ほごログ
博物館実習3日目
本日はまず、わらじ作りの体験に向けての準備の一環として、藁(わら)すぐりを行ないました。
藁すぐりをすることで、わらじ作りに適切な藁を集めることができます。
この藁は地元の農家さんに頂いたもので、小学生が千歯こきで稲の実の部分(籾)をとる体験の時に使用したものを再利用しています。
私たちで藁の束を約15束作りました。これは明後日のわらじ作り体験にも使われます。
午後は、先日調査した稲荷社から収集した資料の整理と、調査カードに資料の大きさや年代などの調査した項目を記入しました。
ここで、資料の梱包の仕方や資料の扱い方など、初歩的なことも皆で再確認をしました。
調査カードに書くときに、資料の名前などがすぐにわからなかったり、書いてある文字が読めなかったりなど、大変なこともありましたが、協力して記入を終わらせることができました。また、資料のスケッチも一人ひとりで作風が違い、見比べてみるのも面白かったです。
初めて知ったものの名前や資料の知識などは、忘れずに次に活かせるようにしていきたいです。
資料を調査するにつれて、地元の人々に愛されていた神社であることを実感できました。また、藁すぐりは初めての体験だったのでとてもいい経験になりました。
わらじ作りも頑張りたいと思います。
ありがとうございました。
(平成30年度博物館実習生)
展示の準備、佳境です。
今日は、展示の見どころでもある、平成28年度に発掘された3体の縄文人の頭蓋骨(ずがいこつ)を陳列しました。
見つめあっているのではありません。微妙なバランスで組み合わせ(嚙合わせ)るので、展示担当の学芸員は苦戦していました。
展示初日まであと3日です。お楽しみに。
館外見学実習
本日は館外見学実習を行いました。午前中には久喜市立郷土資料館を見学し、昼食後に久喜市立郷土資料館から数百メートルに位置している鷲宮神社、その後、宮代町郷土資料館を見学し、最後に神明貝塚を見学しました。
久喜市立郷土資料館は図書館との複合館として運営されており、近くの鷲宮神社を意識した展示があり久喜市内の歴史がわかりやすく解説されていました。要所ごとに映像解説が設置されていたり、子どもたち用のワークシートが置いてあるなど、見学に来た子どもたち向けに工夫された展示がなされていると感じました。
宮代町郷土資料館は単独館として運営されており、宮代町の歴史を通史的に解説、展示されていました。敷地内には郷土資料館のほかに移築された旧加藤家、旧斎藤家などの古民家が併設されており郷土の歴史を体感できる館という印象を受けました。子どもたちに向けた体験教室も開かれているようで地域のコミュニティの中心になっていると感じました。
お忙しい中解説してくださった久喜市、宮代町の学芸員の皆様、本日はありがとうございました。本日、学んだこと、感じたことを館務実習で活かしていきたいと思います。
(平成30年度博物館実習生)
市内のある稲荷社の調査
本日は市内の、ある稲荷社の調査をしました。
この稲荷社は、今まで町内会が管理していましたが、
町内会の解散に伴い解体することとなり、調査することになりました。
私たちが行ったことは、主に調査カードに、
神社にある石鳥居や社殿、立札などの年代や製作者を記入し、
その上でスケッチし、測定しました。
旧町内会の方からもお話を聞き、帰座祭について教えていただきました。
また、石鳥居は明神鳥居型で、立札には「神霊誌」として、
子供の夜泣封や、家内安全、商売繁盛などご利益ある神社でありました。
石神には笠間稲荷大明神、弁財天、井戸水神と書かれていました。
地域で祀られた稲荷社は、町の人々に密着した神社であることがわかりました。
郷土資料館に戻ってからは、お預かりした資料を整理しました。
暑い中の調査でありましたが、とても身になる時間でした。
ありがとうございました。
博物館実習が始まりました
今年度の博物館実習生は6名です。
初日の平成30年7月26日(木)は、埼玉りそな銀行春日部支店において、りそなキッズマネーアカデミーの補助をしてもらいました。これは春日部市と埼玉りそな銀行との連携事業でもあります。
今回、郷土資料館で担当した時限では、「むかしの粕壁はどんなまちだった?」をテーマに、昭和初期の粕壁町商売繁栄双六をつかって、春日部の歴史や身近にある老舗の商家などについて、子どもたちに学んでもらいました。
実習生は、会場の設営(資料の展示)や子どもたちが行う作業を実際に体験してもらって、講座の進行や指導の方法など、事前に話し合ってもらいました。
本番は、思いのほか、大盛り上がり。参加した子どもたち、実習生ともども、郷土春日部の歴史を身近に感じてもらえたようです。
博物館実習は、31日から本格的にスタート。実習生の皆さんが、「ほごログ」上で実習をレポートしてくれることになっています。こうご期待。
村の行政と文書『新編図録春日部の歴史』からのご紹介ーその54
