校長室より
いじめを許さない(その2)
以下は、学年ごとに取り組んだ内容です。(報告書を簡単にまとめたものです)
☆1学年
・学年目標「なかよし」について・・・友達と仲良くするにはどうし
たらよいかな?
・ふわふわことば、ちくちくことばをかんがえよう!
・いろいろな友達のことを知ろう。「補聴器」「装具」「にこにこ
教室」って何?
☆2学年
・校長先生が読み聞かせしてくれた「私の妹」をもとに話し合お
う!
① 「あの妹があなたのクラスにいたら,どんなことをしてあげたいですか?」
と学級毎になげかけ、「自分だったらこうする」ということを
ワークシートに書いた。
②ワークシートを学年集会に持ち寄り,「あの妹」の友達として
どうしてあげたいのかを話し合った。
③最後に2年生の約束を確認した。
・いじめを見たらだまっていない
・友だちの気持ちを考えて行動しよう
・いやなことは「いや」とはっきり言おう
☆3学年
・「いじめとは何か」「いじめられたらどうするか」「いじめを見
たらどうするか」
を学年で話し合った。
・その後,教師が子どもの頃のいじめに関する体験を話した。いじめを防ぐために自分ができることを一人一人紙に記入し,学年掲示板に掲示した。
☆4学年
・各学級でいじめのないクラスにするためにできることを話し合い
発表した。
・その後各担任から話をし、校長先生からも命の尊さについての話
を頂いた。
☆5学年
・事前に各クラスでいじめをしないためにどうしたらよいか話し
合った。
・学年集会では、各クラスの話し合いの内容を発表し合い絶対にい
じめをしない・させない・いじめられないを宣言し合った。
・そしていじめをすることは犯罪であることをよく肝に銘じた。
いじめられている人を見かけたら、声をかける・助ける・先生や
家の人に相談する。一緒に遊ぶ、いじめている人を見かけたら、
止める・やめさせる・大人に相談する・・・など勇気をもって取り
組もうと誓い合った。
☆6学年
・各学年で話し合ったことを発表し、学年の3人の教師からそれぞ
れの経験や思いを話した。
・最後に校長先生から,星野富弘さんの詩集から「いのちより大切
なもの」を朗読していただき,いのちについて考える時間をもっ
た。昨年度行った校長先生の「いのちについて考える授業」の際
の卒業生の感想を紹介し、いのちの重みについて真剣に考える時
間を全員で共有した。
本校では、各学級で第1回目のいじめのアンケートを実施してい
るところです。昨年度の秋の調査において、「あなたは今、いじめ
られていますか」との最初の質問に14名の児童が「はい」と答え
ております。その後、担任が詳しく話を聞いたり、指導したりして
高学年の1件まで解決することができました。低学年においては、
ケンカ等のトラブルで少し叩かれたり嫌なことを言われたりしたこ
とでいじめを受けていると回答している場合もあります。いじめへ
と発展しないためにもこの初期の段階で問題解決に向けて速やかな
対応をしていく必要があります。高学年での1件は保護者に詳細に
説明し謝罪して、継続して学級・学年で解決に向けて取り組んでい
るところです。
我孫子市全体では、小学校で約6%、中学校で約2%の子ども達
が「いじめを受けている」との結果が出ています。小学校で多いい
じめは、「嫌なことを言われた」「仲間はずれをされた」「暴力を
受けた」等があります。又、誰に相談しましたかについては、先生
が41%、親が33%、友達が24%となり学校の先生に相談して
いる割合が前年度よりも増えております。
いじめそのものの数は減少傾向にありますが、いじめを見た子どもは小中学校とも「黙って見ている」「一緒に笑ったりからかったりしている」子の割合は増えています。
「相手がいやがることはすべていじめ」であり、いじめを見ている周りの子の力が大きく影響することを肝に銘じて、子ども達と一緒に今後も考え続ながら、具体的対応策をしっかりと取っていきたいと思います。
いじめを許さない
「ばか」「あほ」「ちび」「ぶす」・・・いじめの最初の言葉です。何気なく始まるこの言葉が次に「うざい」「消えろ」となります。そして最後は「死ね」という言葉まで出てくることが多いです。いじめは犯罪と同じです。
