校長室より

校長室より

1学期

       学習や行事で付けた力
1学期が終了しました。子ども達は様々な行事を通して、「力を出す・力を合わせる・力を抑える」ことを
学びました。体験は全ての礎と言います。こんなに近くで見ている一小っ子の伸びが実感できたことをうれ
しく思います。

学校便り7月号の裏面で、1~6学年と特別支援学級の授業研究の様子をお知らせしました。
本校では確かな学力を身に付けさせるために!
1 主体的・対話的で深い学びを推進すること
2 地域の自然と文化を大切にし、故郷に誇りを持てる一小っ子を育成すること
3 国語科と生活科や総合的な学習の時間の横断的な単元づくりに取り組み、「総合表現活動」と名付け
  【生きてはたらく表現力】の育成をすること
に力を入れて、授業研究を行って参りました。

11月の公開研究会では、我孫子第一小学校の考えた「深い学びの姿」をご覧いただけるよう、夏季休業中に
研究・研修をさらに充実させ、指導方法の工夫改善に取り組んで参りたいと思います。

総合表現活動の学習を成立させるためには、何でも言い合える支持的風土の学級づくりが大切です。
これからも子ども達の「こころ」を耕しながら、学級経営に努めていきたいと思います。

終業式には、日野原名誉院長の話をしました。
60歳近くでハイジャックの人質になり、解放された時に「人のために時間を使うこと」を決意されたこと。
105歳まで生涯現役。いのちの授業や高齢者の心と体の健康指導を積み重ねた先生の「生き様」から
学ぶことがたくさんあります。

「いのちは一人一人が持つ大切な時間」・・・市内の養護教諭が作成した「いのち こころ からだ」の
5年生の指導内容は、日野原医師のこの言葉がキーになっています。大切にバトンを繋いでいきたいと
考えます。

5年生は25日から林間学校に行きます。また、PTAバレーボール(7/30・8/20)
かっぱ大行進(8/26)が予定されています。応援や参加をよろしくお願い致します。

1学期の御理解御協力に感謝を申し上げます。どうぞ事故なく、けがなく、楽しく充実した夏休みを
お過ごし下さい。
                         校 長  山口 祐子

チーム一小で一小っ子を育てる!

我孫子第一小学校に着任して一ヶ月が過ぎようとしています。566名の子ども達が学習や生活を
その学年なりにしっかりとスタートすることが出来ました。
先日行われた「総会」でもお話しましたが、今年度は、以下の重点に沿って教育活動を進めてまいり
ます。

「安心・安全」を大切に、「希望の登校・満足の下校」を心掛け、学校教育目標達成にために
47名の教職員が一丸となって、一小っ子を磨き鍛えます。

教育目標
   豊かな心でたくましく生きる子どもの育成
29年度
      「やる気 根気 元気 はたらき」4本の木を大きく成長させる。
そのため大切にすること
     教職員・・・ 1 わかって楽しい授業づくり     2 特別支援教育の充実
     児童・・・・ 1 あいさつ  2 清掃  3 歌声  4 靴と傘をそろえる
            5 時間を守る 6 外遊びをする    7 整理整頓

知・徳・体の重点については、今後少しずつお伝えしてまいります。
一小っ子の頑張りを少しずつアップしてまいりますので、給食の献立と共に「新着情報」を
ご覧下さい。

29年度ご協力の程、よろしくお願いします。
                              山口 祐子

ゲーム依存症

子どもがスマホに触れ始めた年齢は、47%が2歳以下である。

ほぼ毎日スマホに触っている子どもは、31%である。

3歳の子どもが、親の指の動きを見て覚え、画面ロックのパスを知った。

数日前の読売新聞の記事です。

母親が家事で忙しい時、子どもにスマホやタブレットを与えておくと家事がはかどります。

取り上げると癇癪を起こすのでなかなか取り上げることができなくなってしまうそうです。

 

電車の中でも、ほとんどの客は腰掛けてスマホを操作しています。

スマホをいじっていない人の方が圧倒的に少ないのが現実の大人の世界です。

「スマホを持ってないと仲間と繋がれない」のが中学生・高校生の現実です。

もう、私達は機械を利用しているのではなく、縛られているように思えます。

では、身近の子ども達の現実はどうでしょうか。

 

 我孫子市内の小中学校でも同じような問題は実際起きています。

スマホを使ってのゲームを毎日、何時間もする子どもがどの学校にもいます。

スマホのゲームが生活の中心となっている子です。

ゲーム依存症です。

ゲームなしではもう生きていられなくなってしまった子どもです。

中学生の中には、心療内科の病院に強制入院させて治療をしなければならない子も出てきました。

小学生でもゲームから引き離す為、キャンプに1週間参加させる子もいます。

この現実を私たち大人は、どう考えたらいいのでしょうか。

子どもの問題は、突き詰めれば大人の問題でもあります。

テレビのコマーシャルでは、新しいスマホゲームの宣伝がやたらと多いです。

あれだけテレビで宣伝され、仲間が楽しそうにやっていたら「やるな」と言う方が難しいです。

ゲームを始めると次第に夢中になります。ゲームを達成すると脳からドーパミンがどんどん出てきます。ワクワクし、高揚感に満ちてきます。

そして更に、脳がゲームの刺激を求めるようになります。

際限なく刺激を求めると同時に、他の活動(学習や運動、規則正しい生活等)への興味が薄れてきます。

ゲーム中毒の子どもの脳は、麻薬中毒の人の脳と似ているとも言われています。

 

