ほごログ(文化財課ブログ)

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古文書勉強会の模様

平成31年4月27日(土)、郷土資料館古文書勉強会を開催しました。
今回も新たに参加される方が加わり、17名の参加がありました。

写真:勉強会の様子
今回は、前回に引き続いて、神間村伝来の寛政7年「御鹿狩ニ付御触書之写」を講読しています。一字一句丁寧に文字と意味を確認しながら、読んでいますので、まだまだ読み終えません。読んだ成果はまとめてご披露したいと思います。

次回は5月25日(土)14時~となります。ご興味のあるかたのご参加もお待ちしています。

企画展準備中。関連イベントも

令和元年5月18日(土)~7月7日(日)まで開催する企画展「指定文化財でめぐる春日部」展は目下準備中。写真は県指定文化財の土器の展示を準備している模様です。
写真:展示作業中

さて、今回は、盛りだくさんの関連イベントをご紹介します。

①記念講演会「春日部の指定文化財―史跡と考古資料」
 日時:令和元年6月29日(土)14時~16時
 講師に、杉崎茂樹先生(春日部市文化財保護審議委員)をお招きして、市内の史跡・考古資料の指定文化財についてお話しいただきます。要申し込み。

②展示解説講座(その1)「春日部の弥生時代―須釜遺跡」
 日時:令和元年6月16日(日)10時~11時30分
 展示担当の当館学芸員による解説講座。県指定文化財が出土した須釜遺跡と弥生時代について解説します。要申し込み。

③展示解説講座(その2)「春日部と円空」
 日時:令和元年6月23日(日)10時~11時30分
 当館館長による解説講座。市域に多く伝来する円空仏について解説します。要申し込み。

④ギャラリートーク
 日時:令和元年5月25日(土)、6月9日(日)、7月7日(日)
    各日2回(10時30分~、15時~ 各回30分程度)
 展示担当学芸員が展示を解説します。時間までに展示室お集まりください。申し込み不要です。

いずれも会場は春日部市教育センター(郷土資料館)、費用は無料です。ぜひご参加ください。

60回目の企画展示!

次の展示は記念すべき60回目の企画展示。円空仏や小流寺縁起など普段は見られない貴重な指定文化財が並びます!ポスターが完成しましたので、お披露目します。
画像:展示ポスター
展示会名:企画展示(第60回)収蔵品展16「指定文化財でめぐる春日部」
展示会期:令和元年5月18日(土)~7月7日(日) 月曜日休館
     午前9時~午後4時45分まで
展示会場:春日部市郷土資料館企画展示室

会期中は、講演会・講座・ギャラリートークなど関連イベントも満載です!追ってお知らせしますので、お見逃しなく!

ミニ展示は4月28日(日)まで

平成最後の企画展示「幕末・明治維新と春日部」の最後の告知です。
最後の告知では、平成最後、令和の改元にふさわしい(?)資料を紹介します。

今回紹介するのは、明治の恩赦に関する資料です。
この資料によれば、某村の音五郎は、慶応3年(1867)幕府役人に博打に携わったとして捕えられ、八丈島に遠島を命じられましたが、「朝廷御元服御大礼」が執り行われたことにより、罪を赦されることになり、市内の某村に身柄が引き渡された、というものです。「朝廷御元服御大礼」とは、明治天皇の元服、即位の礼を指しています。

現代では、10月の新天皇即位をうけ、今秋に軽微な犯罪の刑罰を消失もしくは減刑させる「恩赦」の実施が検討されているそうです。
改元や新天皇の即位は、今も昔も時代の節目を象徴する出来事として、人々に受け入れられているのかもしれません。
「恩赦」の資料の展示は、平成31年4月28日(日)まで。
郷土資料館は4月29日(月)~5月6日(月)が休館日になりますので、ご注意ください。

写真:展示風景(古文書ばかり並んでいます)

勝海舟と春日部

今回は、4月28日(日)まで開催中のミニ展示「幕末・明治維新と春日部」のなかから、幕末明治の有名人勝海舟と春日部の接点を紹介します。

勝海舟は、幕臣・政治家として、とくに西郷隆盛と交渉した江戸無血開城で著名な人物ですが、実は春日部ともつながりがあります。
春日部マニアの方ならご存じかもしれませんが、大場香取神社には、勝の直筆の幟(のぼり)と額が奉納されています。
ミニ企画展示では、新たに発見された、大場村の人々が勝海舟に揮毫(きごう・文字や絵を書くこと)を依頼した経緯に関する記録を展示しています。
この記録によると、明治27年(1893)3月7日に大場村の人々は、勝海舟に村の鎮守香取神社の幟の揮毫を依頼したところ、面会を断られました。面会はダメだが、「揮毫ハ許容アリタリ」(揮毫の脈はありそう)なので、どう交渉したらよいのか、大場村の人々は、隣村の備後村の医師・知識人の石井氏に相談します。石井氏は、勝海舟の著書『流芳遺墨』の感想を和歌にして勝に呈上し、もう一度「誠心」(まごころ)をこめて依頼してみたらどうかと提案したようです。
大場の人々が、和歌を詠んだかどうかわかりませんが、明治27年3月付の直筆の幟が現在神社に伝わっていますので、きっと誠意を示して、念願の幟を入手できたのでしょう。

こんな小噺を紹介するのもミニ企画展示ならでは?
ミニ企画展示「幕末・明治維新と春日部」展は4月28日まで。
お見逃しなく。
写真:展示室風景