ほごログ(文化財課ブログ)

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嘉永2年(1849)「小金原御鹿狩ニ付手控帳」を講読中

令和元年11月2日(土)古文書勉強会を開催しました。この勉強会は、市民の方々が主体的に市内ゆかりの江戸時代の古文書=神間村文書(春日部市郷土資料館所蔵)を解読するものです。
写真:勉強会の風景
今回は嘉永2年(1849)「小金原御鹿狩ニ付手控帳」を講読しました。読んだ部分には御鹿狩の勢子人足として動員された神間村の人々が、3月15日に村を出立し、16日に宿泊、17日に至るまでの記事です。「寒中之如しのきがたく」と記述されるように、寒いなか夜を徹して決められた場所に配置され、「世話役」の指示にしたがって獲物を追い立てた様子が克明にうかがえます。「赤白きさへヲ持」あるいは「ふり立申」という表現について、「さへ」とは采配のことではないか、などの意見がありました。ただ、解釈がしづらい部分もあり、今後読み進めていくなかで考えていくことになりました。
まだ読み始めたばかりなので、成果は読了後に公開します。これまでの成果は
こちらからさかのぼって御覧になれます。

次回は、12月15日(日)14時~となります。

武里西小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

令和元年10月31日(木)に武里西小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。
郷土資料館の学芸員より、展示してある物を見ながら 少し昔の生活や道具の説明を聞きました。

見学の様子

説明を聞いたあとは、実際に昔使われていた道具に触れて、大きさや重さなど今の道具との違いに驚いていました。

見学の様子
「昔の冷蔵庫だけれど、金庫みたい!」

郷土資料館では、3月22日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催しており、昔の懐かしい道具や写真を展示しています。小さなお子様からご年配の方まで、一緒に楽しめる展示となっております。ぜひ遊びにいらしてください。

【常設展】縄文時代のヒョウタン

春日部市郷土資料館の竪穴住居復元模型では、ヒョウタンを壁にかけて展示しています。水などの液体を運搬、保管する容器として使われていたことを想定しています。

ヒョウタンは、ウリ科の植物で、果実は苦みが強く、果皮は非常に堅くなります。原産地はアフリカと考えられていて、野生種はアフリカにのみ存在します。
世界の歴史をみると、ヒョウタンの果実は、容器のほか、農具や漁具、楽器と非常に多くの用途で使われました。そのシンボリックな形から、お祭りの道具にもなったようです。

福井県の鳥浜貝塚では、約8500年前の縄文時代早期のヒョウタンの種子や果皮が発見されており、すでにこの時期には日本に持ち込まれ、栽培されていたようです。他にも青森県の三内丸山遺跡、また縄文時代だけでなく、弥生時代や古墳時代、古代の遺跡からも発見例があり、日本でも人間の生活に欠かせない植物であったことがわかります。

竪穴式住居のヒョウタン
竪穴住居模型の奥の壁にヒョウタンを3個展示しています

郷土資料館体験講座「ミニぞうりを作ろう」を開催しました

令和元年10月26日(土)、郷土資料館体験講座「ミニぞうりを作ろう」が開催されました。

体験講座

長さ3mの江戸打ち紐を3本使い、10cmほどの可愛いミニぞうりを作りました。ぞうり本体は、江戸打ち紐を互い違いに編んで作り、最後に鼻緒を、かぎ針を使い本体に編み込んで完成させます。

ミニぞうり作り

参加者の皆さんからは、「自宅で、もっと小さな物を作ってお財布の飾りにしよう」「すごく楽しかった」と喜んでいました。

ミニぞうり作り
 
次回体験講座「しめ縄を作ろう」は、12月15日(日)・12月21日(土)です。ご参加をお待ちしております(事前申込必要)。

【常設展・ぷち展示替】明治43年の水害資料

つい最近展示替した水害資料がそこそこ反響がありましたので、その隣のコーナー「水とのたたかい」の資料も展示替えしました。展示替えといっても、展示のページをめくっただけなので、「ぷち展示替」です。
写真:少し展示替したコーナー
展示替えした資料は、明治43年(1910)の水害を記録した「幸松村水害誌」です。
この資料は、編者の幸松尋常小学校の教員によって「後日ノ参考備忘ニ供スル」ため編さんされたもので、幸松村の被害状況などが克明に記録されています。
今回は、浸水の状況・面積・罹災した戸数・人口の箇所を展示しています。
なんと、村民の99%、村の土地面積の99%が浸水被害にあい、8月11日・12日に浸水した水が完全に引いたのは10月20日だったといいます。
「うめわかくん」の展示解説も付しましたので、あわせてご覧ください。なお、「幸松村水害誌」は定期的に展示替え(ぷち展示替)をする予定です。お楽しみに。