校長室

校長室から発信

斜めの関係で子どもを育てる

 布佐中学校では、地域の方を始めとしたたくさんの大人と触れ合う中で、コミュニケーション能力を高めたり、社会性を育みながら「生きる力」をつけていきたいと考えています。これは、家庭での親と子、学校での先生と生徒という縦の関係と友達・仲間という横の関係だけでなく、地域や第三者の大人という斜めの関係を意図的に加え、より強固な体制でしっかりと子どもを育てていきたいという発想です。
 16日(金)に総合学習の一環である本校の「布佐タイム」がスタートしました。これは、生徒が自らの興味・関心に基づいた課題を設定・選択し、思考し探究しながら解決し、表現していく過程を通して学校教育目標である「自主」と「共生」を実現しようとするものです。教員だけでは成立し得ないこの学習には、全部で12ある講座に地域の方を始めとした30名前後のみなさんにご協力いただいており、これから実施される「布佐カリキュラム」についても同様で多くの斜めの関係に支えられて実現できていることを改めて実感します。
 また9月に行われる「就職体験」に向け、現在、地元を始めとした多くの事業所様に依頼に伺っているところですが、これも大変好意的かつ積極的に受け入れOKの回答をいただいています。ここでもキャリア教育そのもののねらいに加え、斜めの関係を活かした教育活動が展開できると感謝しています。
 さらに、近日中に学校内に「地域ルーム」を開設し、ここを学校支援地域本部の拠点としながら、多くの学校支援ボランティアや大人の目で生徒を見守り、育てていきたいと考えています。詳細は後日、学校だより等で連絡させていただきますが、多くの皆様のご理解とご協力をいただければ…と思っています。よろしくお願い致します。

部活動を応援して…

 21日()に部活動集会を行い、1年生も正式入部となり、さっそく翌日から元気な姿で活動しています。72名の新入生ということで、どの部も人数確保が課題であり、チームを組むことが厳しい状況になってしまった部もありますが、各顧問も一人ひとりの生徒の可能性を伸ばすことに主眼を置いて、きめ細かい指導に努めているところです。        

さて、そのような少数精鋭の布佐中部活動ですが、どの部も本当に一生懸命に練習し、大会では勝利をめざして全力で頑張っています。27日()は野球部が市内大会で優勝したといううれしい報告もありましたが、多くの部活動が他の中学校よりも圧倒的に少ない部員数でありながら、それに左右されない結果を出したり、どの学校にも負けない応援の声や挨拶の声を聞くにつれ、うれしさも倍増しているところです。

また、5月14日()には、学校代表として市内陸上大会に選手団を派遣します。こちらも、年々、子ども達の頑張りで成績が上向いていると聞きました。一つでも上位をめざし、自信をもって大会に臨んでほしいと願っています。

保護者の皆様、引き続き、応援よろしくお願いします。

保護者会で伝えたこと

 14日()に年度始め保護者会を実施しました。入学式から1週間も経っていない日の設定で、特に1年生の保護者の皆様にはご迷惑をかけた点も多々あったことをお詫びいたします。

 さて、保護者会の中では、「教育=共育・協育」であり、「子どもは家庭で生まれ、学校で学び、地域で育つ」のであるから、三者がそれぞれの役割をしっかりと果たすと同時に、足りない部分を連携・協力して補い合うことで、子どもを育てるという崇高な営みが成立する。また、学校と家庭の間で誤解、或いは意見や考え方の相違が生じたときには、常に「子どものためには何がベストなのか」というスタンスに立ち、両者が十分に話し合い、共通点を見い出して同じ歩調で子どもに接していくことが、子どもにとって最善の結果を生む、という話をさせていただきました。

 これまでも家庭や地域に愛され、支援をいただいてきた布佐中学校ですが、これをさらに大きな支援の輪に巻き込み、たくさんの大人の目で見守りながら、子どもたちの健全な成長を促していきたいと考えています。

 ご協力、よろしくお願い致します。

避難訓練で伝えたこと

 先週、木曜日に避難訓練を実施しました。東日本大震災の発生時、湖北台中学校に教頭として勤務していた私は、生徒たちの安全を確保するために、どのような指示を出せばいいのか、瞬時に判断することが困難で四苦八苦していたのを思い出します。

 そして、しばらく時間が経ってから布佐地区の甚大な被害の状況を知り、大変に驚きました。小中学校に通う児童生徒の中にも被災した家庭が多かったのだろうと思います。そんな布佐地区にある中学校として、将来にわたって布佐の地を愛し、誇りをもって地元に貢献し、復興にも携わることができるような人材を育成することは本校のミッションであると考えています。そんな人材を育成するために、前回、お示しした学校教育目標を設定しているということもご理解いただければ、と思います。

 さて、避難訓練では、災害から身を守るためには「自助」「協助」「公助」の考え方があるけれど、命を守るために一番大切なのは「自助」であり、それを為すためには場の状況を考え、冷静に判断して自ら行動する力が求められる。そんな力をつけるために学校の様々な教育活動を通じて勉強しているという話をしました。その際に、大津波から避難し、小中学校の全児童生徒が助かった岩手県釜石市のいわゆる「釜石の奇跡」を実現した「自助」を重視した防災教育のこと、釜石の中学生がお年寄りや幼い子供たちの手を引いたり、リヤカーに乗せて多くの命を救った「協助」についても取り上げて話しました。

 避難訓練への生徒の参加態度を見ていると、震災から時が流れ、ややもすると記憶が薄れてしまっているような心配もされます。私の話が生徒たちにどのくらい浸透したかはわかりませんが、生徒が自らの命を守るための思考力や判断力・行動力を身につけられるような学校での教育活動をさらに展開していかなくては…と改めて考えています。


 



着任から10日を過ごし…

4月1に我孫子市教育委員会・教育研究所より布佐中学校に着任しました校長の石井美文と申します。よろしくお願い致します。

さて、初任校長として、新年度に入って慌ただしく時を過ごし、気がつけば10日が過ぎてしまいました。余裕がなく、HPでのご挨拶、更新が遅れてしまったことをお詫び致します。

今年度、本校の学校教育目標は「自ら学び、共によりよく生きる生徒の育成」としています。これについて、始業式と入学式の式辞の中では「自主的に学んだり行動し、みんなで助け合ってよりよく生活できる生徒になろう」という意味であり、学校は自立した大人になるための勉強をするところであるから、中学校では「自分で考え、自分から誰かのためになる一歩を踏み出す」練習をたくさんしてほしい、という話をしました。

また、進学・進級した生徒たちに贈るエールとして、「成功」の反対は「何もしない、何も行動しない」ことであり、「失敗」とは「成功」の途中である。今までに多くの「失敗」をしてきた人も、胸を張って中学校の活動にチャレンジしていこう、という話もしています。

始業式も入学式も、生徒たちは大変に立派な態度で式に参加し、特に、入学式で2・3年生が歌った「ジュピター」は1年生の心に響くすばらしいものでした。今後、いろいろな場面での布佐中生の活躍を予感させるうれしい入学式の1日となりました。

布佐中学校は、保護者のみなさんと地域の方々の支援を受け、多くの大人が生徒たちを見守り、育てている学校です。本年度も、学校・保護者・地域が連携し「みんなでつくる地域の学校」をさらに推進していきたいと考えています。保護者・地域のみなさんには、そんな理想の学校づくりに向けて積極的に参画し、お手伝いいただければ幸いです。

どうかよろしくお願い致します。「教育」は「共育・協育」です。