ほごログ(文化財課ブログ)

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鉛筆 将軍も食べた不動院野産の餅米(春季展示解説講座)のお知らせ。

チラシ


郷土資料館春季展示(第56回)に出品している資料を読み解きながら、新たに判明した郷土の歴史について解説する、講座です。
今回は、「将軍も食べた不動院野産の餅米」と題して、江戸時代に市内の不動院野で産出された餅米が、江戸城に上納された経緯などについてお話します。講師は郷土資料館学芸員です。

日時:平成29年6月10日(土)10時~12時
会場:春日部市視聴覚センター4階 研修室2
費用:無料
定員:50名(先着順)
申し込み:電話もしくは直接郷土資料館まで
お問い合わせ:048-763-2455(郷土資料館)

ご興味のある方は、ぜひお申し込みください。

にっこり 春季展示がはじまりました。

展示室入口
今回の展示は、「かすかべの宝もの14(収蔵品展)あなたの家にも眠っていませんか?~意外に身近な郷土資料」展と題して、平成29年4月8日(土)~7月9日(日)まで開催しています。
企画展示室の入口には、
前に本ブログでも紹介しましたが、平成29年3月指定の市指定文化財「神明貝塚出土の堀之内式組合せ土器」を特別に展示しています。

展示風景
展示のメインとなるのは、市内飲食店のマッチ箱、昭和50年の新聞折込みチラシ、販促品の手ぬぐいなど身近な資料から、市内に残る唯一の中世文書「北条氏政の感状」などの市指定文化財まで様々な資料を出品しています。また、収蔵品の陳列だけでなく、大学生(博物館実習生)や中学生(社会体験事業)の協力を得てすすめた整理作業の様子や、資料の活用例など、郷土資料館の活動も紹介しています。

資料取り扱いをする観覧者
さらに、資料を身近に感じていただくために、江戸時代の和書(実物)を実際にめくり、有名な武将の名前を探す、資料体験コーナーも用意しています。
春日部市内で、貴重な江戸時代の資料に触れることができるのは、郷土資料館だけです。
皆さまのご来館をお待ちしております。

謡曲「隅田川」の舞台と梅若塚『新編図録春日部の歴史』からーその6

「梅若忌(うめわかき)」という晩春の俳句の季語は、謡曲(ようきょく)「隅田川」で人買いにさらわれた梅若丸が隅田川で亡くなった旧暦の3月15日を表します。今年は4月11日が旧暦の3月15日にあたります。


梅若の伝説は、東京都墨田区と春日部市が伝承地と言い伝えられています。物語に出てくる「隅田川の渡」も、墨田区の場合は古代東海道の渡(わたし)、春日部市の場合は中世の奥州道が春日部市新方袋の近辺で隅田川(現在の古隅田川)を渡っていたと考えられています。

どちらが史実の舞台であるかといった研究は江戸時代から行われており、近世期に学問が広く普及し、地域の文化を見直す動向が芽生えていたことがわかります。しかしながら現在に至るまで確たる根拠は示されてはおらず、その真相は不明です。


梅若の伝説にとどまらず、墨田区と春日部市には、同じ地名や似た地名が多くみられます。これもどちらの地名が最初なのかはわかりませんが、川を通じた人々の交流が古い時代からあったことを示しています。


「隅田川の渡-謡曲「隅田川」の舞台-と梅若塚」 『新編図録 春日部の歴史』72ページ


満蔵寺境内図(『新編武蔵風土記稿』) 満蔵寺裏に隅田川(古隅田川)が流れている


満蔵寺梅若塚(新方袋)

市指定無形民俗文化財「不動院野の神楽の公開」-その2

『不動院野の神楽』が公開されました。

4月9日午後2時より、市の無形民俗文化財に指定されている『不動院野の神楽』が公開されました。
当日は午前中からの降雨により、大杉神社境内に設けられた特設舞台ではなく、集会場で行われました。
演目は「テンコ」、「地蔵様」に加え、倉常神楽ばやし保存会による「お囃子」が加わり、市内の神楽保存会の交流が図られました。また、11月から新たに加わった新6年生と19歳の若者のデビュー舞台ともなり、今後の活躍が期待されるところです。
7月の春日部夏祭りでも山車の上でお囃子や神楽が演じられる予定ですので、お楽しみにしてください。


