ほごログ(文化財課ブログ)

2018年8月の記事一覧

動画で解説! 神明貝塚(4回目)

本日(8/29)、春日部市郷土資料館の夏季展示「ここまで分かった!神明貝塚と縄文人のくらし」展の関連イベント「動画で解説!神明貝塚」の4回目を開催しました。

このイベントは、展示室で神明貝塚の紹介映像を上映し、学芸員が解説するものです。

動画解説
市外の参加者のなかには、「春日部市にある神明貝塚の存在を初めて知った」と言われる方もおり、皆さん興味深々で動画を見ていました。

展示解説
動画上映終了後に企画展示室に移り、展示品をみながら学芸員が解説。
学芸員の丁寧で分かりやすい説明と、展示されている様々なものを見て、頭の中に神明貝塚の風景が広がったのではないでしょうか。


見学の様子
富多小学校の児童も先生と一緒に参加してくれました。

解説風景
「動画で解説!神明貝塚」は、展示会期中の毎週水曜日9/5・9/12の10:30と15:00に開催しています。お見逃しなく!!

神明貝塚キャラクター名、投票受付中

春日部市郷土資料館の夏季展示「ここまで分かった!神明貝塚と縄文人の暮らし」展のオリジナルキャラクター。DVDパッケージや、限定の来館スタンプ(画像)にも登場し、様々な表情をみせてくれて、大変好評です。ですが、実は名前がありません。
画像:限定来館記念スタンプ
今回の展示では、来場の皆さまに、キャラクターの名前を投票していただいています。
女の子は、縄文時代の女の子で、神明貝塚で発見された女性の縄文人をモチーフにしています。好きな食べ物はヤマトシジミ。
土偶は、神明貝塚の縄文人のお墓にあった土偶をモチーフにしています。腰の袋にはクリの実が入っています。好きな食べ物はウサギ。
女の子は、①めいちゃん(神メイ貝塚だから)、②めいかちゃん(神メイカい塚だから)、③もんちゃん(縄モンだから)、④どきみちゃん(土器だから)
土偶は、①しんくん(シン明貝塚だから)、②しんちゃん(シン明貝塚だから)、③ぐうすけ(土グウだから)、④おやっきー(西オヤ野井だから)
のなかから、投票していただくことになっています。
皆さんも、名付け親の一人になってみませんか。
写真:名前をつけよう

幌墓『新編図録春日部の歴史』からのご紹介ーその58

銚子口の古利根川沿いにある「幌墓(ほろはか)」は、この地で亡くなった武士を供養するため、嘉永7年(1854)に建てられたものです。
この石碑が「幌墓」と呼ばれるのは、亡くなった武士が幌と呼ばれる防具を身に着けていたことからです。

「幌墓」の由来として石碑には次のようなことが彫られています。
昔この地で命を落とした武者(幌武者:ほろむしゃ)を村人が葬(ほうむ)り、塚を築き、その後、幌墓と呼ばれるようになりました。武者の姓名も年も古い話のため伝わらず、いつごろの出来事か定かではありません。この古塚の周辺で闇夜(やみよ)にリンのようなものが見えることから、村人が怖がり、里正(りせい:名主)の川鍋氏が幌墓のことを調べて、上記の話を知り、嘉永七年仲春に供養のために建てたものです。(『春日部昔むかし』)

本文に続いて、葛飾蕉門(かつしかしょうもん)という俳諧(はいかい)の一門の人々が寄せた句が12句彫られており、18世紀中ごろから19世紀にかけて市域で盛んになった俳諧文化を示す資料としても貴重なものです。

*石に刻まれている「ほろ」の字は、「糸へんに晃」です。機種依存文字のため異体字で表示しています。

春日部市教育委員会『春日部市 昔むかし』1995 80ページ
春日部市教育委員会『図録 春日部の歴史』1998 109ページ
「俳諧の交わり」『新編図録 春日部の歴史』120ページ

幌墓

幌墓碑文拓本
本文部分の拓本

土器たちのその後②・・・

8月19日(日)は土器つくり教室の2日目。
参加者の皆さんが作成した土器たちは、野焼きの日を待っていました。

◇野焼きを待つ土器たち!約1ヵ月間の乾燥で茶色から色白に、また約1割程度、小さくなりました。


◇学芸員が土器焼きの準備!気温30℃超えにもかかわらず・・・



◇まずは火力で土器を温め、最後の乾燥を!はじめチョロチョロ・・・ご飯の炊き方と同じです!!


