ほごログ(文化財課ブログ)

2017年6月の記事一覧

出張・旅行 幸松地区公民館「むかしの遊び教室」に資料が出張しました

平成29年6月24日(土)、幸松地区公民館で開催された「むかしの遊び教室」に資料を提供しました。
「むかしの遊び教室」は、地域の方々に協力していただき、子どもたちに、一昔前の遊びを体験してもらうイベントです。
郷土資料館からは、昔の道具やおもちゃなどを提供して、来場した子どもたちに昔のおもちゃ・道具を体験してもらいました。
今年度は、市民ボランティアの皆さんがおもちゃ・道具の扱い方を丁寧に指導され、子どもたちは大変楽しんでいる様子でした。

会場のようす

富多小学校の「総合的な学習の時間」での神楽の練習

富多小学校では、平成14年から第3・4学年の「総合的な学習の時間」に榎囃子神楽連の指導の下、『神楽』が取り入れられています。今年は、今日の練習で4回目となり、3年生3名、4年生9名の計12名が、演目「大黒様」の練習に励みました。前回までの練習では、古いタイヤを使った太鼓の打ち鳴らしでしたが、今回、初めて本物の太鼓を使いました。3年生は、少し緊張した様子でしたが、舞とお囃子共に4年生をお手本にしながら、金子会長の熱心な指導を受けていました。

初めて太鼓を使う練習の様子
初めて太鼓を使う練習の様子
演目「大黒様」の練習の様子
「大黒様」の練習の様子
 今後は10月下旬に開催される「けやき祭り」での披露に向け、「大黒様」「おかめひょっとこ」の習得に励みます。

尋常小学校の教科書『新編図録春日部の歴史』その13

明治5年(1872)、明治政府は学制を発布(はっぷ)しました。
春日部市域では、19か所で寺院などを利用した小学校が開かれました。
設立当初は学年が8年制で、下等小学4年、上等小学4年と分けられていました。明治19年の小学校令の交付により、尋常(じんじょう)小学校(4年制)と高等小学校(4年制)という名称が使われ始め、尋常小学校の4年間、6歳から14歳までは義務教育とされました。

教科書は、当時の文部省が作成し、全国の小学生が共通したものを使用しました。
明治9年6月14日には、埼玉県小学校教則の改定によって全県共通の時間割が定められました。教科には、読物や書取、問答、習字、算術などが並び、月曜日から土曜日まで同じ時間帯に同じ教科が割り振られました。また、第ニ土曜日は、それぞれの授業時間を半分の時間とし、半日授業としたたようです。
全ての子どもを対象とした開かれた小学校でしたが、教科書代や学用品、授業料、学校経費などを保護者が負担しなくてはならないこと等により、子どもを通学させることが困難な家庭もありました。

「国民皆学への道」『新編図録春日部の歴史』156ページ



尋常小学校読書教本と小学校日本歴史の教科書


尋常小学校読書教本

南桜井小学校”伝統芸能クラブ”での獅子舞練習

6月14日、南桜井小学校では今年度4回目のクラブ活動が行われ”伝統芸能クラブ”では早くも「笛」と「舞い」の練習が進んでいました。
現在、6年生6名、5年生3名、4年生8人と総勢17名が西金野井獅子舞保存会の染谷会長の熱い指導の下、地域に伝わる『西金野井の獅子舞』の会得に取組んでいます。


笛の練習 
会長さんの指の動きを見ながらの笛の練習風景~伝統芸能には楽譜はなく、先輩の指と音色で覚えます~

男子6名は笛の音色にのせて、「芝舞い」を練習中!~腰を落とし、激しい舞のために汗がしたたり落ちる~

7月16日の西金野香取神社でお祭りでは、保存会の勇壮な舞と共に、子どもたちの舞も披露されますので、ご期待ください。

土器作り教室と産直の里内牧体験 参加者募集!


縄文人の技術を用いて土器をつくります。
皆さんのご応募をお待ちしています。

日時:7月30日(日曜日)、8月20日(日曜日)全2回
(8月20日が雨天の場合は、8月27(日曜日)に順延)
いずれも、午前10時~午後4時
会場:教育センター(7/30)、内牧公園・内牧公園近隣農園(8/20)
※8/20の土器焼き、勾玉製作・火おこし体験のほか、近隣農園で収穫体験のメニューもご用意しております。
募集人数:50名(応募者多数の場合は、抽選。小学生以下は保護者同伴)
参加費:200円(予定、材料費)※収穫体験の費用は別途

【申し込み方法】
7月14日(金曜日・必着)までに直接(土・日曜日は、郷土資料館で受付)、はがき、またはメールで、参加者全員の住所・氏名・電話番号・生年月日・収穫体験参加の有無を記入し、下記あてにお申し込みください。
〒344-0062 粕壁東3-2-15 春日部市教育委員会文化財保護課
メールアドレス:
bunkazai@city.kasukabe.lg.jp
抽選結果は、7月21日(金曜日)までに応募者全員に通知します。

