ほごログ(文化財課ブログ)

ほごログ

【祝!100万アクセス】一度でいいからバズりたい

「ほごログ」は、春日部の歴史・文化財の魅力を発信するブログ。気が付けばアクセスカウンターが100万を超え。市教育委員会のブログでは断トツの一番ノリです。 #拡散希望 #かすかべプラスワン

思い起こせば、春日部市の文化財保護課・郷土資料館のブログ「ほごログ」が誕生したのは、2017年(平成29年)1月23日のこと。記念すべき最初の記事はこちら。苦節(?)5年、地道に(?)更新を続け、多くの皆さんに見ていただきました。「ほごログ」の存在も徐々に浸透しているようで、「いい記事ですね」とか「紹介してくれてありがとう」とか、「こんな資料持っています」とか、よく言われるようになりました。一説には同業者がよく読んでいるとか。

一見、地味で、マニアック、小難しい春日部の歴史・文化財ですが、ブログで全世界に発信し、わかりやすく、ポップに伝えることで、その魅力を多くの方々に知っていただくことは、中の人たちの重要なミッションだと思っています。これからもご愛顧ください。

次の目標は200万!?

いや、良くも悪くも、一度でいいからバズりたい、というのが本音。「ほごログ」の存在をもっと知ってもらえるように、拡散希望です。

#牛島のフジ のミュージアムトーク

4月13日、春のミニ企画展示「NSNM牛島のフジ」展のミュージアムトークを開催しました。平日にもかかわらず、多くの方にお越しいただきました。 #かすかべプラスワン #牛島の藤

写真:会場の様子

ミュージアムトークは、展示室内で展示や資料の見どころを担当の学芸員が解説するものです。

今回は、新出資料や新たに分かったことを中心に、牛島のフジの歴史について解説しました。とりわけ、昭和5年刊『世界一藤のかすかべ』の挿絵の地図に注目し、これをたどりながら、当時の牛島のフジ観覧の行程について詳しく説明しました。この行程については、かつて博物館実習生が資料紹介を準備するなかで発見したものでもあります。詳しくは、移行したての資料紹介ページをご覧ください。

午前の部・午後の部ともに熱心な方々から質問や様々なご意見をいただきました。新たな藤グルメの開発や、資料館のミュージアムグッツのアイデア、『世界一藤のかすかべ』の行程を実際に巡るツアーなどなど。春日部の藤の魅力は、尽きるところありません。

写真:展示室の様子

藤花園さんのホームページによると、4月20日ごろから牛島のフジは見ごろを迎えるそうです。

ミュージアムトークのなかでもお話ししましたが、牛島のフジの歴史はオンリーワン。この歴史こそが牛島のフジが国の特別天然記念物たる由縁でもありますし、ほかのどんな立派な藤棚もかなわない点だと思います。

春日部が世界に誇る、この藤を後世に伝えていくためにも、藤の季節には、ぜひたくさんの皆さんに観覧していただきたいです。

ミュージアムトークは、4月24日(日)10:30~、15:00~も開催予定です。

また、詳しい牛島のフジの歴史は、4月30日(土)10~12時の展示解説講座「深堀り!牛島のフジ」で、史料をねちねちと読んで「深堀り」したいと思っています。

あわせて、ご参加ください。

【本市の伝説がさいたま文学館で紹介されます】

埼玉妖怪見聞録チラシ

令和4年4月27日(水)~6月5日(日)まで、さいたま文学館にて、

企画展「埼玉妖怪見聞録」が開催されます。

(月曜・5月24日(火)休館、入館料あり)

 

また、その企画展に伴い

令和4年5月14日(土)に、さいたま文学館で

記念講演会「もうひとつの『山怪』!? 秩父で集めた妖怪譚」が開催され、

当館の職員 石倉慶子氏 が講師を務めます。

実は当館で貸し出ししている「春日部の伝説の紙芝居」のイラストも石倉が担当しています。

参加費無料の講座ですので、お申込みのうえ是非ご参加ください!