江戸時代の村では、村方文書(むらかたもんじょ)と呼ばれる村の公文書が作成され、様々な行政的な手続きが、文書の発行によって行われていました。市内でもこうした文書が多く残されており、当時の生活を垣間見ることができます。
村方文書の中でも重要なものは、年貢に関わる検地帳、年貢割付状(ねんぐわりつけじょう)、年貢皆済目録(ねんぐかいさいもくろく)です。
検地帳には田、畑、屋敷地ごとに測量された縦横の面積、地目の種別、面積、所有者などが、また、年貢割付状には、毎年作成され、年貢を納める年、村名、村の石高と、免除・控除される石高、納める年貢の石高などが書き記されています。
年貢を納めると、その領収書として年貢皆済目録が作成されます。本来、領収書なので、納められた領主から村に発行されるものですが、今回紹介する神間村の目録は、村から領主にあてて作成され、裏面に領主の受取りが記入されています。
「村の行政と文書」『新編図録 春日部の歴史』90ページ
延宝4年(1676)水角村年貢割付状(長本家文書)
天保3年(1832)神間村年貢皆済目録(神間村文書)
*上記文書について、『新編 図録 春日部の歴史』では「元禄3年(1690)」とされていますが、「天保3年(1832)」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。
土器作り教室が開催されました。
この日も朝から気温が高かったため、土器作りの会場を公用車駐車場から教育センター内に変更して行いました。
開講式にて土器作りの工程をDVDで学習しました!!
早速、土器作りにスタート!!
どんな土器にしようかな?
形が出来たら、紐や貝殻、竹の棒などで模様付け!!
家族一緒に、おもいおもいの形と模様ができました
このほか、土鈴や土偶も作りました。
次回(8/19)の野焼きで作った土器と会える日が楽しみですね。
今年の土器づくり教室は多数の方から応募をいただき、ありがとうございました。また残念ながら抽選でもれてしまった方、ぜひ、来年も応募をお待ちしております。
7月22日(日)西金野井の獅子舞、倉常の神楽囃子が公開されます
みなさまお誘いあわせの上、ぜひお出かけください。
午前10時~午後5時30分 埼玉県指定無形民俗文化財「西金野井の獅子舞」の公開 西金野井香取神社(春日部市西金野井1053)
午後6時~9時 春日部市指定無形民俗文化財「倉常の神楽囃子」の公開 倉常神社(春日部市倉常118)
手作り季節展示を展示してます
白い雲! 青い空!!
楽しい夏休みがやってきました♪
夏休みをテーマとした手作り季節展示を展示中です。
暑い夏を、よく冷えた郷土資料館で涼みませんか?
なお、郷土資料館は、7月・8月の毎週月曜と、祝日の8月11日(土)が休館となりますので、
ご注意ください。
平成30年度「粕壁宿めぐり」の参加者募集
この講座では、粕壁宿周辺を徒歩で巡りながら、地域の歴史や景観、名産品を案内します。秋のひと時、川が育んだ街の魅力を散策しながら改めて探してみませんか?
7月14日、15日、16日の指定文化財公開
年1度の公開となる文化財もございますので、皆様お誘いあわせの上、ぜひ郷土春日部の伝統の舞をご覧ください。
7月14日(土)
20:00~21:30 埼玉県指定無形民俗文化財「やったり踊り」の公開 大畑香取神社(春日部市大畑230)
7月14日(土)~15日(日)
春日部市指定無形民俗文化財「不動院野の神楽」の公開 春日部夏祭り会場
7月15日(日)
13:00~15:00 春日部市指定無形民俗文化財「赤沼の獅子舞」の公開 赤沼神社(春日部市赤沼770)
14:00~16:00 春日部市指定無形民俗文化財「銚子口の獅子舞」の公開 銚子口香取神社(春日部市銚子口551)
7月16日(月・祝)
10:00~15:00 春日部市指定無形民俗文化財「榎の囃子神楽」の公開 榎集会所(春日部市榎522)
「西金野井の獅子舞」子供たちの練習
練習3日目の7月11日、江戸川からの心地よい風が吹く夕暮れにお邪魔しました。午後7時からは南桜井小学校で活動されている「伝統芸能クラブ」の児童に加え、同校卒業生の中学生や高校生、今年、小学校に入学した1年生の総勢20名が大粒の汗を流しながら練習に励みました。
▲クラブ活動ではまだ取り組んでいない演目の「辻切り」の舞も染谷会長の指導により、早くも3日目で三匹獅子の形が完成しつつあります。
▲昨年度までクラブ活動に参加していた卒業生の中学生1年生と新1年生による「芝舞」。1年生の鈴木くんは先輩の所作と保存会員のお父さんの指導を受けながら汗いっぱいに女獅子を舞っていました。近いうちにお父さんとの共演が楽しみです。
女子児童は篠笛を卒業生の中学生や高校生の先輩に導かれ、少しずつ境内に響く音色を発することができるようになりました。
連日、保存会の皆さまの指導と校長先生の暖かい見守りで、当日の披露が楽しみです。
当日午前10時から午後5時まで神社周辺で公開されますので、ぜひとも郷土春日部の伝統芸能を堪能ください!
