ほごログ(文化財課ブログ)

カテゴリ:郷土資料館

「都鳥が見た古代」展示解説講座を開催しました

7月28日日曜日、夏季展示解説講座を開催しました。

当日は、ホールで開催する予定だったのですが、空調に不備があり、急遽、研修室での開催となりました。ご参加いただいた方にはご迷惑をおかけしました。

展示解説講座

講座では、展示内容に沿って、なるべく春日部で発見された奈良時代・平安時代の遺物を多くとり上げて解説しました。

春日部の奈良時代・平安時代の遺跡は、台地上では、宝珠花地区の貝の内遺跡や陣屋遺跡、低地では、春日部駅から八木崎駅の東武アーバンパークライン(野田線)北側の自然堤防上に広がる浜川戸遺跡や八木崎遺跡などが代表的です。

春日部市域は大部分が中川低地という低地ですが、低地の中には、自然堤防と呼ばれる川によって作られた微高地があります。川は、洪水のように多くの水が流れた時に、同時に流されてきた土砂を川の両岸に積み上げ、あたかも堤防のように川に沿って微高地が形成されます。この自然堤防を地図上に落としていくと、現在の河川が、現在とは違う流れになっていることや、現在全く川が流れていない地区にも、かつては川が流れていたことを推測することができます。自然堤防の分布は、国土地理院の「地理院地図」→「治水地形分類図」などでお確かめください。(地理院地図

川は、奈良時代・平安時代、船を使って、荷物を運んだり、人が行き来するための重要な交通手段であったと考えられます。浜川戸遺跡や八木崎遺跡は、こういった舟運の拠点であった可能性もあります。

ちなみに、今回の夏季展示では、平成9年、埼玉県立春日部高校の新校舎建設の際に行われた発掘調査で発見された八木崎遺跡の遺物を多く展示しています。

郷土資料館の夏季展示は以下の通りです。またこの後も、イベントも予定しておりますので、どうぞご参加ください。

 

春日部市郷土資料館 第70回企画展示

東部地区文化財担当者会40周年記念リレー展示「都鳥が見た古代ー埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代」

会期:令和6年7月20日(土)から9月1日(日)

開館時間:午前9時から午後4時45分

休館日:毎週月曜日・祝日

会場:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15・048-763-2455)

共催:東部地区文化財担当者会

 

(関連イベント)

●東部地区文化財担当者会40周年記念リレー講演会「考古学から埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代を考える」

埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代の遺跡や資料について、東部地区文化財担当者会考古部会のメンバーが報告します。

講師:鬼塚知典(春日部市)、守屋健吾(杉戸町)、篠田泰輔(行田市)、杉山和徳(白岡市)、関絵美(八潮市)、油布憲昭(幸手市)

日時:9月1日(日)13:30から17:00

場所:教育センター視聴覚ホール

定員:100人(申込順)

費用:無料

申し込み:7月10日(水)から電話(048-763-2455)、直接、電子申請

 

●ミュージアムトーク

企画展示会場で郷土資料館学芸員が展示解説を行います。

日時:7月20日(土)、8月15日(木)、8月25日(日)各日10:30~、15:00~(30分程度)

場所:郷土資料館企画展示室

費用:無料

申し込み:不要