 

【記念講演会「もうひとつの『山怪』!? 秩父で集めた妖怪譚」】

開催日:令和4年5月14日(土) 14:00~15:30

会 場:さいたま文学館1階 文学ホール

    (埼玉県桶川市若宮1-5-9)

講 師:石倉慶子氏

定 員:100名

参加費:無料

申込み:048-789-1515(さいたま文学館)

花のまち春日部 #桜咲くかすかべ

桜の花びらも散り、葉桜もみかける今日この頃。今回は桜の季節が終わっても、 #花のまち春日部 はまだ終わらんよ!という話題です。 #牡丹 #桃 #藤咲くかすかべ

郷土資料館では、イベント「桜咲くかすかべ」に協力し、期間中、本ブログでも市内の桜のスポットを文化財や町の歴史とあわせて紹介してきました。イベントは大変盛況のうちに終わったそうです。おかげさまで、「桜咲くかすかべ」からほごログや郷土資料館を知ってくださった方も少なくないでしょう。関係者の皆様、ありがとうございました。

桜は言うまでもなく、現代の春日部は、藤の花(牛島のフジ・4月下旬~5月上旬)蓮の花(内牧黒沼公園・6月下旬から7月上旬)やヒマワリ(エンゼルドーム前広場・8月)など花に彩られたまちとして、かすかべガイドマップなどにも紹介されるところです。

明治・大正の時代、春日部は、実は花の名所として知られていました。思い浮かぶのは、なんといっても、現在も春日部のシンボルでもある「藤」でしょう。もちろん「藤」も春日部を語る上では欠かすことはできないのですが、それだけじゃないのです。著名なものとしては牡丹(ボタン)、桃の花があります。

牡丹については、以前紹介しましたが、備後の石井立敬が牡丹の栽培技術を開発し、500坪もある庭園には、接ぎ分けを望む人が近隣や東京からも訪れたといいます。その後、「成金」で著名な鈴木久五郎の実家(八丁目)の庭園に牡丹が株分けされ、鈴木家が退転した後も牡丹と庭園は引き継がれ、さらに粕壁・最勝院にも株分けされ、粕壁の牡丹として花の名所となりました。下のような最勝院の牡丹園の写真がのこっています。牡丹園のあった粕壁では地元の方が牡丹の俳句を詠んだり、藤と並んで春日部を象徴する花だったようです。まさに「牡丹のかすかべ」「牡丹咲くかすかべ」ですね!

写真:粕壁の牡丹

次に桃の花について。明治時代の古地図(フランス式迅速測図)をみると、春日部市域には、桃林があったことが読み取れます。具体的には、藤塚、小渕、浜川戸、宝珠花、西金野井、中野(現東中野)、新宿新田のあたりです。

藤塚・小渕・浜川戸は河畔砂丘があり、その砂地を利用して桃畑(林)としていた模様です。写真絵葉書もあります。下は古利根川越しに見る小渕の桃林と題された写真です。

写真:小渕の桃林

新宿新田の桃林に関しては、市内を撮影した最古級の古写真が、宮内庁図書寮文庫に伝来しています。写真は、「各種写真(第6号)」という簿冊に収載されており、データベースでご覧いただけます(126コマ目)。松伏町の築比地や江戸川対岸の岩名・座生沼周辺には桃林が広がっており、「野田八村の桃林」とも称されていました(野田市郷土博物館『野田の桃源郷』)。新宿新田・東中野の桃林は「野田八村の桃林」と一体のものだったのでしょう。

また、(ちょっと記憶があいまいですが)昭和初期の新聞には、豊野の桃花として、観光客をいざなう広告が掲載されています。藤塚の桃林は、一ノ割駅の近くに所在したため、沿線の観光スポットとして宣伝されたのでしょう。「桃のかすかべ」「桃咲くかすかべ」ですね!

ただ、牡丹、桃は、時の移り変わりのなかで、春日部の表舞台から姿を消していきました。牡丹園は閉園し、桃花は埼玉県東部では大林・大房(現越谷市)の「越ケ谷の桃」が著名になっていったようです。郷土にゆかりある花の復活を切に願いますが、今となっては、そもそも牡丹、桃が春日部と関係あることを知る方も少ないのではないでしょうか。

とはいえ、藤は春日部のシンボルとして現代にも継承されています。近代・現代の春日部の歴史は藤と切っても切れない縁があります。それについては、現在開催している「NSNM牛島のフジ」展をご覧いただければと思います。

これから藤の季節です。花のまち春日部は、まだ終わらんよ!

牛島のフジをはじめ、市内のフジの花を引き続きお楽しみください。

【休館のお知らせ】4月16日(土)午後、17日(日)

令和4年4月17日(日)は教育センターが春日部市議会議員一般選挙の投票所として利用されます。そのため、準備を含め下記の日程で郷土資料館は休館となります。ご迷惑をおかけしますが、ご来館の際はご注意ください。

〈休館日〉

令和4年4月16日(土)午後

令和4年4月17日(日)終日