◇お昼過ぎからはカマに土器を入れ、本格的に焼きます。約2時間かけて600~800度まで火力をあげます。少し黒っぽくなってしまいましたが、ほぼすべてが割れずに焼きあがりました。完成!!



縄文人の技術を見習い、立派な土器ができました。今年は多数の方のご応募をいただき、抽選で47名の参加となりました。
また来年も行いますので、是非ともご家族での参加をおまちしております!!

土器つくり教室を開催しました!!

8月19日(日)に土器作り教室の2日目を開催しました。
今年は、連日の猛暑が続いているため午前中のみと短縮して実施しました。


△野焼きのカマでは火が入り、既に高温。カマの周りに土器を並べ最後の乾燥を。

開講式では1ヵ月ぶりに作成した土器や土鈴・土偶と再会し、野焼きの手順を説明。その後、観光振興課と農業振興課の職員が引率し、希望者はさっそく斉藤ブドウ園さんでブルーベリーの収穫体験を行いました。参加者からは「甘くておいしい」「春日部市内でこのような体験ができるとは・・・」という声を聞くことができました。

△黒や濃紺のブルーベリーがたくさん実っていました。どれを取ろうか迷ってしまいます。

収穫体験の後は、勾玉作りを行いました。
ろう石を紙やすりで削り形を作るので、皆さん手を真っ白にしながら夢中で作業していました。

△家族みんなで集中!!石が柔らかいのでゆっくりと削りました。

その後、閉講式を行い、解散となりました。
終了後は、職員が午後3時過ぎまで土器を焼きました。”火”焼けにもめげず、破損も少なくほぼ100%成功しました!
今回は、日程を変更しての実施となってしまいましたが、無事に終了することができました。暑い中、またスケジュールの変更もありましたが、参加いただき、ありがとうございました。
来年度も広報かすかべや市ホームページ等で参加者の募集を行いますので、ご応募お待ちしています。

神明貝塚の特製ジオラマ、お披露目です。

春日部市郷土資料館で開催中の「ここまで分かった!神明貝塚と縄文人のくらし」展に、神明貝塚の特製ジオラマが登場しました。
写真:神明貝塚のジオラマ
このジオラマは、縄文時代後期、いまから約3800年前の神明貝塚のムラを150分の1スケールで再現したものです。貝塚の東側にあった東の谷の水辺や馬蹄形に広がる貝の分布、イエや人々の生活様相や環境が細かく再現されています。写真はイエの近くに埋葬された2人の縄文人(平成28年に発見された人骨)の墓の部分です。
まだご覧になっていない方は、ぜひおいでください。

展示室の近況

春日部市郷土資料館の展示室、一見かわりばえしていないようですが、実は少しずつ変化しています。今日は、その近況をいくつか紹介します。

その1
内牧塚内古墳群の埴輪(人物埴輪と朝顔形埴輪)が出張しています。
県立さきたま史跡の博物館に貸出したもので、
同館の「埼玉の古墳3」展(平成30年9月15日(土)~11月14日(水))で展示される予定です。

ご来館の皆さまにはご迷惑をおかけしますが、県立さきたま史跡の博物館でご覧ください。

写真:はにわの貸出

その2
福岡県春日市で出土した大きな甕棺を展示しています。

写真:地名ひみつ
なぜ、春日市の甕棺が展示されているのか、それは春日部の地名に関係があるのです。
このたび「かすかべの地名のヒミツ」と題した解説パネルを設置しました。からくりびょうぶをつかった「からくりパネル」も用意しましたのであわせてご覧ください。

