ほごログ
中央公民館でしめ縄作り講座を開催しました
令和3年12月17日(金)に中央公民館主催、体験講座「しめ縄を作って新年を迎えよう」を開催しました。
今年のしめ縄作り講座は17日(金)に中央公民館、18日(土)、19日(日)に郷土資料館で3日間連続の開催です!(定員に達したため受付は終了しています)
藁で縄を作る“縄ない”はコツを掴むまでが難しく、器用さも必要です。
一方で、しめ縄を見栄えよく仕上げるにはけっこう力が必要という、「技」と「力」が要求される代物です!
みなさん一生懸命取り組んでくださり、素晴らしいしめ縄ができました!
とてもきれいに仕上がっています!
講座後のアンケートの結果をみても、皆さまとてもご満足いただけたようでありがたい限りです!
明日、明後日のしめ縄作り講座は郷土資料館で開催しますので、参加予約をいただいた方はお間違えの無いようお気をつけてお越しください!
【 #常設展 ぷち #展示替 】春日部流!?展示法
常設展示の桐箪笥に少し細工をしてみました。春日部が誇る伝統的工芸品「桐箪笥」の引き出しをあけると・・・ #あけてびっくり #かすかべプラスワン
・・・春日部の桐細工ゆかりの資料が!!!
夏季展示「語り出したらキリがない!桐のまち春日部」展で好評だった、桐材を見極める体験型クイズを引き出しのなかにいれてみました。子どもさんもお楽しみいただけますし、大人の方でも楽しんでいただけます。先日は、市外からご来館いただいた、歴史好きのおじさんたちも大はしゃぎ。桐材は、白くて清潔感があり、軽いのが特徴です。市内の元桐箪笥職人の方は「今の子どもたちにわかるのかなー」と話してらっしゃいました。
写真の市外にお住いの幼稚園児は(勘で?)「桐材」を見極められたようです。春日部市の市の木は「キリ」ですから、市民のみなさんなら当然わかりますよね。挑戦者を求む。
さて、裏話にはなりますが、以前から春日部の伝統工芸品である桐箪笥の引き出しをどうにか活用できないかなーと、頭をひねっていました。で、この展示にたどり着きました。春日部ならではの展示法ですから、この方法を「春日部流展示法」と、勝手に呼ぶことにします。
展示中の桐箪笥は本来は二つ重ねですが、わけあって一つのみ、引き出しは三つ。一つ目は桐材を見極める体験ですが、あとの二つには何が入っているか、常設展示でお楽しみください。
しめ縄講座準備中
郷土資料館では12月18日(土)、19日(日)に開催されるしめ縄作り講座の準備を進めております。(定員に達したため受付は終了しています)
今日はそんな準備風景をパシャリッ!
しめ縄を綺麗に仕上げるには思いのほか力も必要です!
毎年12月のみの開催なので、私どもも毎回久しぶりの作業になってしまいます。若干作成に手こずる職員もいました。
・・・私のことですが(笑)
それでも一同、受講される方にスムーズに教えられるよう、準備物・手順・ポイント等を再確認し、当日に備えております!
今年は例年にも増して参加希望のご連絡を多くいただき、一部の方はお断りすることになってしまい、申し訳ありませんでした。
しかしそれ以上に、郷土資料館事業に関心を持ってくださることに深く感謝しております。
ご参加いただく皆さま、当日まで体調を崩されませんようお過ごしください。
お待ちしております!