風早遺跡の局部磨製石斧『新編図録春日部の歴史』からのご紹介53
風早遺跡では、「局部磨製石斧(きょくぶませいせきふ)」と呼ばれる、今から約3万年前に使われた市内最古級の石器が発見され、春日部市指定文化財になっています。
この局部磨製石斧は、おおよその形は打ち欠いて作られますが、刃となる部分は、両面から磨いて仕上げられています。長さ7.9㎝、幅4.6㎝、重量49.1gを測り、埼玉県内でも発見例の少ない石斧の一つとなっています。
風早遺跡からは、同じ旧石器時代でも縄文時代に移り変わる約1万5千年前頃に作られた「細石器」も発見されており、旧石器時代の人々が度々、暮らしの場として用いていたことがうかがい知ることができます。
いずれも郷土資料館の常設展示で公開されています。
春日部市の指定文化財「風早遺跡出土旧石器時代局部磨製石斧」
細石器『新編図録春日部の歴史』からのご紹介30
「旧石器人の道具」『新編 図録 春日部の歴史』8ページ
富多小学校で「神楽」の授業が行われました
7月4日(水)には市指定無形民俗文化財「榎の囃子神楽」を伝え守っている『榎囃子神楽連』の指導の下、今年度初めて半被や装束を身に着け、3年生と4年生8名がお囃子と大黒舞に取り組みました。
△保存会の小島さんの笛にあわせて大太鼓と締め太鼓によるお囃子も
順調に仕上がっています
△本番と同じ装束を身にまとい、「大黒舞」の通し練習。
難しい口上もしっかりと覚えました。
7月16日には榎地区、7月22日には倉常地区での夏祭りでそれぞれ地域に伝わる神楽が公開され、児童による舞も加わります。また、10月11日に開催される「人権のつどい」では、富多小学校の児童の皆さんによる神楽やお囃子がオープニングを飾る予定です。
それまで数演目の練習に取り組み、郷土春日部の伝統の舞がしっかりと伝授されることを期待しています!!
郷土資料館体験ワークショップを開催しました
春日部の伝説をもとにした紙芝居や、蓄音機によるレコード鑑賞を楽しんだあと、昔のおもちゃ「ぶんぶん駒」を作りました。
自分で選んだ色鉛筆で台紙に色を塗り、ハサミ・のりを使って一生懸命作り、最後は出来上がった駒で”ぶーん・ぶーん”と音を鳴らしながら遊んでいました。
ワークショップは、小学生までを対象とした、昔の遊びを気軽に体験できるイベントです。事前申込み不要、当日の飛び込みも大歓迎です♪
次回ワークショップは、平成30年8月18日(土)に「からくり屏風」を作ります。ご参加をお待ちしています。
粕壁郵便局『新編図録春日部の歴史』からのご紹介52
市域には「東京ー青森間郵便線路」と「松戸ー小山間郵便線路」が通り、粕壁郵便取扱所、西宝珠花郵便取扱所が設置されました。初期の郵便物の運搬は徒歩で行われ、幹線道の一部では馬車輸送が主に担っていました。
明治8年(1875)には、「郵便局」の名称が用いられ、同年には郵便貯金の制度も始まりました。また明治26年(1893)には、粕壁郵便局で電信(電報)の取り扱いが始まりました。
明治32年(1899)年に東武鉄道が北千住ー久喜間に開通すると、これまでの馬車輸送から鉄道輸送へと移行しました。
粕壁局消印のある郵便物『新編図録春日部の歴史』からのご紹介ーその5
「郵便制度の始まり」『新編 図録 春日部の歴史』167ページ
粕壁郵便局 昭和16年(1941)ごろ
『粕壁町誌』粕壁商工会より
春日部農産物直売所「はくれん」の伝統の七夕飾りづくり
マコモ馬は、古くから市域の農家で作られてきた、七夕飾りの一種です。
水辺に生えるマコモ(真菰)を刈ってきて、1週間ほど干してから製作します。
一束のマコモを折り曲げたり、組み合い合わせたりしながら、雄・雌の2頭馬をつくります。雄・雌は、鬣(たてがみ)のつくりが異なります(下の写真は雄)。
はじめに、頭と前足になる部分をつくり、頭に鬣(たてがみ)となるマコモを巻き付け、次に胴体と尾をつくります。胴体から後ろ足になるマコモを出して、最後に「ケショウ」(不要な部分をはさみで整えます)。昔は子どもが作るものだったそうです。
