ほごログ(文化財課ブログ)

2024年1月の記事一覧

令和5年度の文化財防火デー防災訓練を開催しました

1月27日(土)に小渕地区の浄春院にて令和5年度の文化財防火デー防災訓練を開催しました。 当日は快晴となりましたが、北風が強く吹き、まさに火災の発生しやすい条件下での訓練となりました。

 

 この文化財防火デーは、昭和24年1月26日に奈良の法隆寺金堂が火災に遭い、当時世界最古の木造建造物と共に貴重な壁画が損傷したという痛ましい事故を契機に定められました。毎年1月26日前後に、全国各地で歴史的建造物や文化財を保存管理する社寺などで防災訓練が行われています。

 

本年は訓練会場である浄春院に伝わる、市指定文化財の「円空仏」(不動明王坐像)を対象に訓練を実施しました。本堂より火災が発生したという想定のもと、関係者の皆様を中心に通報訓練、文化財搬出、水消火器による初期消火訓練を行い、消防団による放水訓練で無事、鎮火というシナリオでした。

 初期消火訓練文化財の搬出訓練

 

 

 

 

 

 

 

 

放水訓練の様子

スモークハウス体験

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 訓練の第二部では、模擬電話による通報訓練、水消火器による消火訓練、スモークハウス体験を行い、実際の火災の際に備えた訓練を実施しました。参加者の皆様からも「貴重な体験ができた」、「火災や震災の際に役立てたい」などの感想が聞かれ、有意義な訓練となりました。

 

 浄春院のご住職、関係者の皆様、消防団の皆様、消防本部の皆様、寒い中、参加いただきありがとうございました。これからも所有者と地域の皆様との連携・協働をとおして貴重な文化遺産を未来に確実に残し伝えられるよう、ご協力をお願いいたします。

【出張授業】でばりぃ資料館in備後小学校

令和6年1月25日(木)に備後小学校に出向き、第3学年の児童に向けて「でばりぃ資料館」を開催しました。

今日は多目的室を2つに仕切り、2クラスが入れ替わる形式で開催しました!

昔の学校の道具・60年前の春日部ブース

昔の家の道具・千歯扱き体験ブース

 

1つは昔の学校の道具と、60年前の春日部の様子を紹介するブースです。

備後小が何年前に開校したか、計算してみよう!

空中写真で学校の周辺の様子を探る子供たち 

備後小学校が開校したのは52年前の1972年(昭和47年)です。なので今回持って行った約60年前の空中写真には、備後小はまだ存在しません。

子どもたちは空中写真に身を乗り出しながら、かつては春日部には田んぼが多かったことなど、楽しく昔の備後小周辺の様子を学びました。

 

もう一方のコーナーでは、昔の家で使われていた道具と、千歯扱きを使った脱穀体験をしました。

昔の道具を触ってみよう!

千歯扱きで脱穀体験

初めて見る道具にワクワクしている様子♪

実際に道具を触って、重さや使い方などを確かめながら学びを深めました。

 

各コーナー20分ずつという短い時間でしたが、その分集中が途切れることなく学んでくれたようです!

職員の説明に対する反応が良く、静かにしっかり聞く姿勢も持ち合わせている備後小3年生!資料館に来た子がない子も多いようなので、ぜひ今度来てみてくださいね♪

 

子どもたちからも先生方からも好評をいただいている「でばりぃ資料館」!

来週は桜川小に伺います!お楽しみに♪

【出張授業】でばりぃ資料館in豊春小学校

令和6年1月23日(火)に豊春小学校に出向き、第3学年の児童に向けて「でばりぃ資料館」を開催しました。

1月18日に開催した牛島小学校と同じく体育館を使用し、3つのブースを1~3組の各クラスが順番に回っていく形式での開催です!

全体風景

 

まずは、昔の学校の道具・約60年前の春日部の様子を紹介するブースの様子から。

60年前の春日部ブース風景

実物を触って学びを深めます

昔の春日部駅周辺の風景や、学校の周りはどうなっていたのかなど、現在の様子と比較してみてもらいました。

また、昔の学校の道具コーナーに展示した石盤(せきばん)など、今は毎日当たり前のように使っているノートが、70~100年くらい前は全然形の違うものだったことに驚いたみたいです。

 

昔の農業ブースでは、昔ながらの方法で稲から白米にするための過程をまなびました。

昔の農業ブース風景

籾摺り体験!