動画で解説!神明貝塚(3日目)

本日(8/22)、春日部市郷土資料館の夏季展示「ここまで分かった!神明貝塚と縄文人のくらし」展の関連イベント「動画で解説!神明貝塚」の3回目を開催しました。

このイベントは、展示室で神明貝塚の紹介映像を上映し、学芸員が解説するものです。
写真:動画解説
本日も多くの皆さんにお集まりいただき、動画を上映しました。
参加された皆さんは、上映後、担当の学芸員に対して、さまざまな疑問・質問をなげかけていました。「昭和40年代に出土した人骨2体と、展示中の人骨3体の関連性はあったのか?」など鋭い質問もありました。調査研究が十分でない部分もあり、今後の課題も山積みのようで、答えられない部分もあるようでしたが、神明貝塚に対する理解を深めていただけたようです。

その後、企画展示室に移り、展示解説。
学芸員が、ご参加の方とアットホームな感じで会話をしながら、資料について解説しました。
写真:資料解説の様子
郷土春日部の神明貝塚への愛着がはぐくまれたひと時になりましたでしょうか。

「動画で解説!神明貝塚」は、展示会期中の毎週水曜日8/29・9/5・9/12の10:30と15:00に開催しています。お見逃しなく。

郷土資料館体験ワークショップを開催しました

平成30年8月18日(土)、郷土資料館展示室で「体験ワークショップ からくり屏風を作ろう!」が開催されました。
春日部の伝説をもとにした紙芝居や、蓄音機によるレコード鑑賞を楽しんだあと、昔のおもちゃ「からくり屏風」を作りました。屏風にみたてた板を動かしていくと、
4つの絵柄が出てくる不思議な屏風に、参加した子供たちは大変喜んでいました。

ワークショップ

ワークショップは、小学生までを対象とした、昔の遊びを気軽に体験できるイベントです。事前申込み不要、当日の飛び込みも大歓迎です。

ワークショップ風景

 次回ワークショップは、平成30年11月18日(日)に「ぴょんぴょんカエル」や「紙てっぽう」を作ります。ご参加をお待ちしています!

「かすかべ弁」わかりますか!?

「げいろ」「ありんど」「せいかち」「かまげっちょ」これは何のことでしょうか??春日部市郷土資料館の常設展示の一コーナー「春日部壁展示」に「かすかべ弁~かすかべの方言~」のパネルを展示しました。実はこれらは春日部に伝わる郷土の言葉。答えは展示室で確かめてください。
写真:かすかべ弁の展示
市域には、埼玉県東部地域と共通する郷土の言葉(方言)が伝来しています。しかし、電話やラジオ・テレビが普及し、各地域の人々の交流が盛んになる高度経済成長期以降、急速に郷土の言葉は失われていきました。
今回、紹介しているのは、過去の聞き取り調査などで記録されてきた言葉です。市域でも町場と農村、世代・時代の違いによって、若干言葉が異なるようです。

「かすかべ弁」とか「方言」というと、「田舎だと馬鹿にしているのか」と怒られそうですが、春日部の春日部らしさ、地域の特徴だと思います。

みなさんも、この夏休みに年配の方とお話しするときに、少し注意して郷土の言葉を聞いてみると、新たな発見があるかもしれませんよ。

明治43年の水害『新編図録春日部の歴史』からのご紹介ーその57

今年は猛暑、豪雨と異常気象が続いていますが、明治43年(1910)8月は長雨に見舞われました。
明治43年8月5日ごろから関東地方では梅雨前線による降雨、さらに11日、14日と二つの台風が、関東地方から東北地方に上陸・接近しました。これらの雨により各地で大水害が発生し、埼玉県内では特に北部から東部、南部にわたる低地が浸水し、死者、行方不明者あわせて347人にのぼりました。春日部市域でも、8月12日に新町橋が流されるなど大きな被害を受けました。

