ほごログ(文化財課ブログ)

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謡曲「隅田川」の舞台と梅若塚『新編図録春日部の歴史』からーその6

「梅若忌(うめわかき)」という晩春の俳句の季語は、謡曲(ようきょく)「隅田川」で人買いにさらわれた梅若丸が隅田川で亡くなった旧暦の3月15日を表します。今年は4月11日が旧暦の3月15日にあたります。


梅若の伝説は、東京都墨田区と春日部市が伝承地と言い伝えられています。物語に出てくる「隅田川の渡」も、墨田区の場合は古代東海道の渡(わたし)、春日部市の場合は中世の奥州道が春日部市新方袋の近辺で隅田川(現在の古隅田川)を渡っていたと考えられています。

どちらが史実の舞台であるかといった研究は江戸時代から行われており、近世期に学問が広く普及し、地域の文化を見直す動向が芽生えていたことがわかります。しかしながら現在に至るまで確たる根拠は示されてはおらず、その真相は不明です。


梅若の伝説にとどまらず、墨田区と春日部市には、同じ地名や似た地名が多くみられます。これもどちらの地名が最初なのかはわかりませんが、川を通じた人々の交流が古い時代からあったことを示しています。


「隅田川の渡-謡曲「隅田川」の舞台-と梅若塚」 『新編図録 春日部の歴史』72ページ


満蔵寺境内図(『新編武蔵風土記稿』) 満蔵寺裏に隅田川(古隅田川)が流れている


満蔵寺梅若塚(新方袋)

市指定無形民俗文化財「不動院野の神楽の公開」-その2

『不動院野の神楽』が公開されました。

4月9日午後2時より、市の無形民俗文化財に指定されている『不動院野の神楽』が公開されました。
当日は午前中からの降雨により、大杉神社境内に設けられた特設舞台ではなく、集会場で行われました。
演目は「テンコ」、「地蔵様」に加え、倉常神楽ばやし保存会による「お囃子」が加わり、市内の神楽保存会の交流が図られました。また、11月から新たに加わった新6年生と19歳の若者のデビュー舞台ともなり、今後の活躍が期待されるところです。
7月の春日部夏祭りでも山車の上でお囃子や神楽が演じられる予定ですので、お楽しみにしてください。


 
【倉常神楽ばやし保存会の「お囃子」】

【不動院野の神楽保存会「大黒様」】

不動院野の神楽の公開

4月9日午前9時から予定されておりました東不動院野地区内の辻きりは降雨により、簡略化となります。
なお、午後2時からの神楽の公開は予定どおり、行われます。


新指定文化財「神明貝塚出土の堀之内式組合せ土器」の紹介

「神明貝塚(しんめいかいづか)出土の堀之内式(ほりのうちしき)組合せ土器」は、昭和40年の神明貝塚の発掘調査で、住居跡の床面から身と蓋が組み合わされた状態で発掘された、約3800年前の縄文土器です。
その特徴は、土器の身と蓋になる部分に分かれ、両者を縛って組み合わせるための紐孔(ひもあな)が開けられています。
平成29年3月28日付けで春日部市の有形文化財に指定されました。
4月8日(土)より、春日部市郷土資料館にて展示・公開します。

神明貝塚出土の堀之内式組合せ土器写真

市指定文化財が公開されております

一ノ割「圓福寺」曼陀羅堂(まんだらどう)内の市指定文化財の公開

一ノ割にあります圓福寺では、江戸時代の元禄年間に製作された仏教美術の優品が、境内の曼陀羅堂で年一度の公開が行われています。
本日午後3時までとなっておりますので、是非、桜のお花見と併せて、この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。 
場所 一ノ割1-30-17


【厨子入木彫釈迦涅槃図】

【圓福寺の境内の様子】