2021年4月の記事一覧
式辞の内容
本日は始業式、入学式が無事に実施することができました。始業式と入学式で同じ内容の式辞を述べましたので、同じ内容の部分を紹介します。
『皆さんは、ポルトガルのヒーロー、クリスティアーノ・ロナウドというサッカー選手を御存じでしょうか。本日は、ロナウド選手と日本のある少年のお話を紹介します。
二千十四年、来日したロナウド選手の前に、一人の少年が立ち、ポルトガル語で「プロのサッカー選手になるためにはどうしたらよいか?」という質問をぶつけました。あこがれのロナウド選手を前に、緊張のあまり、震える声で何度も練習をしてきた質問をポルトガル語で話そうとしましたが、言葉に詰まってしまいました。それに対し、報道陣から笑い声が起こりました。その時、ロナウド選手は少年の肩に手を置きながら、報道陣に目を向けて「どうして笑うんだい?彼のポルトガル語は素晴らしいよ。一生懸命やっているのに笑うことはないだろう」と言いました。
そして、少年の質問に対してロナウド選手は「信念を持ち、努力を重ねて、チャンスを逃さないことだよ」と答えたとのことです。
その少年は昨年度、高校三年生になり、全国高校サッカー選手権大会で優勝した山梨学院サッカー部の一員になっていました。
彼は、一度レギュラーをつかむことができましたが、新型コロナの影響で練習ができず、夏の再開時には、彼のポジションは二年生に奪われていました。しかし、彼は「諦めないで自分を信じて努力を重ねていればいつかチャンスは来る」とロナウド選手の言葉を胸に、日々の練習で一切、手を抜きませんでした。
全国大会でも、一回戦はベンチ外でした。しかし、彼の努力が実り、二回戦ではベンチ入りし、たった二分でしたが、試合に出ることができました。三回戦では、スタートのメンバーに選ばれました。しかし、右足の骨がはがれるけがを負い、全国大会では二度とプレーすることができなくなりました。
彼は『山梨学院で日本一を取りたい』と本気で思っていました。彼は、優勝した後、「僕も少しは試合に出場して、この日本一に少しでも関わることができて本当に嬉しかった。この経験は僕の中で一生の財産になると思います。」と語り、プロになる夢を実現しようと大学に進学したそうです。
彼の夢は叶うかどうかは誰にもわかりません。しかし、彼は、思い通りにならないことがあっても努力することを継続しました。
ここで、新入生の皆さんが、大沼中学校で気をつけてほしいことを、四つ、お願いします。
一つ目は、一人一人の人生は、君たちにしかないたった一つで、たった一回しかない人生というストーリーです。そして、たとえ、思い通りにならなくてもその主人公を代わってくれる人はいませんし、やり直しがききませんので、自分自身を大切にしてください。
二つ目です。感謝の気持ちを忘れないでください。君たちの周りには、家族、仲間、先生、地域の方々など、君たちを応援してくださる人がたくさんいます。その人たちに感謝の気持ちをもって接するようにしてください。
三つ目です。自分自身の「よさやとりえ」を見つけて、夢や希望を持ってください。そして、その、夢や希望を叶えるために、思い通りにならないことがあっても、勉強、運動などを計画的に実行し続けてください。
四つ目です。ロナウド選手のように、一生懸命やっている人を笑わないでください。
以上、四つお願いします。
しかし、努力しても、自分自身では乗り越えられない壁が立ちふさがることもあるかもしれません。そのようなときは、夢や希望に向かって努力を重ねる皆さんをしっかりサポートする大沼中学校の先生方がいますので、是非とも相談してください。』