校長先生から今日のお話

2025年6月の記事一覧

6月27日(金)北風と太陽の話

北風と太陽の話

 イソップ物語の中に、「北風と太陽」という話があります。ある日、北風と太陽が力比べをすることになりました。そこへたまたま、コートを着た1人の旅人が通りかかりました。そこで北風と太陽は、「あの旅人のコートを脱がせた方が勝ち」ということに決め、さっそく力比べをはじめました。最初に北風が冷たい風を激しく旅人に吹きかけました。しかし旅人はコートのえりを立て、しっかりとコートの前を合わせて、吹き飛ばされまいとします。北風が懸命になって力を入れれば入れるほど、旅人はコートをしっかりとおさえつけて、はなしません。とうとう力つきた北風は太陽と交代しました。
 太陽は、暖かい日差しを優しく旅人にあてます。どんな強風にもコートを離さないでいた旅人でしたが、ポカポカと暖かい太陽の光を浴びて身も心も温まり、ついにコートを脱いでしまいました。
 この北風と太陽の話はたとえ話です。一般的な解釈は、北風は冷たく厳しい非難や押しつけをあらわし、太陽の光は、温かい思いやりや賞賛をあらわしているということです。
 以前こんな人がいました。とっても要領がいいのか、先生の前ではいい子ぶる、掃除は見ていなければ怠ける。部活では人のミスをきつく言う。そうこうしているうちに、お決まりのように周囲が、「なんだあいつ、言うことだけ言ってやらないじゃないか。無視しようぜ…」と。
 この時、ある先生が上の話を持ち出し、「人を変えようと思ったとき、北風のようにピューピュー吹いたってダメ。また逆に暑くてもコートを脱がないような人じゃダメ。人間関係をより温かく、素敵なものにするには、批判される方は素直に反省すべきだし、批判する方は思いやりのある、自分がされて嫌だなと思う手段は絶対にとるべきじゃない!」ということを言っていたんだなぁ…。
 さて、校長先生は毎朝学校に出勤すると校舎内を一周し見て回ります。すると…、廊下や教室の窓が開き、朝の涼しく新鮮な風が入り、教室が爽やかな空気に満ちています。また、担任の先生が黒板に朝のメッセージを書いてくれています。“今日一日がんばろう!”という気持ちになりますよね。また、クラスによっては、学級通信が生徒全員の机に置かれているクラスもあります。私はこれも、北風と太陽の話の太陽的な担任の先生方の君たちへの愛情の1つだと思います。

 

 

6月26日(木)君と一緒に誰かの悪口を言う者は、君の悪口も言うだろう

君と一緒に誰かの悪口を言う者は、君の悪口も言うだろう
 陰口とは、その場にいない誰かのことをあれこれ言うことですね。だから誰かと一緒に陰口を言えば、その相手と親密な関係で結ばれたような気がするものです。誰かの陰口を一緒に言い合うことで、その人と今まで以上に親しくなれたような気がするのです。しかし相手が変われば、「あの人はあなたのことをこう言っていたよ」となるのが世の常です。
 “自分の行為に恥じるところはない”と正々堂々、自信を持って言える人は、他人の行為を良い方に解釈できます。
「~さんって、ものすごくケチなのよ」と誰かが言ったとしても、「ケチじゃなくて物を大切にする人なんだよ」というふうに切り返して陰口をうのみにしないように出来るものです。自分に似合う服を選ぶように、言葉も選んで使ってください。

 

6月25日(水)いじめをなくせ ~心の傷は見えない~

いじめをなくせ ~心の傷は見えない~

 アメリカで「サンタクロースへの手紙コンクール」が行われたときの話である。最優秀賞に選ばれたのは、ある脳性小児麻痺の女の子からの手紙だった。彼女はたったひとこと「サンタさん、どうかたった1日でもいいから、友達にいじめられない日をプレゼントして下さい」という切なる願いを手紙に書いたのだ。この手紙が全米のラジオで放送された。それを偶然にもその女の子のクラスメイトが聴いていて、自分達がいかに彼女の心を傷つけていたかを知り、絶対にいじめたりしないというパーティを開き、全米の感動を呼んだそうである。
 サンタクロースに頼むものと言ったら、ゲームであったり、可愛らしい小物であったりするものだろう。ところが…「いじめられない日をたった1日だけ…」この悲痛な叫びにも似た彼女の思いをみんなはどう受け止める…?
 さて生徒諸君、君や君の周りを見渡してくれ。本人がそのつもりがなくても、心ない一言が友達を傷つけたりしていることはないだろうか…?何気ない行為で人を傷つけたりすることがないだろうか…?転んでケガをすると、「あれ、どうしたのそのケガ?」とすぐに周りが気づく。血も出るし、ばんそうこうを貼ってあるかもしれないからすぐに分かる。でも言葉や態度によって受けた心の中の傷は、本人が訴えなければ分からない。それには薬も付けられないので治りにくい…。今後は教室のドアを開けて入ったときに、フッと心が軽くなるような温かな雰囲気のクラスにしよう。
 もう一度見渡してくれ。小さな事でも、何気ない一言や行為で心に傷を受けている人がいないかどうかを!人の心の痛みの感じられない鈍感な人になってはいけない!10年、20年たっても、また会いたいと思える、懐かしいクラス作りのためにみんなで人の心を傷つける発言はしないと誓いを立てよう。そして、もし今後そのような心無い発言をしている者がいた時には、周りの人間がそれを許すな!みんなが大好きな大沼中、そしてその仲間の誰かが嫌な思いをするような行動をとる者を許すな。自分たちの力が及ばないならすぐに先生に助けを求めるようにしよう。大沼中からいじめをなくそう!

