉会日順)

・6月30日(日)まで 栃木県埋蔵文化財センター 「古代の瓦が伝えること」

・6月30日(日)まで 佐野市郷土博物館 「佐野の遺跡」

・7月7日(日)まで 宮代町郷土資料館 「土器でみる一万年 宮代と縄文」

・7月11日(木)まで 武蔵野ふるさと歴史館(武蔵野市) 「旧石器時代の井の頭池周辺―武蔵野市発掘調査成果報告―」

・7月15日(月・祝)まで 幸手市郷土資料館「幸手と杉戸の古墳時代~下総台地の集落と墓~」

・7月15日(月・祝)まで 千葉県立中央博物館「発掘された日本列島2024」

・9月1日(日)まで 粕川歴史民俗資料館(前橋市)「発掘された銅銭ー前橋市内の一括出土銭ー」

・7月13日(土)~9月1日(日)埼玉県立さきたま史跡の博物館「埼玉の考古おひろめ展―地中からのメッセージ」

 

(講演会・講座)

・7月28日(日)遺跡報告会 埼玉県立さきたま史跡の博物館 さきたま史跡の博物館 講堂(申込不要・先着順)

・8月24日(土)さきたま講座 埼玉県立さきたま史跡の博物館 黒坂禎二氏 「加須市長竹縄文盛土集落の復元」(要申込、7/6から7/29まで往復はがき、電子申請で申込)

 

(現地見学会)

・7月13日(土)港区高輪二丁目発掘調査現場 東京都埋蔵文化財センター

 

*春日部市郷土資料館では7月7日まで「まちをみつめて50年~旧市庁舎と市政のあゆみ」を開催中です 

7月20日からは「都鳥が見た古代ー埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代」を開催します

第70回企画展示「都鳥が見た古代」開催のお知らせ

7月20日から夏季展示「都鳥が見た古代ー埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代」を開催します。

この展示では、埼玉県東部地区15市町からなる東部地区文化財担当者会と共催し、春日部市を中心に埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代の遺跡から、当時の人々の暮らしを探ります。

 

春日部市郷土資料館 第70回企画展示

東部地区文化財担当者会40周年記念リレー展示「都鳥が見た古代ー埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代」

会期:令和6年7月20日(土)から9月1日(日)

開館時間:午前9時から午後4時45分

休館日:毎週月曜日・祝日

会場:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15・048-763-2455)

共催:東部地区文化財担当者会

ポスター 

「都鳥が見た古代」チラシ(PDF:1.5MB)

 

(関連イベント)

●東部地区文化財担当者会40周年記念リレー講演会「考古学から埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代を考える」

埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代の遺跡や資料について、東部地区文化財担当者会考古部会のメンバーが報告します。

講師:鬼塚知典(春日部市)、守谷健吾(杉戸町)、篠田泰輔(行田市)、杉山和徳(白岡市)、関絵美(八潮市)、油布憲昭(幸手市)

日時:9月1日(日)13:30から17:00

場所:教育センター視聴覚ホール

定員:100人(申込順)

費用:無料

申し込み:7月10日(水)から電話(048-763-2455)、直接、電子申請

 

●展示解説講座「春日部の奈良時代・平安時代」

春日部市の奈良時代・平安時代の遺跡を中心に、郷土資料館学芸員が解説します。

講師:郷土資料館学芸員

日時:7月28日(日)10:00から12:00

場所:教育センター視聴覚研修室

定員:50人(申込順)

費用:無料

申し込み:7月10日(水)から電話(048-763-2455)、直接、電子申請

文字が刻まれている紡錘車

 

●ミュージアムトーク

企画展示会場で郷土資料館学芸員が展示解説を行います。

日時:7月20日(土)、8月15日(木)、8月25日(日)各日10:30~、15:00~(30分程度)

場所:郷土資料館企画展示室

費用:無料

申し込み:不要