【12/25考古学講座】「花積貝塚を探る」を開催します
12月25日(土)、考古学講座「花積貝塚を探る」を開催します。
12月10日(金)より、参加募集の受付を開始します。お申し込みは郷土資料館に、直接、またはお電話のほか、市役所の電子申請システムでもお申込みいただけます。電子申請の利用は定員(50名)に達するまで、申込期間内24時間可能です。ぜひご利用ください。
考古学講座「花積貝塚を探る」
講師:資料館学芸員
日時:令和3年12月25日(土)10時~12時
会場:春日部市教育センター2F視聴覚ホール
定員:50名(申込順)
申込受付:12月10日(火)8:30~(定員になり次第受付を終了します。)
内容:花積の縄文時代の遺跡、市指定史跡「花積貝塚」について埋蔵文化財発掘調査報告書などを使って学ぶ
ご来場の際はマスクの着用をお願いいたします。また発熱などの風邪症状があるときは、ご来場をご遠慮ください。今後のコロナウイルス感染症の状況により、予定が変更されることもあります。
花積貝塚
埼玉ゆかりの偉人井沢弥惣兵衛・見沼代用水と春日部
小学校4年の社会科では「井沢弥惣兵衛と見沼代用水」の学習をするそうです。埼玉県民なら一度は聞いたことがある井沢弥惣兵衛。今回は春日部にも関係あるんだよ、という話です。 #かすかべプラスワン
先日、市内の小学校の先生から、見沼代用水の工事で使った道具を授業で使いたいとご相談をいただきました。ありがとうございます。資料は使ってもらってナンボです。社会科の副読本には、「四人つき」「じょれん」「たたき板」「もっこ」「くわ」のイラストが描かれています。
郷土資料館では、普段、これと同じ道具・農具は、展示室に展示していませんけれども、日の目をみることをまって収蔵されています。以下、貸出予定の資料たちを紹介します。
左から、「ジョレン」「スキ」「クワ(名称不明)」「たたき板(土羽たたき)」です。
「ジョレン」は、水気のある土砂をかくための道具。「スキ」は現在のスコップです。
「クワ」は備中鍬や万能鍬などもありますが、写真の鍬は柄が長く、先端が少し大きくなっています。柄は自然木をつかい曲がっています。どのように使ったのでしょうか。
「たたき板」は、堤防ののり面などを固めるために使った道具です。「土羽たたき」とも言うようです。
もう一つ、大型ですが、副読本では「四人つき」と説明されている道具もあります。地元の方は「タコ」と呼んでいたようです。土・地盤を固めるために使いました。
ちょっとうるさいことをいうと、見沼代用水の工事はどんな道具を使ったのかは、史料上わからないようです。しかし、江戸時代後期の印旛沼掘割工事の記録「続保定記」に土木工事に従事した人々や道具の挿絵があり、享保時代の見沼代用水の工事でも、これらの道具が使用されたと推測されます。ちなみ、「続保定記」は山形県酒田市立図書館のデジタルアーカイブシステムで見ることができます。また、そうした道具が一般にも広まっていたことは、様々な鍬や「ジョレン」「スキ」の挿絵がある『農具便利論』(画像は国立国会図書館デジタルコレクションより)からも窺えます。
収蔵資料の道具が、江戸時代に使われていたのかどうかはわからないのですが、これらの史料を参照するならば、江戸時代に使われた道具と同型のものであることは間違いなさそうです。
ところで、井沢弥惣兵衛は、享保13年(1728)に見沼の開発をしたことで、埼玉県内では偉人として扱われていますが、実は春日部にもゆかりのある人物であることは、意外と知られていないようです。
実は、井沢は、見沼の開発の一環として、見沼と同時期に、春日部の内牧、さいたま市の鹿室・裏慈恩寺・小溝に広がる黒沼という沼地を開発しました。開発の手法は見沼の開発と同様で、黒沼に流入する水路をせき止め、沼の中央部に排水路を整備し、沼地を新田としました。また、開発以前、黒沼の下流の村々は沼の水を用水として利用していたため、黒沼の縁辺に用水路を整備し、見沼代用水から分水して黒沼用水が引かれることになりました。
内牧村では、新田開発を吉郎兵衛という者が請け負ったため、新田を「吉郎兵衛新田」と呼んでいたこともわかっています。吉郎兵衛新田は、ちょうど内牧公園の南側に広がる田んぼです。今も中央と縁辺に水路が流れており、新田の景観がよく残っています。
しかし、残念ながら、黒沼の開発の過程がわかる史料は見つかっていないため、詳しい経緯はよくわかっていません。黒沼の開発は、見沼の事例ほど大規模でダイナミックな新田開発ではなかったようですが、埼玉の偉人・井沢弥惣兵衛が春日部の新田開発にも携わっていたことは間違いありません。
ちょっとマニアックですが、見沼代用水の話とともに、春日部の黒沼や黒沼代用水についても紹介してもらえたらうれしいなぁと思います。
江戸時代の新田開発については、小学校の歴史の単元や中学や高校でも授業があると思いますし、なによりも春日部の歴史の中では重要な出来事であることは間違いありません。
学校の先生方には、広くご活用いただきますようお願い申し上げます。ダメ元でも「こんな資料がほしい」とご要望ください。資料と資料館は利用されてナンボですから。