ほごログ
南桜井小学校の皆さんが団体見学に来ました
2月20日、南桜井小学校の特別支援学級の皆さんが、郷土資料館に見学に来てくれました。
竪穴住居や粕壁宿の模型をみたり、千歯こき体験をしたり、春日部駅の鉄道高架の展示をみたり。
来館しなければ味わえない体験・経験をたくさんしてもらえたようです。
特に大人気だったのが、昔のおもちゃコーナー。
自由時間をかなりとりましたが、皆さん、この場から離れません。とくに人気だったのが、ダイヤル式電話、ビー玉ころがし、パタパタ(板がえし)、紙鉄砲でした。
最後には「帰りたくない」と涙をこらえて訴えてくれる子もいました。
ここのところ、郷土資料館では、でばりぃ資料館(出張授業)ばかりで、久しぶりの団体見学でした。
でばりぃ資料館はお陰様で大好評で、「楽しかった」と満足気に語る児童たちはいても、「帰らないでほしい」とは言われたことはまだありません。でばりぃ資料館は「所詮、郷土資料館の切り売り」にすぎませんが、団体見学のは郷土資料館を体全体で感じることができます。ヴァーチャルや切り売りではなく、実物のいろいろなものに、自らの興味・関心で触れにいき、楽しめることが、来館することの醍醐味なんだ、と改めて気づかされました。「帰りたくない」という感想はあり得ても、「帰らないでほしい」はきっとない感想なのかもしれません。
「帰りたくなかった」あなたは、ぜひ、おうちの方とまた遊びにきてくださいね。
【出張授業】中野小学校inでばりぃ資料館
2月14日、中野小学校にて、でばりぃ資料館を開催しました。
今回も3年生の社会科の市やくらしのうつりかわりの学習の出張依頼です。
わけあって、報告が遅くなってしまましたので、後日いただいた児童の皆さんの感想ととともに当日の様子を紹介しましょう。
中野小学校の皆さんは、すでに昔の道具やくらしのうつりかわりについて、学習がはじまってたようで、「道具の名前や使い方知っていますか?」と質問すると、「火のし」「昔のアイロン」というように、答えてくれた子がたくさんいました。しかし、どうやって火のしを使うのか、どのようにして先端の金属の部分を温めるのかは、まだ知らない子が多かったよう。実物の火のしと木炭(炭)をみせながら説明したところ、皆さん得心してくれました。だけど、それでも時間が足らなかったかな、と思う感想を書いてくれた子もいました。
熱くなるのは、先端の金属(真鍮?)の部分で、取っ手は木製です。触って確かめてもらえたでしょうか。
こどもたちに大人気のダイヤル式電話。他の小学校では「電話にでんわ」と紹介され、教育センターの一部の方に好評だったので、同じように電話を紹介しましたが。。。全体的にはしーん。ただ、一人の子には大うけしました。今後も果敢に挑戦していきます。
もう一つの話題。
「中野小学校がなんでできたのか知っていますか?」というような、町の様子のうつりかわりのお話。こちらについても、すでに学習していたようで、「川辺小学校がいっぱいになっちゃったから、中野小学校ができた」と明答してくれた子もいました。
けれども、「中野小学校ができる前には、ここは何だったのか」と聞くと、「田んぼかな?」「畑かな?」「海かな?」「川かな?」と意見が分かれました。そこで、60年前の春日部の航空写真を見てみよう、と案内したところ、自由時間には、、、
われ先にと争うようにのぞき込んでくれました。
感想でも、
自分たちの小学校だけでなく、よく使う近所のショッピングモールがなかったことに驚きをおぼえてくれた子もいたようです。
今回は、学習の「導入」ではなく、「展開」として位置づけられていたようでした。「導入」でも「展開」でも、はたまた「まとめ」でも、いかなるご要望にもお応えしますので、今後も幅広いオファーをお待ちしております。
中野小学校の皆さん、どうもありがとうございました。次は、郷土資料館に来てくださいね。
歴史文化講演会 天正18年の岩付、糟壁とその周辺 を開催しました
令和7年2月15日(土)午後、教育センター視聴覚ホールにおいて歴史文化講演会を開催いたしました。
元さいたま市の専門職員で中世史研究者の青木文彦先生をお迎えして、「天正18年の岩付、糟壁とその周辺」をテーマにお話しいただきました。
天正18年(1590)は、関東地方の歴史にとって大きな画期となった年です。関東地方の戦国大名の雄であった小田原北条氏(後北条氏)が天下人豊臣秀吉の小田原攻めによって滅ぼされ、関東は江戸を本拠に置く徳川氏の領国となりました。これは、今日まで続く、東京(江戸)を中心とした関東地方・日本の発展の歴史へと連なる、大変大きな出来事といえます。