6月25日(水)保護者の皆様へ 我が子を人をいじめる人間にしないために

 保護者の皆様へ ~我が子を人をいじめる人間にしないために~

 先日このホームページで、父母の恩は山よりも高く海よりも深しという内容を載せました。親が子を思いやるのは当たり前と思われていますが、今日はその当たり前を改めて考えてみましょう。子への思いやりとは、子のことをよく知るということです。よく耳を傾け、子供にとっての世界がどんなものなのかを理解しようとし、たとえ親の思う通りでなくてもその子の世界を受け入れることも大切です。また、子の存在に感謝をし、尊敬の念を持ち、愛情を深めていくことによって、親子の関係は進歩していきます。思いやりの心を持って接すれば、話をするのが安心で楽しくなり、いじめなどの悩みも自然に親に打ち明けられるようになるはずです。
 さて、そのいじめですが、いじめは力の弱い子や、真面目に努力しようとする子、まわりに安易に流されないために異質とみなされる子などを標的にする卑劣な行為です。悪いのは、いじめる側の子供です。「いじめられる側にもそれなりの理由がある」などということは全くの間違いです!
 いくら軽い遊びや悪ふざけ、ジョークのつもりでも、いじめられる側の苦しみや痛みは深刻であることを理解させ、いじめることは、人間として決して許されない卑劣な行為であり、いじめをはやし立てたり、傍観したりすることも同じである、ということを家庭の中できちんと話す場を設けてください。そして、自分の子供がいじめをしているとわかったら、必ず直ちにやめさせて下さい。また、いじめる子の中には、親から暴力や強いプレッシャーを受けるなど、家庭でも学校でも居場所がない子が多いと言われています。家庭が子供にとって安心できる安全な居場所であり、心が満たされるように配慮するなど、いじめをしない心の環境づくりもしていきましょう。

6月24日(火)保護者の皆様へ アウトメディアチャレンジweek

 【 保護者の皆様へ アウトメディアチャレンジweek

いい本に出会うことは、いい人に出会うことに似ている

 私は今年度、相談室保健室に来る生徒たちのために、 “ちょっと手に取って気軽に読める”を意識して、中学生が読んで心が元気になったり、心が温かくなったりする絵本を選び、毎月1冊ずつ寄贈しています。
 読書は、想像力考える習慣を身につけ、豊かな感性情操、思いやりのを育むことができます。ゲームやYouTube等が好きな子にも、本を読む時間を持つように家庭で習慣づけたいものです。そのためにも、「食事の時間」のように「読書の時間」を設けたり、親子で本屋さんや図書館に行ったり、親も一緒に本を読むなど工夫し、子供が読書の楽しさと出会えるきっかけを作りましょう。また、読書を通じて子供が感じたり考えたりしたことに耳を傾け話し合うなど、親子の会話を増やし深める機会として読書を活用することも大切です。
 明日から一週間、“アウトメディアチャレンジweek”を設定しました。期末テスト前でもありますので、この期間は、テレビ、インターネット、SNSなどをオフにして、本を読んだり、勉強に集中したり、家族で話をする時間を意識的に持ってください。きっと新たな気づきがあることだと思います。

 

6月23日(月)麻中の蓬

麻中の蓬(まちゅうのよもぎ)

 中学生である生徒諸君は、一人一人、自分の中に多くの可能性を持っていると言われますよね。まさにダイヤモンドの原石なんです。でもダイヤモンドって元々指輪などの宝石のように光り輝いてはいないんです。原石を非情に硬い材質の道具で磨き、カットしないと光を放たない。これをダイヤモンドの原石である君達中学生に当てはめると、自分より素晴らしいものを持っている仲間と競い合ったり、歴史上の偉人について学んだり、自分で高い目標を決めて努力をしたりすることが磨くということになります。さて、今日のタイトルである麻中の蓬とはどんなことわざかというと、人は誰でも良い環境の中で育ち、良い教育を受け、良い人と出会えば、まっすぐ正しく成長するというたとえです。麻(あさ)は植物の麻、曲がりやすい蓬(よもぎ)もまっすぐ生え育つ麻の中で育てばまっすぐに育つといいます。みなさんも互いに高め合える仲間を大切にしましょう。また、歴史上の人物や身近な人生の先輩などからもたくさんのことを学び、ダイヤモンドのように光り輝ける人に成長できるよう努力していきましょう。楽しみにしています。