製作をはじめること、40分~50分で完成しました。
2頭の馬を、棒の上に向かい合わせにしてまたがせ、マコモでなった縄で雄・雌を結び付け、飾りつけも完成。
同じく七夕飾りの笹竹の横に飾られました(ガラス窓の前に飾られています)。
昔の農家では、マコモ馬の前に「シマダイ」と呼ばれるお供え物を置く台を置き、そのうえに小麦饅頭やスイカをお供えしたそうです。
ちょうど「はくれん」で小麦饅頭が販売されていました。
皆さんとても手際よくマコモ馬を作られていて、あっという間の50分でした。個人的にはマコモ馬を間近にみたこともなく、マコモ馬づくりをみせていただいたのも初めてのことで、大変貴重なの経験となりました。また、市域の農家の昔の生活や民俗信仰など、さまざまな貴重なお話しもうかがえましたので、郷土資料館で記録させていただき、今後の活動に活用させていただきたいと思います。
実演していただいた皆様、どうもありがとうございました。
7月1日(日)9時30分~14時、「はくれん夏祭り」では、今回作ったマコモ馬もご覧いただけますし、おまけに市内の農産物が10%OFFだそうです。
皆さんも、伝統の七夕飾りをご覧いただき、新鮮な農産物もご賞味いただければと思います。
写真展「昭和の春日部」が開催されています
この写真展は、生涯学習市民塾「豊かなシニアを過ごすために」の回想法入門講座の併設展示として開催されるもので、郷土資料館でも、回想法のボランティアとしてご協力いただいているふれあい幸齢倶楽部が主催されるものです。
写真展には、郷土資料館所蔵の市内の古写真が展示されていますので、郷土資料館にお立ち寄りの際にはあわせてご覧いただければとおもいます。また、写真展にお立ち寄りの際は郷土資料館もあわせてご覧ください。
郷土資料館では、古写真のパネルや画像を貸し出していますので、ご興味のある方は気軽にご相談ください。
【資料の出張】幸松地区公民館「むかしの遊び教室」へ
貸し出したものは、大人の方が少し懐かしいと感じる、おもちゃや身の回りにある道具などです。
参加した幸松地区の子どもたちは、普段は遊ぶことのないカルタやすごろくで遊んだり、今では見かけなくなったダイヤル式の電話や炭火アイロンなどを触ったりして、楽しんでいました。なかでも人気だったのは、かすかべ郷土カルタを活用して製作した「幸松郷土カルタ双六」でした。
楽しんだのは、子どもたちだけではありません。ボランティアとして道具の使い方の指導にあたられた大人のみなさんも、子どもたちと一緒になって遊んでいらっしゃいました。写真は、参加者の親子とボランティアさんで盛り上がった、郷土カルタのようすです。
郷土資料館では、学校や高齢者施設向けに昔の道具やおもちゃの貸し出しもしています。学校向けの教材用貸出についてはこちら。ご興味のある方はご相談ください。
不動院頼長書状写『新編図録春日部の歴史』からのご紹介51
今回ご紹介するのは「不動院頼長書状写(ふどういんらいちょうしょじょううつし)」です。
頼長(らいちょう)は、不動院2代目の住職で幸手城主の一色氏から妻を迎えました。
この史料は、頼長が現在の鴻巣市にあった足立郡大行院にあてた書状で、大行院配下の山伏は、年始の行を講じたり、山に修行に入る際は大行院のしきたりに従わせるよう命じたものです。
大行院は、現在のさいたま市浦和区にあった玉林院と、上足立郡、下足立郡の境界をめぐって争いが絶えなかったようです。不動院の本山である京都聖護院門跡(しょうごいんもんせき)の奉行人と連名で、境界争いについては、岩付(いわつき)城主の指示に従うよう命じた文書も伝えられています。
小渕山下北遺跡の漆椀『新編図録 春日部の歴史』からのご紹介11
『武州文書』国立公文書館内閣文庫蔵
「639 不動院頼長書状写」1989『春日部市史 第二巻 古代中世資料編』649ページ
「不動院と修験」『新編 図録 春日部の歴史』66ページ