千歯扱き(せんばこき)を使った脱穀の体験や、唐臼(からうす)を使用する籾摺り(もみすり)の工程を簡易バージョンで体験しました。

籾の殻は固いので、手で剥くのではなく、唐臼のように2つのもの(唐臼の場合は木)で籾を挟んでこすることでもみ殻を外します。今回はすり鉢とボールを使っての疑似体験です。“プチッ!カリッ!”と音を立て殻が外れていくのが楽しいみたいです♪

 

そして昔の家の道具ブースでは、現在郷土資料館で展示中の資料をいつくかチョイスして、出張展示をしました。

昔の家の道具ブース風景

昔のアイロン替わりの“火のし”

手回し洗濯機などは特に人気で、子どもたちも興味津々!その他にも、昔のアイロンなどを手にもって体感してもらいました。

お話しを聞きながら頑張ってメモを取る様子も印象的でした!どうやらこの後、新聞を作るのだとか。

今日学んだことを生かして素敵な新聞に仕上げてくださいね♪

 

職員の言ったことをしっかりと聞いて、ルールを守って行動できる豊春小3年生でした!

 

今週は明後日25日にも備後小に出張ってきます!

3年生に限らず、他の学年の授業でも随時出張いたしますので、お気軽にご相談ください!

郷土資料館【手作りおもちゃクラブ】を開催しました

令和6年1月21日(日) の午前と午後各1回ずつ、郷土資料館手作りおもちゃクラブ「からくり屏風を作ろう」を開催しました。

 

今回は今年度最後の手作りおもちゃクラブ!

しかし、外はあいにくの雨。寒さも相まって外出するのがおっくうになるようなお天気。

「みんな来てくれるかなぁ。。」などと心配していたのですが・・・

手作りおもちゃクラブ風景

この盛況ぶり!

いつも来てくれる子から初めましての子までたくさん参加してくれました♪

特に午前の部は参加者数が、過去6年間で最大の人数でした!

 

手作りおもちゃクラブでは、蓄音機の上演、紙芝居の読み聞かせ、おもちゃ作りの3つを行います。

蓄音機の上演風景

紙芝居の読み聞かせ風景

先日、牛島小の3年生を対象にでばりぃ資料館を開催した際に、おもちゃ作りの宣伝をしたことで興味を持ってくれた子も参加してくれました♪

 

今日のおもちゃは「からくり屏風」です。2枚の板から4枚の絵柄が現れる不思議なおもちゃ!

おもちゃ作り風景

自力でやり遂げるタイプのお嬢さん!真剣です!

来てくれた方に対して職員が少ない状態でしたが、保護者の方のご協力のおかげで、みんな上手に作り上げることができました!

 

缶バッジづくり風景

そしてお土産の缶バッジ作り!

ちゃんと並んで順番を守ってくれましたね♪えらい!

 

これをもって今年度の手作りおもちゃクラブは終了です。

来年度も開催を予定していますので、広報かすかべや郷土資料館ブログなど、今後も欠かさずチェックをお願いします!

今年度もたくさんの子どもたちと楽しく過ごすことができました♪またお会いできる日を楽しみにしています!ありがとうございました!

こんな資料の活用、いかがですか?

本サイト内の「学校の先生方へ」を更新しました。 #かすかべプラスワン #教材 #小学校の先生 #館蔵資料総活躍社会

学校の先生方向けに郷土資料館所蔵資料を活用して、学校の授業を充実させてみませんか?と提案する情報を追記したものです。

画像:提案リスト

資料館所蔵資料が最も利用される教科は、ほぼ8割が社会科の教材利用です。ただ、学校の教科書をめくってみると、ほかの教科でも資料が活躍する余地がありそう。執筆者は、わが子の音読を聞いたり、教科書をパラパラめくっていたりして気づいた次第。そんな小さな発見(思い付き)を具体化したのが、この「こんな資料の活用、いかがですか?」のリストです。

リストは、今年度の博物館実習生の協力のもと作成したもので、市内の小学校の教科書(全教科)をひたすらにめくって、授業の単元で資料館の所蔵資料が入り込む「余地がありそうなもの」をリストアップしました。

その後、リストを整理するなかで、郷土資料館所蔵資料は、大きくわけて3通りの活用法に大別できることがわかってきました。

第一に、体験して学びを発展させる。

教科・単元に関わる道具や資料を実際に使ってみたり、触ってみたり、実物を見たりして「体験」することで、学びを深めたり、より高度な学習に発展させたりする活用法です。例えば、小学校4年生の国語「世界にほこる和紙」では、古文書などの和紙の資料を実際に触ったり、古いものであるにも関わらず、状態がよいものが残っていることを見て知ることで、和紙の特徴を実感させることができるのではないでしょうか。また、理科などの教科で、古い図鑑と現在の図鑑を比較することで、今と昔の認識の違いを理解し、科学的な認識の進歩・展開が理解できるようになるのではないでしょうか。

