校長室より

校長室より

「性を語ることは命を語ること」

1月の授業参観で6年生は、思春期講座「大人に向かって、見つめ直そう こころとからだ」を学習しました。2名の助産師さんが専門的立場から男性と女性の性の違いから、大切にすべきことを分かり易くお話下さいました。大勢の保護者の方も参観して頂きました。

保護者の方は、子どもが性について質問してきたらどうしますか。

保護者の感想からは、「きちんと向き合ってみたい。」「できる限りきちんと応えようと思いました。」「きちんと茶化さずに真剣に話しをしてみたい。」等が多かったです。

親は性の問題から逃げないで、子どもの悩みにきちんと対応できることがいいのです。家庭内で変に意識しないで、お互いに普通に話せる環境を普段から心がけることが大切だと思います。

 学校の「いのち・こころ・からだの学習」では、1年生の時から発達段階に応じた内容を担任と養護教諭が連携しながら実施しています。主な内容は次のとおりです。

1年生・・・男の子 女の子(男女の体の違い)

2年生・・・私の誕生(お父さんお母さんと繋がっている命)

3年生・・・命の始まりと赤ちゃんの誕生(科学的に知る)

4年生・・・自分ってどんな子?気になるな(友達の良いとこ探し)

5年生・・・命を見つめる(災害の作文から大切な命を知る)

6年生・・・大人に向かって(思春期の心身の変化と特徴)

 

 男性と女性の体の違いについては学校でも学習していきますが、男性と女性の心の学習はどうでしょうか。私は昔から気になる言葉あります。

「もっと男らしく・・・」

「それでも男か・・・」

「なんか女みたい・・・」

本当の男らしさとは何でしょうか。

本当の女らしさとは何でしょうか。

男らしく、女らしくとは具体的にはどのようなことを表すのでしょうか。

この男と女の定義の為、どれだけの苦痛を味わった子ども達がいたことでしょうか。

 

私が小学生の頃のランドセルの色は、男は黒、女は赤と決まっていました。それが当たり前であり、男が赤のランドセルで登校してきたら大変な騒ぎになっていたことでしょう。

そういう時代感覚でした。今は個性豊かでバラエティーです。本校の1年生のあるクラスでは、黒・赤・茶・ピンク・青・水色・紫・紺色と全部で8色もありました。水色のランドセルの女の子は、「水色が綺麗で好き。人にはそれぞれ好みがあるから色で男も女もないです。」と言ってくれました。教室で拍手が沸きあがりました。

 男の子は男らしく、女の子は女らしく。昔からよく耳にする言葉です。教室の中で時々、男の子が「男のくせに」「女みたい」と言われている場面を見かけることがあります。男だって泣くし、いじけることもあります。今の時代、女の子が応援団長や児童会長で頑張っている子もいます。男と女の体の違いについては、学校で毎年学習していきます。

大事なことは、自分らしく生きていけるかだと思います。性については個人差があります。私達大人が一人ひとりの子供の心の部分をもっと敏感に感じ取ってあげたいと思います。

 

今の時代、アメリカでは同姓同士の結婚も認める時代になりました。

日本でも東京の区役所では、同姓同士の届け出により様々な制度活用ができるようになってきました。昔なら誤解と偏見で苦しんでいただろう人達も前向きに生きることができます。

学校にも様々な子どもがいます。

大人になり性を意識することは、素直に自分らしく生きることだと思います。