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尋常小学校の教科書『新編図録春日部の歴史』その13

明治5年(1872)、明治政府は学制を発布(はっぷ)しました。
春日部市域では、19か所で寺院などを利用した小学校が開かれました。
設立当初は学年が8年制で、下等小学4年、上等小学4年と分けられていました。明治19年の小学校令の交付により、尋常(じんじょう)小学校(4年制)と高等小学校(4年制)という名称が使われ始め、尋常小学校の4年間、6歳から14歳までは義務教育とされました。

教科書は、当時の文部省が作成し、全国の小学生が共通したものを使用しました。
明治9年6月14日には、埼玉県小学校教則の改定によって全県共通の時間割が定められました。教科には、読物や書取、問答、習字、算術などが並び、月曜日から土曜日まで同じ時間帯に同じ教科が割り振られました。また、第ニ土曜日は、それぞれの授業時間を半分の時間とし、半日授業としたたようです。
全ての子どもを対象とした開かれた小学校でしたが、教科書代や学用品、授業料、学校経費などを保護者が負担しなくてはならないこと等により、子どもを通学させることが困難な家庭もありました。

「国民皆学への道」『新編図録春日部の歴史』156ページ



尋常小学校読書教本と小学校日本歴史の教科書


尋常小学校読書教本