校長室

校長室から発信

「鎮魂竹宵の集い」から

 東日本大震災の被災者の霊を悼み、復興への思いを多くの人々で共有する「鎮魂竹宵の集い」が、10日()・11日()とショッピングセンター・エスパの駐車場で行われ、本校吹奏楽部が招かれて演奏をしました。

 毎年お招きいただいているのですが、特に今年は3.11という震災に襲われた日の、14:46という地震発生時刻の少し前に演奏が終わって、そのまま参加者全員で黙とうをするという、大変に光栄なプログラムの順番での演奏でした。

 演奏前に挨拶をされた市長さんからも、「震災のときに被災地に力をくれた布佐中の吹奏楽部は私の宝です」といううれしい言葉をいただきました。また、演奏の途中にはプロの声楽家お二人とコラボさせていただき、大勢のお客様に喜んでもらえたのではないかと思います。

布佐の地域を離れても市民のみなさんに愛され、このような大切なイベントで演奏させていただける本校の生徒たちは本当に幸せであり、このような貴重な経験を通して一人ひとりが確かに成長していることを強く思います。この後、トップページにアップした「春のコンサート」も開催しますので、どうぞ、たくさんのみなさんのご来場をお待ちしています。
 
    
     
     

語り部さんに学ぶ!「ふさカリキュラム」の集大成

 本校総合学習の要である「ふさカリキュラム」のまとめとして、語り部さんへの訪問を今年も6日()に実施しました。ふるさと布佐の歴史と文化を学び、布佐に対する愛着と誇りを身につけ、布佐の地に貢献できる人材を育てるための大切な取り組みです。また「ふさカリキュラム」は、小中学校で推進している小中一貫教育の柱として開発された布佐中学校区自慢のカリキュラムでもあります。

 当日は、それまでの事前学習で調べたそれぞれのテーマごとに、各自が自分自身の課題をもって、語り部さんの話をただ聴くだけの受け身な学習ではなく、課題解決に向けた能動的な学習となるように準備して出かけていきました。

 私が訪問させていただいたときの様子を見ても、後から職員や何人かの語り部さんに話を伺っても、語り部のみなさんの大変に熱の入ったお話に、生徒たちが真剣な表情で耳を傾けると同時に、調べてきたことを基にした積極的な質問が飛び交い、大変に有意義な時間が過ごせたということです。こんなに素晴らしい学習の時間が卒業前にとれる3年生の生徒たちは本当に幸せだと思います。ご協力いただいた語り部のみなさんには改めて御礼申し上げます。

 この学習をもとに、3年生たちは地域の未来への提言を一人ひとりが考えて「布佐カリキュラム」を閉じますが、どんな前向きな意見や考えが出てくるのか今から楽しみにしています。

        

感謝を込めて!3年生を送る会

 5日()、3年生を送る会が行われました。寒さが一段落した参観にはもってこいの体育館で、笑顔と感動に溢れる温かい時間があっという間に過ぎ去っていきました。ご来校いただいた地域・保護者のみなさまには、ご多忙の中、本当にありがとうございました。

 1年生の発表は、オリジナルの脚本で1年生らしくかわいらしい笑いあり、工夫ありの発表でした。3年間の授業や日常生活を描いた場面では、3年生は自分たちの3年間を振り返りながら、楽しげな表情で劇に集中していました。コマーシャルをもじった映像を創作してみんなを喜ばせるなど、手の込んだ場面もふんだんにありました。

 2年生の発表は、昨年同様にミュージカルの要素を採り入れた素晴らしい発表でした。耳の不自由な伴奏者を加えた合唱団の葛藤とそれが原因の仲間割れ、幾多の試練を乗り越えて全員の心が一つになるまでを描いた「夢を信じて」という劇を見事に演じました。重いテーマの中に笑いを採り入れたり、合唱の中で苦労して覚えた手話を交えるなど、見ている者の目を釘付けにしました。

何よりも、両学年ともに大道具・小道具・背景など、裏方も含めて学年生徒全員で取り組んだ様子が感じられ、1年間を通して本当によく成長したものだと改めて思いました。それぞれの学年の合唱も最高の出来であったと思います。この3年生を送る会の成功をステップとして新しい学年に進級する、その証を全校の前で堂々と宣言したように感じさせる半日だったと思います。

 最後に、3年生からの素晴らしい発表もありました。入試の真っ最中、ほとんど練習する時間が取れなかった中での発表でしたが、先生方への感謝の手紙、学年合唱での真剣な表情からは、この送る会へのお礼だけでなく、今までお世話になった多くの人たちへ心を込めた感謝の発表であったと感じ取れました。

そして、これらの発表を支えた生徒会の幕間、「よくぞここまで」と思わせるほど手の込んだ、そしてよく考え工夫された創作映像は、会場で見ている人全員を笑いと驚きの渦に巻き込んでいきました。放課後遅くまで残り、手間暇かけて作った幕間の発表に加え、ここまでの企画・運営、入念な準備をしてきた生徒会役員のメンバーに敬意を払うとともに、改めてお礼を言いたいと思っています。
 
    
※3年生を送る会の様子(写真)については、別途「生徒の活動」のページ
 にアップします。

職員玄関にお雛様!

 昨年に続き、3月の雛祭りを前に玄関に立派なお雛様が飾られました。これは数年前に寄贈していただいたものですが、職員だけでは飾りつけができずに時間もとれないことから、一時は倉庫にしまったままで宝の持ち腐れとなっていたのもを、地域の方のご協力によって復活させることができたものです。

 まだまだ寒い日が続き、春遠からじという感じがする日々ですが、朝、出勤してお雛様が迎えてくれると、何だか心温まる思いで1日のスタートが順調に切れそうにも感じます。生徒たちもこれを見て春の訪れを感じると同時に、日本の伝統文化にも心を馳せてくれればと願っています。
  

本物の世界に触れる大切さ!音楽特別授業

 昨年に続いて3年生の特別授業・音楽鑑賞教室を19日()に実施しました。今年も邦楽分野の第一人者で、薩摩琵琶のプロ奏者であり、地元の出身(布佐中出身でもあります)でもある久保田晶子様をお招きし、生徒の前で生の演奏を披露していただきました。

 私も毎年拝見させていただいていますが、3年生の授業で1クラスずつ3時間、音楽室で、生徒たちの目の前で開かれたミニコンサートは本当に圧巻でした。時間の経過を忘れる素晴らしさで、私もその圧倒的な迫力に昨年以上に言葉を失いました。生徒たちも音の美しさや朗読の迫力を肌で感じとることができたのか、集中して1時間、真剣な表情で聴き入っていました。また、演奏の途中で薩摩琵琶の紹介、授業の終わりには自分が琵琶の世界に足を踏み入れたきっかけ、何事にも熱意をもって取り組むことの大切さ等々の話をしてくださいました。生徒の記憶にも強く残ったのではないかと思います。また、杜子春の朗読では、クラス2名ずつの代表が琵琶の演奏とコラボするという貴重な場面も用意していただき、本当にあっという間に時が過ぎったように感じます。

 まさに本物に触れ、本物を感じて、生徒たちの心も澄み渡ったのではないかと思います。音楽に限らず、このような有意義な取り組みをもっともっと学校教育に取り入れていけたら…と思った1日でした。