東不動院野神楽保存会が「地域の伝統文化分野」で助成が採択されました

市の無形民俗文化財に指定され、日頃、文化遺産の保存と継承に努められている「東不動院野神楽保存会」が、このたび、公益財団法人 明治安田クオリティオブライフ文化財団から平成29年度の助成が採択され、6月8日に目録贈呈式に出席されました。

贈呈式 
同保存会では、平成26年度から幸松小学校の放課後子ども教室にて月2回の頻度で”神楽教室”を開催しており、後継者養成と児童の地域学習にもご尽力されています。
今回、こうした後継者養成を目的とした太鼓類の新調や修繕への要望が認められ、助成の採択となりました。この教室では太鼓の代わりに古タイヤを使って練習していましたが、これで本物の音色が打ち響きわたることが期待されます。 
放課後子ども教室
東不動院野神楽保存会の皆さんは、7月15・16日に開催される春日部夏まつりでも山車の上でお囃子を奏でますので、是非、ご覧ください。

須恵器生産地別の特徴『新編図録 春日部の歴史』からのご紹介-その12

奈良時代、平安時代には”須恵器”と呼ばれる日常の食器がみられます。、現代のロクロのような回転する機械を使って成形され、密閉された登り窯で1200度という高温で焼かれた土器です。色は灰色のものが多く、硬い仕上がりとなり、たたくと金属音に近い音がします。

須恵器はその形や作り方、使われている粘土に含まれている物質の違いなどから、生産地が限定されることがあります。
春日部市内の奈良時代、平安時代の遺跡からは、茨城県土浦市周辺の新治窯跡(にいはりかまあと)や埼玉県寄居町周辺の末野窯跡(すえのかまあと)、鳩山町周辺の南比企窯跡(みなみひきかまあと)などの製品が確認されています。
そして同じ春日部市内でも、庄和地域の遺跡では新治窯跡などの春日部よりも東に位置する窯の須恵器が、春日部地域の遺跡では、末野窯跡や南比企窯跡などの西に位置する窯の須恵器が発見される割合が高くなります。

現在、庄和総合支所のエントランスで産地別の須恵器を紹介する展示を行っています。是非ご覧ください。

「土器の交易」『図録春日部の歴史』35ページ




新治窯産の須恵器(陣屋(じんや)遺跡;西宝珠花)
キラキラと光る雲母(うんも)という岩石の粒が含まれます



末野窯産の須恵器(小渕山下(こぶちやました)遺跡;小渕)
片岩(へんがん)という岩石の粒が含まれます。



南比企窯産の須恵器(小渕山下(こぶちやました)遺跡;小渕)
白色針状物質(はくしょくしんじょうぶっしつ)と呼ばれる針状の物質が含まれます

市民の方から資料を寄贈していただきました

「あなたの家にも眠っていませんか?」展で呼びかけているため?
・・・かどうかわかりませんが、
本日も市民の方から貴重な資料を寄贈していただきました。
武州粕壁町商売繁栄双六

いただいた資料は、「武州粕壁町商売繁栄双六」。
粕壁の町中の商店をマスにしたオリジナルの双六(すごろく)です。
年代は記されていませんが、内容から昭和初期に版行されたものと推定されます。
双六には、当時の商店や医院、銀行などの広告がマスに配され、
今でいうチラシとして、得意先などに配付されたもののようです。

実は、数年前、古書店の売り立て目録で、同様の粕壁町内の双六を目にしたことがあり、
本日、資料をみせていただいたとき、感激のあまり、声をあげてしまいました。
売り立て目録に掲載されていたものは、今回寄贈されたものとはまた別の図柄でした。
いくつかのバリエーションがあるようです。

この双六は、町や商家の歴史はもとより、当時の風俗を知るうえでも大変貴重な資料です。
双六なので、子どもたちに遊んでもらえます(もちろん複製物で)。

今後、調査研究して、ながく活用させていただきたいと存じます。
改めて、寄贈いただいた方にはお礼を申し上げます。

皆さんのお宅にも、こうした資料が眠っていませんか?

大学生政策提案コンテストの大学生の見学

春日部市「大学生政策提案コンテスト2017」に参加される大学生(共栄大学・日本工業大学)の皆さんが郷土資料館を見学されました。
大学生の見学1
今年度の政策提案コンテストは、「中心市街地の活性化」をテーマとしており、学生の皆さんは、粕壁宿の推定復元模型をご覧になり、春日部の市街地の特徴について、熱心に質問されていました。
このあと、実際に旧宿場町の町並みの現場を見学されるそうです。
春日部市にとっても、また学生の皆さんにとっても、有意義な提案がされることを期待しています。

第2次春日部市史編さん事業計画の策定

春日部市教育委員会では、このたび、第2次春日部市史編さん事業計画を策定しました。
これは市史編さん事業を市の歴史を分析し、総合編集したものを永く後世に残す文化的事業と位置付けた上で、地域資料を総合的に収集し、徹底した調査、整理、研究を行い編さんするための25年間にわたる計画です。
当面は、今まで収集した資料の整理と適正な保存を進めるための事業に取組みますが、平成35年(2024年)の自然誌-地形地質編を皮切りに、計10冊の市史を刊行する予定です。
どうぞ今後の市史編さん事業にご期待ください。


第2次春日部市史編さん事業計画.pdf