講演では、天正18年3月から9月まで、豊臣秀吉が京都から関東へ着陣し会津仕置(しおき)を経て京都へ戻る期間の秀吉の動静と、岩付城の落城や春日部とその周辺の住民の動向を詳しくお話ししていただきました。
受講された70名近くの皆さまには熱心にご清聴いただき、最後には複数のご質問もあり、たいへん盛況となりました。青木先生、受講された皆さま、ありがとうございました。
今後も、春日部や埼玉東部、関東地方の歴史文化と関わる講演会を企画し、現代との関わり、つながりを紹介して参ります。
【出張授業】でばりぃ資料館in南桜井小学校
令和7年2月18日(火曜日)、南桜井小学校に出向き、第3学年の児童に向けて「でばりぃ資料館」を開催しました。
南桜井小学校では、3時間目と4時間目の2時間を使い、昔の農業、昔の生活道具、60年前の春日部、昔の学校、昔の遊びと、一クラスずつ時間をかけて、5つのテーマについて学びました。
図書室では、昔の学校、60年前の町、昔の遊びについて学びました。
60年前の町では、航空写真をみて、南桜井小学校の近くにある国道4号バイパスや国道16号、イオンモール春日部などが60年前にはまだ無かったことや葛飾中学校が現在の桜川小学校の場所にあったことなどを学びました。また、60年前は市内のほとんどが田んぼだったことを見てもらいました。
南桜井小学校は、明治6年(1873)に開校し、150周年を迎えています。昔の学校では、南桜井小学校の100年前の生徒の集合写真をみて、着物姿の子どもたちとひげを生やした先生に気づいてもらいました。150周年記念式典の時にも同じ写真が飾られていたことを教えてくれた子もいました。
児童会室では昔の生活道具、昔の農業について学びました。
昔の生活道具は一通り説明を聞いた後、手回し洗濯機や火のし、黒電話などに触れ、感触を確かめました。
昔の農業では、代表の子に千歯こきの体験をしてもらいました。
南桜井小学校の周りも、最近、特に国道沿いにいろいろな建物が次々と建ち、とても速いスピードで町の景観が変わっています。3年生の皆さんには、そういった学校の近くの町のうつりかわりに、少しでも気がついてもらえたらうれしいです。
令和6年度の文化財防火デー防災訓練を実施しました
2月16日(日)、富多地区に所在する市指定有形文化財「立野天満宮本殿」を対象に、立野集会所並びに立野天満宮にて令和6年度文化財防火デー防災訓練を実施しました。
今年度は立野区の自主防災訓練の一環として、地区と共同で開催し、50名を超える多くの皆様にご参加いただきました。
この文化財防火デーは、昭和24年1月26日に奈良の法隆寺金堂が火災に遭い、現存では世界最古の木造建造物と共に貴重な壁画が焼失したという痛ましい事故を契機に定められました。毎年1月26日前後に、全国各地で歴史的建造物や文化財を保存管理する社寺などで防災訓練が行われています。
この日の第1部は文化財防火デー防災訓練です。今回は、集会所に設置されたゴミステーションが放火され、出火という想定のもとで訓練を実施しました。実際の119番通報から模擬文化財の搬出、水消火器による初期消火で鎮火というシナリオです。皆さん息のあった連携で模擬文化財搬出と初期消火をスムーズに行っていただきました。
続いて第2部の訓練は自主防災訓練のメニューである、水消火器訓練と起震車「ゆらりん」による地震体験を行いました。消火器の持ち運び方や「掃く」ように放水するなど、消防本部予防課の職員による実践的なレクチャーを受け、実施しました。また起震車「ゆらりん」では震度6強の地震を体験しました。春日部市域で予想されている最大震度は震度6強と考えられていますが、机や柱にしがみついているのがやっと、という感想を聞くことができました。
訓練に参加された方からは、「こんな身近に文化財があるとは思わなかった」や「地域の文化財を知ることができてよかった」といった感想をいただきました。我々、そして地域の方々にとっても有意義な訓練となりました。
最後になりますが、立野区の皆様並びに消防本部、危機管理防災課の皆様、ご参加いただきありがとうございました。これからも地域の皆様との連携・協働をとおして貴重な文化遺産を未来に確実に保存し伝えられるよう、ご協力をお願いいたします。