ほごログ(文化財課ブログ)

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神明貝塚から発掘された装身具などが市の文化財に指定されました!!

 8月18日に開催されました8月定例教育委員会で神明貝塚から発掘された貝輪(かいわ)や耳飾(みみかざり)、そして土偶(どぐう)が文化財に指定されました。

 この3点は、平成28年の夏に行われた発掘調査で発見された5号墓に葬られた女性の縄文人が身にまとっていた装身具や副葬品の土偶です。

貝輪

 

 

 

 

”貝輪”は外洋に生息する「タマキガイ」が用いられ、右手首にまかれたブレスレッドです。およそ全体の1/2が残ります。

耳飾

 

 

 

 

 

 

”耳飾”はなんとサメの椎骨(ついこつ=背骨)が用いられ、側面には赤色のベンガラがみられます。椎骨の直径(25ミリ)からは体長3.5m以上、胸付近に相当する部位と推定され、ピアスのように耳たぶに穴をあけてはさみ込んだ装身具です。

土偶

 ぐうすけ

”土偶”は粘土で作られた素朴なもので、短い手足と顔には粘土粒によってユーモラスな表情につくられています。右はイラスト化したもので、「ぐうすけ」と名付けられています。

 このように装身具を身にまとった縄文人の発掘例は国内でも非常に少なく、3800年前の縄文人の文化や風習をわたしたちに教えてくれます。また、内陸奥地に築かれた神明貝塚まで外洋に生息する生物が持ち込まれていることから、縄文人の往来や交流もうかがうことができます。

 この指定により、市内の文化財は68件となりました。

 本日より、郷土資料館の常設展示で公開しています!!

#大人も子どもも 「明治天皇と春日部」展

9月4日(日)まで絶賛開催中の「明治天皇と春日部」展。内容は大人向け(歴史好きな人向け?)かもしれませんが、子どもでも楽しめる仕掛けを用意しています。今日はそんな一面をご紹介。 #かすかべプラスワン

まずは、以前にも紹介した「まとめすごろく」。白黒印刷の双六を配布していましたが、わりと好評で、カラー刷りの要望も出てくるほど。学校の先生方に教材としても利用していただきたいくらいです。現在は、ちょっぴり無理をして、カラー刷りですごろくを配っています。

さて、すごろくだから、サイコロがほしい、というご要望もあったので、サイコロを用意してみました。担当者としては正直どうかな~と思っていましたが、早速、小学校のご兄弟が夢中になって遊んでくれていました。嬉しいので、写真を撮らせていただきました。

 写真:まとめすごろくで遊ぶ兄弟

結構、白熱していました。「まとめすごろく」は、すごろくで展示の内容を総ざらいできる忙しい人向けの仕掛けです。お子様も「近代の皇室と地域の歴史」がわかるかも・・・しれません。

 

話題はもう一つ。当館の人気コーナーの一つ、体験コーナー。体験コーナーでは、昔のおもちゃで遊んだり、昔の道具を体験できます(もちろん感染症対策は万全です)。実は「明治天皇と春日部」展にあわせて、新たなおもちゃを用意しています。その名も「クロックノール」。

宮内庁が編さんした『昭和天皇実録』の中に、昭和天皇が幼少時代に「クロックノール」という遊びをされていたことが記されているそうですが、詳しいことは不明とのこと。巷では「クロックノール」は謎の遊びといわれています。

このたび春日部市郷土資料館では、「明治天皇と春日部」展に合わせて、「クロックノール」という遊びを再現してみました。色々な説はあるようですが、一説には「クロキノール」と呼ばれる、おはじきとカーリングを合わせた対戦型ボードゲームと解釈されています。そこで、明治36年の文献「クロック術」をもとに、これを作ってみました。すべて職員の手作りです。

これも「遊ぶ子はいるかな~」と思っていましたが、先日、兄妹で仲良く「クロックノール」してくれていました。「わいわい」「きゃーきゃー」言いながら楽しそうでした。おはじきのような遊びは今の世代の子どもたちにとって、かえって新鮮なのかもしれません。

