ほごログ
今年もやってきた藤の季節
桜はとっくに散り、春日部市内の藤の花が見ごろを迎えています。 #かすかべプラスワン #藤 #牛島のフジ
春日部人(かすかびあん)なら、桜よりも藤の花、のはず。粕壁小の敷地に自生している謎の藤の花も見ごろ。郷土資料館から見え、甘い香りがします。
かつて「世界一のフジ」と称された、牛島のフジ(国特別天然記念物)も、この数日間が見ごろのようです。
最近のニュースなどでは、他地域のフジの花が紹介されているのを見かけます。牛島のフジの歴史・文化性は唯一のもの。あの新一万円札男・渋沢栄一も見に来ているのだから、もっと紹介されてもいい、と個人的に思います。
春日部駅西口側では、藤通りの藤棚が見ごろのようで、藤テラス(4月21日)、藤まつり(4月28日)。藤まつりウィークと称し、とイベントが目白押しです。
郷土資料館では「*花の彩り*春日部*」展で、藤をめぐる春日部の歴史も紹介していますので、観藤のついでにお立ち寄りください。
関山式土器と花積ー*花の彩り*春日部*
現在、春日部市郷土資料館で開催中の「*花の彩り*春日部*」展では、花積内谷耕地遺跡出土の縄文時代前期の関山式土器を展示しています。
関山式は、蓮田市の関山貝塚から発見された土器をもとに設定された型式です。もとは「蓮田式」と呼ばれていましたが、戦前、昭和初期の研究で、古い順に花積下層式、関山式、黒浜式と分けられました。
花積下層式、関山式、黒浜式土器は、「羽状(うじょう)縄文系土器群」とも呼ばれ、縄文のつけ方に特徴があります。羽状縄文とは右撚りと左撚りの縄文を上下に連続してつけることで、全体として羽や菱形の形にみえるようにする縄文の施文方法です。
また、縄文時代には「繊維土器(せんいどき)」と呼ばれる、材料となる粘土の中に植物の繊維を混ぜて焼き、割れ口に燃えつきた植物の痕跡が残る土器があります。羽状縄文系土器群は、ほとんどが「繊維土器」です。
関山式土器の特徴として、口縁に文様帯が設定され、竹を使用した複雑な文様が描かれることがあげられます。また、縄文原体の端部などに輪(ループ)を作り、それにより付けられた「ループ文」と呼ばれる縄文が多用されます。
関山式土器は埼玉県を中心に関東地方全域で出土します。春日部市では、今回展示の花積内谷耕地遺跡(花積)のほかに、竹之下遺跡(内牧)、貝の内遺跡(西宝珠花)、風早遺跡(西金野井)、鷲前遺跡(東中野)で関山式土器の時代の集落跡が発見されています。約6,500年前の縄文土器型式と考えられており、すでに始まっている縄文海進の影響を受け、貝塚を伴っているものが多いです。
今回展示している花積内谷耕地遺跡の関山式土器は、口縁部の縁に竹でつけられた細かい文様がまわり、円形の粘土粒が貼り付けられます。胴部はループ文や羽状縄文が施されます。
展示でも触れていますが、花積は花積貝塚から出土した土器をもとに設定された「花積下層式」発祥の地です。しかしながら、縄文土器の土器型式は、地名こそ冠していますが、土器の変遷の指標として使われるもので、花積からも「関山式」の土器が出土します。
展示解説を実施しました
4月20日(土)「*花の彩り*春日部*」展のみゅーじあむとーく(展示解説)を実施しました。
午前は4名、午後は2名と少人数でしたので、時折、ご質問いただきながら進めました。
皆さんの興味があつまったものの一つに、昭和27年の西宝珠花移転前の町並みを紹介したパネル(図)があります。この図は、当時大学生だった方が卒業論文で調査・聞き取りしたノートや自ら撮影した写真をもとに作成しています。西宝珠花は、こののち江戸川改修のため、移転してしまいますので、大変貴重な情報となっています。往時の西宝珠花の繁栄がひと目にしてわかるものです。
午後の方は、明治9年花積村地租改正絵図にご興味をお持ちいただきました。土地が錯綜しており、絵図作成にあたって隣接する村の戸長らが署名していることに驚かれたようでした。
展示の会期は、5月2日(木)までとなっています。お見逃しなく。
市指定無形民俗文化財ー不動院野の神楽ーの公開
桜の花びらが散り始めると同時に葉桜が芽吹き、そして夏日となった4月14日(日)には東不動院野地区の大杉神社境内では、市指定無形民俗文化財「不動院野の神楽」が公開されました。
昨春は地域の皆さまを対象に集会所で小規模の祭礼でしたが、今春は5年ぶりに特設舞台を設け、広く公開されました。
舞台背景では桜が散り始める中、小気味よい軽やかなお囃子が奏でられ、神楽の公開に足を運ばれた皆さんからも「お祭りが戻ってきた!って実感できるね」という、安堵の声を聞くことができました。
祭礼は「大黒様」「獅子舞」で口火が切られ、今春に進学した大学生が堂々とお囃子を演奏してくれました。続く神楽の「大江山」では、高校一年生が巫女役に。地域の皆さんからも拍手喝采をいただきました。
▲堂々とした巫女の舞を、お囃子でも高らかな笛の音色が不動院野地区に響き渡りました。高校生、そして大学生の後継者が祭礼では活躍いただきました。
また、久しぶりの祭礼でしたが保存会のベテランの皆様は日頃の「あうん」の呼吸で口上を面白可笑しく対話をとおして神楽を盛り上げていただきました。
本年は各所で民俗芸能が公開されますので、”祭り囃子”と”郷土の舞”をぜひご覧ください。
#博物館実習 受け入れています
#春日部市郷土資料館 は、今年度も #博物館実習生 を受け入れています。 #かすかべプラスワン
と、告知すると、博物館がお好きな一般の方からお問い合わせがありそうですが、博物館実習とは、大学で博物館学芸員の資格取得を目指す学生が、一定期間、博物館の現場で実際の業務を経験すること。ですから、基本的に未来の学芸員を志す学生さん(市内在住の方優先)に限られます。
当館の博物館実習は、例年7月末から8月にかけて、実施しています。毎年、実習生に「ほごログ」にて実習の模様を報告してもらうのも恒例になってきました。どんな実習をするのかは、下のタグの「博物館実習」「実習生」「実習生の記録」をクリックしてみてください。
実習の受け入れ・申し込みについて、詳しくは、市ホームページをご覧ください。