ほごログ(文化財課ブログ)

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貝の内遺跡出土の瓦と出土状況『新編図録春日部の歴史』からのご紹介46

西宝珠花(にしほうしゅばな)の宝珠花小学校周辺にひろがる貝の内遺跡では、下総国分寺軒平瓦(しもうさこくぶんじのきひらがわら)が出土し、春日部市有形文化財に指定されています。

瓦は、竪穴住居跡で煮炊きを行うカマドから発見され、長さ38.5㎝、重さ4.9㎏を測ります。軒平瓦は、屋根の一番下の軒(のき)の部分に、瓦の一辺が見えるように葺(ふ)かれますが、その部分に宝相華文(ほうそうげもん)と呼ばれる特徴的な模様がみられます。
この模様は、現在の千葉県市川市に奈良・平安時代に存在した下総国分寺の建物に使われた瓦と同じ文様で、文様を付けるために使用されている范型(はんがた)が下総国分寺で見つかっているものと共通します。

この瓦は、奈良・平安時代、貝の内遺跡と約40㎞離れた下総国分寺との間につながりがあったことを物語る貴重なで資料です。

「国分寺の造営と貝の内遺跡」『新編 図録 春日部の歴史』36ページ

貝の内遺跡出土の下総国分寺瓦
貝の内遺跡出土の下総国分寺瓦

瓦の出土状況
出土状況(文様部分を上にして縦に設置されている)

旧庄和村役場『新編図録春日部の歴史』からのご紹介45

今からさかのぼること59年前の昭和34年(1959)5月10日、新しい庄和村役場で業務が開始されました。

庄和村は昭和29年(1954)7月1日、川辺村、南桜井村、富多村、宝珠花村の四村が合併して、人口14,725人をもって誕生しました。新村名の「庄和村」は「古来庄内領と称していたので、庄内領の一致和合、将来の発展を望む」として決定しました。

新しい役場は木造洋式2階建てで、正面中央に庄和村章を掲げました。新役場ができる前は、下柳にあった旧南桜井役場を役場として使用していました。

新しい役場で業務を開始した5年後の昭和39年(1964)、庄和村は町制施行し、庄和町となりました。

昭和の大合併」『新編 図録 春日部の歴史』250ページ

旧庄和村役場
旧庄和村役場(撮影年不詳)

庄和村章
庄和村章

武里大枝公民館に手作りジオラマを展示しました

本日、武里大枝公民館に手作りの粕壁宿ペーパークラフトを展示しました。一昨年度から各地の公民館を巡回して展示しているジオラマです。

写真:大枝公民館の展示風景

手づくりの粕壁宿模型は、粕壁宿再現プロジェクトに参加した子どもたちが造ったペーパークラフト模型をもとに、江戸時代の粕壁宿の町並みを復元したジオラマです。
模型の詳しい解説については、
「ペーパークラフトでめぐる粕壁宿」(郷土資料館ホームページ)をご覧下さい。

「粕壁宿の模型?武里・大枝には関係ないや」っと思った方、そんなことありません。
当時、公用の通行などで宿場町で提供する人馬が不足すると、周辺の農村に人馬の提供が求められていました。宿場町に人馬を提供する村を助郷(すけごう)といいます。
武里地区の村々、具体的にいえば、一ノ割・備後・薄谷・中野・大場・大畑・大枝村は延宝8年(1680)に粕壁宿の「大助」(大助郷:臨時に動員された助郷)でしたし、享保8年(1723)には一ノ割・備後・薄谷・中野・大場村が定助郷(じょうすけごう)に指定されていました(『春日部市史通史編Ⅰ』570~571頁)。助郷の村から動員された人馬は、宿場町の問屋場というところに集められ、隣の宿場町まで人や荷物を運びました。
粕壁宿の問屋場は、現在の埼玉りそな銀行のあたりあったといわれています。手作りのジオラマには馬が放牧されています。

写真:問屋場
江戸時代、武里・大枝から問屋場に向かった先人たちに思いをはせて、ぜひ手作りジオラマをご覧いただければと思います。7月上旬まで展示予定です。

小淵山観音院で円空仏祭が開催されております

 前夜からの荒天から風雨が静まった5月3日、小淵山観音院では埼玉県有形文化財である「小渕観音院円空仏群」の公開が始まりました。
 境内には市民ボランティアの皆様によるカフェの出店のほか、円空仏の案内コーナーが設けられ、円空や作像された作品についてお答えしております。3日の午後1時からは県内外の修験寺院による護摩焚きも行われ、本堂では”円空”の空間がよみがえりました。
 

 ▲新緑に覆われた境内には五月の爽やかな風が吹き抜けています。

▲円空仏が公開されている本堂。護摩焚きと共に時空を超えた円空が造像した江戸時代に時がさかのぼったような静寂に包まれました。

▲市民ボランティアの皆様による”円空仏”に関する案内コーナーもあります。親切・丁寧に解説していただけます。
円空仏の公開は6日まで行われます。
年1度の貴重な機会ですので、是非とも足を運んでみてはいかがでしょうか!

ゴールデンウィーク中の指定文化財公開

このゴールデンウィーク中、春日部市内では、『牛島のフジ』や、『大凧あげ祭り』、『小淵山観音院の円空仏』と各種の文化遺産が続々公開されます。
郷土の宝の見学に出かけみてはいかがでしょうか。

藤花園の開園
「牛島のフジ」国指定特別天然記念物)
日時:
平成30年4月14日(土)~5月6日(日)8:00~18:00 
場所:藤花園(春日部市牛島786)
入園料:
大人1,000円 、子供500円(4歳以上小学生まで)
詳細は下記ページをご覧ください。
藤花園サイト
 
大凧あげ祭り
「宝珠花大凧揚げ」春日部市指定無形民俗文化財・国選択無形民俗文化財)
日時:平成30年5月3日(木)、5日(土)
場所:西宝珠花江戸川河川敷
大凧は3日、5日とも午後2時ごろにあげられます。
詳細は下記ページをご覧ください。
大凧あげ祭り(春日部市公式サイト)

円空仏祭
「小渕観音院円空仏群埼玉県指定有形文化財)
「小渕山観音院仁王門」(春日部市指定文化財)
日時:平成30年5月3日(木)~6日(日)10:00~17:00
場所:小淵山観音院(春日部市小渕1634)
拝観料:500円(お1人様1日限り、中学生以下無料)
詳細は下記ページをご覧ください。
小淵山観音院仁王門と円空仏群の公開(春日部市公式サイト)
観音院公式サイト