ほごログ(文化財課ブログ)

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郷土資料館体験講座「かわいいミニぞうりを作ってみませんか」を開催しました

令和7年2月22日(土)に体験講座「かわいいミニぞうりを作ってみませんか」を開催しました。

 講座風景

本来、本講座は昨年の10月末に開催する予定でしたが、その時は衆議院議員総選挙で会場が使用できなくなってしまったため中止となってしまいました。ご予約をいただいていた方に中止となった旨をお伝えしたときは、皆さんとても残念そうで、こちらとしても心苦しい限りでした。

 

そして何とか日程を調整して、今回の「ミニぞうり作り」の開催にこぎつけました!
例年は定員20名に対して参加者10名前後なのですが、今年はある意味で2回告知をできたおかげか、募集定員満員となりました!

 

講座では江戸打ち紐を使って、小さなぞうりを編んでいきます。

 みなさん集中して編み込んでいます

特に編みはじめの部分が難しく、テキストを見てもなかなか思うようにいきません。
ちなみに、編み方が合っていても“なんだか間違っている気がする・・・”と感じるのも『ミニぞうり作りあるある』だったりします。編み進めていくとだんだんとぞうりの姿が見えてきて一安心といった感じです(笑)

 

作ったばかりのミニぞうりをバッグに付けてお帰りになる方も!
どうやら手作りしたアイテムでバッグを飾ってらっしゃるそうで、ミニぞうりもその仲間入りができました♪

 

参加者の人数に対して、どうしても職員の手が足りず、ご不便をかけたかと思いますが、講座後のアンケートでは「またやりたい!」「自宅でも作ってみます!」といった声をいただき、多くの方にご満足いただけたようで何よりです!
郷土資料館では他にも各種イベント、講座を開催しておりますので、ご興味のあるものがございましたら、またぜひご参加ください!

2月の考古学関係展示会、イベント情報

2月の近隣博物館・資料館の考古学情報をお届けします。
(毎月28日ごろに掲載します。随時、情報を更新します。)

(春日部市郷土資料館ーいずれも考古学ではなく歴史文化(近世)の講座です。)
・3月2日(日曜日)14:00~ 歴史文化講演会 坂本達彦先生「合戦場宿一件にみる庶民生活の一側面~日光道中の宿場と周辺村落~
・3月22日(土曜日)10:00~ 歴史文化講演会 塚越義幸先生「『奥の細道』を読む~草加から日光あたりまで~」 

(東部地区文化財担当者会リレー展示ー都鳥が見た古代)
・1月25日(土曜日)~3月9日(日曜日) 「八潮はじまりのムラ」八潮市立資料館(資料展示)
・3月15日(土曜日)~4月8日(火曜日) 白岡市立歴史資料館(資料展示)

(展示会_閉会日順)
・3月2日(日曜日)まで 千葉市立加曽利貝塚博物館(千葉県千葉市) 令和6年度企画展示 加曽利貝塚E地点・B地点発掘100周年記念「あれもEこれもE―加曽利E式土器(総括編)―」

・3月2日(日曜日)まで かみつけの里博物館(群馬県高崎市) 
第32回特別展 「子持勾玉―群馬県内出土品を集めてわかったこと―」

・3月2日(日曜日)まで 埼玉県立嵐山史跡の博物館(比企郡嵐山町) 
企画展「城ってなんだ」
・3月9日(日曜日)まで 毛呂山町歴史民俗資料館(入間郡毛呂山町)
 第22回特別展「堂山下遺跡ヒストリア-渡河点の宿と交通路-」

・3月23日(日曜日)まで 早稲田リサーチパーク・コミュニケーションセンター(本庄市)
本庄早稲田の杜地域連携展覧会 「古代の児玉・深谷地域」

・3月8日(土曜日)から5月6日(火曜日)まで 朝霞市博物館(朝霞市)
第38回企画展「根岸古墳群と内間木古墳群~朝霞の古墳時代」

・3月1日(土曜日)から5月25日(日曜日)まで さきたま史跡の博物館(行田市)
  令和6年度テーマ展 埼玉の遺跡「小敷田遺跡―低地集落に生きた人びと」

・3月8日(土曜日)から5月25日(日曜日)まで 藤岡歴史館(群馬県藤岡市)
令和6年度春季企画展「群馬県指定史跡指定記念 ムラと歩んだ古代の寺―牛田廃寺の時代」

・3月15日(土曜日)から6月15日(日曜日)まで 国立科学博物館(東京都台東区)
古代DNA-日本人の来た道―

・4月20日(日曜日)まで 取手市埋蔵文化財センター(茨城県取手市)
埋蔵文化財センター第54回企画展 「近世を掘る―地下からわかる取手宿―」

(現地説明会)
・3月8日(土曜日) 午後2時~3時30分 鳳原遺跡(茨城県牛久市) 茨城県教育財団

・3月8日(土曜日) 午前10時30分~12時 谷田部陣場西遺跡(茨城県つくば市) 茨城県教育財団

(講演会)
・3月2日(日曜日) 13:30~ 笠間市立笠間公民館(茨城県笠間市) 
第10回笠間歴史フォーラム「笠間城を考えるII」 *入場無料 申し込み不要

・3月9日(日曜日) 13:00~ 北本市文化センター
国指定記念シンポジウム「デーノタメ遺跡―巨大集落はなぜ継続できたのか
*入場無料 申し込み不要

・3月16日(日曜日) 14:30~ 宮代町郷土資料館 
宮代町歴史講座 「発掘された地蔵院遺跡」 *要申込

南桜井小学校の皆さんが団体見学に来ました

2月20日、南桜井小学校の特別支援学級の皆さんが、郷土資料館に見学に来てくれました。

写真:竪穴住居の見学

竪穴住居や粕壁宿の模型をみたり、千歯こき体験をしたり、春日部駅の鉄道高架の展示をみたり。

写真:千歯こきの体験

来館しなければ味わえない体験・経験をたくさんしてもらえたようです。

特に大人気だったのが、昔のおもちゃコーナー。

写真:昔のおもちゃ体験のコーナー

自由時間をかなりとりましたが、皆さん、この場から離れません。とくに人気だったのが、ダイヤル式電話、ビー玉ころがし、パタパタ(板がえし)、紙鉄砲でした。

最後には「帰りたくない」と涙をこらえて訴えてくれる子もいました。

 