 
【倉常神楽ばやし保存会の「お囃子」】

【不動院野の神楽保存会「大黒様」】

不動院野の神楽の公開

4月9日午前9時から予定されておりました東不動院野地区内の辻きりは降雨により、簡略化となります。
なお、午後2時からの神楽の公開は予定どおり、行われます。


新指定文化財「神明貝塚出土の堀之内式組合せ土器」の紹介

「神明貝塚(しんめいかいづか)出土の堀之内式(ほりのうちしき)組合せ土器」は、昭和40年の神明貝塚の発掘調査で、住居跡の床面から身と蓋が組み合わされた状態で発掘された、約3800年前の縄文土器です。
その特徴は、土器の身と蓋になる部分に分かれ、両者を縛って組み合わせるための紐孔(ひもあな)が開けられています。
平成29年3月28日付けで春日部市の有形文化財に指定されました。
4月8日(土)より、春日部市郷土資料館にて展示・公開します。

神明貝塚出土の堀之内式組合せ土器写真

市指定文化財が公開されております

一ノ割「圓福寺」曼陀羅堂(まんだらどう)内の市指定文化財の公開

一ノ割にあります圓福寺では、江戸時代の元禄年間に製作された仏教美術の優品が、境内の曼陀羅堂で年一度の公開が行われています。
本日午後3時までとなっておりますので、是非、桜のお花見と併せて、この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。 
場所 一ノ割1-30-17


【厨子入木彫釈迦涅槃図】

【圓福寺の境内の様子】

収蔵資料の紹介を追加しました

郷土資料館のホームページでは、簡単な解説文を付して収蔵資料の一部を紹介しています。
本日、須釜遺跡1号再葬墓出土土器昭和5~13年頃の総武鉄道株式会社電車時刻表昭和11年東武線電車時刻表の3点を追加しました。
須釜遺跡の再葬墓出土土器は、当館常設展示室に展示中。ほか2点の時刻表については、現在、宮代町郷土資料館で開催中の巡回展「埼玉県東部地区の交通」展に貸出し、展示されています。同展は5月7日(日)まで開催しています。
ホームページはもとより、ぜひご来館いただき、実物もご覧いただければ幸いです。

渋谷区立松濤美術館「今様」展のお知らせ

小淵山観音院所蔵の円空仏のうち、夜叉明神像(やしゃみょうじんぞう)、護法大善神像(ごほうだいぜんしんぞう)が4月5日から開催される渋谷区立松濤(しょうとう)美術館の「今様(いまよう)」展に出展されます。

今回の展示会では、日本の歴史的な美術・工芸の伝統が、現代のアーティストの表現方法にどのような影響を与えたかが焦点となります。
現代作家の棚田康司(たなだこうじ)氏は、一木造(いちぼくづくり)の技法で少年や少女の肖像を製作する彫刻家です。円空の木の使い方に刺激を受けた製作をされています。今回の展示会では、特に円空を強く意識した棚田氏の作品と円空仏が共に展示される予定です。

渋谷区立松濤美術館は、建築家の白井晟一(しらい せいいち)氏が設計し、美術館の建物自体が美術品ともいわれています。この機会にぜひお出かけください。

渋谷区立松濤美術館「今様」展
会場 渋谷区立松濤美術館(東京都渋谷区松濤2-14-14 TEL:03-3465-9421)
会期 平成29年4月5日(水)〜5月21日(日) 
 *休館日 4月10日(月)、17日(月)、24日(月)、5月8日(月)、15日(月) 
入館料 一般500円、大学生400円、 高校生・60歳以上250円、小中学生100円
今様展(渋谷区立松濤美術館サイト)
 
*4月24日(月)~5月8日(月)は円空仏祭(準備)のため展示されません。円空仏祭期間中(5月3日~7日)は小淵山観音院で公開されます。ご注意ください。



夜叉明神像(像高28.8㎝)


護法大善神像(像高29.1㎝)

県指定文化財が公開されました

埼玉県指定有形文化財の「板石塔婆」が、西親野井の大王寺別院で公開されました。
この板石塔婆は、南北朝時代に製作されたものと推定されており、表面には大日如来や倶利伽羅不動が刻まれた優品です。
板石塔婆の公開は、毎年1回、3月28日に限られますので、機会がありましたら、ぜひ現地でご覧になってみてはいかがでしょうか。

公開の様子

公開された板石塔婆

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