校長室より
アクティブラーニングとは何?
数年前、アメリカの学者が未来予測を発表してかなりの衝撃がありました。
「今の小学校に入学した子ども達は、大学卒業時にはなんと、65%の人は今現在、存在していない職業に就くだろう」というセンセーショナルなものでした。
それだけ、現代は劇的な変化をしていく時代に突入したことを改めて実感しました。
現在でも少し前まではなかった文明機器を私達は利用しています。
例えば、お掃除ロボット・音声認識ソフト・電車や車の無人運転(ゆりかもめ)・車の自動運転・スーパーの無人レジ・スマートフォンでの買い物等です。
実に様々なものが機械化されるようになってきています。
では、今の子ども達に本当に必要な力とは何でしょうか。
学校ではどのような学力を付けさせればこれからの時代を生き抜くことができるのかが問われています。
暗記するだけの勉強は、簡単にスマホで検索して調べられる時代になりました。
私自身も今やほとんど辞書を引く機会がなくなりました。
スマホの音声認識アプリを活用して、スマホにボソボソと語りかけることが増えました。
これからの社会で求められる人材とは、どういう人でしょうか。
新しいアイデアを出せる人
他の人同士を結び繋げる人
適切に判断できる人
プレゼンが上手い人
論理的に考えて、他者に分かり易く表現できる力、汎用的能力が求められるようになります。
本校は今年度より3年間に渡り文部科学省の指定を受けて、「アクティブ・ラーニング」の研究を推進していきます。
課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習です。
全国で10地域が指定されました。
千葉県では我孫子市の我孫子第一小学校と我孫子中学校です。
アクティブラーニングの実践フィールド校として「深い学び」「対話的な学び」「主体的な学び」を第一小学校のやり方で追究していこうとしているところです。
第一小学校の職員は、私も含めて全員が大変重責を感じているしだいです。
私たち教員は、文部科学省が出す「学習指導要領」に則って、日々の授業をしています。これは、約10年毎に改定をしてきています。時代の変化と共に指導内容も変わってきます。
数年後に学習指導要領が改定されますが、今までと大きく違う所は、今までは何学年では何を教えるといった教科の指導内容が中心でしたが、次は指導方法も明示する点です。
学校の先生方は、授業は自分流での教え方・その学校流の教え方で指導してきました。
これからの我孫子一小では、「子供中心の学び」を中心に授業を展開していきます。
「何を教えるか」「どのように学ぶか」です。
先生方のチョーク&トーク、教師主導の一斉指導とは異なる指導方法になります。
アメリカで面白い調査結果があります。
「学習定着率」です。一度覚えた学習内容を半年後にどれくらいの子供が覚えているか。
先生中心の講義は5%、グループでの話し合いは50%、体験活動は75%そして、子供同士の教えあいは90%です。
学んだことを自分だけの知識にしないで、グループや仲間に伝え合うことで飛躍的に学習理解が深まります。
学び合いは大変に優れた学習なのです。
伝え合うには、先ず人の話を最後まできちんと聴けることが大事になります。
そのような「我孫子一小の聞き方名人」あいうえおをしっかりと身につけさせていくことも学力向上の柱になると思います。
この秋は本校でも校内研究会が沢山実施されます。
そして、県内外からも沢山のお客様が参観に来られます。
「全ては子ども達のために」・・・一歩一歩着実に歩みたいと思います。