6月は全校でいじめゼロを目指す取り組みをします。6月2日の全校朝会では、いじめを題材にした実話「私の妹」というお話をしました。自分の妹が小学校時代に悲惨ないじめに合い、不登校になり最後は命を落とすお話です。妹をいじめた人達はやがて高校生になり窓の外を笑いながらおしゃべりしながら通っていくというストーリーです。
合唱部の協力を得て、ユーミンの「ひこうき雲」のピアノ伴奏と合唱を披露しながら読み聞かせをしました。黙って聞き終えた子ども達の中で泣いている子もおりました。
子どもの心に本当にいじめは怖いことなのだと実感できたのだと思いました。
いじめの構造は、いじめられる子・いじめる子・はやし立てる子・見て見ぬふりする子がいます。大事なのは、大多数の見て見ぬふりをする子の存在です。
先月下旬の新聞報道で、長崎県の中学3年生の男子生徒がいじめを苦にして自殺した事件が紹介された記事がありました。無料通信アプリ「LINE」(ライン)を使って複数の同級生に自殺意志を伝え、一部の保護者もそのことを知っていたが、誰も自殺した両親や学校に伝えていたかったそうです。子どもを亡くした父親は、「子どもが自殺しようとしていることを知っているのに、死ぬまで誰も私達や学校に教えてくれなかった。それこそが最大のいじめではないか。」と語っています。
いじめを見たら黙っていてはいけないということです。周りからの力が解決するのに大事です。
文部科学省の調査でも、小学4年生から中学3年生までの6年間で約9割の子ども達が「いじめられる側」又は「いじめる側」に少しでも関わっているデータがあります。いじめは本当に人ごとではありません。自分自身の問題としても真剣に考えることが必要です。
去年、国が作成した「いじめ防止対策推進法」の第四条(いじめの禁止)の条項に、
児童等は、いじめを行ってはならないと明記されています。
いじめはどの学校でも、どの学級でも起きることがあり得ます。本校では、どの学級もいじめを担任教師と共に解決できる集団となるよう真剣に取り組みます。
子供同士のいじめ問題で心配なことがありましたら些細なことでも学校までお知らせ下さい。
失敗学とは?
私は小さい頃から落ち着きが無く、熟慮せずに行動してよく失敗をしたものでした。そして、先生や親から「もっとちゃんと考えなさい」「落ち着いて行動しなさい」と叱責を受けたものでした。じっとしていられない性分だったことは間違いありません。
大人になり自分が教員となってからは昔の自分を見ているような子供も小学校には多くいるような気がします。
今回はその失敗についてお話をします。この世に「失敗学」という学問があることをご存じでしたか。今から7~8年前に、あるテレビ番組で「失敗学」という言葉を初めて聴いて直ぐに興味を持ちました。それから、機会あるごとにこの学問について色々と本を読み調べてきました。
「失敗学」とは、「失敗を正しく学び、生かす」ことであります。
想像力が必要な現代社会は、多くの失敗も必要となります。この失敗を否定的に捉えるのではなく、むしろプラス面に着目して、有効利用しようとするものであることが分かりました。
人は、必ず失敗をします。
これが「失敗学」の基本にあります。
失敗とは隠すものではないという文化をつくることが大切であると「失敗学」を長年に渡り研究されてきた東京大学名誉教授の畑村洋太郎先生は述べております。
畑村先生の様々な著書から失敗について私の心を揺さぶった言葉(キーワード)について簡単に書きました。
<失敗学の主なキーワードベスト10>
1 失敗は確率現象である
ヒヤリ体験の時から真剣に向き合う姿勢が大切である。ハインリッヒの法則
2 失敗は放っておくと成長する
未然の防止策を取らないと、いつか大きくなり破裂する。「知りながら害をなすな」
3 途中変更が諸悪の根源になる
生産現場の失敗はほとんどがこれ。最終計画を常に最終として組織全体が認識する。
特に運動会・林間学校・修学旅行・入学式・卒業式等は最終の訂正版を配布する。
4 失敗には階層がある
個人の無知・不注意・誤判断からの失敗(個人性)。組織や企業の運営不良、行政や政治の怠慢(社会性)。未知への遭遇(誰も防げない失敗・良い失敗)。
5 失敗は予測できる
失敗を隠さず失敗の体験を積極的に学ぶ。失敗の特性をきちんと分析する。
6 失敗情報は時間が経つと急激に減衰する。