ご紹介する写真の時田家文書には、当時の炊き出し記録と浸水程度調査表が含まれています。銚子口地区の多くの家が床上まで浸水したことや浸水後の8月17日から被災者に白米・味噌が配布されたことが記録されており、当時の被害状況や生活の混乱をうかがい知ることができます。

「明治四十三年の水害と水塚」『新編図録 春日部の歴史』176ページ

明治四十三年埼玉県洪水氾濫記念図
明治四十三年埼玉県洪水氾濫記念図(『埼玉県水害誌』 埼玉県 1912)

豊野村の炊き出し記録
豊野村の炊き出し記録(時田家文書)

浸水程度調査表
浸水程度調査表(時田家文書)

動画で解説!神明貝塚(2日目)

本日(8/15)、春日部市郷土資料館の夏季展示「ここまで分かった!神明貝塚と縄文人のくらし」展の関連イベント「動画で解説!神明貝塚」の2回目を開催しました。

このイベントは、展示室で神明貝塚の紹介映像を上映し、学芸員が解説するものです。
手前みそな言い方ですが、動画は約15分で神明貝塚の特徴をわかりやすく、まとめています。しかし、疑問に思ったこと、動画に出演された考古学の先生方に踏み込んで聞きたいことを、話しかけても動画は教えてくれません。
写真:動画上映の様子
このイベントでは、動画をご覧いただいた後、発掘担当の学芸員に質問ができることが最大の特長です。
本日は、神明貝塚の「神明」の由来、縄文土器の製作者などについて質問がなげかけられました。「神明」は西親野井の小字(こあざ)であり、古くから天照大神を祀る神明社が所在したことにちなむと考えられます。ちなみに、神明社は明治40年(1907)に親野井神社に合祀されています(『庄和町史編さん資料12 民俗Ⅱ』)。

さて、動画の後は、展示室で原物の資料をみながら、展示解説。
ご参加いただいたみなさんは熱心に学芸員の話に耳を傾け、時には質問し、神明貝塚の調査成果に対する理解を深めていただいたようです。
写真:展示資料の解説
さながら、ギャラリートークです。いや、むしろ動画がみれて、ギャラリートークより、お得(?)かもしれません。
大阪からお越しのお客様からは「貴重な資料がたくさんならび、説明が詳しくて、よくわかりました。来てよかったです」とご感想をいただきました。
「動画で解説!神明貝塚」は、展示会期中の毎週水曜日8/22・8/29・9/5・9/12の10:30と15:00に開催しています。お見逃しなく。
まだまだ気温が高い日が続く予報が出ていますが、郷土資料館はクールオアシスとなっています。学んで涼める場ですのでお気軽に来館ください!!

館跡とくらし『新編図録春日部の歴史』からのご紹介ーその56

粕壁地内の浜川戸に所在する浜川戸(はまかわど)遺跡では、鎌倉時代の掘立柱建物(ほったてばしらたてもの)、内堀(うちぼり)、外堀(そとぼり)で構成される館跡(たてあと・かんせき)が発見されています。

外堀は、幅が約2.5mの溝が2重に作られています。内堀の規模は、140m×100mの楕円形に展開しています。掘立柱建物は、2棟が発見されており、柱の穴の中には礎石(そせき)が置かれているものもあります。
また、館跡の北西側には、県指定天然記念物の浜川戸河畔砂丘(はまかわどかはんさきゅう)があり、館の防御機能の一つとなっていたと考えられます。

この館跡は、鎌倉時代に、この地域に暮らした春日部氏の館であった可能性が高く、中国で作られた青磁(せいじ)や白磁(はくじ)、お茶をたしなむ天目(てんもく)茶碗などの品々と共に当時の武士の暮らしをうかがい知ることが出来ます。

「館跡とくらし」『新編図録 春日部の歴史』62ページ

外堀
上空からみた外堀(写真中央左上から右下へ斜めに通っている溝・下図中の「外堀1」)

内堀
内堀とその断面

浜川戸遺跡館跡
浜川戸遺跡で発見された館跡

「縄文」を体験しました!