第二に、作品の場面を想像する。

国語や道徳など物語などの作品に登場する道具を実際に使ってみたり、触ってみたりすることで、物語の臨場感や場面の再現性を高め、作品の理解を深める活用法です。実習生の言い方だと「音読空間を創る」とのこと。実際の活用例として代表的なものは、小学校1年生の国語「たぬきの糸車」です。または、戦時中の道具は、戦争の悲惨さを伝える国語の単元の理解を深めるものにもなるのではないでしょうか。

写真:戦時期資料の例

第三に、郷土の事例から学びを発展させる。

教科書に登場するモノ・コトを、郷土春日部のモノ・コトと比較・対照することで、学習を深め、発展させる活用法です。代表的な活用例では、縄文時代の学習単元で、市内出土の土器に触ってみたり、市内の遺跡について学んだりして、教科書的な出来事を身近に感じることができるでしょう。小学校4年の音楽では、地域に伝わる音楽を調べる単元があるようですが、市内の神楽・囃子・獅子舞などのお囃子の音源や映像を鑑賞してもよいのではないでしょうか。これらの方法は、春日部オリジナルの学びにもなると期待されます。

 

今回のリストは、あくまでも郷土資料館からの提案です。学校の授業現場・教科の指導法を理解していない博物館実習生(大学生)と学芸員が考えたものですので、実現性は低いものかもしれません。ただ、資料の活用法は無限にあるはずで、そうした試みを提示して、百あるうちの一つでも学校の先生に利用・活用していただけたらと願い、恥を顧みず提案するに至りました。

関係者の皆様からご意見をいただき、館蔵資料が活躍する場が増えることを願ってやみません。

【出張授業】でばりぃ資料館in牛島小学校

令和6年1月18日(木)に牛島小学校に出向き、第3学年の児童に向けて「でばりぃ資料館」を開催しました。

今回は体育館を使用し、1組、2組合同でのでばりぃ資料館です。

でばりぃ資料館全体写真

3つのブースに分かれ、①昔の家の道具 ②昔の農業・60年前の春日部の様子 ③昔の学校の道具・昔のおもちゃ の展示や紹介をしました。

 

昔の家の道具ブースでは、郷土資料館から「電気釜」「手回し洗濯機」を持参し、牛島小の郷土資料室から「ダイヤル式電話」「おひつ」「羽釜」「炭火アイロン」「火のし・こて」「七輪」を体育館に運んで展示をしました。運ぶお手伝いをしてくれた子たち、ありがとう♪

ちなみに牛島小の郷土資料室にある民具は牛島地区の方から提供されたもので、まさに郷土学習にはうってつけの資料たちです!

昔の道具ブースの様子

でばりぃ資料館は車で現地に向かう都合上、どうしても持っていく資料の数が限られてしまうため、こんなときは郷土資料室に活躍してもらいます!おかげで充実した展示ができました。

 

昔の農業・60年前の春日部ブースでは、稲から白米にするための昔ながらの精米方法を、体験を通して学び、また、約60年前の春日部を写した空中写真を床に広げ、当時の様子を観察してもらいました。

昔の農業・60年前の春日部ブースの様子

 

昔の学校の道具・昔のおもちゃブースでは、約90年前の教科書や、ノートの代わりに使用した石盤(せきばん)、給食で使用したアルマイト製の食器などを展示・解説しました。

昔の学校の道具・昔のおもちゃブースの様子

昔のおもちゃはでばりぃ資料館での出張の機会は少なめです。しかしながら、子どもと遊びは切っても切り離せない関係があり、実は時代の変化をもっとも身近に感じるこのとができる良い資料だと思います!

 

今回は授業時間も十分あり、各ブースで学びを深めてもらえたのではないでしょうか。今日見た資料以外にも、郷土資料館にはたくさんのものが展示してあるので、ぜひ遊びに来てくださいね!

 

おかげさまで、1月、2月はでばりぃ資料館のご依頼をたくさんいただいております!

でばりぃ資料館以外にも、郷土資料館の団体見学など随時受け付けておりますので、日程等ぜひご相談ください!お待ちしています!

