校長室

校長室から

精力善用(せいりょく ぜんよう) 

 6年生が「ふるさと学習」で学んだ講道館柔道創始者,嘉納治五郎氏が提唱された言葉です。「何事をするにも,その目的を達するためには,精神の力と身体の力とを最も有効に働かすが大切である」ということです。このことは,柔道をやっている人だけに当てはまることではありません。普通に生活している私たちでも,身体と心の健康が保たれなければ,快適な生活を送ることができないからです。身体の健康は,規則正しい生活や食事,運動などによって維持増進することができます。では,心の健康はでのようにすればいいのでしょうか。一つの方法としては,お互いを思いやり協力することで培うことができます。また,困ったことは相談したり,間違った言動に対しては勇気を持って注意したりすることも必要です。学校教育では,学習活動や集団生活を通してこのことを常に子ども達に指導しています。

 しかし,子ども達の生活の基盤はなんと言っても家庭が第一です。特に,夏休みなどの長い休みは,その大半を家庭で過ごします。高学年なるに従って子ども達は大きく成長していきますが,まだまだ不十分です。心と身体のバランスがとれた成長を促すのは,大人の大切な責任だと考えています。夏休みの生活の仕方は学校でも十分指導しますので,その支援と見守りをお願いいたします。

一体感の奇跡

  大きな学校行事のひとつである運動会が無事終了しました。今年は,オリンピックイヤー,4年後の2020年には再び東京でオリンピックが開催されます。子ども達にとってスポーツは,心身を鍛えるひとつとして,とても大切です。体育や運動会,部活動などを通して楽しく運動ができるようになり,2020年のオリンピックで活躍する選手が一人でも生まれれば素敵なことだと思います。

今年度の運動会は,奇跡的に両チーム共に777点,高野山小学校に幸運の女神が舞い降りた結果となりました。2人の応援団長が一緒に優勝旗を手にしたときの笑顔は忘れられません。

しかし,この結果は,単に奇跡や幸運だけはありません。暑い中で,一生懸命練習に取り組んだことによりもたらされたものだと思います。特に,応援団は,朝や放課後,各学年や学級を回り,熱心に練習し,当日も絶えず大声で応援を続けた賜と言えます。サッカーや野球でもサポーターの存在が選手のエネルギー源であるように,元気な応援は,児童の気持ちを奮い立たせます。共に力を合わせて競技に取り組むだけでなく,応援する児童との一体感が今回の結果になったと確信しています。

夏休みまでの2ヶ月間,気持ちを新たに充実した学校生活が過ごせるように,児童と教師が一体となって取り組みますので,保護者・地域の方々の熱いサポートをよろしくお願いします。

便利さの陰に

 近年,携帯電話やスマートフォンは,我々の生活に欠くことのできない便利なツールとして1人が1台以上所有することも珍しくなくなっています。電話やメール・インターネット検索に至るまで,この1台でできてしまうのですから,これほど便利なものはないと思います。アプリケーションも多種多様で,私などは,ほとんど使いこなせていないのが実情ですが,スマホを忘れて外出などすると,なんだか不安になってしまうほどの必需品となっています。

 先日,新聞に日本PTA全国協議会が行った「携帯電話やスマートフォンに関する調査」によると,保護者の半数以上が「我が子の携帯電話やスマホを使ったインターネット利用の内容に制限を設けている」と答えたのに対し,子どもの半数以上が「ルールはない」と答え,保護者と子どもの認識の差を指摘する記事が掲載されていました。特にLINEやゲームにおける認識の差が大きく,保護者は注意して子どもに渡していても,実際に子どもが何に使っているかまで把握できていないようだと懸念していました。携帯電話やスマートフォンは,本当に便利ではある反面,その仕組みを十分に理解して使われているかは,私を含めて不安です。今一度,使い方についてのルールを確認し,有効に使いこなせるようにしていきたいものです。中学校では,トラブルも発生しているようです。

高野山小学校では,子ども達の「学校での使用」は認めていませんので,ご了承ください。

新年度のスタート

 平成28年度がスタートしました。久々に登校してきた子ども達の笑顔も満開の桜の花に負けないくらい輝いていました。12名の新しい教職員を迎え,高野山小学校は,昨年度以上にパワーアップしています。

 本年度も「なかよく 進んで 元気よく」を全校の合い言葉として,児童が将来,社会に役立つ自立した人間形成を目指して,教育活動を行っていきます。詳しくは,後日配布する「学校経営の方針」をご覧いただき,ご理解・ご協力願います。

 現在,6月からのエアコン使用に向けて,取り付け工事を行っています。また,校庭に降りる階段脇の花壇をスロープに改修,放射線量の心配がなくなったプール周辺も活用し,1周約400メートルのランニングコースを整備しました。早速,陸上部の練習に活用しています。この他にも,子ども達が快適に過ごすための環境づくりに力を入れていきたいと考えています。これらの設備を有効に使い,学力向上や体力向上に努めます。

 4月6日の朝,陸上部・吹奏楽部・合唱部の発足会を行いました。その中で,「高野山小学校の児童としての誇りを持って,演奏や競技に臨んで欲しい」と激励の言葉をかけました。演奏や記録の善し悪しは,不断の練習の結果として表れます。教職員一同一丸となって指導にあたりますので,保護者のご理解とご協力をお願いすると共に,演奏会や競技会での声援をお願いいたします。4月15日(金)は,今年度最初の授業参観と懇談会です。お忙しいとは思いますが,是非,ご参加ください。また,PTA総会にも出席願います。

日々の積み重ねが6年間の成長に

  平成27年度も残すところわずかとなりました。3月1日,卒業を祝って
「6年生を送る会」を行い,各学年からの工夫した出し物で最後の楽しい一時を過ごしました。

 卒業は,親しい人との別れですが,新たな旅立ちのスタートラインでもあります。1月中旬から6年生と給食の時間を使って,校長室で会食を行いました。5,6人と給食を食べながら,いろいろな話やゲームを楽しみました。一人一芸の発表では,楽器の演奏や縄跳び,剣玉や手品など,得意技を披露し,普段見られない一面を見せてくれました。また,中学校での抱負や将来の夢を語る自信に満ちた姿に,6年間の成長を感じました。高野山小学校を卒業していく子ども達は,自信を持って次のステージへのスタートができると確信できました。

 6年間の成長は,一年一年の積み重ねです。6年生を送る会の各学年の出し物を見ていると,どの学年の子ども達にも確かな成長を感じることができました。過ぎてみるとあっという間の1年ですが,日々の学習と経験は,子ども達にとって貴重な財産となっています。

 学年の修了を一区切りとして,1年を振り返ってみましょう。頑張ったことを自信にして,次の学年の目標を立てることも大切です。5回の修了を充実させることで,6回目の修了(卒業)がより感動的に迎えられるようにしていきたいものです。短い3月ですが,残り少ない学校生活を充実させ,晴れやかな気持ちで修了と卒業が迎えられるように,取り組んでいきたいと思います。