写真:クロックノールで遊ぶ兄妹

昭和天皇も遊ばれた「クロックノール」(かもしれないおもちゃ)で、遊んでみてはいかがでしょうか。

企画展示「明治天皇と春日部」は9月4日(日)までです。

【草加市立歴史民俗資料館】連携展示「明治天皇草加行在所」

久喜幸手杉戸越谷に引き続き、宮内庁との共催展「明治天皇と春日部」の連携展示の紹介。5回目は草加市立歴史民俗資料館です。 #かすかべプラスワン

「春日部の話じゃないじゃないか!」とお叱りを受けそうですが、春日部市内の歴史だけを切り取っても理解は深まりません。視野を広くもって春日部の歴史も考える必要があります。歴史は地域をつなぐ。そんな思いから、連携展示「埼玉県東部と近代の皇室」は企画されました。

写真:草加市立歴史民俗資料館

さて、草加市立歴史民俗資料館さんにご協力いただき、今回、草加市でも連携展示を開催しています。

草加には明治天皇の巡幸のときに、草加の大川弥惣右衛門宅が行在所(あんざいしょ)となりました。このことについて、常設展示に明治天皇の巡幸に関わる宮内庁宮内公文書館所蔵の文書や図面をパネルにて展示していただきました。大川家の屋敷は、近年まで現存しており、図面等も残っていたことから、草加市立歴史民俗資料館では、屋敷の模型を常設展示しています。旧日光道中(陸羽街道)沿いのまちでは、唯一「聖跡」の往時の遺構を復元したもの。今回、御小休所、御昼食所の図面が見出されましたので、草加市さんのような模型が復元できるといいなぁと、羨ましく拝見しました。模型と資料をぜひ合わせてご覧いただければと思います。

され、草加市立歴史民俗資料館は、草加の町なかに所在する草加市立草加小学校の旧校舎(国登録有形文化財)を活用している博物館施設。草加市は旧足立郡に立地するため、行政等では埼玉県南部に区分されますが、博物館関係のまとまりでは「県東部」に区分され、埼玉県博物館連絡協議会などでは大変お世話になっています。ミュージアムスタンプラリーの参加館でもあります。 

小学校の旧校舎という制約を受けながらも、企画展示をはじめ様々な事業を積極的に展開しており、草加の歴史文化発信の拠点となっています。近年は、東北諸藩の参勤交代の展示、マンモス団地「松原団地」の展示など、草加の歴史的な特徴を捉えた企画展示を立て続けに開催しています。江戸時代の日光道中の歴史、そして高度経済成長期を象徴する団地の歴史も、いずれも春日部にも共通する重要な点。いつも陰ながら、注目しています。

ロビーには松原団地の立体模型が展示されていました。職員さんの手作りだそうです。春日部的には、時間と手間と資料さえあれば、武里団地版をつくりたいなと思いました。本音は「どなたか、作ってください!」ですが。

写真:松原団地模型

 

現在は松尾芭蕉に関する企画展示「草加といふ宿」展を開催しています。

写真:草加といふ宿パネル

これも気合が入った企画展示。松尾芭蕉の著名な紀行文『奥の細道』の一節からとった「草加といふ宿」という展示名称もかっこいいです。館蔵の資料や各所から借用した芭蕉の句集などを一同に会して展示していました。キャプションも非常に丁寧に記述されており、見ごたえ抜群です。江戸深川を出た芭蕉の一泊目の地は春日部だったようですので、春日部のみなさんも必見の展示です。

連携展示も「草加といふ宿」展も9月4日まで。ぜひ、あわせて、ぜひご覧ください。

 ◆草加市立歴史民俗資料館「明治天皇草加行在所」

  会期:7月20日(水)~9月4日(日)

  開館時間:9時~16時30分

  休館日:月曜日

  住所:草加市住吉1-11-29

  電話:048-922-0402

  https://www.city.soka.saitama.jp/cont/s2105/030/010/010/PAGE000000000000028926.html

