ほごログ
神間村文書を読む勉強会
酒井根村の焚き出しでは、夜飯に「にぎり飯壱人前三勺宛被下、其外茶酒抔迄も送り来」との記事があり、握り飯が3勺(1合の3分の1)では少ないのではないかとの意見があり、「勺」の字をめぐって様々な意見が飛び交いました。同様に「茶」という字も「薬」と読めるのではないか、「寝」の異体字の書き損じではないか、という意見もあり、あるいは「来」も「直」ではないかとの意見もあり、この一文の翻字と解釈をめぐって、皆さんで検討を深めました。
白熱(?)していたこともあり、今回はみなさんの写真を撮り忘れてしまいました・・・
「小金原御鹿狩ニ付手控帳」は、未だ読み終わりませんが、古文書勉強会のこれまでの成果はこちらからさかのぼって御覧になれます。
次回は、1月19日(日)14時~となります。
【常設展示】甕棺(福岡県春日市出土)のキャプションを更新しました
郷土資料館では甕棺(かめかん)と呼ばれる、人の遺体を入れるために作られた土器を展示しています。このたび、何かとご質問が多かったキャプションを更新しました。
この甕棺は、春日部市ではなく、福岡県春日(かすが)市の一の谷遺跡で発見されたものです。平成5年6月より、名前に「春日」が付く、春日居町(山梨県・現笛吹市)、春日井市(愛知県)、春日村(岐阜県・現揖斐川町)、春日町(兵庫県・現丹波市)、春日市(福岡県)と春日部市の6つの市町村で「春日サミット」を開催していました。それがきっかけで平成9年に福岡県春日市からお借りし、展示しているものです。
弥生時代中期後半、今から1900年くらい前のもので、高さは上のものが約60㎝、下のものが約89㎝、最大幅は70㎝です。
甕棺を使ったお墓を甕棺墓(かめかんぼ)といいます。甕棺墓は、弥生時代前期から中期の北九州地方に特有のお墓の形で、甕に人の遺体を入れ、ふたをかぶせたり、もう一つの甕を上にのせたりします。甕棺からは人の遺体や、副葬品の青銅製の武器類や鏡が発見されます。
春日市には、この甕棺が発見された一の谷遺跡のほかにも多くの弥生時代の遺跡があります。
国指定史跡の須玖岡本遺跡(すぐおかもといせき)では、明治32年(1899)に、約30面の中国鏡、銅剣や銅矛(どうほこ)、ガラス製の勾玉など多くの品が副葬された甕棺墓が発見されました。この墓は、弥生時代当時、春日市近辺にあった奴国(なこく)の王の墓と推定されています。有名な「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)」の金印を残した王族です。
須玖岡本遺跡の近くには、春日市奴国の丘歴史資料館があり、ドーム内で甕棺墓を発掘調査当時の状態で展示しています。
お近くにご旅行の際は、ぜひご見学ください。
【常設展・展示替】年末年始に向け一部展示替しました
ひとつは、令和の即位の礼を回顧する(?)もの。幕末維新期に明治天皇が元服・即位した時、春日部市内で起きた出来事を物語る資料です。明治時代と令和の即位に共通点があるかも!?
もうひとつは「幸松村水害誌」の「ぷち展示替」です。今年10月の台風上陸で、春日部市でも避難所が開設されました。明治43年(1910)の水害のときにも、幸松村では避難所が開設されました。当時は公的施設は小学校と村役場くらいですが、果たして当時被災された方はどこに避難したのでしょうか。水害の歴史を物語る「ぷち展示替」です。
12月28日(土)にはミュージアムトーク「春日部の歴史と2019年をふり返る」も開催します。合わせて、お楽しみください。
気づかない方多数!?かもしれませんが、じっくり解説をご覧いただき、2019年ふり返える機会になれば幸いです。お見逃しなく!
【常設展・展示替】成金鈴久、再び。新出資料も!