アメリカで「スマホ18の約束」という文書があります。

ある母親とその子どもとの約束した内容です。

とても分かり易く書かれ、何が本当に大事なのかを考えさせられます。

一部を紹介します。

〇このスマホは私が買ったのよ。あなた(息子)に貸しているだけです。

〇パスワードは私が管理しますよ。

〇学校に持って行ってはいけません。メールする友達とは直接お話しなさい。

 会話は人生のスキルです。

〇お友達に面と向き合って言えない言葉はメールで送ってはダメよ。

〇時々、スマホは家に置いていきなさい。携帯は生き物でもあなたの一部でもないの。

 これなしでも暮らしていけるのよ。取り残されるのを恐れず、器の大きい人間になりなさい。

〇約束を守れなかったら没収します。もう一度使い方を話し合い、はじめからやり直しましょう。

 

 

もう一人の自分発見

 「座」という漢字をよくみて下さい。

この漢字は、土の上で人と人とが対面している様子を象形文字として描かれています。

一人は「現実の自分」であり、もう一人は「見えざる自分」が対面して座っているのです。人は常にもう一人の自分と対話しています。私など常に「これで本当にいいの」「まぁ、いいか!」「なんでもっとしっかり準備をしておかなかったのだろう」時には「速く忘れてしまおう」ともう一人の自分との会話が延々と続きます。本当の自分はどこにあるのかと思ってしまうこともあります。

 教育とは、もう一人の自分を発見させることにあるとも言われます。

子ども達は、まだまだ全ておいて未熟であり経験不足であり、自己確立ができていません。

小学校時代は、自分づくりに必死な時期だと思います。

自分は本当は頭がいいのか。やればできるのに努力をしていないだけなのか。

自分は本当は運動が好きなのか。上手だと煽てられていることに気づいていないのか。

自分は本当は性格がいいのか。他人から「いい人ね」と言われたいだけなのか。

 自分の中にもう一人の確かに信じられる自分を持っている人は、強いと思います。

もう一人とは、きっと「自分の中の見張り番」でもあるからです。

人は、自分のことを自分で管理しなければ生活できません。家や学校でも親や先生や友達に厳しくアドバイスをもらえる時はいいです。しかし、いつも見張り番がいるとは限りません。

人間は弱いです。

手を抜きたい。サボりたい。楽をしたいと思ってしまいます。

大人になるとは、厳しいもう一人の自分を作っていくことなのかな、とも思います。自分としっかり向き合い、もう一人の確かに信じられる自分と対話していく。

対話していく中で、価値ある本物の自分が作られていく。

心が成長することです。

 諺の一つに「人には優しく、自分には厳しく」があります。

まさしく、もう一人の厳しい自分が甘い自分を諫めているのです。

自分のことは、自分自身が一番分からないし、知らないとも言われます。

小学生の子どもには、日々の生活の中で「僕もやればできるんだなぁ!」「私にはこんな力が実はあったんだ!」「自分をうんと褒めたい!」という場面をいっぱい作ってあげることが大事だと感じています。そのために、数多くの色々な経験(学習・スポーツ・習い事等)をさせることがその第一歩のような気がします。

より多くの厳しい自分・意外性を持った自分・不思議な自分と出会えるような環境を作ってあげたいものです。

私は還暦を迎えて、「人生の尺度」を自分で持つことが必要だと感じています。

この歳になると、自分は自分、他人は他人と割り切ることの大切さも実感してきています。

 

 

人生100年の時代 ~子ども達の生き方~

2007年(平成19年)生まれの子どもの半数は、107歳以上生きると予想される調査結果が国連からでました。

今後、日本の小学生は、「本当に100歳まで生きる時代」だということです。

「人生100年」をどう過ごすか。

普段はあまり深く考えませんが、実に大事な問題でもあります。

 

そもそも日本人の寿命はいつ頃から延びてきたのでしょうか。

織田信長の時代は、「人生50年」と言われておりました。

でも実際には、

明治・大正時代でも、40歳台(42歳位)でした。

太平洋戦争後、昭和22年に始めて50歳を超えました。

私の生まれた1957年は、男性63歳、女性67歳でした。

そして今は、男性81歳、女性87歳の時代です。

こんなに長生きになったのは歴史的にみれば最近の話なのです。

日本人は、10年間で2年~3年位の割合で平均寿命が延び続けているそうです。

しかし、生物学的には今のところ110歳から120歳位でこの延びは止まるかもしれないみたいです。

 

1月10日の始業式で、子ども達に「人生100年」の話をしました。

「皆さんの大部分は、100歳以上生きられるようです。」

そして、次のような質問をしてみました。

「皆さんにとって、100歳以上の長生きが本当に得ですか。

それとも損ですか。

どちらかに手を上げてみて下さい。」

私の予想では、ほとんどの子どもは得だと思うに手を上げると思っていましたが、

高学年の子は、損だと思うに手を上げる子もおりました。

理由は、この後教室で担任の先生と話し合ってみて下さいと言って終わりました。

高学年で損だと思う子の理由は、

・病気になって長生きするのは辛い。

・仲間が死んでいるのに自分だけが生きているのは嫌だ。

・寝たきりの老人になるのは嫌だ。

・食べたり生活したりするのにお金が掛かる。

 

想像以上に現実的でした。

将来、子ども達が不幸なのは、

過去のモデル(長寿時代の経験則)がない時代になっていくことです。

先生方やお父さん・お母さんの生きてきた時代ではベストな生き方が、

長寿時代の未来を生きる子ども達にとってはベストではないかもしれないということです。

学ぶ(学校)、働く(職場)、引退する(余暇・生涯学習)のローテーションが今後どのように変化していくのでしょうか。