共催展「明治天皇と春日部」展、一部展示替をしました

9月4日(日)まで開催中の「明治天皇と春日部」展も、いよいよ折り返しです。8月9日(火)から一部展示替。後期展示が始まりました。 #かすかべプラスワン

大げさな表現ですが、展示替したのは一点のみ。明治天皇巡幸の錦絵です。明治9年に明治天皇が利根川での鯉猟をご覧になった模様を描く「奥羽御巡幸図会 利根川鯉猟天覧」を、明治9年に明治天皇が蒲生村(現越谷市)で田植えをご覧になった模様を描く「奥羽御巡幸図会 埼玉県田植展覧之図」に展示替えしました。いずれも埼玉県立歴史と民俗の博物館さんからお借りしているものですが、資料保存の観点から、展示期間は1か月との約束があり、このたび展示替えとなりました。

「奥羽御巡幸図会 埼玉県田植展覧之図」は、明治天皇が、蒲生村で馬車をとめ、たすき掛けする農夫の田植えをご覧になったもの。描かれているのは蒲生村ですが、記録によれば、大場村・大枝村(現春日部市)・大泊村(現越谷市)でも同じ光景がみられたとか。馬車は停まらなかったのですが。また、県の行政文書によれば、直前まで大場・大枝での田植えの天覧が計画されていたようです。大場・大枝のあたりでは富士山も一望できてとてもよい景色がみられたといいます。

そういうわけでは、後期展示に登場した「奥羽御巡幸図会 埼玉県田植展覧之図」は、春日部ゆかりの資料とも読み替えられそう。最終日まで展示していますので、ぜひご覧ください。

【越谷市大間野町旧中村家住宅】連携展示「越谷への行幸・行啓と埼玉鴨場」

久喜幸手杉戸に引き続き、宮内庁との共催展「明治天皇と春日部」の連携展示の紹介。4回目は越谷市大間野町旧中村家住宅です。 #かすかべプラスワン

「春日部の話じゃないじゃないか!」とお叱りを受けそうですが、春日部市内の歴史だけを切り取っても理解は深まりません。視野を広くもって春日部の歴史も考える必要があります。歴史は地域をつなぐ。そんな思いから、連携展示「埼玉県東部と近代の皇室」は企画されました。

さて、越谷市教育委員会さんにご協力いただき、今回、越谷市でも連携展示を開催しています。会場は越谷市大間野町旧中村家住宅。大間野町旧中村家住宅は国登録有形文化財、江戸時代に旧大間野村(現越谷市大間野町周辺)の名主を勤めた中村氏の旧宅で、建築当初の姿に復元されたものです。展示は、屋敷内にパネルにて展示しています。

パネルでは、他の市町の展示と同様に、明治天皇の巡幸に関わる宮内庁宮内公文書館所蔵の文書や図面に加え、越谷市に所在する埼玉鴨場についても展示しています。

埼玉鴨場は明治41年(1908)6月、埼玉県南埼玉郡大袋村(現越谷市)に設置された、現在も宮内庁が管理する鴨猟の施設です。展示では、宮内省が敷地を買い上げたときの図面や、鴨場の敷地図面、建物の図面、鴨場内の写真、関係文書などを紹介しています。鴨場には、普段、一般の方は出入りできませんので、知られざる鴨場の姿がよくわかる展示になっています。

ぜひご覧ください。

 ◆越谷市大間野町旧中村家住宅「越谷への行幸・行啓と埼玉鴨場」

  会期:7月20日(水)~9月4日(日)

  開館時間:9時~17時(入館は16時30分まで)

  休館日:月曜日、祝日の翌日

  入館料:一般100円、小中学生50円、未就学児無料

  住所:越谷市大間野町1-100-4

  電話:048-985-9750

  https://www.city.koshigaya.saitama.jp/smph/toiawase/shisetsu/dentobunka/oomanocyounakamurake.html