 

 

 

6月20日(金)進路について学んでいこう⑥(保護者向け)

進路について学んでいこう⑥(保護者向け)

やる気と学力

 誰でもやる気は出ます。出るには出ますが、遅すぎる場合が多いものです。子供のやる気はいつ出るか分からないし、出て欲しい時になかなか出てくれないものなんですよねぇ…。また、一瞬出たかと思うと消えてしまったり、本番直前だったりと「やる気になっている時」は実に短く、実にタイミングが悪いことが多いものです。ですから高校生や大学生とは違い、「やる気が出たら…」を期待して見守るだけでよい年齢だとは私は思いません。また、環境が整っていないと、せっかくやる気が出ても効率が悪かったり、空回りして、なかなか結果につながらず、成果が出る前に諦めてしまうこともあります。ですから、今後なるべく早く高校見学や説明会などに親子で足を運び、1日でも早くやる気を喚起させることが大切です。 つづく

 

6月19日(木)進路について学んでいこう⑤

進路について学んでいこう⑤

 私はこれまでの自分の人生の経験から、人生や進路というものは、なかなか自分の思い通りに事は進まないと考えています。スポーツでも勉強でも自分の持っている才能には限りがあることは誰にも否定できないことだと思うし、経済的な問題も今後君達が進路を考えるときには、決して無視できないことだとも思います。人には人それぞれ与えられた環境条件というものがあります。その限られた条件の中で最善を尽くすことが最も大切なことなのではないかと思います。自分に与えられた条件や環境の中で精一杯がんばり、自分だけの目標や充実感、楽しみを見つけてがんばってほしい。進路について悩んでいる人がいたら、ぜひ参考にしてほしいと思います。

 

6月18日(水)見える学力、見えない学力

見える学力、見えない学力

 be動詞の使い分けができる、因数分解ができるようになる、バレーボールでトスが上手に上げられる、…これらはすべて見える学力。今、授業でやっていること。テストで確かめてみられることです。授業で学ぶことですからとても大事な学力ですね。一方、手のひらの裏側には手の甲があるように、見える学力の裏側には見えない学力というものがあります。「ありがとう」「ごめんなさい」って素直に言える。ゴミが落ちていたら拾う。朝、友達に「おはよう」って元気に声がかけられる。「わー、花がきれい」って感動できる…、これらは見えない学力。優しさや思いやり、自己犠牲の心、美しいものに感動する心、心のたくましさ…こういったものは机の上ではなかなか身に付かない、見えない学力です。
 机の上の勉強も大切。でも、その土台となる人間の芯の力である見えない学力も大切である。生徒諸君の見えない学力はいかほどかな…。

 

6月17日(火)父母の恩は山よりも高く、海よりも深し

 先週までの学校総合体育大会地区予選会では、大沼中の生徒たちの精一杯のがんばりがどの部からも伝わってきて心打たれました。また一方で私は、生徒諸君を応援する保護者の皆様をも見ていて、君たちを思う保護者の気持ちの大きさにも改めて心打たれました。父母の恩は山よりも高く、海よりも深しという言葉があります。これは、親の恩の高く深いことを言っています。また、親思う心にまさる親心という言葉もあります。子どもが親を思う心、その心以上に親は子を思うものだということです。これは、吉田松陰が安政の大獄で処刑される前に詠んで、故郷の両親に送ったとされる歌「親思う心にまさる親心、今日の訪れ何と聞くらん」の前半部分です。皆さんの中には、もしかしたら、親にそれほどの愛情を感じるようなことをしてもらった覚えはないと考える人もいるかもしれません。人それぞれ、環境も考え方も違いますから、全員が同じ思いというわけにはいかないかもしれませんね。でもね、いま皆さんがここにいるということだけでも、大きな恩を感じてもいいのではないかと私は思います(いずれ分かればそれでよし)。私たちは、いつも誰かの愛情の中で生活をしているものなのです。普段は気がつかないかもしれませんが、何かのできごとをきっかけに、その大きな愛情に気がつくでしょう。そして、皆さんに最も大きな愛情をかけてくださる人が、家族なのではないかと思います。周りの人からの愛情に気づき、がんばって生きることで、その愛情に応えていきたいものですね。
 今日は校長先生一日不在です(出先でこのブログをアップしています)。熱中症に気をつけてくださいね!