企画展示「花の彩り*春日部」展のチラシができました

次期、企画展示「*花の彩り*春日部*」展のチラシができました。 #かすかべプラスワン

画像:チラシ

次の企画展示では、春日部ゆかりの「花」をテーマにしました。春には、牛島のフジをはじめ、市の花フジが町を彩ります。展示では、そうした牛島のフジに関わる歴史や、かつては桃の花、牡丹の花の名所でもあった春日部の歴史を紹介します。フジ・モモ・ボタンについては、数年にわたり春先の展示で紹介してきましたが、今回は「花」をもう少し広げてとらえてみたいと思っています。

市内には「花積」や「宝珠花」といった「花」のつく地名があります。「花」の地名は、直接フラワー(花)を意味するものではないようですが、なぜ「花」が地名に付されたのか、両地区にゆかりのある資料を展示し、迫ってみたいと思います。

チラシも、スマートなデザインで上手く仕上がりました。こうご期待。

展示名:春日部「春の花」企画展「*花の彩り*春日部*」展

会 期:令和6年3月16日(土)~5月2日(木)(月曜・祝日休館)

会 場:春日部市郷土資料館 企画展示室

市民の皆さんと古文書を読みました

1月14日、毎月定期的に市民の皆さんと館蔵の古文書を読む「古文書勉強会」を開催しました。 #かすかべプラスワン

写真:勉強会の様子

引き続き、粕壁の旧家に伝わる「宝暦度より酒造用留」を講読しています。史料も終盤に入ってきて、皆さん、だいぶ読み慣れてきました。また、事前に有志の方々で読み合わせをする機会も設けているそうで、文字の分量が多くても、円滑に読み進めることができました。

今回は、慶応3年(1867)3月に粕壁宿寄場組合から関東取締出役内山左一郎に提出された酒火入れの願書、内山から寄場組合あての御用状などを読みました。取締出役が願書を受理するまでの組合と出役とのやり取りがわかる史料で、貴重な記録だと思いました。

次回以降の予定は、2月25日(日)、3月17日(日)。いずれも14時から、教育センターの視聴覚研修室で開催します。気になる方は、見学だけでも構いませんのでお越しください。

新春の舞「銚子口の獅子舞」の公開

1月14日(日)春日部市無形民俗文化財に指定されております「銚子口の獅子舞」が披露されました。

前日は雪が降り、天気が心配されていましたが、当日は見事に快晴になりました。
冷たい風が吹く中で、多くの皆さんが新春の獅子舞を見るために集まっていただきました。
「宮参り」「天狗の舞」「小獅子の舞」「幣掛り」の4演目が行われました。


宮参りでは、天狗の先導により境内の外から参道を歩いて入場します。境内を清める意味合いをもち、
箱獅子を被る子どもたちも寒い中でも立派に努めていました。

続く「小獅子の舞」を舞うのは14歳の中学生女子で、今回が初舞台となります。今年21歳を迎えたお姉さんに続いて姉妹での小獅子役です。
皆さんが注目する中でも、練習とおり、元気いっぱい跳ね回る小獅子の舞を披露してくれました。


最後の「幣掛り」は三頭獅子の舞で、親子の情愛を表したものです。
三頭の獅子が頭を揺らしながら、踊るのはとても迫力を感じます。


舞いの後には、太夫獅子が観客を頭の上で御幣を振り清めて一年の健康と家内安全などを祈願、さらに神饌が撒かれました。
新春から獅子に福を授けてもらい、地域の皆さんも笑顔が溢れていました。

今年も各所で民俗芸能が公開されます。当日の情報をブログでお知らせしますので、ご期待ください!

#かすかべ地名のはなし (0)

#かすかべプラスワン #地名の由来

春日部市には、市全体の地名「春日部」、「庄和」「豊春」「南桜井」のような地区名の地名、「粕壁」「藤塚」「西宝珠花」などの住居表示として使われる地名、「三枚橋」「馬草場」「花輪下」などの小名(こな)・小字(こあざ)と呼ばれる土地区画、あるいは自治会・町内会ごとの地名があります。

「なんで「大沼」というの?」とか「春日部と粕壁の二つの表記があるのはなぜ?」など、地名は生活に密着した事柄であることから、市民の方にしばしば尋ねられます。先日も、地名の由来について知りたいという方が来館されました。

今後、「ほごログ」では、地名の成り立ち、由来、歴史について、シリーズ「かすかべ地名のはなし」として、なるべく定期的に(限りなく不定期で)発信していこうと思います。

知っているようで意外と知らない地名の由来。今回はその予告編。第一回目はやはり「春日部」「粕壁」でしょうか・・・こうご期待。