平成30年8月10日(金)「さわってみよう!縄文体験」を開催しました。春日部市郷土資料館で開催中の「ここまで分かった!神明貝塚と縄文人のくらし」展の関連イベントです。
このイベントでは、まず企画展示室で神明貝塚で発見された女性の人骨や、いろいろな模様のついた土器について、担当の学芸員が解説しました。
当日は、小学生の子どもたちが多く参加しており、人骨をみて「ちょっとこわい」「大昔の人がピアスやブレスレットをつけていたなんでびっくりした」などと感想をもらしていました。
写真:神明貝塚で発見された人骨の解説を聞く子どもたち

解説の後、人骨と一緒に埋葬されていた土偶をもとにして、オリジナルの土偶粘土でつくりました。縄や竹べらなどで土器と同じような模様をつけて、子どもたちも、大人のかたも熱心に土偶づくりをしました。
写真:ねんどでオリジナル土偶づくり

午後の部では、土器のかけらをつかって、鉛筆拓本をとりました。縄文人がつけた不思議な模様をじっくり観察もらいました。
写真:土器の拓本とり

最後に、神明貝塚出土の縄文土器をかかえて記念撮影。
写真:土器をかかえて記念撮影
「楽しかった」「来てよかった」と満足そうに話してくれた参加者のみなさん。
3800年前の神明貝塚を身近に感じていただけましたでしょうか。
次回の「さわってみよう!縄文体験」は、9月1日(土)10:30~、15:00~です。
申込は要りませんので、ぜひお越しください。大人の方にもお薦めです。

土器たちのその後①・・・

土器作り教室1日目(7月22日)を開催してから、3週間ほどが経ちました。
参加者の皆さんが作成した土器たちは、教育センター内の日陰で風通しのよい場所で、野焼きの日を待っています。
今日からは直射日光に当てて土器の乾燥を進めました。

◇本格的な土器です!



◇表面が茶色から白くなってきました!少しちいさくなったかも・・




◇かわいい土偶や土鈴、手形もあります!


2日目の土器作り教室は、8月19日(日)に開催予定です。ブルーベリーの収穫体験もご用意しております。
※雨天の場合8月26日へ順延となります。

完成した土器に会える日が楽しみですね。

古文書解読勉強会の成果(その7)

去る6月30日(土)に古文書解読勉強会を行いました。関係者の皆様、更新が遅れて申し訳ありません。引き続き、市内の神間地区に伝わった神間村文書(館蔵)を解読しました。
次回は、9月8日(土)14時~16時。教育センター2階にて、前回に配布した神間村文書慶安3年神間村新田屋敷御検地御水帳写」(№334)を解読する予定です。

【史料番号40】

   入置申金子請取之事
一   金五両也
 右は此度縁談之儀ニ付身代
 為取替セ右之金子差出し被下無相違
 慥ニ請取申候、尤右金子内弐両弐分之
 者、万一家出致候儀も有之候得は
 急度返金可申候、若又其節差滞
 候得は私請人ニ罷立、急度引請
 弁済可仕候、為後日請取一札如件
  嘉永元申年   東宝珠花村
    四月      栄蔵㊞
          木間ケ瀬村
            伝兵衛㊞
          請人
            惣次郎㊞
  神間村     立会人
   源次郎殿     菊右衛門㊞

写真:神間村文書40
【ひとことメモ】
神間村の源次郎の縁談により、東宝珠花村栄蔵が金5両を受領した証文。「家出」した場合には半額の2両2分を返金するとあるが、この証文だけでは事実関係が不分明であり、誰の「家出」なのか解釈することが難しい。今後の課題である。


