ほごログ(文化財課ブログ)

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武里団地着工60周年記念事業と武里団地の石碑

11月19日(日)、武里南公民館において、武里団地着工60周年記念講演会が開催されました。武里団地記念講演会

武里団地着工60周年記念事業(第1弾)開催!(武里南公民館のブログ)

この催しは、昭和38年(1963年)に武里団地が着工してから60周年を記念し、武里南公民館主催で行われました。郷土資料館からは、鬼塚が招かれ「1960年代の武里団地」と題した講演を行いました。

また子どものころ9街区にお住まいで、元群馬大学非常勤講師の巻島隆氏より「武里団地と私 昭和の思い出」と題してご講演をいただきました。

9街区は残念ながら、現在、取り壊し中です。巻島さんは、9街区や武里団地の幼少期の思い出について、こと細かに「ここは武里団地9街区」というブログにまとめられています。先日のご講演についても、複数の記事をあげられていますので、ぜひごらんください。

ここは武里団地9街区

 

ところで、武里団地が昭和38年(1963年)に着工したということの根拠は、どこにあるのでしょうか?

武里団地石碑

団地内、カスミ春日部武里店と武里図書館の間の道沿いにある石碑にそれは記されています。

石碑には次のように刻まれています。(別分は分譲のことを表しています。)

着工 昭和38年11月

竣工 昭和43年1月

戸数 6,119戸

賃貸 5,559戸

別分 560戸

面積 約582,000平方メートル

 

団地の完成については、入居開始の年代が話題になることが多く、着工の年が資料としてなかなか出てこないことがあります。

武里団地についても、春日部市広報で撮影した写真は、昭和39年(1964年)の造成工事や昭和40年(1965年)の起工式、同じ年の建物建設風景などです。残念ながら昭和38年にどのような工事が行われたかは不明ですが、確かに昭和38年中に工事が開始されたと石碑に刻まれています。

S39武里団地準備工事(広報)

昭和39年武里団地準備工事(広報写真より)

S40武里団地起工式(広報)

昭和40年武里団地起工式(広報写真より)

ちなみ武里団地の入居開始は、昭和41年(1966年)4月で、こちらは「入居案内」などの資料から知ることができます。そして、石碑にある通り、竣工は昭和43年(1968年)1月となっており、入居が開始されてもなお、建設工事が進められていたことがわかります。

普段は通り過ぎてしまうかもしれない武里団地の石碑ですが、団地の完成時のデータをいまに伝える重要な記録です。

【手作りおもちゃクラブ】パタパタ(板返し)を作ろう!

12月10日(日)に“手作りおもちゃクラブ”を開催します。

つい先月までは“体験ワークショップ”というイベントでしたが、ちょっと名称を変更してみました。

理由としては、タイトルをみて何をするイベントなのかをイメージしてもらいやすくするためです。なので、実際の内容は特に変化はありません(笑) これまで通り、蓄音機の上演、紙芝居、おもちゃ作りとなっているので安心してご参加ください!

 

ということで、12月10日(日)に作るおもちゃの紹介です。

12月のおもちゃ(パタパタ)

こちらのおもちゃは「パタパタ(板返し)」といいます。

郷土資料館のおもちゃコーナーの中でも人気の高いカラクリおもちゃです!

一番上の板をひっくり返すと、下の板も連動するようにひっくり返っていきます。

パタパタ遊び方

一番上の板をひっくり返すと・・・

下の板もパタパタと・・・

全ての板がひっくり返ります!

江戸時代から遊ばれているおもちゃですが、今の大人が見てもなかなか不思議な動きをしています。

うまく作れるか不安な方も、職員がお手伝いしますのでお気軽にご参加ください!

 

本講座はお申し込み不要、おもちゃの材料は資料館で用意しています。

当日の午前10時30分と午後2時からの計2回開催しますので、お時間までに郷土資料館にお越しください!

 

【手作りおもちゃクラブ】

日時:令和5年12月10日(日)午前10時30分~・午後2時~

場所:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15)

内容:蓄音機と紙芝居の上演

   おもちゃづくり(パタパタ)

費用:無料

申込:不要(開催時間までに郷土資料館にお越しください)

【臨時休館のお知らせ】

令和5年12月9日(土)は教育センターの施設点検のため、郷土資料館は休館となります。

ご迷惑をおかけしますが、ご注意ください。

12月10日(日)は通常通り開館します。

埼玉縄文カードをお配りしています

埼玉縄文カード春日部

 

埼玉県出土の縄文土器をカードにした「埼玉縄文カード」!

