2024年10月の記事一覧
けやき祭 ~自分を表現できる最高の舞台~
秋といえば、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。食欲の秋、スポーツの秋、それとも・・・そう!芸術の秋ですね。10月3日(木)には、スポーツの秋として体育祭が開催されましたが、今回は芸術の秋として、10月26日(土)に「けやき祭」が行われました。けやき祭は、生徒たちが日々の努力や学びを披露する大切な機会です。今年も様々な発表が行われ、非常に盛り上がりました。
まず、けやき祭は流山市内の青少年の主張で最優秀賞を受賞した3年2組の陽川ハンナさんのスピーチから始まりました。テーマは「人として」についてで、特に「人種差別」に焦点を当てた内容でした。陽川さんは「国や人種を一括りにするのはよくない」と語りかけ、自分の考えをまっすぐに伝えるその言葉は、聴いている人の心に深く響きました。市内で最優秀賞を受賞しただけあって、堂々とした語り口で、差別や偏見のない社会の実現に向けて私たちに考えるきっかけを与えてくれた印象的なスピーチでした。
次に、葛北支部英語スピーチコンテストに出場した3年4組の山北詩乃さんが「食品ロス」について、流暢な英語でスピーチを行いました。山北さんのスピーチでは、毎年まだ食べられる食材がどれほど廃棄されているのか、日本ではどれくらいの人が空腹に悩まされているのかなど、私たちが日常的に見過ごしがちな問題について深く考えさせられました。彼女はジェスチャーやアイコンタクトを駆使して、豊かな表現力でメッセージを伝えており、聴いている人を惹きつける力も見事でした。
この二つのスピーチに続き、今年のけやき祭も、生徒会による発表が行われました。生徒会メンバーは、「自律」と「自由」を間違えてはいけないことを伝える劇を披露しました。この劇では、自ら考え、選択し、行動するようになっていくことがどれだけ大切であるかが強調され、さらに今まで先輩たちが築き上げてきたものを大切にしていこうというメッセージも込められていました。生徒会のメンバーは、日々の活動を通じて得た気づきや成長についても語り、特に仲間と協力し合うことや、自らの役割に対する責任を持つことの大切さが印象的でした。これからも自分たちの手で学校をより良くしていこうとする生徒会の意気込みが感じられる、充実した発表でした。
生徒会発表に加え、有志で結成された各団体による歌や演奏、ダンスの発表も行われました。今年は昨年をさらに上回る多くの団体が発表を希望し、全部で10の団体がステージに立ちました。「自分を表現したい!」という気持ちで挑んだ生徒たちの姿には、勇気と自信が溢れており、その姿に感心させられました。大勢の人の前で自分の好きなことや得意なことを発表することは決して簡単なことではありませんが、堂々と自分自身を表現していました。会場全体も自然と手拍子をしたり、歓声が上がったりと、熱気に包まれており、会場全体が一体となって楽しんでいる様子が印象的でした。このような姿勢は、生徒たちが「自律」して考え、行動する力を育んでいる証であり、けやき祭の大きな意義を感じさせる瞬間でした。
また、有志団体の発表の途中には、吹奏楽部による演奏も行われました。ステージが始まると、一糸乱れぬ音の響きに会場全体が静まり返り、その後、曲の進行に合わせて手拍子が自然と広がっていきました。アップテンポな曲調の際には心が弾むような高揚感が会場を包み、ゆったりとしたメロディの時には皆がその音色に引き込まれる様子がとても印象的でした。観客も音楽に合わせて手拍子や歓声を送るなど、演奏を通じて会場全体が一体感に包まれ、音楽の熱気が伝わってきました。また、各パートがしっかりと調和し、絶妙なバランスを保ちながら音を重ねるその姿からは、吹奏楽部のメンバーが日々の練習を通じて築き上げてきた努力や仲間との絆が感じられました。吹奏楽部の演奏は、けやき祭における素晴らしい時間となり、けやき祭はより一層の大きな盛り上がりを見せました。
さらに、けやき祭の準備期間中には、仲間と協力してリハーサルを重ねる姿がたびたび見受けられました。一人ひとりが責任を持ち、仲間と「協働」しながら目標に向かって努力する姿勢は、今後の学校生活でも重要な力となっていくことでしょう。
有志での発表がすべて終了した後には、新たに選ばれた新生徒会と新全校委員長の任命式が行われました。これまで3年生は、学校の最前線で、学校教育目標である「自律」を実現するために、生徒会や各委員会の委員長として大いに貢献してきました。特に3年生の生徒会や委員長は、学校全体のために協力し合い、責任感を持って活動に取り組んできた姿が非常に印象的で、そのリーダーシップは後輩たちにも多くの影響を与えてきました。後期からは2年生が中心となり、3年生の活動や思いをしっかりと受け継ぎ、さらに発展した取り組みを行っていってほしいと思います。2年生の皆さんには、新しいリーダーとして、学校生活をより良くしていくための取り組みに期待が寄せられています。
けやき祭の最後には、9月に本校でご講演いただいた株式会社桃屋の笠原取締役からご挨拶をいただきました。笠原取締役は、本日のけやき祭を振り返り、「自ら考え、選択して行動する皆さんの生き生きとした姿や笑顔が本当に素晴らしい」とおっしゃっていただき、生徒の自発的な取り組みに感激されていました。
さらに、校長先生からは、「自分を表現できることは本当にすごいこと。そして、自分自身に自信をもって表現できるのは、周りのみんなが認めてくれているから安心して発表できるんだ」と全校生徒に向けて語っていただきました。校長先生は、自己表現の大切さと、それを支える仲間の存在について強調され、学校全体が一つの集団として成長し続けるために大切なことを示してくださいました。
今年のけやき祭は例年以上に生徒が自己表現や個性、協力の力を発揮し、仲間との絆を深めた素晴らしい行事となりました。これからも、生徒の成長と挑戦を温かく見守り、地域の皆様や保護者の皆様からのご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。