【史料番号49】
     入置申一札之事
一此度私義金子加印一條ニ付種々
 御利解ニ預り、何共申訳無之故
 講下弥右衛門殿相頼、度々詫言申
 入候処、早速ニ御聞済被下忝奉存候
 向後右加印之義ニ付貴殿江難渋
 相掛申間敷候、依之為念詫書
 一札差入申処如件
   嘉永弐年  神間村
    酉四月   詫人
           弥右衛門㊞
          入置主
           源次郎㊞
         同村
          源太郎殿 
写真:神間村文書49
【ひとことメモ】
神間村の源次郎が「金子加印一条」により、源太郎に迷惑をかけたので、「講下」弥右衛門と連判して源太郎に提出した詫び証文。詫び証文については前回の記事参照。「金子加印一条」や「講下」についてもこの史料だけでは詳しくわからない。今後の課題としたい。

この夏は「神明貝塚」展【はじまりました】

平成30年8月4日(土)より、春日部市郷土資料館夏季展示(第59回)「ここまで分かった!神明貝塚と縄文人のくらし」展がはじまりました。

8月5日(日)には、学芸員によるギャラリートーク(展示解説)を、8月8日(水)には動画で解説!神明貝塚を開催しました。

ギャラリートークでは、資料をじっくりみながら、展示・発掘担当の学芸員が展示を解説しました。参加された皆さんは、興味深そうに解説を聞き、解説終了後には担当者に質問をなげかけていました。
午後の回は、博物館実習生も展示解説の補助をしました。
写真:ギャラリートークの模様

動画で解説!神明貝塚は、神明貝塚の普及のため制作した動画を上映して、その後、学芸員は展示を解説するイベントです。

動画上映後、展示室に移動して、学芸員が展示資料を簡単に解説。参加された方々の質問に応えながら、神明貝塚の調査の成果について、わかりやすく解説しました。

写真:動画で解説!神明貝塚の様子

「神明貝塚」展の関連イベントは、まだまだ続きます。
①8/10(金)、9/1(土)には「さわってみよう!縄文体験」(体験型のイベント)
会期中の毎週水曜日には、「動画で解説!神明貝塚」
最終日の9/16(日)にはギャラリートーク
9/2(日)にはシンポジウム神明貝塚「発掘調査から分かる3800年前の縄文人のくらし」
を開催します。
上野の東京国立博物館でも「縄文」展を開催していますが、ぜひ身近な郷土春日部の「縄文」も体感してみてください。

「神明貝塚」展ギャラリートーク

春日部市郷土資料館の夏季展示「ここまで分かった!神明貝塚と縄文人のくらし」展の展示資料について担当の学芸員が解説します。

 

日時:平成30年9月16日(日曜日)午前10時30分~、 午後3時~(各30分程度)

会場:郷土資料館 企画展示室

参加費:無料

申し込み:不要です。直接来場してください。
ギャラリートークの模様

シンポジウムー神明貝塚【受講者募集中】

春日部市郷土資料館夏季展示(第59回)を記念して、来る9月2日(日)下記のとおり、専門家によるシンポジウムを開催します。無料(要申込)です。
この機会に専門家の造詣深い話を聞いて、春日部が誇る神明貝塚について理解を深めましょう!

テーマ:発掘調査から分かる3800年前の縄文人のくらし
日 時:平成30年9月2日(日)13時~17時
発表者:阿部芳郎(明治大学文学部)/米田穣(東京大学総合研究博物館)/吉田邦夫(東京大学総合研究博物館)/森山高(春日部市教育員会)
会 場:春日部市教育センター2階視聴覚ホール
定 員:200名(無料・申込順)
共 催:明治大学資源利用史研究クラスター・明治大学黒耀石研究センター

動画で解説!神明貝塚

春日部市郷土資料館の夏季展示「ここまで分かった!神明貝塚と縄文人のくらし」展の開催を記念して、展示室にて神明貝塚の紹介映像を上映し、学芸員が解説します。

 

日時:平成30年8月8日(水曜日)~9月12日(水曜日)の毎週水曜日
いずれも午前10時30分~、 午後3時~(30分程度)

会場:郷土資料館 常設展示室

参加費:無料

申し込み:不要です。直接来場してください。
写真:動画上映の様子