春日部市では、「No.12 神明貝塚出土の堀之内式組合せ土器」のカードをお配りしています。配布期間は、令和6年(2024)1月14日(日)までです。

埼玉縄文カードは全部で14種類あり、県内の各館でそれぞれの地域の縄文土器のカードを配布しています。そして、埼玉県立歴史と民俗の博物館で配布しているNo.1~No.6までのどれか1枚と、他の館で配布しているNo.7~No.13か蓮田市文化財展示館の蓮田市歴史カードのうち2枚の合計3枚を、配布館で提示するとNo.14の特典カードがもらえます。配布館は下記のチラシや埼玉県立歴史と民俗の博物館のサイトをご覧ください。

カードの配布は在庫がなくなり次第、期間中でも終了です。お早めにお集めください。

 

春日部市指定文化財「神明貝塚の堀之内式組合せ土器」については、下記の記事をご参照ください。

新指定文化財「神明貝塚出土の堀之内式組合せ土器」の紹介

 

埼玉縄文カードチラシ

「埼玉縄文カード」チラシ.pdf(約5MB)

埼玉県立歴史と民俗の博物館埼玉縄文カード特設ページ

 

埼玉県立歴史と民俗の博物館、白岡市生涯学習センター歴史資料室では、カード配布期間中、下記の展示を開催しています。あわせてご覧ください。

・ 埼玉県立歴史と民俗の博物館 11月14日(火)~令和6年1月14日(日)「縄文コードをひもとくー埼玉の縄文土器とその世界 」

・白岡市生涯学習センター歴史資料室 11月14日(火)~令和6年1月14日(日) 季節展示「白岡の縄文土器とその世界〜タタラ山遺跡の〔縄文コード〕〜」

 

考古学講座第3回を開催しました。

考古学講座第3回を開催しました。

考古学講座

本日は、1.分類と型式学、2.春日部市の弥生時代の遺跡についてがテーマでしたが、弥生時代のお話が途中になってしまっていますので、また次回に補足したいと思います。

考古学における分類について、特に遺跡で発見された遺物は、人工遺物か自然遺物か、人工遺物の素材は何か、機能は何か、デザインや製作技法に違いはあるか、といった複数の基準で分類され、整理されます。そしてデザインや製作技法をもとに分類した指標として「型式」が設定されます。型式は装飾的要素と機能的要素が設定の基準となっており、機能的要素には技術革新により変化するものと、機能の実用性が喪失しているにもかかわらず、装飾などとして残る場合があります。

土器の中でも縄文土器は、遺跡名を付した型式が細かく設定されていますが、これは型式として初めて設定できた土器群の出土した遺跡名をつける場合が多いです。

春日部の弥生時代については、倉常の須釜遺跡で発見されている再葬墓について、再葬とは何か、再葬の根拠などについて、お話ししました。

春日部市も含まれる埼玉県東部地域は、弥生時代の遺跡が非常に少ない地域です。そのような状況の中で、平成13年(2001)に低地に立地する須釜遺跡から、弥生時代の本格的な遺跡が発見されました。また春日部市内では、谷原新田でも、水路の工事中に弥生土器が1点発見されています。

埼玉県東部地域は、現在のところ弥生時代の遺跡数は少ないですが、調査が及んでいない低地の部分に未知の弥生時代の遺跡が存在している可能性があります。

  

考古学講座では、毎回、博物館や資料館の考古学に関する特別展や企画展を紹介しています。詳細は各所のサイトをご確認いただくか、資料館でポスター掲示やチラシ配架なども行っていますのでご利用ください。

(現地説明会)

真福寺貝塚発掘調査現地見学会

12月9日(日)午前10時~11時30分、午後1時30分~3時 

史跡真福寺貝塚発掘調査現場(さいたま市岩槻区城南3丁目949番地付近)

 

(研究会)

・12月2日(土)研究会「埼玉の縄文時代後晩期研究の現状」  埼玉県立歴史と民俗の博物館(申し込み不要)

・1月28日(日)公開セミナー「旧石器から縄文へ」 荏原文化センター大ホール(往復はがきで申し込み要)

 

(展示会_閉会日順)

東京都北区飛鳥山博物館 10月24日(火)~12月10日(日)「北区貝塚物語」

宮代町郷土資料館 10月28日(土)~12月24日(日)「古代のみやしろ-古墳時代の宮代町-」

久喜市郷土資料館 10月14日(土)~12月27日(水)「大集合!久喜市の遺跡」

埼玉県立歴史と民俗の博物館 11月14日(火)~1月14日(日)「縄文コードをひもとくー埼玉の縄文土器とその世界 」

岩槻郷土資料館 11月21日(火)~1月21日(日)「縄文時代のさいたま」 

川口市郷土資料館 11月3日(金)~2月25日(日)「縄文のナニコレコレミテ」