ここのところ、郷土資料館では、でばりぃ資料館(出張授業)ばかりで、久しぶりの団体見学でした。

でばりぃ資料館はお陰様で大好評で、「楽しかった」と満足気に語る児童たちはいても、「帰らないでほしい」とは言われたことはまだありません。でばりぃ資料館は「所詮、郷土資料館の切り売り」にすぎませんが、団体見学のは郷土資料館を体全体で感じることができます。ヴァーチャルや切り売りではなく、実物のいろいろなものに、自らの興味・関心で触れにいき、楽しめることが、来館することの醍醐味なんだ、と改めて気づかされました。「帰りたくない」という感想はあり得ても、「帰らないでほしい」はきっとない感想なのかもしれません。

 

「帰りたくなかった」あなたは、ぜひ、おうちの方とまた遊びにきてくださいね。

【出張授業】中野小学校inでばりぃ資料館

2月14日、中野小学校にて、でばりぃ資料館を開催しました。
今回も3年生の社会科の市やくらしのうつりかわりの学習の出張依頼です。
わけあって、報告が遅くなってしまましたので、後日いただいた児童の皆さんの感想ととともに当日の様子を紹介しましょう。

写真:中野小学校でばりぃ資料館
中野小学校の皆さんは、すでに昔の道具やくらしのうつりかわりについて、学習がはじまってたようで、「道具の名前や使い方知っていますか?」と質問すると、「火のし」「昔のアイロン」というように、答えてくれた子がたくさんいました。しかし、どうやって火のしを使うのか、どのようにして先端の金属の部分を温めるのかは、まだ知らない子が多かったよう。実物の火のしと木炭(炭)をみせながら説明したところ、皆さん得心してくれました。だけど、それでも時間が足らなかったかな、と思う感想を書いてくれた子もいました。

画像:火のしの感想

熱くなるのは、先端の金属(真鍮?)の部分で、取っ手は木製です。触って確かめてもらえたでしょうか。

 

写真:黒電話

こどもたちに大人気のダイヤル式電話。他の小学校では「電話にでんわ」と紹介され、教育センターの一部の方に好評だったので、同じように電話を紹介しましたが。。。全体的にはしーん。ただ、一人の子には大うけしました。今後も果敢に挑戦していきます。

もう一つの話題。

「中野小学校がなんでできたのか知っていますか?」というような、町の様子のうつりかわりのお話。こちらについても、すでに学習していたようで、「川辺小学校がいっぱいになっちゃったから、中野小学校ができた」と明答してくれた子もいました。

けれども、「中野小学校ができる前には、ここは何だったのか」と聞くと、「田んぼかな?」「畑かな?」「海かな?」「川かな?」と意見が分かれました。そこで、60年前の春日部の航空写真を見てみよう、と案内したところ、自由時間には、、、

写真:航空写真

われ先にと争うようにのぞき込んでくれました。

感想でも、

画像:感想2

自分たちの小学校だけでなく、よく使う近所のショッピングモールがなかったことに驚きをおぼえてくれた子もいたようです。

今回は、学習の「導入」ではなく、「展開」として位置づけられていたようでした。「導入」でも「展開」でも、はたまた「まとめ」でも、いかなるご要望にもお応えしますので、今後も幅広いオファーをお待ちしております。

中野小学校の皆さん、どうもありがとうございました。次は、郷土資料館に来てくださいね。

歴史文化講演会 天正18年の岩付、糟壁とその周辺 を開催しました

令和7年2月15日(土)午後、教育センター視聴覚ホールにおいて歴史文化講演会を開催いたしました。

元さいたま市の専門職員で中世史研究者の青木文彦先生をお迎えして、「天正18年の岩付、糟壁とその周辺」をテーマにお話しいただきました。

2月15日 歴史文化講演会

 天正18年(1590)は、関東地方の歴史にとって大きな画期となった年です。関東地方の戦国大名の雄であった小田原北条氏(後北条氏)が天下人豊臣秀吉の小田原攻めによって滅ぼされ、関東は江戸を本拠に置く徳川氏の領国となりました。これは、今日まで続く、東京(江戸)を中心とした関東地方・日本の発展の歴史へと連なる、大変大きな出来事といえます。

講演では、天正18年3月から9月まで、豊臣秀吉が京都から関東へ着陣し会津仕置(しおき)を経て京都へ戻る期間の秀吉の動静と、岩付城の落城や春日部とその周辺の住民の動向を詳しくお話ししていただきました。

2月15日 歴史文化講演会

 受講された70名近くの皆さまには熱心にご清聴いただき、最後には複数のご質問もあり、たいへん盛況となりました。青木先生、受講された皆さま、ありがとうございました。

今後も、春日部や埼玉東部、関東地方の歴史文化と関わる講演会を企画し、現代との関わり、つながりを紹介して参ります。