なかでも、担当者の一押しは、11月末に粕壁の旧家の方からご寄贈いただいた古写真です。資料整理の最中、たまたま手に取った一枚に見慣れた青年が。よく見ると、鈴木久五郎。しかも、実兄の鈴木兵右衛門や粕壁の有志の方々と写っているではありませんか!もちろん新出資料です。新発見にドキドキしました。
撮影した写真館や他の被写体の方々から推測すると、明治33年(1910)5月に撮影されたもののようです。当時久五郎は23歳。この頃の久五郎の足跡はよくわかっていませんが、翌月6月2日には渋沢栄一の授爵にかかる埼玉県内有志の祝賀会に招かれています。実業家の階段を着実に上っている時期だったと考えられます。
この発見のドキドキ感をいち早く皆さんにお届けしたいので、展示しちゃいました。
夏季展示のパンフレットの残部もまだございますので、まだ鈴木久五郎を御存じない方も、ぜひともパンフレットと合わせてご覧ください。
八木崎小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました
少し昔に使われていた農具や家庭用品を見ながら、郷土資料館の学芸員より
その当時の暮らしについて説明をうけたり
資料館で触れることのできる昔の道具を実際に体験してみたりしました。
”そろばん”に”赤電話”、児童達にとっては初めて触れる物ばかりで興味津々でした。
重い石臼は2人がかりで一生懸命まわしていました。
郷土資料館では、3月22日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催しており、昔の懐かしい道具や写真を展示しています。小さなお子様からご年配の方まで、一緒に楽しめる展示となっております。ぜひ遊びにいらしてください。
12月14日(土)は休館です
ご来館の際はご注意ください。ご迷惑をおかけします。
施設めぐりの方が見学されました
施設めぐりは、市役所シティセールス広報課で開催しているもので、バスで市内の施設をめぐる大変好評な事業です。
令和元年度の2回目となる今回は、郷土資料館のほかに、看護専門学校、道の駅「庄和」、環境センター、埼玉県立春日部高等学校に行かれるとのことで、約30名の方が参加されました。
資料館では、常設展示室の解説を行いました。最近、国指定史跡にするよう答申があった神明貝塚の話題など、熱心に聞いていただきました。また、いくつかご意見もいただきましたので、今後の運営に生かしていきたいと思います。
第9回春日部市民俗芸能公開事業を開催します♪
皆さまも外出時は厚着をし、風邪等にはくれぐれもお気をつけください。
さて令和元年12月15日(日)は、
「第9回春日部市民俗芸能公開事業」
~地域に育まれた獅子~を開催します!
時 間:13:10~16:00(開場 12:50)
場 所:庄和地区公民館(正風館)大ホール
出演団体:銚子口獅子舞保存会、西金野井獅子舞保存会
料 金:無料
定 員:500人
※申し込み不要。当日お越しください。
文化遺産を継承されている「銚子口獅子舞保存会」「西金野井獅子舞保存会」の2団体による「獅子舞」の披露になります。
両保存会の皆さまは、江戸時代から現代まで、300年間以上も「獅子舞」という「無形の文化財」を代々守り、伝えてきました。もし、どこかの時代で「一度」でも「伝統」が途絶えていれば、今こうして「獅子舞」を見ることはできなかったわけです。
いかに「伝統」を続けることが大変で大切かを考えさせられますね。
令和の新時代と、未来を考えるために「伝統」と「歴史」に目を向ける良い機会です。
ぜひ、お越しください。会場でおまちしております!
【ミュージアムトーク】春日部の歴史と2019年をふり返る
平成31年から令和元年と変わった2019年も、もう12月を迎えました。今年1年間の様々なニュースと、常設展示をできるだけむすびつけて、今年最後の開館日に、参加者の皆さんとトークしたいと思います。
大掃除の手を少し休めて、資料館展示室で今年を振り返ってみませんか。みなさまのご来館をお待ちしております。
【ミュージアムトーク】春日部の歴史と2019年をふり返る
日時:令和元年(2019年)12月28日(土)10:30~、15:00~
各60分程度
場所:郷土資料館常設展示室
*ミュージアムトーク中の入場、退場は自由です。
2019年後半は台風被害なども多く発生しました。ミュージアムトークのテーマの一つとして、過去に市内で起こった水害とともに振り返ります。また当日は蓄音機の上演も予定しています。
【歴史文化講演会】歌から額田王に迫る
実人生は謎に包まれていますが、堀越先生は万葉集に収録される額田王の歌を斉明朝時代とそれ以後に分けて解釈し、彼女の半生に迫りました。
担当者は門外漢でまったく知りませんでしたが、万葉集には訓読・解釈しづらい「難訓歌」と呼ばれる歌があるそうで、一つの歌の解釈だけで40数通りもあるそうです。額田王が遺した歌のなかも「難訓歌」があり、そうした歌が彼女の人物像をさらにミステリアスにしているように思えました。
受講者の方々からは、「こういう機会をまた設けてほしい」とのご意見をいただきました。郷土史の講座と違って、文学・文芸の講座・講演会は女性の受講者が多く、みやびな万葉の世界を堪能し、皆さん満足いただけたようです。来年度も郷土埼玉にかかわる文学・文芸について、講演会を企画できればと考えておりますので、お楽しみに。