過去に津波の大被害(明治29年にも2万人以上の死者)があった東北の三陸地方にある石碑。「ここから下に家を建てるな」。家が立ち並び今回も大被害に遭った。
7 失敗は隠れたがる
失敗の原因は変りたがる。責任問題等で失敗の本当の情報は組織の上には行かない。
8 リーダーの資質と失敗
トップが安全管理に意識しているか否かで、罹災率は3倍違ってくる。
9 失敗情報を「知識化」していく
現実の失敗事例を自分や他人が将来使える知識としてまとめる。
10 「想定外」を想定する
東日本大震災で行政や専門家は、「想定外」として責任逃れをしてきた。
運動会は負ける練習の場
いよいよ新緑の季節である5月になりました。今月の一大イベントはなんと言っても24日に予定されている運動会です。学校行事であり日頃の体育学習の成果を発表する場でありますが、私は「運動会とは負ける体験をする絶好の機会」だと思ってきました。
練習を一生懸命に積み重ねて、ダンスなどで上手に演技したり徒競走で良い結果を出したりすることは素晴らしいことであります。
子ども達は必要以上に勝ちにこだわります。自分が一番になりたいと願うのは当然です。しかし、現実は誰もが一等賞は取れません。どんなに頑張っても結果が伴わないこともあります。大人になれば、絶対に勝ち続けることはあり得ないと分かります。子どもの時期に、「負ける体験や失敗する体験」をすることで、冷静に自分自身と向き合うことができます。
負けた時にこそ学ぶことが多いものです。その時に教師や保護者の助言が大切であり、そして仲間からの思いやりの言葉が何よりも心の糧になり、大きく成長できる機会にもなると考えます。運動会の時にこそ負けた時の態度も学ばせたいものです。
挨拶の溢れる学校・挨拶のできる子
平成26年度の我孫子第一小学校が始まりました。
つまりコミュニケーションを取るための最初の大事な手段であるとも言えます。すれ違いざまに相手にお辞儀をすることも立派な挨拶であります。先ずは、子ども達に挨拶の意味をしっかりと教えていきたいと思います。
我孫子第一小学校を挨拶に溢れる学校にしていきたいと思っています。子どもが挨拶をできるようにしていくのは、大人(教師や保護者)が率先垂範することです。学校では教職員が挨拶を進んで行っていきます。挨拶がしっかりできる子は、やはり学習や生活習慣全般においても立派に頑張れる子が多いです。ご家庭でも朝起きて来た子どもと顔を合わせたら、「おはよう!今日はとってもいい天気だよ。」と毎日のように保護者から先に声を掛け続けて頂きたら有り難いと思います。
私は3月中にこの挨拶に関して感動する事が二つありました。
一番目は、3月上旬に起きた正門付近でのできごとです。
この数日前に皆様もご存じの柏市での通り魔事件が発生し犯人が逃亡しているため、全校一斉での集団登校を実施しておりました。私も正門に立って子どもを迎えておりました。我孫子警察署からも若い警察官が朝になると一緒に校門で警備をしてくれており、大変有り難く心強かったものです。その2日目の朝、登校してきた中学年のある女の子が、私に「おはようございます。」と言った後、警察官の方へ一人で行き「ありがとうございます。」と言って頭を下げて学校の中に入って行きました。小学生が瞬時にそこまでの挨拶ができたことに感動しました。
二番目は、3月中旬の卒業式間近のある日のできごとです。毎日地域パトロールをしてくださっている年配の男性が校長室へ来られました。最初は、下校途中に子ども達がご迷惑を掛けてしまったのだろうと思っておりました。「校長先生、6年生の男の子が手紙をくれたのです。本当に嬉しかったのでお持ちしました。」と言うのです。
次のような内容でした。
僕は我孫子第一小学校の6年○組の○○です。6年間、雨の日でも台風が来た日でもどんなに寒くても、暑くても、毎日僕たちを見守って頂きありがとうございました。
皆さんがいたから6年間、安全に登校することができました。
4月から白山中学校へ入学します。そして、中学生になります。なので朝早く家を出ることが多くなると思いますがこれからもよろしくお願いします。
お体に気をつけてこれからも僕たちを見守って下さい。
私は、改めて挨拶とは感謝を表すことだと子ども達から教わりました。こんな素晴らしい子ども達が我孫子第一小学校に居たことを誇りに感じました。
挨拶に溢れる学校を目指していきたいと思います。